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レポートReport
発足から14年、アメリカ、イギリス、タイ、マカオと、さまざまな国でイベントを開催して来たD1だが、今回はロシアにてイベントを初開催することとなった。ロシアのなかでも東の都として栄え、成田空港から約2時間、時差もたったの+2時間という都市であるウラジオストク。ここに建設中のサーキット"プリムリング"のパドックエリアに特設コースを建設し、サーキットのオーナー企業でもあるスモトリマシナリーグループ(代表ヴェルキーンコ ヴィタリー氏)と協力してD1プリムリンググランプリを開催した。
イベントは金土日の3日間で、金曜日と土曜日に現地ドリフト競技シリーズで9年の歴史を持つRDS(ロシアドリフトシリーズ)の第5戦がおこなわれ、日曜日にD1GP vs RDSのエキジビションマッチがおこなわれた。
ロシアではじめてのD1イベントということもあり、現地ドリフトファンの期待感は想像以上! 予想を大きくうわまわる3日間で11,000名以上の観客が集まり、大観衆の見守るなか、熱く激しい戦いが繰り広げられた。
単走予選Tanso Qualify
Qualify 1st Place
D. Idiyatulin アルテッツァ [ SXE10 ]
Qualify 2nd Place
G. Chivchyan [ S15 ]
Qualify 3rd Place
T. Hibino [ S15 ]
D1GP vs RDSのエキジビションマッチでは、D1GP代表の8名とRDS代表の16名の計24名によって争われる。
まずおこなわれたのはRDS代表選手を決める単走競技。RDS第5戦の単走予選(16名が追走進出できる)が選抜競技の役割を兼ねられた。
日本とはちがい本番本数が3本ある単走予選だが、RDSでは3速まで入るレイアウトがあまりないらしいこともあり、1コーナーから2コーナーにかけての高速振り返しで失敗するケースが多くクラッシュも多発。参加選手のなかでもレベル格差の大きいRDSでは、下位グループから追走進出を決める選手はほとんどあらわれなかった。
しかし上位グループになると状況が一変。多少のふらつきやミスはみられたものの、3本でまとめてくる選手も多く、つぎつぎと得点が塗り替えられる。
トップ通過したのはRDS西シリーズで活躍するディマ イディアトゥーリンで、キレのある飛び込みからただひとり99点台をたたき出した。
つづいて2位通過を決めたのは、昨年のTOKYO DRIFTでも8位入賞した"ゴーチャ"ことジョージ チフチャン。3位には今シーズンからRDSに参加して"ヒビーニョ"と呼ばれて親しまれている日比野哲也が入った。
Pick Up It !!
Savochkin [ JZX90 ]
Pick Up It !!
S. Ishikawa [ S15]
Pos. | No. | Driver | Car | Score |
1 | 48 | Idiyatulin | SXE10 | 99.01 |
2 | 55 | Chivchyan | S15 | 98.59 |
3 | 42 | Hibino | S15 | 98.58 |
4 | 43 | Panchenko | ZN6 | 98.51 |
5 | 54 | Tsaregradtsev | BNR32 | 98.00 |
6 | 14 | Sedykh | S15 | 97.76 |
7 | 16 | Savochkin | JZX90 | 97.27 |
8 | 1 | Fedorov | PS13 | 97.13 |
9 | 50 | Kurenbin | FD3S | 96.75 |
10 | 4 | Bulychev | PS13 | 96.44 |
11 | 40 | Vorobyev | C35 | 96.44 |
12 | 9 | Avsharov | S14 | 96.35 |
13 | 34 | Abramov | S14 | 96.32 |
14 | 23 | Nemaltsin | C33 | 96.06 |
15 | 18 | Ri | AE86 | 95.66 |
16 | 3 | Shumilkin | Z33 | 95.37 |
▲ 以上 追走予選進出 ▲ | ||||
17 | 6 | Dubovik | S14 | 95.16 |
18 | 2 | Denisevich | RPS13 | 94.68 |
19 | 36 | Simonenko | S14 | 94.68 |
20 | 5 | Chernysh | JZX100 | 94.41 |
21 | 17 | Lisitsa | S15 | 94.18 |
22 | 38 | Potapov | RPS13 | 94.15 |
Pos. | No. | Driver | Car | Score |
23 | 52 | Ermohin | S15 | 93.67 |
24 | 51 | Losev | JZX81 | 93.50 |
25 | 24 | Kulyaev | PS13 | 92.93 |
26 | 44 | Pavshin | C35 | 92.82 |
27 | 20 | Rudichev | RPS13 | 92.77 |
28 | 57 | Yatsenko | PS13 | 91.92 |
29 | 28 | Solonenko | JZA80 | 91.75 |
30 | 41 | Linkov | JZX81 | 91.26 |
31 | 45 | Ishikawa | S15 | 90.82 |
32 | 8 | Malyarov | S14 | 89.98 |
33 | 25 | Gorchakov | PS13 | 89.38 |
34 | 7 | Mikhailov | JZX100 | 88.39 |
35 | 21 | Tsymbal | C35 | 87.07 |
36 | 46 | Arutyunyan | S15 | 86.80 |
37 | 31 | Rozanov | JZZ30 | 86.48 |
38 | 37 | Shafranovsky | PS13 | 84.76 |
39 | 47 | Rasputniy | RPS13 | 84.50 |
40 | 35 | Shavrak | SXE10 | 79.59 |
41 | 56 | Legay | S15 | 67.72 |
42 | 39 | Puchkov | PS13 | 67.42 |
43 | 53 | Safonov | PS13 | 60.83 |
44 | 19 | Layevskiy | S14 | 26.88 |
- | 49 | Kalyuzhnov | ECR33 | RETIRE |
追走予選Tsuiso Qualify
Pick Up Battle !!
D. Idiyatulin [ SXE10 ] vs Vorobyev [ C35 ]
Pick Up Battle !!
G. Chivchyan [ S15 ] vs I. Fedorov [ PS13 ]
Pick Up Battle !!
E. Sedykh [ S15 ] vs Avsharov [ S14 ]
Pick Up Battle !!
日比野 哲也 [ S15 ] vs A. Bulychev [ PS13 ]
土曜日におこなわれたRDS第5戦の最終順位をもとに組み合わせが決められ、いよいよはじめられるD1GP vs RDSのエキジビションマッチ。RDS代表選手16名で争われる追走予選では、じゅうぶんな追走シミュレーションが朝イチからおこなわれていたため、かなり熱い対戦が繰り広げられた。
とくに印象深かったのは、2012年、2013年のRDSシリーズチャンピオンであるイリヤ フェトロヴと、昨年のTOKYO DRIFTでも活躍して8位入賞した"ゴーチャ"ことジョージ チフチャンの対戦だ。超人気選手どうしの対戦は期待感も最高潮! 追走予選でいちばんの盛りあがりを見せた。
まずはゴーチャ先行の1本目、1コーナーの振り出しではやや距離をあけていたイリヤだったが、審判席まえまでにスルリと寄せてきて、その後は感覚をキープ。ゴーチャが8ランクだったに対して9ランクの評価を得て1ランクのアドバンテージを獲った。入れ替えた2本目、こんどは後追いのゴーチャが魅せた。1本目のイリヤと同様に相手の懐に入り込み8対9でゴーチャが取り返して再戦に突入した。
しかしその1本目、後追いのイリヤは4コーナーで戻ってしまい、入れ替えた2本目も振り返しでスピンしてしまったため、ゴーチャが勝ちあがることとなった。
全体的にはおおむね単走でも上位の選手が勝ちあがる結果となり、D1GP8選手と対戦するRDS代表の8名が決定した。
単走決勝Tanso Final
Tanso 1st Place
内海 彰乃 シルビア [ PS13 ]
Tanso 2nd Place
齋藤 太吾 [ JZX100 ]
Tanso 3rd Place
手塚 強 [ JZX100 ]
つづいておこなわれた競技は、ベスト16追走決勝トーナメントのD1GP代表選手が入る組み合わせを決めるための単走決勝だ。
RDS代表選手を決定する単走予選とはちがい、最後はドリフト駐車でフィニッシュとなるためDOSS得点はそれほどよくならない傾向にあるなか、余裕の90点オーバーを連発!
なかでも内海は高い車速からキレのある振り出し&振り返しで審判員席まえに飛び込み、97点オーバーを獲得。ドリフト駐車はミスったものの、これは得点に反映されないため、トップ通過を果たした。つづいたのはトラブルつづきで練習走行はあまりこなせなかったものの、本番ではきっちりと決めてきた齋藤太吾で、3位には練習走行から好調だった手塚が入った。
Pick Up It !!
今村 陽一 [ JZA80 ]
Pick Up It !!
団体走行
Pos. | No. | Driver | Car | Score |
1 | 83 | 内海 彰乃 | PS13 | 97.91 |
2 | 86 | 齋藤 太吾 | JZX100 | 97.35 |
3 | 88 | 手塚 強 | JZX100 | 97.19 |
4 | 87 | 末永 正雄 | FD3S | 97.09 |
5 | 84 | 川畑 真人 | RPS13 | 95.03 |
6 | 82 | 上野 高広 | JZZ30 | 93.95 |
7 | 85 | 古口 美範 | UZZ40 | 92.33 |
8 | 81 | 今村 陽一 | JZA80 | 91.47 |
追走決勝トーナメントTsuiso Final Tournament
Final Battle
末永 正雄 RX-8 [ SE3P ] vs 齋藤 太吾 MARKⅡ [ JZX100 ]
ついにはじまった記念すべきD1GP vs RDSの追走バトル。ベスト16はかならずD1GP選手 vs RDS選手の対戦となった。
RDS選手のレベルは予想以上に高かったものの、安定度で勝るD1GP選手が1回戦ではおおむね勝ちあがる結果となった。しかし、2本ともミスのあった川畑と古口がここで敗れ、ヒビーニョと呼ばれて親しまれ、RDSでも活躍する日比野と対戦した上野が、接戦のすえここで敗れた。
ベスト8で見どころとなったのは齋藤とゴーチャの対戦だ。ゴーチャはRDSでも屈指の人気選手なだけあり、スタート時にデフブローした彼が復活できるとわかるやいなや、愛称である"ゴーチャ"コールが鳴り止まない! 対戦もかなり熱いものとなり、決着は再戦に持ち越された。しかしその1本目、後追いのゴーチャにミスが発生! 入れ替え2本目は齋藤がキッチリと寄せきって齋藤がベスト4に進出した。
ベスト4に進出したのは、今村、末永、齋藤、日比野の4名。まずは今村と末永が対戦して再戦までもつれるも、最後は末永の寄せが勝って勝利。齋藤と日比野の対戦は、齋藤先行時にイーブンしかとれなかった日比野に対して、齋藤はキッチリとアドバンテージを獲って決勝戦に進出した。
決勝は末永と齋藤の対戦だ。まずは末永先行の1本目。末永も悪くない飛び込みから8ラクを獲る走りを決めたが、齋藤は2ランク差まではいかないものの、振り出しからかなり近い距離で寄せきって9.5ランクを獲得した。そして2本目「この差なら再戦か!?」と思われたが振り出しで末永があり得ない距離から進入! しかし距離がわずかに近すぎたか、振り返しで接触があり、末永のフロントアームが破損! 末永はこれで走行不能となったため齋藤が記念すべき大会の初王者の栄冠を獲得した。
3rd Place Battle !!
今村 陽一 [ JZA80 ] vs 日比野 哲也 [ S15 ]
Pick Up Battle !!
齋藤 太吾 [ JZA80 ] vs G. Chivchyan [ S15 ]
Pick Up Battle !!
内海 彰乃 [ PS13 ] vs 今村 陽一 [ JZA80 ]
Pick Up Battle !!
手塚 強 [ JZX100 ] vs 日比野 哲也 [ S15 ]
Pick Up Battle !!
末永 正雄 [ SE3P ] vs D. Idiyatulin [ SXE10 ]
Pick Up Battle !!
川畑 真人 [ RPS13 ] vs D. Idiyatulin [ SXE10 ]
Pick Up Battle !!
古口 美範 [ UZZ40 ] vs G. Chivchyan [ S15 ]
Pick Up Battle !!
上野 高広 [ JZZ30 ] vs 日比野 哲也 [ S15 ]
優勝WINNER
SUNOCO・PHAT FIVE RACING
MARKⅡ [ JZX100 ]
今回は作ってはじめて乗ったクルマだったので、フロントパイプの溶接が取れちゃったりエキマニが割れちゃったり、ちょこちょこトラブルがあったんですけど、現地のひとがやさしくて、みんなで対応して直してくれました。
コース自体はそんなにむずかしくなかったんですけど、トラブルのせいでそんなに練習はできなくて、何周か走ってトラブルが出て…みたいなかんじでしたね。まぁイメージはできてたんで「なんとかなるかなぁ〜」とは思ってましたけど。
単走は負けても残るんだったらちょっとカッコいいのやりたかったんですけど、あんまいいのは走れなかったですね。
ベスト16ではSR20載せたAE86のリーと対戦したんですけど、まわりがフラフラしたりトリッキーだからどうのって脅すからビビっててたんですよ。先行でオレも1回失敗してクラッシュパッドにあたって戻っちゃたけど、うしろもスピンしちゃったんで、入れ替えではそれなりにできて勝てたかんじでしたね。
ベスト8はゴーチャとやったんですけど、スタートしたら彼のデフが壊れちゃって、ぜんぶやり直しになったんですよ。で、最初はゴーチャがうしろで1回ぶつかってきて、オレも後追いで戻ってサドンデスになったけど、そこではうまく合わせて勝てましたね。
1コーナーは道がちょっとボコッとしてたんで、そのへんでハンドル獲られたりするドライバーが多かったかんじですね。
ベスト4は日比野さんで、1コーナーでオレがけっこう刈り込んじゃって「負けたかな〜」と思ったんですけど、結果的には勝ててたみたいで、これはラッキーでした。
決勝は「どうせだからビッチリやろう」と思ってて、それなりに思ってた通りにできたんじゃないかなと思います。で、2本目は末永さんもやられたのはわかってたと思うんで、攻めたんでしょうけど…当たっちゃいましたね。
やっぱりうれしいですよね勝てて。あんまり今年は本戦がよくないんで若干複雑ですけど、まぁあとお台場があるんで最後はスッキリといきたいですね。
どこの国でもそうですけど、最近はみんなうまいんでもっとD1もがんばんないとなぁと。
クルマ的にもヨーロッパ系の切れ角アップキットをつけてたりしますし、馬力もそれなりにでてたりしたましたからね。まだまだセットとかがよくないのか生かしきれてないひとも多かったんですけどね。
リザルトResults
Pos. | No. | Driver | Team | Car | Color | Tire |
1st | 86 | 齋藤 太吾 | SUNOCO・PHAT FIVE RACING | JZX100 | 赤 | ATR RADIAL |
2nd | 87 | 末永 正雄 | Team RE雨宮 OVERDRIVE with M-Storm and 3M | SE3P | 黒・黄 | YOKOHAMA |
3rd | 81 | 今村 陽一 | OTG Motor Sports | JZA80 | 青 | FALKEN |
4th | 42 | Tetsuya Hibino | GRAND RACER | S15 | 白 | YOKOHAMA |
Best8 | 83 | 内海 彰乃 | RC926 with TOYO TIRES | PS13 | 青 | TOYO TIRES |
48 | Damir Idiyatulin | SXE10 | 緑 | |||
55 | Georgy Chivchyan | NGK Motor Sport team | S15 | 黄 | TOYO TIRES | |
88 | 手塚 強 | GOODYEAR Racing with Bee★R | JZX100 | 白 | GOODYEAR | |
Best16 | 34 | Aleksandr Abramov | S14 | 黄 | ||
54 | Akadiy Tsaregradtsev | BNR32 | 白 | FEDERAL | ||
14 | Ekaterina Sedykh | GRAND RACER | S15 | 白 | YOKOHAMA | |
84 | 川畑 真人 | Team TOYO TIRES DRIFT TRUST RACING | RPS13 | 青 | TOYO TIRES | |
18 | Denis Ri | Vario Speed Drift Team | AE86 | 黒 | ||
85 | 古口 美範 | Team UP GARAGE with DRoo-P | UZZ40 | 白・黒 | FALKEN | |
16 | Aleksandr Savochkin | JZX90 | 銀 | GOODRIDE | ||
82 | 上野 高広 | TEAM VERTEX with CAR GUY | JZZ30 | 白 | YOKOHAMA | |
Best24 | 3 | Egor Shumilkin | Z33 | 白 | YOKOHAMA | |
43 | Evgeniy Panchenko | Autoprofi Drift Team | ZN6 | 赤 | ||
9 | Konstantin Avsharov | Mitasu Drift Team | S14 | 赤 | ||
40 | Sergei Vorobyev | C35 | 白 | GOODRIDE | ||
50 | Ivan Kurenbin | FD3S | 白 | |||
1 | Ilia Fedorov | PS13 | 青 | |||
23 | Ilya Nemaltsin | C33 | 白 | |||
4 | Aleksandr Bulychev | PS13 | オレンジ |