2018年王者の横井昌志は市販品中心のS15シルビアで開幕2連勝スタート！

　2台のトヨタGRスープラやフェラーリF550マラネロなどのニューマシンに注目が集まったD1グランプリの2019年シリーズ開幕戦だったが、蓋を開けてみれば2018年のシリーズチャンピオンである横井昌志選手が第1戦、第2戦ともに優勝を飾り、2019年シリーズも絶好のスタートを切る結果となった。しかも第1戦は単走優勝も飾る完全勝利だったのだ。
　横井選手の駆るS15シルビアは、2018年シーズン開幕戦から投入されたマシンで、それ以前に乗っていたおなじS15シルビアより100kgも軽く作られているという。
　また、エンジンはほかのD1マシンでも多く採用されているトヨタの2JZエンジンに載せ換えられており、900ps以上を発揮するハイパワー仕様にチューニング済みだ。
　車高調やアーム類などの足まわりはD-MAXの市販パーツを中心に構成されており、リヤラジエター化も敢行されるなど最先端ドリ車のトレンドをおさえた改造がほどこされている。いっぽう、構成部品はHCR32純正キャリパーやBCNR33純正ナックルといった純正流用パーツや市販パーツなども使われており、ワンオフパーツは極力使われていないのも特徴だ。
　シーズンオフの期間にマシンを仕様変更してくるチームが多いなか、TEAM D-MAX RACINGのS15シルビアは「仕様変更はいっさいしていないですね」ということから、成熟の域に達しているようすがうかがえる。
　ドライバーの横井選手も、走りや立ち居振る舞い、マイクパフォーマンスと、どれをとっても王者の貫禄を醸し出している。次戦となる十勝大会では昨シーズンも優勝しているだけに、今年も好成績を出すことができれば、早くも2019年シリーズチャンピオンの可能性が見えてくるといった状況だ。
　この勢いを止める選手は現れるのか、北の大地で開催されるHOKKAIDO DRIFTに注目したい。

ハードウェットからドライまで、さまざまな路面コンディションとなった筑波大会では、30名以上の参加者のなかでもっとも安定した走りを見せていたのが横井選手だ。第1戦は絶好調の走りを見せた日比野選手を撃破。第2戦は植尾選手に勝利して2連勝。シリーズではダントツトップに躍り出た。

昨シーズンにデビューした横井選手が駆るD-MAX S15 SILVIA。3.4ℓ化された2JZ-GTEを搭載し、GTX4088タービンを組み合わせて950psを発揮。2019年シリーズに向けての変更点はないものの、トラブルらしいトラブルもなく絶好調な状態だ。

チーム体制も盤石で、マシントラブルもほとんど発生しない状態まで熟成がすすんでいるTEAM D-MAX RACING。今シーズンからは香港のチャールズ･エン選手も加入しており、彼の活躍にも期待がかかる。