D1GP RD.3 筑波詳細レポート

2023 GRAN TURISMO D1 GRAND PRIX SERIES RD.3 TSUKUBA
2023年グランツーリスモD1グランプリシリーズ第3戦筑波
開催日：2023年6月24日(土)
会場：筑波サーキット
コースコンディション：ドライ
延動員数：4,051名(3日間合計)

トラブルを克服してきた植尾が優勝！

第3戦単走決勝

Tanso 1st Place
**蕎麦切広大**
SHIBATIRE RACING
SHIBATIRE Q60 (Q60)

鋭い振り出し、振り返しで蕎麦切が単走優勝

　第3戦の舞台は2年ぶりの開催となる筑波サーキット。最終コーナーをスタートし、競技区間はストレートからヘアピンを立ち上がったところまでになる。2年前と大きく異なるのは、1コーナーの通過指定ゾーンがアウト側に設定されたことだ。それもあって、1コーナーとヘアピンでコースを飛び出して減点される選手が多かった。

　そのなかで、4番手走者の横井が、1本目に1コーナーに向けて勢いのある振り出しを見せ、ヘアピンやS字でも大きな角度をつけて98.93点という高得点を獲得。トップに立つ。続くBグループでは末永が全体的に減点のない走りに加えて、ヘアピンへの飛び込みでキレのある振り出しを見せて98.30点をマーク。さらに目桑が1コーナーとヘアピンへの飛び込みでダイナミックな振りを見せて98.18点を出したが横井にはおよばなかった。

　そしてCグループでは、蕎麦切がやはり1コーナーとヘアピンに向けての角度変化で高得点を稼ぎ、99.05点をマーク。横井を抜いてトップに立った。Dグループでは、これらの選手をうわまわる得点は出ず、蕎麦切が単走優勝を果たした。

通過指定ゾーンは、ストレート、1コーナーのアウト側、ヘアピンのアウト側の3ヶ所に設定された。

1本目はヘアピンで飛び出してしまったルーキーの粂だが、2本目はまずまずまとめて14位に入り、初の追走進出を果たした。

1本目はヘアピンでコースからはみ出してしまい、2本目は角度の安定性などで点が伸びず、北岡は17位で敗退した。

1本目はゾーン2をはずし、2本目はコーナーでの角度安定性などで点を落とし、川畑は18位で単走敗退となった。

前日にミッションブローした植尾は、スペアが熊本から航空便で届き、ギリギリ間に合って出走して16位通過を果たした。

朝のチェック走行でエンジンブローしてしまった齋藤。本番までには載せ替えることができず、リタイヤとなった。

Pos.	Gr.	No.	Driver	Car	Best Score	2nd Score
1	C	31	蕎麦切広大	Q60	99.05	94.05
2	A	70	横井昌志	S15	98.93	79.10
3	B	46	末永正雄	S15	98.30	97.64
4	B	79	目桑宏次郎	E92	98.18	40.69
5	A	66	藤野秀之	ZN8	98.16	95.79
6	A	77	松山北斗	A90	98.06	44.63
7	B	45	Chanatpon Kerdpiam	S15	97.56	95.20
8	C	99	中村直樹	ZN8	97.55	96.93
9	C	2	田中省己	S15	97.23	97.03
10	C	98	ヴィトー博貴	PS13	97.17	93.46
11	C	51	岩井照宜	FC3S	97.11	95.48
12	C	7	松井有紀夫	FD3S	97.02	94.43
13	D	18	日比野哲也	ZN8	96.98	95.43
14	A	8	粂哲也	S15	96.95	78.08
15	D	95	Daychapon Toyingcharoen	JZZ30	96.65	58.32
16	D	15	植尾勝浩	S15	96.37	96.15
▲追走トーナメント進出▲
17	C	52	北岡裕輔	JZX100	96.08	95.51
18	A	88	川畑真人	ZN8	95.14	92.72
19	A	33	石川隼也	ZN8	95.00	0.00
20	C	30	中田哲郎	JZX100	94.84	94.18
21	D	11	村上満	ZN8	94.64	92.23
22	B	12	久保川澄花	RPS13	94.60	94.13
23	C	6	内海彰乃	S15	94.57	93.84
24	B	56	森孝弘	RPS13	93.67	72.77
25	B	78	上野高広	GSC10	93.30	76.46
26	A	27	茂木武士	S15	91.25	65.42
27	D	39	長井利樹	PS13	89.62	71.27
28	D	93	加納広貴	S15	88.79	22.62
29	B	86	笹山栄久	ZN8	88.20	27.06
30	D	9	山本航	S15	81.46	62.30
31	B	23	下田紗弥加	S15	78.58	76.68
32	A	55	松川和也	AE85	78.38	0.00
33	A	16	山口孝二	E92	77.34	67.28
34	A	90	最上弦毅	A90	72.11	71.23
35	D	43	田所義文	AE86	71.41	29.72
36	D	69	秋葉瑠世	S15	28.30	0.00
–	B	87	齋藤太吾	A90	RETIRE

第3戦単走優勝

蕎麦切広大

SHIBATIRE RACING
SHIBATIRE Q60 (Q60)

　最初ちょっとゾーンとかは苦戦してましたけど、昨日から今日にかけての練習で、ぼちぼちまとまってきたかなと思います。昨日も練習のときからDOSS点だと99点超えてたんで、ちゃんと練習通りに落ち着いて走ろうかなっていうかんじでした。

　(難しかったところは？) 1コーナーのゾーンがちょっと特殊な位置っていうか、自分は慣れない場所だったんで、それだけどうやって通ろうかなっていうのはけっこう考えてました。

　今日の本番、1本目は8割ぐらいのかんじでリラックスして気負わずに楽しく走りました。で、できもまあまあいいかんじかなという手応えはありました。練習通りかなと。で、得点を聞いて、その時点で1位だなってのも思ったんですけど、でも伸ばせる余力というか、伸びしろは全然あったんで、もっと伸ばそうかなと思って2本目行ったら、やりすぎちゃいました。

　1コーナーから振り出しすぎ……角度つけすぎちゃったりだとかそういうところからはじまって、1コーナーコースアウトみたいなかんじでうまくいかないかったです。まあでも、どうにか逃げ切ることができて安心してます。

　前戦の奥伊吹とかもけっこう単走を狙える走りができてたんですけど、前戦はとりこぼしちゃったっていう結果があったんで、今回ちゃんとまずは1日目の単走獲れてよかったです。

第3戦単走ハイライト

第3戦追走トーナメント

Final Battle
**植尾勝浩** (S15) vs **松山北斗** (A90)
松山は、後追いからは植尾に距離を開けられてしまい、先行時にもヘアピンではみ出すなどのミスをしてしまった。

圧倒的なスピードで植尾が最年長優勝記録更新

　ベスト16の最初の対戦は、単走優勝の蕎麦切と単走16位通過の植尾がおたがいにいい走りを見せたが、DOSS点と接近ポイントそれぞれで植尾がうわまわって勝った。

　また、中村vs田中は中村先行時の1本目にヘアピンで中村がコースアウト。この際にタイヤがビード落ちしてレギュレーションにより田中の勝ちになった。

　目桑vs日比野は、日比野先行時のヘアピンの立ち上がりでの失速が減点されて目桑が勝利。藤野vs松井の対戦は、1本目に接触があり、破損箇所を松井が修理しきれずに藤野の勝ちとなった。

　ベスト8のカードのうち、植尾vs田中は、植尾がミスをしながらも田中に対してスピードでうわまわって勝利。目桑vs藤野の対戦も、目桑が接近ポイントでうわまわって勝った。

　ベスト4に勝ち上がったのは植尾、目桑、横井、松山。植尾vs目桑は、まだBMWが仕上がりきっていない目桑がスピードでも劣勢だったが、先行時にヘアピンで飛び出して植尾の勝ちが決まった。横井vs松山は、1本目は先行の横井が1コーナーでコースアウト。松山も一緒に飛び出してしまったが松山のほうが得点は高かった。2本目は横井が近いドリフトを見せたが、ヘアピンでドリフトがもどってしまい松山が勝った。

　決勝は植尾vs松山。松山は加速で植尾に追いついてしまったところからリズムを崩し、離されてしまう。松山は2本目にもミスをして植尾の優勝が決まった。

Semi Final Battle
**植尾勝浩** (S15) vs **目桑宏次郎** (E92)
植尾が終始いい走りをしていたのに対して、スピードで劣勢だった目桑はヘアピンで飛び出してしまった。

Semi Final Battle
**横井昌志** (S15) vs **松山北斗** (A90)
1本目の判定は松山がリード。2本目は横井がいい追走を見せたが最後にドリフトがもどって逆転はならなかった。

Pick Up Battle
**中村直樹** (ZN8) vs **田中省己** [S15)
中村は1本目の先行時にコースアウト。パワステのトラブルが起こってしまったのが原因だという。

Pick Up Battle
**藤野秀之** (ZN8) vs **目桑宏次郎** (E92)
目桑が接近ポイントで藤野をうわまわって勝利。今季投入したBMWも、前戦から大幅に完成度を高めてきた。

Pick Up Battle
**末永正雄** (S15) vs **粂哲也** (S15)
末永のミスもあったが、粂も先行でいい走りを見せて、初の追走トーナメントでベスト8進出を果たした。

Pick Up Battle
エス (S15) vs **ヴィトー博貴** (PS13)
やや荒削りでゾーンをはずしやすいがスピードはあるエスに対して、ヴィトーは安定した走りを見せて勝った。

第3戦優勝

植尾勝浩

VALINO VAZESTRA
VALINO VAZESTRA S15 (S15)

　昨日チェックランでミッションが壊れたんですよ。だから、もうDOSSも1回も測ってなくて、なにもデータがなくて、だからどうしようってなったんですけど、まず直すのが先だったんで、航空便でミッションを送ってもらって、今朝もうリタイヤですっていってたんだけど、着いちゃって、スケジュールが全体的にディレイしてたから載せ替えが間に合ったんですよ。

　で、走って16位だったんすよね。それで、なんとなく「来てるな」っていうのはあって。で、クルマをちょっと乗りやすくしたんですよ。尖らせずにですね。そしたらとたんに乗りやすくなって踏めるようになったから、もうそれからは触るのやめようってなって。

　で、追走1回目が蕎麦切広大くんだったんで、走りをコピーしようと思って。(蕎麦切選手が) 点数出てるからですね。で、コピーしてそれをやり返したら、意外とよかったんです。そういう走らせかたを教えてもらったっていうかパクッたから、次はみんなにそれを応用きかしやろうと思ったら、どんどん勝っていって、松山くんが最後だったんですけど、スピードでやられるぐらいだったら、ちゃんとついていってみようと思って、行ったら意外とついていけたんで。あとは2JZエンジンとVRエンジンの特性で速いところと遅いところといろいろあるんで、そのへんが上手いこと、そこの部分では、VRがちょっと勝算が出たかなというかんじですね。そんなかんじでよかったと思います。

　追走になれば、みんな速いクルマに引っ張られると点数出ないってわかってるから引っ張ってやろうと思ってですね。だからやっぱり腕より道具かなと思って (笑)。

　(ずっと先行でいい走りをしてましたね) そうですね。だから今回は途中からもずっと先行99点だったから、もう99点とれれば後追いできっちりつかまえていけばいいだけだからと思って、よかったと思います。

　(優勝は久しぶりですが？) 2、3年前のオートポリス以来ですね。また最年長記録伸ばしたじゃないですか。とりあえず51歳で。そこをいつも目指してるからですね。またがんばります！

第3戦 2位

第3戦 3位

第3戦優勝チーム

第3戦ベストメンテナンス

第3戦追走ハイライト

第3戦暫定最終順位&ポイント

Pos.	No.	Driver	Team	Car	Tsuiso Points	Tanso Points
1	15	植尾勝浩	VALINO VAZESTRA	S15	25
2	77	松山北斗	+LenoRacing watanabe	A90	21
3	70	横井昌志	D-MAX RACING TEAM	S15	０	０
4	79	目桑宏次郎	TMS Racing Team G-meister	E92	16	1
5	66	藤野秀之	TEAM TOYO TIRES DRIFT	ZN8	13
6	2	田中省己	SHIBATIRE RACING SEIMI STYLE D	S15	12
7	98	ヴィトー博貴	DRIFT STAR Racing × RACING GEAR	PS13	11
8	8	粂哲也	HIRANO TIRE ★ VALINO RACING	S15	10
9	31	蕎麦切広大	SHIBATIRE RACING	Q60	8	4
10	46	末永正雄	D-MAX RACING TEAM	S15	7	2
11	45	Chanatpon Kerdpiam	GOODRIDE × NEXZTER	S15	6
12	99	中村直樹	TEAM VALINO × N-style	ZN8	0
13	51	岩井照宜	RS Watanabe SPEED MASTER	FC3S	4
14	7	松井有紀夫	TEAM RE雨宮マツモトキヨシ APA	FD3S	3
15	18	日比野哲也	SHIBATIRE RACING	ZN8	2
16	95	Daychapon Toyingcharoen	TEAM VERTEX × NEXZTER × D2D	JZZ30	1

※ #99 D1規則付則-D1 13 に従い、タイヤのビード落ちのため当該大会のポイントは与えられない。
※ #70 D1規則付則-D1 7.2)2 に従い、タイヤ規則違反のため当該大会のポイントは与えられない。

第3戦暫定単走順位&ポイント

Pos.	No.	Driver	Team	Car
1	31	蕎麦切広大	SHIBATIRE RACING	Q60	20
2	70	横井昌志	D-MAX RACING TEAM	S15	0
3	46	末永正雄	D-MAX RACING TEAM	S15	15
4	79	目桑宏次郎	TMS Racing Team G-meister	E92	14
5	66	藤野秀之	TEAM TOYO TIRES DRIFT	ZN8	13
6	77	松山北斗	+LenoRacing watanabe	A90	12
7	45	Chanatpon Kerdpiam	GOODRIDE × NEXZTER	S15	11
8	99	中村直樹	TEAM VALINO × N-style	ZN8	0
9	2	田中省己	SHIBATIRE RACING SEIMI STYLE D	S15	8
10	98	ヴィトー博貴	DRIFT STAR Racing × RACING GEAR	PS13	7
11	51	岩井照宜	RS Watanabe SPEED MASTER	FC3S	6
12	7	松井有紀夫	TEAM RE雨宮マツモトキヨシ APA	FD3S	5
13	18	日比野哲也	SHIBATIRE RACING	ZN8	4
14	8	粂哲也	HIRANO TIRE ★ VALINO RACING	S15	3
15	95	Daychapon Toyingcharoen	TEAM VERTEX × NEXZTER × D2D	JZZ30	2
16	15	植尾勝浩	VALINO VAZESTRA	S15	1

第3戦暫定チーム順位&ポイント

Pos.	No.	Team	Driver	Points
1	15	VALINO VAZESTRA	植尾勝浩	26
2	77	+LenoRacing watanabe	松山北斗	20
3	70	D-MAX RACING TEAM	横井昌志	0
4	79	TMS Racing Team G-meister	目桑宏次郎	10
5	66	TEAM TOYO TIRES DRIFT	藤野秀之	6
6	2	SHIBATIRE RACING SEIMI STYLE D	田中省己	6
7	98	DRIFT STAR Racing × RACING GEAR	ヴィトー博貴	6
8	8	HIRANO TIRE ★ VALINO RACING	粂哲也	6
9	31	SHIBATIRE RACING	蕎麦切広大	3
10	46	D-MAX RACING TEAM	末永正雄	3
11	45	GOODRIDE × NEXZTER	Chanatpon Kerdpiam	3
12	99	TEAM VALINO × N-style	中村直樹	0
13	51	RS Watanabe SPEED MASTER	岩井照宜	3
14	7	TEAM RE雨宮マツモトキヨシ APA	松井有紀夫	3
15	18	SHIBATIRE RACING	日比野哲也	3
16	95	TEAM VERTEX × NEXZTER × D2D	Daychapon Toyingcharoen	3