D1GP RD.8 AP 詳細レポート

2023 GRAN TURISMO D1 GRAND PRIX SERIES RD.8 AUTOPOLIS
2023年グランツーリスモD1グランプリシリーズ第8戦 オートポリス
開催日:2023年10月29日(日)
会場:オートポリス
コースコンディション:ドライ
延動員数:5,113名(3日間合計)

中村直樹が優勝してランキング首位に!


第8戦 単走決勝

Tanso 1st Place
中村 直樹
TEAM VALINO × N-style
SilkBlaze Sports N-style GR86 (ZN8)
Tanso 2nd Place
日比野 哲也
GR86 (ZN8)
Tanso 3rd Place
蕎麦切 広大
Q60 (Q60)

前日の得点にはおよばなかったが中村が単走2連勝

 第8戦は第7戦の翌日に開催された。コース設定は前日と同様だ。

 朝のチェック走行で事件が起こった。ランキング3位につける藤野の車両がエンジンブロー。エンジン換装を試みるが出走することはできなかった。

 Aグループでは99点台が出なかったが、B①グループの日比野が躍動性の高い飛び込みと、振り返し後の安定したコーナリングで点を稼ぎ99.56点をマーク。B②グループで走行した蕎麦切もクイックな振り出しと、安定したコーナリングで99点を超えてきたが日比野にはおよばない。いっぽう、ランキング2位の松山が2本ともミス。そして同首位の田中も走りがキマらず、単走で敗退。ポイントランキング上位3人が消える展開となった。

 そして最後の走者である中村が1本目にいきなり99.57点をマーク。2本目にも中村の走行までにこの得点をうわまわる選手は現れず、中村の単走優勝は決まったが、それでも中村は2本目を出走。キレのあるクイックな振り出しと大きな角度で点を伸ばし、自身の前日の得点には0.04点およばなかったものの99.83点で最高得点を更新した。

 なお、1本目の走行で9位に入る得点を出していた北岡が、2本目の走行でビード落ちを起こしたため、シリーズ規則7-2)-⑦の適用により以降の走行は認められず、追走トーナメントには17位の石川が繰り上がった。

藤野のチームは出走約1時間半前にエンジン交換作業をスタートしたが、Aグループ第一走者だったこともあり、間に合わなかった。
昨年のオートポリス以来の出走となった北芝だが、車速が低く、振り出し位置も手前すぎるなどして2日とも追走進出はならなかった。
1本目に高得点をとった齋藤だったが、2本目はクラッシュ。マシンのダメージはそれほど大きくなく、追走に出走することはできた。
車速は高かったが、1本目には角度が浅くなり、2本目はスピンを喫してランキング2位の松山が敗退。シリーズ順位を落とすことになった。
ポイントリーダーの田中は2本とも走りにダイナミックさを欠き、18位で単走敗退。ランキング首位を維持できなかった。
1本目に高得点をとっていた北岡だが、2本目にコースアウトした際にタイヤのビード落ちを起こし、失格となって追走進出を逃した。
Pos. Gr. No. Driver Car Best Score 2nd Score
1 D 99 中村 直樹 ZN8 99.83 99.57
2 B 18 日比野 哲也 ZN8 99.56 98.31
3 B 31 蕎麦切 広大 Q60 99.46 98.64
4 B 87 斎藤 太吾 A90 98.96 39.81
5 C 98 ヴィトー 博貴 PS13 98.52 93.25
6 D 56 森 孝弘 RPS13 98.43 79.16
7 A 51 岩井 照宜 FC3S 98.42 97.26
8 A 88 川畑 真人 ZN8 98.40 98.08
9 C 52 北岡 裕輔 JZX100 98.40
10 D 15 植尾 勝浩 S15 98.24 96.27
11 D 69 秋葉 瑠世 S15 98.14 96.64
12 A 70 横井 昌志 S15 98.09 88.75
13 C 55 松川 和也 AE85 97.87 92.59
14 C 16 山口 孝二 E92 97.77 97.03
15 D 75 畑中 夢斗 JZX100 97.51 96.48
16 C 23 下田 紗弥加 S15 97.39 96.48
17 A 33 石川 隼也 ZN8 97.37 95.14
▲追走トーナメント進出▲
18 B 2 田中 省己 S15 97.20 96.63
19 C 12 久保川 澄花 RPS13 97.16 96.48
20 B 43 田所 義文 AE86 96.97 74.11
21 B 8 粂 哲也 S15 96.96 94.67
22 B 63 Konpichit Toyingcharoen S13 96.86 96.44
23 A 46 末永 正雄 S15 96.85 96.16
24 D 27 茂木 武士 S15 96.20 82.70
25 D 95 Daychapon Toyingcharoen S15 96.12 96.03
26 D 11 村上 満 ZN8 95.95 87.03
27 B 7 松井 有紀夫 FD3S 95.80 95.07
28 C 76 下田 輝昭 S13 95.05 94.20
29 A 9 山本 航 S15 94.87 93.76
30 B 77 松山 北斗 A90 94.31 91.62
31 C 90 最上 弦毅 A90 93.63 67.23
32 D 78 上野 高広 GSC10 93.60 84.78
33 A 86 笹山 栄久 ZN8 93.18 92.61
34 C 48 北芝 倫之 ZN6 92.42 86.56
35 A 89 Lattapon Keawchin A90 91.96 76.34
36 C 79 目桑 宏次郎 E92 78.01  
A 66 藤野 秀之 ZN8 DNS  

※ #52はタイヤビード落ちにより2本目の得点が無効となる。なお、シリーズ規則7-2)-⑦の適用により、以降の走行が認められず、追走進出とはならない。このため17位#33が追走進出となる。


第8戦 単走優勝

中村 直樹

TEAM VALINO × N-stylee
SilkBlaze Sports N-style GR86 (ZN8)

 (昨日のクラッシュからのクルマのダメージは?) 足まわりですかね。なんかちょっとショックがよくないんで、曲がってるんで、リヤのトラクションを落として走ってます。フロントが逃げるんで、だからリヤを弱くしてバランスとって、そのへんがやっぱ99点にはおよばんかったとこかな。あと、車速っすね。

 (でもいまの状態で扱えるようにはなってる?) それは全然いけます。大丈夫です。

 (単走も自信はあった?) ぜんぜんありました。

 (1本目は何割くらいの走り?) 1本目は7割ぐらいで、押さえるとこ押さえて、ちょっと左足ブレーキ使いながら行って。ま、99点ジャストぐらいやったんですけど、思いのほか点が出たんで。2本目は、もうバチっていったんスけど、思いのほかやりすぎて、99.9点には届かんかったんすけど、まあまあ予想通りできました。とりあえず今回は角度、角度で走ろうと思って、深いアングルで走りたかったんで、まぁ、自分けっこう角度つけるのは得意なとこなんで。それをちょっと生かしてがんばりました。

 (2本目を走る前に単走優勝は決まっていたが?) 100点とりたかったんですよね。そこはちょっとやりすぎました。はい、残念です。


第8戦 単走ハイライト


第8戦 追走トーナメント

Final Battle
中村 直樹 (ZN8) vs 秋葉 瑠世 (S15)
両者とも後追いからは見事な接近ドリフトを見せたが、DOSS点、接近ポイントともに中村が上まわった。

フルマーク男・秋葉が決勝初進出も中村が貫禄勝ち!

 オートポリスのような高速サーキットでは、ミニサーキットとくらべると追走での距離は詰めにくい。しかし、この日、ベスト16で秋葉が岩井を相手に接近ポイントでフルマークの15点をとると、接近ドリフトフィーバーが始まった。

 ベスト8では川畑が10ポイント、齋藤が12ポイントをとると、秋葉もまた11ポイントをマーク。そして蕎麦切と横井の対戦では、横井が14.5ポイントをとると蕎麦切が15ポイントで逆転するという接近ドリフトの応酬が見られた。

 ベスト4に勝ち上がったのは、中村、齋藤、秋葉、蕎麦切。最初は中村と齋藤が対戦した。齋藤は後半にかけて寄せていき10の接近ポイントをとったがDOSS点が低くアドバンテージは大きくない。2本目は齋藤が審判席前ではみ出したこともあって、接近ポイントはあまりかせいでいなかった中村が逆転。決勝進出を決めた。

 準決勝もうひとつの対戦は秋葉vs蕎麦切。1本目は先行の秋葉が審判席前ではみ出すが、蕎麦切もあまり接近ポイントがとれず、わずかなリードにとどまる。2本目は蕎麦切が先行でいい走りを見せたが、秋葉がきれいに寄せていき逆転。初の決勝進出を果たした。

 決勝は中村vs秋葉。1本目は中村が先行。秋葉は飛び込みで近い位置につけるが、振り返し後に少し離されてしまう。そのあとふたたび寄せていくがDOSS点が低かったため大きなアドバンテージとはならない。そして2本目、こんどはラインが小さくなってしまった先行の秋葉に対し、同時振りから近いドリフトを見せた中村が逆転。中村がGR86での初優勝を決めた。

 なお、このラウンドの結果、中村がポイントランキングではトップに立ったが、2位の蕎麦切、3位の田中、4位の松山、5位の藤野まで10ポイント差に5人がつけている。

Semi Final Battle
中村 直樹 (ZN8) vs 齋藤 太吾 (A90)
後追い時に、後半にかけて寄せていった齋藤。接近ポイントは稼いだが、先行時、後追い時ともにDOSS点が低く、中村が勝った。
Semi Final Battle
秋葉 瑠世 (S15) vs 蕎麦切 広大 (Q60)
後追い時にインに入りきれなかった蕎麦切に対し、秋葉は後追い時に後半にかけてどんどん寄せていき、接近ポイントを稼いで勝利した。
Pick Up Battle
日比野 哲也 (ZN8) vs 下田 紗弥加 (S15)
ベスト16。先行時にはアドバンテージをとっていた日比野だが、後追い時に審判席前でドリフトがもどってしまい、下田が逆転勝ち。
Pick Up Battle
岩井 照宜 (FC3S) vs 秋葉 瑠世 (S15)
ベスト16。ストレートから岩井のすぐ後ろにつけた秋葉は見事な抜き差しで、接近ドリフトをキープし、接近ポイント15のフルマークを記録した。
Pick Up Battle
中村 直樹 (ZN8) vs 川畑 真人 (ZN8)
ベスト8。川畑は接近ポイントでは中村を上まわったが、角度が浅くなるなどしたためDOSS点が低く、2本のトータルで中村に敗れた。
Pick Up Battle
蕎麦切 広大 (Q60) vs 横井 昌志 (S15)
1本目に横井がビタビタの後追いで14.5の接近ポイントをとると、入れ替えた2本目には蕎麦切が接近ポイント15のフルマークで逆転してみせた。

第8戦 優勝

中村 直樹

TEAM VALINO × N-style
SilkBlaze Sports N-style GR86 (ZN8)

 昨日の事故から、たぶんフロントのショックがよくなくて、気ぃ抜いたらすごいアンダーになるんスよ、フロントが逃げて。ベスト16ではちょっと余裕があったんで、先行でこういう振り返ししたらアンダーどれぐらい出るか、後追いで振り返したらアンダーどれぐらい出るかっていうのを計算して。でも、やっぱり今日の追走は昨日のトラウマが残ってて、なんかうまくできなかったっす。

 そのなかでミスしないように、とりあえずアンダー出たら消してっていうかんじの走りかたで、 ちょっとまあ、決勝はもうええわ思って行ったら、フロントずっとね、煙の中でアンダー出ながら、カウンターは当たりながら、むりやり押し込んでいたかんじですね。フィニッシュラインでスピンモード入りそうになってアセったっすけどね。

 (そんななかでも優勝できたのは?) まあ、なんとか運もありーの。先行で点数落とさんように。リヤ荷重で乗ればぜんぜんアンダー出なかったんで。後追いでちょっとフロント荷重になるとすぐアンダー傾向になるんで、 そのへんで後追いが今回は苦労しましたね。先行はリヤ荷重で乗れるんで。ま、先行がんばったかなってかんじです。あんま自分のスタイルじゃないんですけど勝つためにはやるしかないかなと。

 (GR86に乗ってそのむずかしい状況では優勝できて) そうですね、GR86は昨日の事故まではもう完璧な状態になってたんで。ちょっといろいろ足まわり直して、 お台場で一気に行きたいと思います。

 (ポイントランキングも) はい。なんかいきなり1位っていう、心の準備ができてないようなことになりましたけど(笑)。ちょっとうれしいですね。ギリギリ滑り込みセーフで、GR86が仕上がってきたんで。


第8戦 2位

秋葉 瑠世
Z CHALLENGER × BOOSTAR

第8戦 3位

蕎麦切 広大
SHIBATIRE RACING

第8戦 優勝チーム

TEAM VALINO × N-style

第8戦 ベストメンテナンス

DRIFT STAR Racing × RACING GEAR

第8戦 追走ハイライト


第8戦 最終順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarModelTsuiso PointsTanso Points
199中村 直樹TEAM VALINO × N-styleGR86ZN8254
269秋葉 瑠世Z CHALLENGER × BOOSTARSILVIAS1521 
331蕎麦切 広大SHIBATIRE RACINGQ60Q60182
487齋藤 太吾FAT FIVE RACINGGR SUPRAA90161
598ヴィトー 博貴DRIFT STAR Racing × RACING GEARSILVIAPS1313 
688川畑 真人TEAM TOYO TIRES DRIFT GR86ZN812 
770横井 昌志D-MAX RACING TEAMSILVIAS1511 
823下田 紗弥加Mercury 車楽人 VALINOSILVIAS1510 
918日比野 哲也SHIBATIRE RACINGGR86ZN883
1056森 孝弘GP SPORTS180SXRPS137 
1151岩井 照宜RS Watanabe SPEED MASTERRX-7FC3S6 
1215植尾 勝浩VALINO VAZESTRASILVIAS155 
1355松川 和也広島トヨタ team DROO-PTRUENOAE854 
1416山口 孝二TMS Racing Team G-meisterE923 
1575畑中 夢斗Z CHALLENGER × BOOSTARCHASERJZX1002 
1633石川 隼也広島トヨタ team DROO-PGR86ZN81 

第8戦 単走順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarModelPoints
199中村 直樹TEAM VALINO × N-styleGR86ZN820
218日比野 哲也SHIBATIRE RACINGGR86ZN816
331蕎麦切 広大SHIBATIRE RACINGQ60Q6015
487齋藤 太吾FAT FIVE RACINGGR SUPRAA9014
598ヴィトー 博貴DRIFT STAR Racing × RACING GEARSILVIAPS1313
656森 孝弘GP SPORTS180SXRPS1312
751岩井 照宜RS Watanabe SPEED MASTERRX-7FC3S11
888川畑 真人TEAM TOYO TIRES DRIFTGR86ZN810
952北岡 裕輔TEAM MORIMARKⅡJZX100
1015植尾 勝浩VALINO VAZESTRASILVIAS157
1169秋葉 瑠世Z CHALLENGER × BOOSTARSILVIAS156
1270横井 昌志D-MAX RACING TEAMSILVIAS155
1355松川 和也広島トヨタ team DROO-PTRUENOAE864
1416山口 孝二TMS Racing Team G-meisterE923
1575畑中 夢斗Z CHALLENGER × BOOSTARCHASERJZX1002
1623下田 紗弥加Mercury 車楽人 VALINOSILVIAS151

※ #52は単走時ビード落ちのため、D1シリーズポイント規定に基づき単走ポイントは与えられない。


第8戦 チーム順位&ポイント

Pos.No.TeamDriverPoints
199TEAM VALINO × N-style中村 直樹26
269Z CHALLENGER × BOOSTAR秋葉 瑠世20
331SHIBATIRE RACING蕎麦切 広大15
487FAT FIVE RACING斎藤 太吾10
598DRIFT STAR Racing × RACING GEARヴィトー 博貴6
688TEAM TOYO TIRES DRIFT 川畑 真人6
770D-MAX RACING TEAM横井 昌志6
823Mercury 車楽人 VALINO下田 紗弥加6
918SHIBATIRE RACING日比野 哲也3
1056GP SPORTS森 孝弘3
1151RS Watanabe SPEED MASTER岩井 照宜3
1215VALINO VAZESTRA植尾 勝浩3
1355広島トヨタ team   DROO-P松川 和也3
1416TMS Racing Team G-meister山口 孝二3
1575Z CHALLENGER × BOOSTAR畑中 夢斗3
1633広島トヨタ team DROO-P石川 隼也3

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