D1GP RD.5 エビス 詳細レポート

2025 GRAN TURISMO D1 GRAND PRIX SERIES RD.5 EBISU
2025年グランツーリスモD1グランプリシリーズ第5戦 エビス
開催日:2025年9月27日(土)
会場:エビスサーキット(福島県)
コースコンディション:ドライ
 延動員数:4,207名(3日間合計)

強烈な後追いで蕎麦切を倒して藤野が優勝!


第5戦 単走決勝

Tanso 1st place
蕎麦切 広大
SHIBATA RACING TEAM
MOTUL GR86 SHIBATIRE 31 [ZN8]
Tanso 2nd place
中村 龍
SILVIA [PS13]
Tanso 3rd place
齋藤 太吾
GR SUPRA [A90]

強烈な返しでドンピシャ進入の蕎麦切が単走優勝

 3ヶ月のサマーブレイクを経て9月末にD1GPが再開された。第5戦、第6戦の会場はエビスサーキット西コースだ。競技区間は昨年同様だが、最初の右コーナーの奥と、最後の左コーナーの通過指定ゾーンはアウト側ではなくイン側に設定された。また、ストレートの後半ではコースリミットのラインがよりタイトに設定され、直線的にではなく、S字のように振り返して1コーナーに進入するようなレイアウトになった。

 なお、ポップと野村がマシントラブルで、松川は前日の、松井は当日のクラッシュのダメージで出走できず。そしてポイントリーダーである目桑が行動規範違反(許可されている時間外にエンジンをかけた)のペナルティによって出走停止となった。

 このコースでは振り返しで適切な角度をつけてコーナーに進入することが求められるが、それができないと第2ゾーンまでの距離感が合わず、ゾーンをはずしたり、ドリフトを伸ばすことで角度変化が大きくなって減点される選手も多かった。

 最初に走行したAグループでは、藤野と横井が98点台をマーク。次に走行したBグループで齋藤(太)が高い車速とキレのある動きでそれをうわまわる。

 そして最後のDグループ。1本目に通過確実な得点をとっていた蕎麦切は、2本目に思い切った振り返しから大きな角度で進入。それが距離感もぴったりハマって最高得点をマーク。トップに立った。その後、中村(龍)が完成度の高い走りで高得点を出したが、蕎麦切にはおよばばず、蕎麦切の単走優勝となった。

ストレートのコース規制が強くなったほか、通過指定ゾーンは昨年から1ヶ所増え、位置も変更された。
このコースのセオリーに合わせて、しっかり角度をつけた走りを見せた粂が今季初の単走通過を果たした。
前戦のあとにボディを替え、この日の朝にマシンを組み上がった田中だが、最速の進入速度を記録して追走進出を果たした。
前日の練習でクラッシュした中村(直)は、マシンが万全ではない状態で走行したが、問題なく上位通過を果たした。
前戦で単走優勝した村上だが、1本目のスタート直後のポール倒し(減点となる)もひびいて単走敗退となった。
当日朝のチェック走行でクラッシュした松井は、修復が間に合わず、第5戦の単走には出走できなかった。
Pos.Gr.No.DriverCarBest score2nd score
1D31蕎麦切 広大ZN898.7797.47
2D76中村 龍PS1398.4998.07
3B87齋藤 太吾A9098.4298.16
4C99中村 直樹ZN898.4294.21
5A70横井 昌志S1598.2994.41
6A66藤野 秀之ZN898.0698.05
7C90山中 真生A9097.9597.74
8C9粂 哲也S1597.7990.82
9C32多田 康治ZN897.7194.11
10C2田中 省己S1597.6195.90
11B18日比野 哲也ZN897.5793.20
12C81和田 賢志郎S1597.3789.25
13A80田野 結希ZN897.2377.78
14A77松山 北斗GZEA14H96.9086.42
15A75畑中 夢斗JZX10096.8690.83
16A88川畑 真人ZN896.5293.16
▲ 追走トーナメント 進出 ▲
17C50石井 亮JZX10096.1694.33
18D23村上 満ZN896.0594.23
19B38斎藤 久史S1595.9190.04
20B93加納 広貴S1595.8085.46
21D33石川 隼也ZN895.4793.30
22D8稲岡 拓也RPS1395.1027.32
23B63Konpichit Toyingcharoen(ペイ)S1594.8792.09
24A78上野 高広GSC1094.5693.77
25D51岩井 照宜FC3S94.4992.33
26C30中田 哲郎JZX10093.9692.81
27B56森 孝弘RPS1393.3387.79
28A98土居 雅和PS1393.1691.65
29B10三好 隼人ZN892.6146.89
30D52星 涼樹GZEA14JH91.9246.89
31A14玉城 詩菜ZN691.8082.06
32D95Daychapon Toyingcharoen(ポン)ZN891.7991.46
33B15藤原 優汰S1591.6983.28
A79目桑 宏次郎E92DNS
B89Lattapon Keawchin(ポップ)F22DNS
B7松井 有紀夫FD3SDNS
C3野村 圭市ER34DNS
D55松川 和也AE85DNS

第5戦 単走優勝

蕎麦切 広大

SHIBATA RACING TEAM
MOTUL GR86 SHIBATIRE 31 [ZN8]

 このコースは、得意ってかんじではないんですけど、ほんと好きなコースです。今回、前回といちばんちがうのが、前回アウトゾーンだったところがインクリップになっているところですね。そこがやっぱりむずかしい。去年みたいにアウトゾーンだったら、進入して角度をつけたら、アクセルひと踏みで勝手にアウトゾーンをなぞって走れるんですけど。今年おなじことをやるとアウトゾーンに行っちゃうんで、どこかで減速を入れないといけないんで、その減速を入れるタイミングをどこにしようかなっていうのが、いちばんむずかしかったです。

 そこは練習でつかめてはいて、自分のなかでセーブして、大きいラインでギャーって走らなければうまく減速してたんで、気持ちの問題なんですけど、気持ちよく踏みきらないように、自分のなかで調整しながら走ってました。

 本番1本目は、本当に気楽に、そんなに全力にならないように、5割、6割ぐらいで走るようなイメージでいったたら、もうちょっと点出てほしかったんですけど97点台で。いちおう予選は通れるぐらいの点数だったんで、次はちょっと「おりゃ!」ってやるところ……アクセル全開にしても、踏み切っても、ここからだったらいけるかなっていう、探っていたところを実践したかんじです。

 そしたら、たまたまうまくいきました。思いきって、やりたいことを、見ているお客さんがかっこいいと思ってくれるような走りを目指してやってみました。リスクはあったのでギリギリでした。でもクルマがいいんで走れました。

 ひさびさに単走をとったんで、ここの調子で追走もがんばります。


第5戦 単走ダイジェスト


第5戦 追走トーナメント

Final Battle   
蕎麦切 広大 [ZN8] vs 藤野 秀之 [ZN8]
おたがいにきれいな接近ドリフトを見せたが、もっともむずかしい進入時の距離の差で藤野が勝った。

進入時の距離の差で藤野が蕎麦切に競り勝つ

 ポイントリーダーの目桑が欠場となり、同3位の村上が単走敗退となった状況で、2位の横井や4位の藤野らは順位を上げるチャンスだ。そのなかで、チームの後輩である和田と対戦した横井は、ドライブシャフト破損によってベスト16で敗退となりポイントをあまり稼げなかった。なお、ベスト16のこのほかの対戦では、山中がデフのサイドフランジ破損で敗退したほかは単走で上位の選手が順当に勝ち上がった。

 ベスト4に入ってきたのは、蕎麦切、中村(直)、中村(龍)、藤野。決勝での中村親子の対決もありえる展開だったが、父の中村(直)はドライブシャフト破損で蕎麦切に敗北。息子の中村(龍)は藤野と再戦にまでもつれたが、後追いで合わせきれずに接触して初の決勝進出はならなかった。

 決勝は蕎麦切vs藤野。まずは蕎麦切が先行。質の高い走りをする蕎麦切に対し藤野がほとんど角度をあわせつつ終始近いドリフトを見せて、フルマーク(15pts)に近い14.7ptsの後追いポイントをとる。2本目はやはり先行でいい走りを見せた藤野に蕎麦切が寄せていったが、進入の第1、第2セクターでの寄せが甘く、その差で藤野が優勝した。

 なお、このラウンドの結果、目桑のポイント首位は変わらないが、藤野が5ポイント差の2位に浮上し、横井も首位と6ポイントまで差を詰めた。

Semi Final Battle
蕎麦切 広大 [ZN8] vs 中村 直樹 [ZN8]
1本目にリードしていた中村(直)だが、2本目の先行時に奥の右コーナーでスピン。ドライブシャフト破損が原因だった。
Semi Final Battle
中村 龍 [PS13] vs 藤野 秀之 [ZN8]
再戦2本目、先行の藤野と異なるラインでアプローチした中村が合わせきれず、藤野をプッシュしてしまった。
Pick Up Battle
中村 龍 [PS13] vs 田中 省己 [S15]
ベスト8の対戦。後追いのポイントでは田中がうわまわったが、先行時の田中のミスで中村の勝ちとなった。
Pick Up Battle
横井 昌志 [S15] vs 和田 賢志郎 [S15]
チームメイト同士の対戦は後追いの和田が果敢に寄せていったが、横井のドライブシャフト破損によるスピンで決着。
Pick Up Battle
齊藤 太吾 [A90] vs 松山 北斗 [GZEA14H]
後追い時にストレートでやや離されてしまった松山に対し、きれいなラインではないものの後半で寄せていった齊藤が勝った。
Pick Up Battle
蕎麦切 広大 [ZN8] vs 川畑 真人 [ZN8]
川畑も1本目に後追いポイントはとっていたが、蕎麦切は2本目に終始近いドリフトを見せて逆転した。

第5戦 追走ダイジェスト


第5戦 優勝

藤野 秀之

Team TOYO TIRES DRIFT 1
TEAM TOYO TIRES DRIFT GR86 #66 [ZN8]

 今回のレイアウトは、大きく来て一気にイン側で減速しなくちゃいけないので、でも、ゾーンをとらないと減点になるわけじゃないですか。ちょっとオーバースピード気味で来た場合に、減速がけっこうきつくなるんですよ。そういうときに、やっぱりちょっと接触が多くなるかなとはかんじましたね。そのへん、むずかしさがありますよね。

 自分は練習からなんとなく形にはなってたと思います。練習であるていど自分のできること、できないことをしっかり確認して。本番でできないことはあまりやらない、そこまで無理をしないという形を作って、でも、攻めるところは詰められるので、攻めてっていうかんじで、練習では出ていない点数で、ちゃんと上にいったかなと思いました。

 (練習は抑えていた?) 練習はそのときに思いきって練習しても、本番になるとやっぱり緊張もあって少し硬くなるので、自分ができる最低限の、なんとなく走ってどのくらい出るかっていうぐらいでしか走ってないです。本番では「このくらい硬くなった状態でも、このくらいだったら走れるな」っていう状態で、ちょっと力を抜いてポンって行っても、実際は力が入ってるんで。練習中はやっぱり自分の怖いところとか、あんまり無理しないですね。

 (今年の追走は後追いで以前より攻めているのでは?) そうですね。もうなにしろまわりのドライバーがみんなうまいんで、すごいので。やっぱりむかし自分がやってた追走のしかただと、評価に値しないんじゃないかなという。基本的にはDOSSももちろん気にはしてるんですけど、むしろ楽しむ方向に変えていますね。それでいまのところ楽しいし、うまくいってると思います。

 (決勝の追走は?) 手応えは「めちゃめちゃあった」っていいたいんですけど、広大くんはめっちゃきれいに走るんですよ。それに対して、思いきって自分が入りに行っただけなので、後ろで、いい意味ですごく安定して、楽しく追走させてもらいましたとはい。

 (前回の準優勝から今回は優勝) 今季初優勝はうれしいですね。やっぱこの1勝は狙ってたので。


第5戦 2位

蕎麦切 広大
SHIBATA RACING TEAM

第5戦 3位

中村 龍
TEAM MORI

第5戦 優勝チーム

Team TOYO TIRES DRIFT 1

第5戦 ベストメンテナンス

TEAM BUZZBREAK DRIFT

D1ファンクラブサイトには上位選手の大会後コメント(有料会員限定記事)が掲載されています。


第5戦 最終順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarModelTsuiso pointsTanso points
166藤野 秀之Team TOYO TIRES DRIFT 1GR86ZN825 
231蕎麦切 広大SHIBATA RACING TEAMGR86ZN8214
376中村 龍TEAM MORISILVIAPS13183
499中村 直樹TEAM VALINO × N-STYLEGR86ZN8161
587齋藤 太吾FAT FIVE RACINGGR SUPRAA90132
69粂 哲也TEAM BUZZBREAK DRIFTSILVIAS150 
72田中 省己SEIMI STYLE SHIBATIRE DRIFTSILVIAS1511 
881和田 賢志郎TEAM D-MAX RACINGSILVIAS1510 
970横井 昌志TEAM D-MAX RACINGSILVIAS158 
1090山中 真生ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ! レーシングGR SUPRAA907 
1132多田 康治CUSCO RacingGR86ZN86 
1218日比野 哲也SHIBATA RACING TEAMGR86ZN85 
1380田野 結希Team TOYO TIRES DRIFT 2GR86ZN84 
1477松山 北斗Team TOYO TIRES DRIFT 2GR COROLLAGZEA14H3 
1575畑中 夢斗DRIFT STAR RacingCHASERJZX1002 
1688川畑 真人Team TOYO TIRES DRIFT 1GR86ZN81 

第5戦 単走順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarModelPoints
131蕎麦切 広大SHIBATA RACING TEAMGR86ZN820
276中村 龍TEAM MORISILVIAPS1316
387齋藤 太吾FAT FIVE RACINGGR SUPRAA9015
499中村 直樹TEAM VALINO × N-STYLEGR86ZN814
570横井 昌志TEAM D-MAX RACINGSILVIAS1513
666藤野 秀之Team TOYO TIRES DRIFT 1GR86ZN812
790山中 真生ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ! レーシングGR SUPRAA9011
89粂 哲也TEAM BUZZBREAK DRIFTSILVIAS150
932多田 康治CUSCO RacingGR86ZN88
102田中 省己SEIMI STYLE SHIBATIRE DRIFTSILVIAS157
1118日比野 哲也SHIBATA RACING TEAMGR86ZN86
1281和田 賢志郎TEAM D-MAX RACINGSILVIAS155
1380田野 結希Team TOYO TIRES DRIFT 2GR86ZN84
1477松山 北斗Team TOYO TIRES DRIFT 2GR COROLLAGZEA14H3
1575畑中 夢斗DRIFT STAR RacingCHASERJZX1002
1688川畑 真人Team TOYO TIRES DRIFT 1GR86ZN81

第5戦 チーム順位&ポイント

Pos.No.TeamDriverPoints
166Team TOYO TIRES DRIFT 1藤野 秀之26
231SHIBATA RACING TEAM蕎麦切 広大20
376TEAM MORI中村 龍15
499TEAM VALINO × N-STYLE中村 直樹10
587FAT FIVE RACING齋藤 太吾6
69TEAM BUZZBREAK DRIFT粂 哲也0
72SEIMI STYLE SHIBATIRE DRIFT田中 省己6
881TEAM D-MAX RACING和田 賢志郎6
970TEAM D-MAX RACING横井 昌志3
1090ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ! レーシング山中 真生3
1132CUSCO Racing多田 康治3
1218SHIBATA RACING TEAM日比野 哲也3
1380Team TOYO TIRES DRIFT 2田野 結希3
1477Team TOYO TIRES DRIFT 2松山 北斗3
1575DRIFT STAR Racing畑中 夢斗3
1688Team TOYO TIRES DRIFT 1川畑 真人3

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