D1GP RD.8 AP 詳細レポート

2025 GRAN TURISMO D1 GRAND PRIX SERIES RD.8 AUTOPOLIS
2025年グランツーリスモD1グランプリシリーズ第8戦 オートポリス
開催日:2025年10月26日(日)
会場:オートポリス(大分県)
コースコンディション:ドライ
 延動員数:3,805名(3日間合計)

中村親子対決の決勝戦は父”直樹”が貫禄勝ち!


第8戦 単走決勝

Tanso 1st place
蕎麦切 広大
SHIBATA RACING TEAM
MOTUL GR86 SHIBATIRE 31 [ZN8]
Tanso 2nd place
目桑 宏次郎
– [E92]
Tanso 3rd place
齋藤 太吾
GR SUPRA [A90]

アウトゾーンにピッタリ合わせて蕎麦切が快走

 第8戦は、第7戦の翌日におなじコースでおこなわれた。オートポリスは前日の夜から濃霧に包まれ、朝はスケジュールどおりの走行開始も危ぶまれたが、チェック走行の約15分前に霧が晴れ、走行は問題なくおこなわれた。ただ、その時点での路面はウエットコンディション。チェック走行は、しだいに路面が乾いていく状況だった。

 それでも単走開始までに路面は乾ききらず、追走進出の選抜は全体の順位ではなく、各グループの上位4名というウエット時の方法でおこなわれた。

 滑る場所が多かったAグループはやはり点が伸びなかったが、その後はそう単純ではなく、選手の走りかた、ラインによって影響はちがったようだった。

 Bグループでは目桑が高い車速をマークするとともに振り返しから安定した姿勢を見せて98.67点の高得点を獲得したが、次のCグループで蕎麦切が鋭い振りとキレのある振り返しを見せると、アウトゾーンに向けてベストのラインと姿勢を作り、きっちり踏んで旋回してみせ、99.13点を叩き出してトップに立った。

 その後、Dグループでは齋藤(太)が1本目に速くてキレイな走りで98.62点を出したが、それで単走通過を決めたこともあり、2本目は得点度外視の超絶ケツ進入を見せたため、得点自体は伸びず、蕎麦切の単走優勝が決まった。単走優勝は獲得ポイントが4点加算されるため、蕎麦切にとってはやや余裕を持って追走に進出したことになった。

角度は浅めだったものの、きっちりゾーンをとって減点がなかった玉城はDグループ4位で初の追走進出を果たした。
前日準優勝の田中だが、タイヤが食いすぎているかんじでアウトまで飛ばすことができず2本とも減点を受け、敗退した。
田中と同様にタイヤが食いすぎているような走りをした日比野は1コーナーのインカットやゾーンはずしなどで減点され、敗退した。
ここまでのラウンドでは土日のどちらかは必ず追走に勝ち上がっていた和田だが、オートポリスでは両日ともに落としてしまった。
電子制御スロットルのトラブルに見舞われた村上は1本目を走れず、なんとか走れた2本目も完調ではなく、追走進出を逃した。
クイックな振りや返しができなかった田野は、前日に続けて2戦連続で追走トーナメント進出を逃してしまった。
Pos.Gr.No.DriverCarBest score2nd score
1C31蕎麦切 広大ZN899.1397.76
2B79目桑 宏次郎E9298.6797.01
3D87齋藤 太吾A9098.6297.18
4C88川畑 真人ZN898.3497.34
5B9粂 哲也S1598.1088.12
6B66藤野 秀之ZN897.8997.08
7A70横井 昌志S1596.8394.41
8B90山中 真生A9096.8394.01
9D99中村 直樹ZN896.3991.17
10D7松井 有紀夫FD3S95.9795.14
11C33石川 隼也ZN895.9592.56
12D14玉城 詩菜ZN695.8887.31
13A52星 涼樹GZEA14JH95.7057.63
14A78上野 高広GSC1095.5791.53
15A76中村 龍PS1395.5283.30
16C32多田 康治ZN895.4494.73
▲ 追走トーナメント 進出 ▲
17B56森 孝弘RPS1395.9387.49
18B27茂木 武士S1595.9092.14
19C77松山 北斗GZEA14H95.4195.29
20D18日比野 哲也ZN895.1293.59
21B80田野 結希ZN895.0792.86
22C2田中 省己S1595.0592.33
23B51岩井 照宜FC3S94.9387.26
24D30中田 哲郎JZX10094.7994.16
25C50石井 亮JZX10094.7094.12
26A98土居 雅和PS1394.5086.08
27D55松川 和也AE8594.4688.25
28A8稲岡 拓也RPS1394.3391.47
29A81和田 賢志郎S1593.8990.75
30A75畑中 夢斗JZX10093.7984.51
31B43田所 義文AE8693.5162.59
32C10三好 隼人ZN892.7834.07
33D3野村 圭市ER3492.0991.93
34C15藤原 優汰S1589.7489.40
35A23村上 満ZN888.120.00

第8戦 単走優勝

蕎麦切 広大

SHIBATA RACING TEAM
MOTUL GR86 SHIBATIRE 31 [ZN8]

 昨日から日比野さんが99点を出してくれてたんで、その走りと照らし合わせて、もうちょっとこうだっていうのはわかってたんで、今日は思ったより点数出たなって正直思いましたけど、よかったなと思います。

 (今朝のチェック走行では) 路面がハーフウェットだったんで、ぜんぜんもう……昨日ちょっと省己さん(田中選手)と決勝のときにぶつかっていたんで、その足まわりのチェックぐらいというかんじでした。

 (本番の路面は?) 昨日と変わらなかったかなとボク的には思います。ただ朝ウエットで走って、感覚がたぶんズレちゃってるんで、昨日と変わらないかどうか定かではないですけど、あんまり違和感なくは走れました。

 (1本目はどんなかんじ?) 1本目は、しっかりゾーンの取りこぼしがないようにするっていうのを第一に走りましたね。それで予選通過できる点が出て、2本目はもう昨日の追走中のいい走りができるようにっていうのを、がんばって目標にして走りました。それがうまく機能したかなと思います。

 (1本目と2本目で変えたところは?) とりあえず、3セクの返し、アウトゾーンに向けての返しをもっと鋭くして、もうちょっと奥で返すようにして、最初から最後まで大きな角度をつけて走るっていうのを意識しました。去年のオートポリスのときに、このGR86はちょっと後ろのグリップが強すぎて、それで苦労してたんで、今回はちょっとアライメントとかで、それを逃がす方向に、ちょっと自分がラクするように、大きく走りやすいクルマにしたら、それがいま、いいかんじにハマってます。

 (昨日の優勝に続いて、今日の単走優勝は?) 素直にうれしいです。もちろん大事なのはこれからなんですけど、まずはひとつ自分の気持ち的にも安心できる単走優勝ができてよかったなと思います。


第8戦 単走ダイジェスト


第8戦 追走トーナメント

Final Battle   
中村 直樹 [ZN8] vs 中村 龍 [PS13]
決勝は、対戦相手が父親だったことが影響したのか、中村(龍)がそれまでの対戦ではしなかったようなミスをして敗れた。

史上初の親子決勝対決は父の中村直樹が勝利

 ベスト16ではまずポイントリーダーの蕎麦切が多田に勝利。同2位の藤野も石川に勝ってベスト8に進出したが、同3位の目桑がルーキー中村(龍)との接近ドリフト勝負に競り負けて敗退してしまう。これで目桑もタイトル争いで若干後退した。

 そしてベスト8で蕎麦切は中村(直)と対戦。蕎麦切は先行時のポイントでうわまわったものの、接近ポイントで中村におよばず、ここで敗退となった。ただし単走優勝しているので5位は確定だ。

 そしてランキング4位の横井はエンジンブローで敗退。藤野は逆に齋藤(太)のエンジンブローがあって勝ち上がった。

 ベスト4に勝ち上がったのは、中村(直)、川畑、中村(龍)、藤野。中村親子がそれぞれ勝てば、D1史上初の親子対決が決勝で実現することになる。

 まずは父の中村(直)が川畑と対戦。おたがいに先行でいい走りをしたこともあって、合わせやすかった後追いではビタビタの接近ドリフトを見せたが、進入での寄せが甘かった川畑に対し、進入から接近していた中村(直)が勝った。

 そして次は息子の中村(龍)が藤野と対戦。藤野は後追いでやや小さいラインになってしまったのに対して中村はよりきれいな接近ドリフトを決めて勝利。初の決勝進出を決めた。

 中村(直)vs中村(龍)。D1史上初の親子対決は、決勝の舞台で実現した。1本目は直樹が先行。龍は同時振りを見せたが1コーナーを小さくまわってしまい、大きく離されなかったものの、近いドリフトはできない。龍アドバンテージだが差は4.6とわずかだ。2本目は龍が先行。龍は振り返したあとのラインが小さくなり、ゾーンをはずしてしまう。大きなミスなく比較的近いドリフトでついていった直樹の勝利が決まった。

 なお、このラウンドの結果、ランキング首位は蕎麦切がキープ。藤野が20ポイント差、目桑が34ポイント差、横井が37ポイント差、中村(直)が50ポイント差でそれを追う展開で、お台場での最後の2連戦を迎える。

Semi Final Battle
中村 直樹 [ZN8] vs 川畑 真人 [ZN8]
川畑の接近ポイントが12.7だったのに対し、中村(直)はフルマーク15を獲得。わずかな差で中村が勝った。
Semi Final Battle
中村 龍 [PS13] vs 藤野 秀之 [ZN8]
藤野も同時振りから寄せていったが、ラインと角度がやや小さくなってしまい、接近ポイントもDOSS点も稼げなかった。
Pick Up Battle
蕎麦切 広大 [ZN8] vs 中村 直樹 [ZN8]
中村はフルマークに近い接近ポイント14.3を獲得。対する蕎麦切は9.0にとどまり、中村が勝った。
Pick Up Battle
中村 龍 [PS13] vs 横井 昌志 [S15]
1本目、横井は振り返したところでなかに入ってしまい、ドリフトが大きくもどった。エンジンブローだった。
Pick Up Battle
目桑 宏次郎 [E92] vs 中村 龍 [PS13]
目桑は後半こそビタビタに寄せたものの、進入で少し離されていたのが響いて後追いポイントを取り切れず、中村が勝った。
Pick Up Battle
藤野 秀之 [ZN8] vs 石川 隼也 [ZN8]
後追い時には、同時振りから近い距離で合わせた藤野が接近ポイント11.0を奪って石川に勝利した。

第8戦 追走ダイジェスト


第8戦 優勝

中村 直樹

TEAM VALINO × N-STYLE
Silk Blaze Sports N-STYLE GR86 [ZN8]

 昨日のちょっとしょぼかった後追いを、今日に向けて昨日の夜いろいろ勉強してやりました。とくに入りかたですね。見えかたと入りかた。土曜日の追走を見返して、自分のいる位置とか、どこにおったら、イチバン入れてキレイにいけるかという……後追いで入るには、すごいリスクもあったんで。

 (単走は) うまいこといかなかったですね、なぜか。ホントは99点ねらいたかったんですけど、なにしてもぜんぜん点が上がらなくなったんで「まぁ、通ったらいいか」って思って。

 (追走では昨日の研究の成果が出た?) そうですね。やっぱり思うようにいきましたね。ただちょっとクセでね、後追いでサイド引っ張るのがよくなくて、やっぱり点数が落ちるのと……内に入ったり。真生とやったときに引いてもうたんですよ。それで「あっ」と思って、それは左足ブレーキで待つべきだったんですけど。それが蕎麦切選手のときにはちゃんとできたんで、そこからは、もうそういうかんじで。

 (準決勝でフルマーク) 蕎麦切選手のときのほうが自分的には気合入ってたんですけどね。フルマークのときは、なんか「スムーズ」ってかんじでしたね。

 (息子との決勝は) 決勝はね、すごいうれしい気持ちと心配な気持ちで、もう運動会状態ですよね。勝負というか、複雑でしたね。でもうれしかったですよ。

 (決勝の龍選手の出来は?) 龍、決勝はもう気負いしてぜんぜん力が出てなかったんで。やっぱりイチからいろいろと教えたのオレなんで、その相手やから、気負いというか、そういう気持ちだったんやろうなっていうのはかんじましたね。次にやったときは、龍の本当の力を引き出して、ガチンコでやりたいですね。


第8戦 2位

中村 龍
TEAM MORI

第8戦 3位

川畑 真人
Team TOYO TIRES DRIFT 1

第8戦 優勝チーム

TEAM VALINO × N-STYLE

第8戦 ベストメンテナンス

Team TOYO TIRES DRIFT 3

D1ファンクラブサイトには上位選手の大会後コメント(有料会員限定記事)が掲載されています。


第8戦 最終順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarModelTsuiso pointsTanso points
199中村 直樹TEAM VALINO × N-STYLEGR86ZN825 
276中村 龍TEAM MORISILVIAPS1321 
388川畑 真人Team TOYO TIRES DRIFT 1GR86ZN8181
466藤野 秀之Team TOYO TIRES DRIFT 1GR86ZN816 
531蕎麦切 広大SHIBATA RACING TEAMGR86ZN8134
687齋藤 太吾FAT FIVE RACINGGR SUPRAA90122
79粂 哲也TEAM BUZZBREAK DRIFTSILVIAS1511 
870横井 昌志TEAM D-MAX RACINGSILVIAS1510 
979目桑 宏次郎VALINO TEAM G-MeisterE9283
1090山中 真生ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ! レーシングGR SUPRAA907 
117松井 有紀夫TEAM 雨宮 マツキヨ MINIGT シバタイヤRX-7FD3S6 
1233石川 隼也広島トヨタ team DROO-PGR86ZN85 
1314玉城 詩菜Team TOYO TIRES DRIFT 386ZN64 
1452星 涼樹CUSCO RacingGR COROLLAGZEA14JH3 
1578上野 高広TEAM VERTEXRCGSC100 
1632多田 康治CUSCO RacingGR86ZN81 

※ No.78はD1規則 付則-D1 13 に従い、タイヤのビード落ちのため当該大会のポイントは与えられない。


第8戦 単走順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarModelPoints
131蕎麦切 広大SHIBATA RACING TEAMGR86ZN820
279目桑 宏次郎VALINO TEAM G-MeisterE9216
387齋藤 太吾FAT FIVE RACINGGR SUPRAA9015
488川畑 真人Team TOYO TIRES DRIFT 1GR86ZN814
59粂 哲也TEAM BUZZBREAK DRIFTSILVIAS1513
666藤野 秀之Team TOYO TIRES DRIFT 1GR86ZN812
770横井 昌志TEAM D-MAX RACINGSILVIAS1511
890山中 真生ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ! レーシングGR SUPRAA9010
999中村 直樹TEAM VALINO × N-STYLEGR86ZN88
107松井 有紀夫TEAM 雨宮 マツキヨ MINIGT シバタイヤRX-7FD3S7
1133石川 隼也広島トヨタ team DROO-PGR86ZN86
1214玉城 詩菜Team TOYO TIRES DRIFT 386ZN65
1352星 涼樹CUSCO RacingGR COROLLAGZEA14JH4
1478上野 高広TEAM VERTEXRCGSC100
1576中村 龍TEAM MORISILVIAPS132
1632多田 康治CUSCO RacingGR86ZN81

※ No.78はD1規則 付則-D1 13 に従い、タイヤのビード落ちのため当該大会のポイントは与えられない。


第8戦 チーム順位&ポイント

Pos.No.TeamDriverPoints
199TEAM VALINO × N-STYLE中村 直樹26
276TEAM MORI中村 龍20
388Team TOYOTIRES DRIFT 1川畑 真人15
466Team TOYOTIRES DRIFT 1藤野 秀之10
531SHIBATA RACING TEAM蕎麦切 広大6
687FAT FIVE RACING齋藤 太吾6
79TEAM BUZZBREAK DRIFT粂 哲也6
870TEAM D-MAX RACING横井 昌志6
979VALINO TEAM G-Meister目桑 宏次郎3
1090ウエインズトヨタ神奈川×俺だっ!レーシング山中 真生3
117TEAM 雨宮 マツキヨ MINIGT シバタイヤ松井 有紀夫3
1233広島トヨタ team   DROO-P石川 隼也3
1314Team TOYOTIRES DRIFT 3玉城 詩菜3
1452CUSCO Racing星 涼樹3
1578TEAM VERTEX上野 高広0
1632CUSCO Racing多田 康治3

※ No.78はD1規則 付則-D1 13 に従い、タイヤのビード落ちのため当該大会のポイントは与えられない。


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