D1GP RD.7 AP 詳細レポート

2025 GRAN TURISMO D1 GRAND PRIX SERIES RD.7 AUTOPOLIS
2025年グランツーリスモD1グランプリシリーズ第7戦 オートポリス
開催日:2025年10月25日(土)
会場:オートポリス(大分県)
コースコンディション:ドライ
 延動員数:3,805名(3日間合計)

田中を倒した蕎麦切が優勝してチャンピオン争いでさらにリード!


第7戦 単走決勝

Tanso 1st place
藤野 秀之
Team TOYO TIRES DRIFT 1
TEAM TOYO TIRES DRIFT GR86 #66 [ZN8]
Tanso 2nd place
目桑 宏次郎
– [E92]
Tanso 3rd place
蕎麦切 広大
GR86 [ZN8]

正確無比の走りで藤野が単走優勝

 第7戦、第8戦の舞台は大分県オートポリス。2025年シリーズでは唯一の国際サーキットだ。競技区間は例年通りストレートからファイナルコーナーを逆走で使用する。

 昨年とのちがいは、最初の右コーナー(ここでは1コーナーと呼ぶ)のイン側のリミットラインが復活し(2022年、2023年はあった)、少しコース幅が狭くなった。これによって、選手はより角度をつけて進入することが求められる。

 通過指定ゾーンは、ストレート後半のアウト側、1コーナーのイン側、そして振り返したあとのアウト側に設けられたが、みっつめのゾーンは真ん中でふたつに分割された。これは、ウエット時に滑るアウト側をあえて走らずに小さいラインで走行した場合の減点を大きくするためだ。

 とはいえ、金曜日の公式練習から土曜日の第7戦までは終始ドライ路面で走行がおこなわれた。それでもどこかでゾーンはずし、あるいはコースリミット超過の減点を受ける選手は多く、単走で敗退した選手のほとんどが2本とも減点を受けていた。また、練習走行では99点台のDOSS点を出していた選手も多かったが、本番では1本も99点台が出なかった。

 そのなかで、練習では99点台を出していなかったランキング2位の藤野が進入での鋭い振りや安定した姿勢で、98.47点の高得点を出す。いっぽうランキング1位の蕎麦切はよりクイックな振りを見せたものの、後半の角度が足りなかったこともあり、98.36点で藤野におよばない。そして、目桑はむしろ振り返し後の車速や安定性で点を稼ぎ、蕎麦切を超えてきたが、98.41点で藤野の点には届かず、藤野の単走優勝が決まった。

ゾーン3とゾーン4は連続しているが、ふたつのゾーンとして扱われる。これによって完全にはずした場合の減点が大きくなる。
エビスラウンドで横転し火災にも見舞われた松川の車両は1ヶ月弱のあいだに修復されて単走に出走した。
持病だったパワステの不具合が解消され、練習走行では99点オーバーを連発していた日比野だが、本番では96点台にとどまった。
3戦連続で追走に進出していたルーキーの中村(龍)だが、この日は進入後の動きが決まらず、得点が伸びないまま単走で敗退となった。
怪我で筑波ラウンドとエビスラウンドを欠場していた田所が復活。単走に出走したが追走進出はならなかった。
前戦単走優勝の松山は、まずまずの振りを見せたものの、2本ともゾーンはずしの減点を受けて単走敗退となった。
Pos.Gr.No.DriverCarBest score2nd score
1A66藤野 秀之ZN898.4798.26
2D79目桑 宏次郎E9298.4197.96
3B31蕎麦切 広大ZN898.3696.62
4D70横井 昌志S1597.6364.02
5D99中村 直樹ZN897.4491.21
6A23村上 満ZN897.3291.49
7A88川畑 真人ZN897.2095.44
8D2田中 省己S1597.1496.93
9A50石井 亮JZX10096.6491.17
10A18日比野 哲也ZN896.5888.33
11B75畑中 夢斗JZX10096.4893.74
12C56森 孝弘RPS1396.3996.05
13A32多田 康治ZN896.3495.46
14C87齋藤 太吾A9096.1592.45
15C8稲岡 拓也RPS1395.9595.71
16C90山中 真生A9095.6291.63
▲ 追走トーナメント 進出 ▲
17B81和田 賢志郎S1595.3239.31
18A52星 涼樹GZEA14JH94.6693.20
19C14玉城 詩菜ZN694.4792.38
20D98土居 雅和PS1394.030.00
21C77松山 北斗GZEA14H93.9493.80
22D3野村 圭市ER3493.8693.16
23B7松井 有紀夫FD3S93.4684.73
24D51岩井 照宜FC3S93.3992.89
25B80田野 結希ZN893.2090.29
26C30中田 哲郎JZX10093.1691.07
27B9粂 哲也S1592.9088.89
28D78上野 高広GSC1092.6188.67
29A15藤原 優汰S1592.5673.84
30C55松川 和也AE8592.4892.11
31C33石川 隼也ZN892.2377.33
32B76中村 龍PS1391.9090.02
33B27茂木 武士S1590.7729.49
34A43田所 義文AE8690.0481.17
35B10三好 隼人ZN885.8183.17

第7戦 単走優勝

藤野 秀之

Team TOYO TIRES DRIFT 1
TEAM TOYO TIRES DRIFT GR86 #66 [ZN8]

 (ここは得意意識がある?) いや、まったくないですね。

 (今回のコース設定は) どこのコースに行っても、コース設定は変わるんで、コース設定が変わったからどうこうっていうのはあまりないです。

 (走るうえでとくに気をつけたことは?) ゾーンをはずさないというぐらいだけです。そのためには、1ゾーンから次のゾーンに向けての姿勢をしっかり作る。姿勢をしっかり作ると、自然と次の3ゾーンに流れて行くので。それしか意識してないです。

 (練習のときはもっと高得点のひとがいたが?) 練習ではほかの選手が99点台も出してたんですけど。正直そこを意識しても、自分がそこの点数出てるわけじゃないから。自分は一番になろうというよりも、自分のできることをしっかりやろうという意識が強かったですね。

 (本番1本目は何%ぐらい) しっかりゾーンをとるっていう部分では、8割ぐらいなんですかね。しっかり一発目でリズムを作って。それで、点数が出たら、2本目に攻めよう、みたいなかんじでした。

 (で、2本目は?) 変えていこうと思ったんですけど、意外と変わらなかったです(苦笑)。だから出てないんです、99点は。99点出そうと思ったら、やっぱり振る位置とか、角度とか、角度の安定性とか、振り返すときの速度だとか、それを全部変えなくちゃいけないので。でも、練習で、それはできていなかったんで、それを急に変えてできるかどうかって話です。

 けっきょくあの走りが、自分としてずっとできてた走りなので、練習通りにできた走りがあれだったっていうだけです。でも、まわりが勝手に崩れてくれたので、単走優勝とれたというだけで……まぁ運も実力です(笑)。でもひさしぶりの単走優勝なのでうれしいです。


第7戦 単走ダイジェスト


第7戦 追走トーナメント

Final Battle   
田中 省己 [S15] vs蕎麦切 広大 [ZN8]
両者とも先行では素晴らしい走りを見せた。後追いで寄せた距離は田中がうわまわっていたが、白煙のなかでミスをしてしまった。

SHIBATAが総力を挙げて蕎麦切の優勝をバックアップ

 ベスト16ではシリーズランキング2位につけている藤野がまず同5位の山中を破ってベスト8進出を決めたほか、ポイントリーダーの蕎麦切も対戦相手の齋藤(太)がビード落ちしたことで勝利。いっぽうで、ランキング3位の横井はルーキーの多田に負けてタイトル争いで後退してしまった。

 そしてベスト8では、藤野とシバタイヤ勢の田中が対戦。田中は藤野を倒して蕎麦切の援護に成功する。また蕎麦切のチームメイトである日比野は、シリーズランキング4位の目桑と対戦。再戦にもつれる接戦のすえ、わずかな差で目桑を下す。そしてランキング2位以下とのポイント差を広げる絶好の機会となった蕎麦切は畑中を倒してベスト4進出を決めた。

 準決勝最初の対戦は、田中vs中村(直)。田中が後追いから見事な接近ドリフトを決めて中村に勝利。この時点で、蕎麦切のこのあとの対戦はシバタイヤ勢のみという状況になった。

 準決勝もうひとつの対戦は日比野vs蕎麦切。後追いできれいな接近ドリフトを見せた蕎麦切に対し、日比野は後追い時にラインを乱すなどして接近ポイントもDOSS点もとりきれず、蕎麦切が勝った。

 決勝は田中vs蕎麦切。田中はこのオートポリスで3年連続の決勝進出だ。1本目は田中が先行。蕎麦切はやや小さめのラインながら後半にかけてきれいに寄せていった。蕎麦切アドバンテージ。2本目は後追いから田中がビタビタに寄せていったが、蕎麦切に当ててスピンさせてしまい、田中自身もコースアウトして、蕎麦切が勝利。田中の初優勝はならず、いっぽうの蕎麦切はポイントランキング2位の藤野に対して19ポイントにまで差を広げた。

Semi Final Battle
田中 省己 [S15] vs 中村 直樹 [ZN8]
田中先行時には中村は接近ポイント9.0しか取れなかったが、中村先行時に田中は11.3の接近ポイントをとって逆転勝ちした。
Semi Final Battle
日比野 哲也 [ZN8] vs 蕎麦切 広大 [ZN8]
1本目、先行で98.9点という強烈な走りを見せた日比野に対して、きっちり寄せた蕎麦切が10.0の接近ポイントをとった。
Pick Up Battle
藤野 秀之 [ZN8] vs 田中 省己 [S15]
先行で完成度が高い走りをする藤野に対し、田中は後追いから、やや角度は浅いものの終始近いドリフトを見せた。
Pick Up Battle
目桑 宏次郎 [E92] vs 日比野 哲也 [ZN8]
再戦の1本目、日比野は接近ポイントこそ低かったが、後追いでDOSS点が99点オーバーという驚異的な走りを見せた。
Pick Up Battle
村上 満 [ZN8] vs 畑中 夢斗 [JZX100]
先行でレベルの高い走りをする村上に対して、畑中はきれいな追走で近い距離を保ち、10.0の接近ポイントをとって勝った。
Pick Up Battle
横井 昌志 [S15] vs 多田 康治 [ZN8]
1本目に減点されていた横井は、2本目の後追いで攻めていったが、後半のラインが小さくなってしまって敗れた。

第7戦 追走ダイジェスト


第7戦 優勝

蕎麦切 広大

SHIBATA RACING TEAM
MOTUL GR86 SHIBATIRE 31 [ZN8]

 今回、後追いの組み立てかたを……去年はベスト16で2日とも負けているんですけど、GR86でオートポリスを走るときの組み立てかたを去年学んで、今年はそれを実践できたのが、うまく機能したかなと思います。

 GR86はトラクションがすごくて、なかなか後追いのときに、進入で振りきれないという悩みがあったんですけど、それを操作のしかたを変えてしっかり出るように合わせられました。

 (単走は) もっと点を出したかったんですけど、ちょっと攻めどころを残したまま攻略もしきれてなかったんで、自分でできるなかではベストが出せたかなと。ただ、今日走ってて少しずつやりたいことができるようになっていったんで、明日はもっといきます。

 (追走ではチームメイトが、ライバルの藤野選手、目桑選手、中村選手を破っていったが) いや、もう感動ですよ。本当にもう、ボク的には目桑選手もすごい速かったし、藤野選手もすごい強い相手だったので「勝てるかなぁ」ってかんじだったんですけど、やっぱりそれをチームのみんなで総力戦で倒していただいてたんで、本当に感謝のひと言に尽きます。

 (準決勝からはチームメイトとの対戦だったが?) 勝ち負けももちろん大事なんですけど、いまイチバンいい走りをしようっていう気持ちで。対戦相手が日比野さんと省己さん(田中選手)だったんですけど、非常に楽しんで、もう「ドリフト楽しいわーっ」って思いながら走ってました。

 (今日はオートポリスの攻略はうまくできた?) ちょっと操作のバラつきは、もちろんあったんで、後追いでもそうだったんですけど、省己さんのときの決勝の後追いも、もっと行く作戦だったんですけど、ボクの操作のしかたのアラがあって、それで離れちゃったところもあったんで、明日はしっかりそれを修正してビタビタでいきたいと思います

 (チャンピオンに向けて、少し前進したのでは?) でも、あと3戦もあるんで、ぜんぜん状況は変わっちゃうんで、そこはもう気にせず、まず1周1周をしっかり自分のベストが尽くせるように、まず前だけを見て走りたいと思います。


第7戦 2位

田中 省己
SEIMI STYLE SHIBATIRE DRIFT

第7戦 3位

中村 直樹
TEAM VALINO × N-STYLE

第7戦 優勝チーム

SHIBATA RACING TEAM

第7戦 ベストメンテナンス

CUSCO Racing

D1ファンクラブサイトには上位選手の大会後コメント(有料会員限定記事)が掲載されています。


第7戦 最終順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarModelTsuiso pointsTanso points
131蕎麦切 広大SHIBATA RACING TEAMGR86ZN8252
22田中 省己SEIMI STYLE SHIBATIRE DRIFTSILVIAS1521 
399中村 直樹TEAM VALINO × N-STYLEGR86ZN818 
418日比野 哲也SHIBATA RACING TEAMGR86ZN816 
566藤野 秀之Team TOYO TIRES DRIFT 1GR86ZN8134
679目桑 宏次郎VALINO TEAM G-MeisterE92123
775畑中 夢斗DRIFT STAR RacingCHASERJZX10011 
832多田 康治CUSCO RacingGR86ZN810 
970横井 昌志TEAM D-MAX RACINGSILVIAS1581
1023村上 満Repair Create × Result JapanGR86ZN87 
1188川畑 真人Team TOYO TIRES DRIFT 1GR86ZN86 
1250石井 亮Team BuzzBreakMARKⅡJZX1005 
1356森 孝弘GP SPORTS180SXRPS134 
1487齋藤 太吾FAT FIVE RACINGGR SUPRAA900 
158稲岡 拓也VEHIQL RACING × VALINO180SXRPS132 
1690山中 真生ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ! レーシングGR SUPRAA901 

※ No.87はD1規則 付則-D1 13 に従い、タイヤのビード落ちのため当該大会のポイントは与えられない。


第7戦 単走順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarModelPoints
166藤野 秀之Team TOYO TIRES DRIFT 1GR86ZN820
279目桑 宏次郎VALINO TEAM G-MeisterE9216
331蕎麦切 広大SHIBATA RACING TEAMGR86ZN815
470横井 昌志TEAM D-MAX RACINGSILVIAS1514
599中村 直樹TEAM VALINO × N-STYLEGR86ZN813
623村上 満Repair Create × Result JapanGR86ZN812
788川畑 真人Team TOYO TIRES DRIFT 1GR86ZN811
82田中 省己SEIMI STYLE SHIBATIRE DRIFTSILVIAS1510
950石井 亮Team BuzzBreakMARKⅡJZX1008
1018日比野 哲也SHIBATA RACING TEAMGR86ZN87
1175畑中 夢斗DRIFT STAR RacingCHASERJZX1006
1256森 孝弘GP SPORTS180SXRPS135
1332多田 康治CUSCO RacingGR86ZN84
1487齋藤 太吾FAT FIVE RACINGGR SUPRAA900
158稲岡 拓也VEHIQL RACING × VALINO180SXRPS132
1690山中 真生ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ! レーシングGR SUPRAA901

※ No.87はD1規則 付則-D1 13 に従い、タイヤのビード落ちのため当該大会のポイントは与えられない。


第7戦 チーム順位&ポイント

Pos.No.TeamDriverPoints
131SHIBATA RACING TEAM蕎麦切 広大26
22SEIMI STYLE SHIBATIRE DRIFT田中 省己20
399TEAM VALINO × N-STYLE中村 直樹15
418SHIBATA RACING TEAM日比野 哲也10
566Team TOYO TIRES DRIFT 1藤野 秀之6
679VALINO TEAM G-Meister目桑 宏次郎6
775DRIFT STAR Racing畑中 夢斗6
832CUSCO Racing多田 康治6
970TEAM D-MAX RACING横井 昌志3
1023Repair Create × Result Japan村上 満3
1188Team TOYO TIRES DRIFT 1川畑 真人3
1250Team BuzzBreak石井 亮3
1356GP SPORTS森 孝弘3
1487FAT FIVE RACING齋藤 太吾0
158VEHIQL RACING × VALINO稲岡 拓也3
1690ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ! レーシング山中 真生3

※ No.87はD1規則 付則-D1 13 に従い、タイヤのビード落ちのため当該大会のポイントは与えられない。


シリーズランキング

2025年シリーズランキング >>>

関連記事