D1GP RD.9 お台場 詳細レポート

2025 GRAN TURISMO D1 GRAND PRIX SERIES RD.9 ODAIBA
2025年グランツーリスモD1グランプリシリーズ第9戦 お台場
開催日:2025年11月15日(土)
会場:お台場特設会場(東京都)
コースコンディション:ドライ
 延動員数:22,859名(3日間合計)

ビタビタの後追いを連発した中村直樹が優勝!


第9戦 単走決勝

Tanso 1st place
藤野 秀之
Team TOYO TIRES DRIFT 1
TEAM TOYO TIRES DRIFT GR86 #66 [ZN8]
Tanso 2nd place
日比野 哲也
GR86 [ZN8]
Tanso 3rd place
中村 直樹
GR86 [ZN8]

ゾーンをぎりぎり通過して藤野が紙一重の単走優勝

 2025年シリーズ最後の2連戦の舞台はお台場特設コース。映画『ALIVEHOON Beyond the limit』の撮影が入ることもあり、映画用の特別な照明が設置されて開催された。タイトル争いはランキング首位が蕎麦切で、藤野がそれを20ポイント差で、目桑が34ポイント差で追う展開だ。

 コースレイアウトは昨年とほぼ同様だが、コース幅が少し変わった部分があるほか、通過指定ゾーンが、1コーナーの奥、2コーナーのアウト側、振り返した先のヘアピンの奥の3ヶ所に加えて、ストレートの振り出し直後のアウト側にも設定された。

 通過指定ゾーンが多かったせいか、ゾーンはずしによる減点を受けた選手は多く、川畑、横井、村上らがDOSSでは高得点でも減点を受けて追走進出を逃した。

 いっぽうでAグループ1本目にアクセル踏みっきりのドリフトで98.62点を出した中村(直)がまずトップに立つ。しかし次のBグループで日比野が進入の大きな角度や安定性などで得点をかせぎ、98.84点でそれをうわまわった。

 そしてDグループで走行した藤野が素早い振りで姿勢を決めるとすぐにアクセルオン。安定したドリフトを見せて高得点を獲得。ラインがやや小さめだったが、ゾーンはぎりぎり通過でき、98.90点を獲得した。その後この点をうわまわる走行は出ず、藤野の単走優勝となった。

 藤野はこれで単走優勝の加算ポイント4を獲得。ラウンド9位以上も確定したので、加算ポイントなしの10位通過だった蕎麦切を追うには望ましい展開となった。

振り出し位置のゾーンは、便宜的にEX(エクストラ)ゾーンと名付けられたが、役割としては通常の通過指定ゾーンとおなじだ。
横井はDOSS点が98.49点とよかったが、ゾーン1を部分的にはずしてしまい減点を受けて単走敗退となった。
前戦で初の単走通過をした玉城は、まずまずの振りから安定した走りを見せて、2戦連続での追走進出を決めた。
DOSS点では2本とも98点を超えていた村上だったが、2本ともゾーン3を取りきれないというミスをして敗退。
電動スロットルにトラブルを抱えていた齋藤(太)は、速さはあったものの走りをまとめることができず敗退した。
99.38点と最高のDOSS点を取った森だが、ポール倒しとフィニッシュ直前のドリフトのもどりによる減点で敗退した。
Pos.Gr.No.DriverCarBest score2nd score
1D66藤野 秀之ZN898.9063.04
2B18日比野 哲也ZN898.8496.18
3A99中村 直樹ZN898.6296.81
4B2田中 省己S1598.6195.99
5C90山中 真生A9098.3495.99
6A75畑中 夢斗JZX10098.2224.51
7B76中村 龍PS1398.2195.75
8A33石川 隼也ZN898.2194.37
9C79目桑 宏次郎E9298.1897.44
10A31蕎麦切 広大ZN898.0897.96
11A81和田 賢志郎S1598.0194.55
12D14玉城 詩菜ZN697.9896.82
13C89Lattapon Keawchin(ポップ)F2297.8397.06
14B77松山 北斗GZEA14H97.7995.44
15B50石井 亮JZX10097.6582.51
16A78上野 高広GSC1097.5296.72
▲ 追走トーナメント 進出 ▲
17B70横井 昌志S1597.4996.86
18D32多田 康治ZN897.4896.86
19A88川畑 真人ZN897.2577.15
20D23村上 満ZN897.1995.33
21C15藤原 優汰S1597.0895.34
22B80田野 結希ZN897.0775.58
23C87齋藤 太吾A9096.9996.52
24C51岩井 照宜FC3S96.9693.63
25A93加納 広貴S1596.9396.75
26D55松川 和也AE8596.3177.74
27D98土居 雅和PS1396.2694.79
2809粂 哲也S1596.2486.32
29C8稲岡 拓也RPS1396.2344.37
30D3野村 圭市ER3496.2073.64
31D10三好 隼人ZN896.1794.93
32C38斎藤 久史S1596.0193.83
33056森 孝弘RPS1395.9690.38
34B30中田 哲郎JZX10095.8094.44
35B7松井 有紀夫FD3S95.7913.58
36A52星 涼樹GZEA14JH94.9090.96
37C43田所 義文AE8693.6592.98

第9戦 単走優勝

藤野 秀之

Team TOYO TIRES DRIFT 1
TEAM TOYO TIRES DRIFT GR86 #66 [ZN8]

 練習までの手応えは、ちょっとクルマとのうまくいってない部分があったので、ギヤ比を変えて、朝のチェックランで試して、まだこっちのほうがいいかなというかんじで、それでいきました。まぁリズムで走ってるんで、そのリズムが作りやすかったっていうことなんですけど。

 (このコースで気をつけたことは?) ゾーンをはずさない、くらいですかね。あとは振りとか、そのへんだけを気をつけて走りました。まぁ角度は1回でつけて、そこからは角度の安定が大事なんで、あんまり角度増しっていうのは、この2ゾーン、3ゾーンのところではしないようにしてましたね。

 (本番もゾーンはぎりぎりかったが?) そうなるのもわかってたんで、やっぱりそこを気をつけようと思ってやってたんですけど、本番になるとやっぱりリキむんで。自分のなかでは、あのときも失敗で、点数が出ないんじゃないかな、っていう感触のほうのが強かったです。

 (チャンピオン争いのプレッシャーは?) いや、それよりもプレッシャーは、玉城が自分の前に走って、98点出したので、その瞬間に「ヤバい」と思いました。そっちのほうが緊張しました(笑)。


第9戦 単走ダイジェスト


第9戦 追走トーナメント

Final Battle   
山中 真生 [A90] vs 中村 直樹 [ZN8]
おたがいに先行時はいい走りを見せてDOSSポイントは96.9とイーブン。後追い時の接近ポイントの差で中村が勝った。

フルマークならずも中村(直)が圧巻の接近ドリフトで優勝

 ベスト16では、半数の対戦で単走の下位の選手が上位の選手を倒すという混戦となった。タイトルを争う選手ではランキング2位の藤野、同3位の目桑、同首位の蕎麦切いずれもベスト8に勝ち上がる。そしてベスト8では目桑が藤野に勝利して望みをつないだが、蕎麦切も日比野に勝ってベスト4に進出した。

 準決勝最初の対戦は目桑vs山中。おたがいに終始近いドリフトを見せて後追いポイント10.7をとったが、目桑が後追い時に山中に接触してしまい、減点を受けて山中が勝った。この時点で目桑はタイトル争いから脱落。チャンピオン争いは藤野と蕎麦切に絞られた。

 その蕎麦切は準決勝で中村(直)と対戦。後追いでストレートから中村をとらえられず、接近ポイントは3.3にとどまって敗れた。

 決勝は前年度につづいてお台場ラウンド3戦連続決勝進出を果たした山中とオートポリスにつづいての優勝を狙う中村(直)。1本目は山中が先行。山中もいい走りをみせたが、中村は進入しながら距離を詰め、その後はずっと近い距離のドリフトを見せる。進入前で距離があったこともあってフルマークとはならなかったが後追いポイント13.3を獲得した。2本目は中村が先行。山中も近めの距離でついていったが、角度が浅くなる場面もあり、中村ほどは接近ポイントがとれず、中村の勝ちとなった。

 なお、このラウンドで蕎麦切は4位、藤野は5位に入賞。蕎麦切のランキング首位、藤野の2位は変わらないが、藤野は単走優勝での4ポイント加算により、1ポイントだけ蕎麦切との差を詰めて翌日の最終戦を迎えることになった。

Semi Final Battle
目桑 宏次郎 [E92] vs 山中 真生 [A90]
後追いで接近ドリフトを見せた目桑だが、ヘアピンで山中が姿勢を乱すほどの接触をしてしまって敗れた。
Semi Final Battle
蕎麦切 広大 [ZN8] vs 中村 直樹 [ZN8]
中村は振り返し後の動きなど、きれいにいかない場面もあったものの近いドリフトで接近ポイントをかせいで勝った。
Pick Up Battle
藤野 秀之 [ZN8] vs 目桑 宏次郎 [ZN8]
1本目に近いドリフトでポイントをとった目桑に対し、2本目の藤野は角度が浅い場面もあり、逆転できなかった。
Pick Up Battle
日比野 哲也 [ZN8] vs 蕎麦切 広大 [ZN8]
チームメイト対決は、日比野が先行時にヘアピンに向けて振り返したあとにスピン。これが決め手で蕎麦切が勝った。
Pick Up Battle
中村 直樹 [ZN8] vs 和田 賢志郎 [S15]
1本目には後追いから接近ポイント10.7をとった和田だが、2本目は後追いの中村が14.7を取り返して勝った。
Pick Up Battle
日比野 哲也 [ZN8] vs 石井 亮 [JZX100]
日比野は1本目の先行時に、99.2点という圧倒的な走りをマーク。石井を寄せつけないスピードで勝った。

第9戦 追走ダイジェスト


第9戦 優勝

中村 直樹

TEAM VALINO × N-STYLE
Silk Blaze Sports N-STYLE GR86 [ZN8]

 練習の手応えはよくて、単走優勝は狙ってたんですけど、ちょっと単走の本番ではチカラを出しきれなくて…。1本目でボーダー超える得点で、単走優勝する準備はできてたんです。でも2本目は3セクでよくかきすぎてて、ちょっとハーフスピン状態になっちゃいました。

 (追走ではどこがキーポイントだった?) やっぱりね、ここ進入のやりかたのクセが強くて、ちょっとむずかしいなっていうので、ベスト16で反省点がいっぱいあったんで。ベスト8からちょっと走りかた変えましたね。

 ベスト16では並びすぎて。並びすぎるとよくないかなと思って、いろいろ動画を見ながら調整していきました。ベスト8から走りかた変えて、自分のペースで加速して寄せる、みたいなイメージで。それはうまくいきましたけど、自分のなかでぜんぜん満足はできてないんです。明日のフルマークを目指して、今日の反省を生かして…ちょっと甘く見てましたね。

 ここのコースやったらカンタンに後追いポイント15行くわ、と思ってたけど、今回のレイアウト、ほかの選手も苦戦しているように、むずかしかったですね。進入のリスクが高すぎて。やっぱり進入で押しちゃうと、すごい事故になるし、そのへんを踏まえて、ちょっといい入りかたがないかなというのをちょっといろいろ勉強しました。

 ただ、先行は、もうスピードの乗せかたわかったんで。けっこうアウトラインまで、1コーナー、2コーナー、3コーナーの全開でいけるようになったんで単走はよかったですね。

 (お台場では初優勝) このナイターで優勝は最高ですね。このまま明日も行っちゃいたいと思います。


第9戦 2位

山中 真生
ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ! レーシング

第9戦 3位

目桑 宏次郎
VALINO TEAM G-Meister

第9戦 優勝チーム

TEAM VALINO × N-STYLE

第9戦 ベストメンテナンス

ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ! レーシング

D1ファンクラブサイトには上位選手の大会後コメント(有料会員限定記事)が掲載されています。


第9戦 最終順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarModelTsuiso pointsTanso points
199中村 直樹TEAM VALINO × N-STYLEGR86ZN8252
290山中 真生ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ! レーシングGR SUPRAA9021 
379目桑 宏次郎VALINO TEAM G-MeisterE9218 
431蕎麦切 広大SHIBATA RACING TEAMGR86ZN816 
566藤野 秀之Team TOYO TIRES DRIFT 1GR86ZN8134
618日比野 哲也SHIBATA RACING TEAMGR86ZN8123
781和田 賢志郎TEAM D-MAX RACINGSILVIAS1511 
889Lattapon Keawchin(ポップ)Nexzter drive to drift academySILVIAS1510 
92田中 省己SEIMI STYLE SHIBATIRE DRIFTSILVIAS1581
1075畑中 夢斗DRIFT STAR RacingCHASERJZX1007 
1176中村 龍TEAM MORISILVIAPS136 
1233石川 隼也広島トヨタ team DROO-PGR86ZN85 
1314玉城 詩菜Team TOYO TIRES DRIFT 386ZN64 
1477松山 北斗Team TOYO TIRES DRIFT 2GR COROLLAGZEA14H3 
1550石井 亮Team BuzzBreakMARKⅡJZX1002 
1678上野 高広TEAM VERTEXRCGSC101 

第9戦 単走順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarModel
166藤野 秀之Team TOYO TIRES DRIFT 1GR86ZN820
218日比野 哲也SHIBATA RACING TEAMGR86ZN816
399中村 直樹TEAM VALINO × N-STYLEGR86ZN815
42田中 省己SEIMI STYLE SHIBATIRE DRIFTSILVIAS1514
590山中 真生ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ! レーシングGR SUPRAA9013
675畑中 夢斗DRIFT STAR RacingCHASERJZX10012
776中村 龍TEAM MORISILVIAPS1311
833石川 隼也広島トヨタ team DROO-PGR86ZN810
979目桑 宏次郎VALINO TEAM G-MeisterE928
1031蕎麦切 広大SHIBATA RACING TEAMGR86ZN87
1181和田 賢志郎TEAM D-MAX RACINGSILVIAS156
1214玉城 詩菜Team TOYO TIRES DRIFT 386ZN65
1389Lattapon Keawchin(ポップ)Nexzter drive to drift academySILVIAS154
1477松山 北斗Team TOYO TIRES DRIFT 2GR COROLLAGZEA14H3
1550石井 亮Team BuzzBreakMARKⅡJZX1002
1678上野 高広TEAM VERTEXRCGSC101

第9戦 チーム順位&ポイント

Pos.No.TeamDriverPoints
199TEAM VALINO × N-STYLE中村 直樹26
290ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ! レーシング山中 真生20
379VALINO TEAM G-Meister目桑 宏次郎15
431SHIBATA RACING TEAM蕎麦切 広大10
566Team TOYO TIRES DRIFT 1藤野 秀之6
618SHIBATA RACING TEAM日比野 哲也6
781TEAM D-MAX RACING和田 賢志郎6
889Nexzter drive to drift academyLattapon Keawchin(ポップ)6
92SEIMI STYLE SHIBATIRE DRIFT田中 省己3
1075DRIFT STAR Racing畑中 夢斗3
1176TEAM MORI中村 龍3
1233広島トヨタ team DROO-P石川 隼也3
1314Team TOYO TIRES DRIFT 3玉城 詩菜3
1477Team TOYO TIRES DRIFT 2松山 北斗3
1550Team BuzzBreak石井 亮3
1678TEAM VERTEX上野 高広3

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