D1GP RD.6 エビス 詳細レポート

■コースコンディション:ドライ

小橋が今期4勝目をマークして首位独走!


単走

GRスープラ強し! 松山も優勝!

Tanso 1st Place
松山 北斗 (FAT FIVE RACING) GR SUPRA (A90)
Tanso 2nd Place
小橋 正典 (S15)
Tanso 3rd Place
植尾 勝浩 (S15)

D1グランプリシリーズとしては初開催となるエビスサーキット西コース。ストレートを加速して、ゆるい右コーナーのあとふたつのヘアピンが続くレイアウトだ。

前日からの公式練習ではDOSSで99点台も連発されていたが、そう単純な話ではなかった。その原因は第1ヘアピンのイン側に設定された、ふたつめの通過指定ゾーンだ。練習走行のDOSS点にはゾーン外しは反映されない。本番がはじまるとそのゾーン2を外す選手が続出した。また、そのゾーン2をとりにいくためには一定のセーブや修正も必要になり、思いきった走りが出しにくい。それもあって、全体的には得点がやや低調で、ボーダーラインは95点台となった。

とはいえ、Aグループ最初の走者である松井が、鋭い振り出しと安定した角度でいきなり97.50点というまずまずの得点を出した。そしてポイントリーダーである小橋が、躍動性のある振り、そして進入時の大きな角度と安定性などで点を稼ぎ、98.76点でトップに立った。しかし、Aグループの2本め、松山が高い進入スピードから大きな角度、そして減点の少ない走りで98.79点を獲得。小橋をうわまわる。

Bグループでは末永(直)が、非常に減点の少ないバランスのとれた走りを見せたが98点台には届かず。最後のDグループでは植尾がクイックな振りやヘアピンでの大きな角度を見せたが98.69点。松山の得点にはおよばない。けっきょく松山の得点をうわまわる走りは出ず、松山の単走優勝が決まった。これで、GRスープラのドライバー3人は昨年から今年にかけて全員が単走優勝を果たした。

いっぽうこの単走でランキング2位の川畑が敗退。シリーズ争いで差を広げられることが決定的となった。

齋藤(太)は第1ヘアピンの角度などで得点を落としたものの、165.84km/hというトップの進入速度を記録した。
1本めに飛び出しそうになった中村は、2本めも失敗して単走敗退。1本めは「力みすぎてしまった」という。
練習走行では好調だった北岡だが、マシントラブルで満足に走れず、単走敗退となってしまった。
初出場の斎藤(久)。S15型シルビアだが、エンジンはなんとロータリー。追走進出はならなかった。
コースに合わせたセットアップができなかったという川畑。進入から姿勢が決まらず単走敗退となった。
第1ヘアピンのイン側に外すと2点減点となる通過指定ゾーンが設けられたが、ここで苦しんだ選手が多かった。
Pos.No.DriverMachineBest Score2nd Score
177松山 北斗A9098.7993.24
24小橋 正典S1598.7697.90
315植尾 勝浩S1598.690.00
49末永 直登S1597.9597.18
570横井 昌志S1597.8196.28
666藤野 秀之RPS1397.6597.63
77松井 有紀夫FD3S97.5095.21
82田中 省己S1597.4592.04
95内海 彰乃S1597.3894.79
1031蕎麦切 広大Q6097.3597.18
1118日比野 哲也S14 96.6095.49
1287齋藤 太吾A9096.5695.68
1378上野 高広GSC1096.5593.66
1414村山 悌啓S14 96.2994.06
1533笹山 栄久JZX10095.9995.75
1623村上 満S1595.9190.00
▲追走トーナメント進出▲
1746末永 正雄S1595.6694.45
1851岩井 照宜FC3S95.2091.89
1999中村 直樹S1595.0778.80
2045畑中 真吾GX10094.9694.40
2122木口 健治C3394.7993.89
2211波紫 聖和S1594.1093.41
2327茂木 武士S1593.5189.09
2438斎藤 久史S1592.9590.93
2516山口 孝二S1592.5292.49
2643田所 義文AE8690.4680.91
2719川井 謙太郎JZX10089.7584.09
2855齋藤 真一郎RPS1386.1351.51
2990川畑 真人A9078.2668.73
3052北岡 裕輔JZX1000.00

単走優勝

松山 北斗
FAT FIVE RACING
GR SUPRA (A90)

金曜日の練習から入って、正直自分の気持ちの面でもぜんぜんリズムがとれていなくて、あまり金曜日はいい走りができていなかったんですけど、この日曜日の本番に向けて徐々に上げていこうということでいろいろなクルマのセットアップですとか、走りかた、自分の操作ですとか、そのへんを考えながらやって、単走1本めはすごく失敗しちゃってダメだったんですけど、2本めはちょっと抑えてでもいい点数がとれて、優勝につながってよかったです。


追走トーナメント

超絶接近ドリフトで小橋がシーズン4勝目

Final Battle   
横井 昌志 (S15) vs 小橋 正典 (S15)
決勝の再戦。終始近い距離でドリフトを合わせた小橋に対し、横井は部分的にしか接近ポイントをとれなかった。

ベスト16ではランキング4位の横井が齋藤(太)と対戦。接触があったが、横井が勝った。また、同3位の藤野は同5位の日比野に敗れた。ポイントリーダーの小橋はベスト8に勝ち上がったため、川畑に続いて藤野も小橋からポイント差を広げられる展開となった。

小橋はベスト8も勝利したが、ランキング5位の日比野がここで植尾に敗北した。いっぽうベスト16でステアリング系にダメージを受けた横井のマシンは、ここまでに修復できて上野に勝利。ランキング上位陣で残ったのは小橋と横井のみとなった。

ベスト4に勝ち上がったのは、松山、横井、小橋、植尾。準決勝最初の対戦は松山vs横井だ。1本め、松山はゾーン2を外してしまい、横井はビタビタの接近ドリフトを見せる。2本めは後追いの松山が同時振りを見せたものの、横井のスピードにやや離され、第2ヘアピンで流されるなどして横井の勝ちとなった。

準決勝もうひと組の対戦は小橋vs植尾。1本めは植尾が第1ヘアピン立ち上がりから小橋のインに入ったが、第2ヘアピンの進入で小橋に接触し失速してしまう。ここでステアリング系にダメージを負った小橋のマシンだったが、2本めは植尾がゾーン2を外したこともあって小橋が逃げきった。

決勝は横井vs植尾。2本の走行はおたがいに部分的に相手のインに入る展開でイーブンの判定。再戦にもつれこんだ。その1本め、後追いの小橋は同時振りから終始ビタビタの接近ドリフトをみせて大きなアドバンテージを得る。2本めは横井もややイン寄りのラインをとってヘアピンで小橋のインを差したが、その後あとまた離され、小橋の勝ちが決まった。

ポイントランキングでは藤野が2位に、横井が3位に浮上したものの、首位の小橋と2位との差は32ポイント差に開き、場合によっては次戦にもチャンピオンが決まる状況になった。

Semi Final Battle
松山 北斗 (A90) vs 横井 昌志 (S15)
第1ヘアピンでアウトにはらんだ松山の隙を逃さず、横井は見事にインに食い込んでドリフトを合わせた。
Semi Final Battle
小橋 正典 (S15) vs 植尾 勝浩 (S15)
後追いから近いドリフトを見せた植尾だが、第2ヘアピンの進入で小橋と接触し、ストップしてしまった。
Pick Up Battle
横井 昌志 (S15) vs 齋藤 太吾 (A90)
ベスト16。後追いからビタビタに接近した齋藤(太)だが、第2ヘアピンで横井をプッシュしてしまった。
Pick Up Battle
藤野 秀之 (RPS13) vs 日比野 哲也 (S14)
ベスト16。後追いの走りは藤野の接近度がまさったが、先行時のDOSS得点が低かった影響で藤野が敗れた。
Pick Up Battle
小橋 正典 (S15) vs 松井 有紀夫 (FD3S)
ベスト8。後追いは互角の接近度だったが、先行時にヘアピンでインカットしたことにより松井が敗れた。
Pick Up Battle
植尾 勝浩 (S15) vs 日比野 哲也 (S14)
ベスト8。両者とも先行時にはゾーン2を外したが、後追い時の接近度の差で植尾が勝った。

優勝

小橋 正典
LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE
Team ORANGE SILVIA S15-2JZ (S15)

今季4勝目できて、チームのみなさんに本当に感謝しています。めちゃくちゃうれしいです。

クルマのセットアップは、練習日などはぜんぜんよくなかったんですけど、決勝日に向けてしっかりセットアップできたかな、と思います。

追走は順調といえば順調なのかもしれないですけど、途中ちょっとトラブルがあったりして「ダメかもな」って思ったときもあったんですけど、メカニックのみなさんがしっかり直してくれたんで、そのまま勝ち進むことができました。

決勝は本当に完全に出し切りました。横井さんが後追いでしっかりとってくるのはわかっていたので、前はDOSSの点をとれるように走って、後追いはしっかり入っていけるようにしたんですが、サドンデスになっちゃったんですけど、なんとか勝つことができました。いまのルールだとタイヤのマネージメントが難しくて、そこがキーになるんですけど、今回も単走2本走ってしまったのでギリギリ……おたがいたぶんギリギリだと思うんですけど、ギリギリの戦いで勝てたことは、またぼくの自信になったと思います。

ポイント的にはリードしたかんじなんですけど、このまま来年(※最終戦)に向けて、さらにマシンを詰めていけたらなと思います。最終戦もダブルヘッダーなんで、しっかり気を抜かずにとっていきたいと思います。ファンのみなさん、来年もしっかりとるんで、応援よろしくお願いします。


2位
横井 昌志 (S15)
3位
松山 北斗 (A90)
優勝チーム
LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE
ベストメンテナンス
adidas a-unit LINGLONG G-meister

最終順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamMachinePointsTanso Points
14小橋 正典LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGES15253
270横井 昌志NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX S1521 
377松山 北斗FAT FIVE RACINGA90184
415植尾 勝浩VALINOS15162
57松井 有紀夫Team RE雨宮 K&NFD3S13 
65内海 彰乃SAILUN TIRE DIXCEL MOTORSPORTS1512 
718日比野 哲也SAILUN TIRE SUNRISES14 11 
878上野 高広TEAM VERTEX SAILUN TIREGSC1010 
99末永 直登LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGES1581
1066藤野 秀之Team TOYO TIRES DRIFT – 1RPS137 
112田中 省己SEIMI STYLE DRIFT SAILUN TIRES156 
1231蕎麦切 広大TEAM SHIBATA SAILUN TIREQ605 
1387齋藤 太吾FAT FIVE RACINGA904 
1414村山 悌啓BUY NOW JAPAN eternalS14 3 
1533笹山 栄久Team M2 RacingJZX1002 
1623村上 満Team C.M.Feeling.S151 

単走順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamMachinePoints
177松山 北斗FAT FIVE RACINGA9020
24小橋 正典LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGES1516
315植尾 勝浩VALINOS1515
49末永 直登LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGES1514
570横井 昌志NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAXS1513
666藤野 秀之Team TOYO TIRES DRIFT – 1RPS1312
77松井 有紀夫Team RE雨宮 K&NFD3S11
82田中 省己SEIMI STYLE DRIFT SAILUN TIRES1510
95内海 彰乃SAILUN TIRE DIXCEL MOTORSPORTS158
1031蕎麦切 広大TEAM SHIBATA SAILUN TIREQ607
1118日比野 哲也SAILUN TIRE SUNRISES146
1287齋藤 太吾FAT FIVE RACINGA905
1378上野 高広TEAM VERTEX SAILUN TIREGSC104
1414村山 悌啓BUY NOW JAPAN eternalS143
1533笹山 栄久Team M2 RacingJZX1002
1623村上 満Team C.M.Feeling.S151

チーム順位&ポイント

Pos.No.TeamDriverPoints
14LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE小橋 正典26
270NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX 横井 昌志20
377FAT FIVE RACING松山 北斗15
415VALINO植尾 勝浩10
57Team RE雨宮 K&N松井 有紀夫6
65SAILUN TIRE DIXCEL MOTORSPORT内海 彰乃6
718SAILUN TIRE SUNRISE日比野 哲也6
878TEAM VERTEX SAILUN TIRE上野 高広6
99LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE末永 直登3
1066Team TOYO TIRES DRIFT – 1藤野 秀之3
112SEIMI STYLE DRIFT SAILUN TIRE田中 省己3
1231TEAM SHIBATA SAILUN TIRE蕎麦切 広大3
1387FAT FIVE RACING齋藤 太吾3
1414BUY NOW JAPAN ternal村山 悌啓3
1533Team M2 Racing笹山 栄久3
1623Team C.M.Feeling.村上 満3

シリーズランキング

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