D1GP RD.4 筑波 詳細レポート

■コースコンディション:ドライ
■延動員数:3,907名(関係者含む)

第4戦は小橋正典が優勝!


単走

Tanso 1st Place
松井 有紀夫 (Team RE雨宮 K&N)
RE雨宮 K&N RX-7 (FD3S)
Tanso 2nd Place
中村 直樹 (S15)
Tanso 3rd Place
高橋 和己 (E92)

速いシャープな走りで松井が単走優勝

第4戦は第3戦の翌日、おなじ筑波サーキットのコース2000でおこなわれた。数日まえまでは雨予報だったが、天気予報はしだいに好転し、けっきょく終日ドライ路面で競技がおこなわれた。

前日トラブルを起こしたDOSSはやはり復旧が不十分で、この日の競技はすべてDOSSを使わずにおこなわれることになった。

前日より走りの完成度も高まり、得点も上がってきた。まずAグループ前半では横井がスピードの高いキレのある走りを見せて98.30点を出したが、Aグループ後半で末永(正)が大きな角度をつけた流れのいいドリフトで横井をうわまわる98.40点を出す。すると松井が、高いスピードでパキンパキンと角度をつけながらどんどんまえに出るドリフトで99.15点をマーク。トップに立った。

つぎのBグループでは内海がスムーズなドリフトを見せたが、キレはいまひとつで98.10点どまり。Cグループでは高橋が、振り出し直後の第1セクターからきっちり角度をつけ、1コーナーにもいい振りで飛び込んで走りをまとめたが、99点には届かず98.85点。

そしてDグループ。前日単走優勝の中村が、前日をうわまわるほどの激しさとコントロールを見せてきたがヘアピンの進入で一瞬引っかかったことで99.00点となり、松井の得点は超えられず、松井の単走優勝となった。

藤野はこの日も走りがまとまらず敗退。足まわりのパーツを交換したがまだその特性を把握しきれていなかったという。
植尾は、1本目は通過指定ゾーンを外し、2本目は後半の角度が浅くなって得点が伸びず、2日連続で追走進出を逃した。
末永(直)は、1本目は速かったが角度が浅かったことで得点が伸びず。2本目はスピンしてしまって単走敗退となってしまった。
自家製エキセントリックシャフトで4ローターエンジンを製作し、シルビアに載せてきた斎籐(久)が、初の追走進出を果たした。
目桑は、前日のエンジンブローの影響でエンジンは万全ではなかったようだが、なんとかコントロールして14位に入った。
1本目は1コーナーで流されて通過指定ゾーンを外し、2本目はドリフト開始からミスをしてしまって、岩井は単走敗退となった。
Pos.
17松井 有紀夫FD3S99.150.00
299中村 直樹S1599.0096.65
336高橋 和己E9298.850.00
431蕎麦切 広大Q6098.7597.15
590川畑 真人A9098.5076.50
646末永 正雄S1598.400.00
74小橋 正典S1598.3594.25
891畑中 真吾A9098.3593.75
970横井 昌志S1598.3090.50
106内海 彰乃S1598.1041.50
1152北岡 裕輔JZX10097.8595.50
1278上野 高広GSC1097.8096.10
132田中 省己S1597.8096.00
1479目桑 宏次郎RPS1397.7093.50
1577松山 北斗A9097.6096.40
1638斎藤 久史S1597.4095.60
▲追走トーナメント進出▲
1715植尾 勝浩S1597.0095.85
1866藤野 秀之ZN696.9092.25
199末永 直登S1596.6074.00
2056森 孝弘RPS1396.1594.75
2184波紫 聖和S1596.0093.00
2243田所 義文AE8696.0072.00
2327茂木 武士S1595.9095.90
2416山口 孝二S1594.6094.00
2519川井 謙太郎JZX10091.0087.00
2651岩井 照宜FC3S85.250.00
2733笹山 栄久JZX10070.0033.00

単走ダイジェスト


単走優勝

松井 有紀夫

Team RE雨宮 K&N
RE雨宮 K&N RX-7 (FD3S)

マシンのセットアップやコース攻略のほうはおおむね順調にいったかなと思っています。マシンに若干トラブルがあったり、金曜日の練習あまり思うように走れなかったんですけど、そんななかでもいい状態でメカニックが整備してくれて、送り出してくれたので、そこらへんがうまくいったかな、と感謝しています。

本番はですね、筑波のコースは長いんで、タイヤが非常にきびしいコースです。なので、最初はグループの点数で、そのなかから何台(が通過)ってなると思ってたので、まずそこで、Aグループの最後の出走だったので、1本目で残る位置まで行ったら2本目はキャンセルしようと思ってたんですけども、全体のなか(での順位)だったっていうことで、ちょっと予定が変わって、思いきり行ったんですが、それなりにうまくいったので、ベスト16から落ちることはまずないなということで、クルマのこと、タイヤのことを考えて2本目はキャンセルということにしました。

単走のできばえは、やっぱり走ってるなかにはちっちゃいミスとか、修正をしたりっていうのはたくさんあったんですけど、そういうのがあまりそとにあらわれない状態のなかで処理をしていけたので、高得点がとれて、結果的には自分のなかではとても上出来な走りだったと思います。

単走優勝できて……まぁニューマシンになって1年と4戦めということになるんですけど、なかなか結果が出ず、すごい苦労もしたし、みんなにつらい思いをさせたんですけど、やっとメダルがとれる位置まで来れました。クルマのバランスもすごくとれてきて、これからきっちりと後半も強いRE雨宮と松井有紀夫っていうのを見せていきたいと思います。


追走トーナメント

Final Battle
横井 昌志 (S15) vs 小橋 正典 (S15)
一見すると小橋が押したようにも見えた接近距離だったが、実際は横井の単独オーバーランで、横井のスピンが接触の原因だった。

猛追する小橋から横井が逃げ切れずクラッシュ

ベスト16では、畑中がパワステトラブルで横井に敗れたほか、蕎麦切がいい走りを見せつつもところどころにミスが出て田中に敗北。それ以外はいずれも追走上位の選手がベスト8に勝ち上がった。前日の勝者である内海は後追い時に1コーナーでオーバーランするなどして敗れた。

ベスト4に勝ち上がったのは横井、田中、小橋、高橋。まずは2012年のD1ストリートリーガル王者・横井が2011年の同王者・田中と対戦。1本目は横井が先行。田中は1コーナーで寄せたが、その先はつききれず、アドバンテージは0.5にとどまった。2本目は田中が先行。横井は比較的近い距離で田中についていき、最後のヘアピンでピタッとインに入り、アドバンテージ1.0を獲得。これで横井の勝ちとなった。

つぎの対戦は小橋vs高橋だったが、高橋はベスト8の対戦で末永(正)に接触され、車両のダメージから走行不能と判断されて末永(正)の反則負けとなり、つづく準決勝も高橋は走行することができず、小橋の不戦勝となった。

そして決勝は横井vs小橋。1本目は横井が先行。小橋は1コーナーの飛び込みで横井を捕らえ、ビタビタに寄せたが、オーバースピードだった横井はクリップにつけず、アウトに後輪をはみ出してスピンしてしまった。そのために小橋が接触。横井の車両はダメージを受けてリタイヤとなり、小橋の優勝が決まった。

なお、この筑波2連戦の結果、ポイントランキングでは横井が首位に立ち、高橋が2pts差で追う展開になっている。

Semi Final Battle
横井 昌志 (S15) vs 田中 省己 (S15)
両者とも中古タイヤでの戦いで、苦しいなかでの追走となったが、寄せた区間や寄せかたの差で横井が田中に勝った。
Pick Up Battle
高橋 和己 (E92) vs 末永 正雄 (S15)
1コーナーの進入で末永(正)が高橋をプッシュ。高橋の車両は右フロントサスペンションにダメージを受けて走行不能になった。
Pick Up Battle
田中 省己 (S15) vs 川畑 真人 (A90)
再戦にもつれたが、その1本目の走行で川畑は角度が浅くなるなどしたうえにインには入れず、田中が先行でアドバンテージをとって勝った。
Pick Up Battle
松井 有紀夫 (FD3S) vs 横井 昌志 (S15)
松井は先行時に通過指定ゾーンをはずし、2本目には1コーナーでオーバーランぎみなってしまったことで横井が勝った。
Pick Up Battle
中村 直樹 (S15) vs 小橋 正典 (S15)
1本目には小橋が後追いで超絶接近ドリフトを披露。2本目は中村が1コーナーで小橋に接触して後れをとり、小橋の勝ちとなった。
Pick Up Battle
松井 有紀夫 (FD3S) vs 斎籐 久史 (S15)
モータースポーツ史上希有な4ローター同士の対決となったが、斎籐がマシントラブルでドリフトを継続できず、松井の勝ちとなった。

追走ダイジェスト


優勝

小橋 正典

LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE
LINGLONG Team ORANGE S15-2JZ (S15)

筑波サーキットはけっこうぼく的には好きなサーキットで、セッティングも最終戦のデータがあったので、それを踏まえてさらなるトラクションとかを見直したセットで挑んだんですけど、ちょっとかみ合ってなくてですね、セットアップにはだいぶ苦労してました。

DOSSが今回途中からなくなってしまって主観審査になっちゃったんですけど、しばらく主観審査をされていないので、けっこうとまどう部分はありました。ただ、単走ではそれでも上位ではなかったんですけども、ポイントを当確ラインまでは獲得できたんで、追走に残ることができるレベルまでは単走も完成したかな、と思いました。

追走は、昨日の第3戦の追走であるていどぼくのなかでデータをとって、あとはほかのかたの走っているのを見て、走らせかたとセットアップを見直して、今日の追走はけっこうしっかり行けるようにセットアップはできたかな、と思います。

イチバン気合いを入れたのは、(中村)直樹さんとの戦いで、全力で行ったんですけど、おたがいミスもあって、結果直樹さんのミスのほうが大きくて、ぼくの勝ちとなったんですけど、そこで勝ってスイッチが自分のなかで入ったかなと思いました。

決勝の前に、(高橋)和己さんと対戦する予定だったんですけど、ルール上の問題もあって、対戦できなかったのは残念だったんですけど、次回ぜひ対戦してみたいと思ってます。

決勝はぼくも最後までしっかり走りたかったんですけど、横井さんのスピードに合わせようと思って、しっかり加速してピッタリ行ったんですが、距離も近いもんで接触が避けられない状況になってしまったんで、接触してしまったのは申し訳ないと思っているんですが、今回はけっこう運がぼくに味方をして優勝できたかなとは思いました。

しっかりと自分の手でつかんだわけじゃないんですけど、せっかくここでポイントをゲットできたので、しっかりここからはエビス戦に向けて準備して、エビス戦を2勝したいと思います。


2位
横井 昌志 (NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX)
3位
高橋 和己 (TMS RACING TEAM SAILUN TIRE)
優勝チーム
LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE
ベストメンテナンス
TEAM VERTEX SAILUN TIRE

最終順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamMachineTsuiso PointsTanso Points
14小橋 正典LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGES1525 
270横井 昌志NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX S1521 
336高橋 和己TMS RACING TEAM SAILUN TIREE92182
42田中 省己TEAM SAILUN TIRES1516 
57松井 有紀夫Team RE雨宮 K&NFD3S134
699中村 直樹MUGEN PLUS team ALIVE VALINOS15123
790川畑 真人Team TOYO TIRES DRIFTA9011 
846末永 正雄NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX S1510 
931蕎麦切 広大TEAM SHIBATA SAILUN TIREQ6081
1091畑中 真吾横浜トヨペット SAILUN 俺だっ!A907 
116内海 彰乃TEAM SAILUN TIRES156 
1252北岡 裕輔TEAM MORIJZX1005 
1378上野 高広TEAM VERTEX SAILUN TIREGSC104 
1479目桑 宏次郎alpinestars LINGLONG G-MEISTERRPS133 
1577松山 北斗FAT FIVE RACINGA902 
1638斎藤 久史マチュアーミヤセイミツS15S151 

単走順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamMachinePoints
17松井 有紀夫Team RE雨宮 K&NFD3S20
299中村 直樹MUGEN PLUS team ALIVE VALINOS1516
336高橋 和己TMS RACING TEAM SAILUN TIREE9215
431蕎麦切 広大TEAM SHIBATA SAILUN TIREQ6014
590川畑 真人Team TOYO TIRES DRIFTA9013
646末永 正雄NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAXS1512
74小橋 正典LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGES1511
891畑中 真吾横浜トヨペット SAILUN 俺だっ!A9010
970横井 昌志NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAXS158
106内海 彰乃TEAM SAILUN TIRES157
1152北岡 裕輔TEAM MORIJZX1006
1278上野 高広TEAM VERTEX SAILUN TIREGSC105
132田中 省己TEAM SAILUN TIRES154
1479目桑 宏次郎alpinestars LINGLONG G-MEISTERRPS133
1577松山 北斗FAT FIVE RACINGA902
1638斎藤 久史マチュアーミヤセイミツS15S151

チーム順位&ポイント

PosNo.TeamDriverPoints
14LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE小橋 正典26
270NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX 横井 昌志20
336TMS RACING TEAM SAILUN TIRE高橋 和己15
42TEAM SAILUN TIRE田中 省己10
57Team RE雨宮 K&N松井 有紀夫6
699MUGEN PLUS team ALIVE VALINO中村 直樹6
790Team TOYO TIRES DRIFT川畑 真人6
846NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX 末永 正雄6
931TEAM SHIBATA SAILUN TIRE蕎麦切 広大3
1091横浜トヨペット SAILUN 俺だっ!畑中 真吾3
116TEAM SAILUN TIRE内海 彰乃3
1252TEAM MORI北岡 裕輔3
1378TEAM VERTEX SAILUN TIRE上野 高広3
1479alpinestars LINGLONG G-MEISTER目桑 宏次郎3
1577FAT FIVE RACING松山 北斗3
1638マチュアーミヤセイミツS15斎藤 久史3

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