D1GP RD.6 エビス 詳細レポート

■コースコンディション:ドライ
 ■延動員数:合計3,806名 (関係者含む)

前戦でチャンピオンを決めた中村が優勝!


第6戦 単走決勝

Tanso 1st Place
横井 昌志
NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX
TEAM D-MAX S15 SILVIA 2JZ 4号機 (S15)
Tanso 2nd Place
田中 省己 SILVIA (S15)
Tanso 3rd Place
中村 直樹 SILVIA (S15)

前日より得点を伸ばして横井が2連勝!

2021年シリーズ最終戦。コース形態が変更されるエビスサーキット南コースでは最後の大会にもなる第6戦は、第5戦の翌日に開催された。コースレイアウトは前日と同様。得点も前日より全体的にやや上がった。

まず第1走者の小橋が、2本をきっちり組み立てて、2本目に98.82点を出すと、田中が絶妙なストレートのつなげかたからスピードを維持しつつ姿勢の安定したドリフトを見せて99.27点という高得点を獲得。トップに立つ。Bグループでは、前日の単走優勝者である横井が1本目に失敗したものの、2本目は絶妙な角度とラインで最終コーナーを飛び出して走りをまとめ、前日の得点をうわまわる99.59点をマーク、この時点までのベストスコアを出した。

そしてCグループでは前日のクラッシュから完璧ではないものの、マシンを修復してきた中村が、高い車速と審査席前での安定性などで点をかせぎ98.96点で横井、田中にはおよばないものの3番手に入る。このまま順位が変わらなければ、中村の単走シリーズチャンピオンが決まる。

けっきょくそのあとに中村をうわまわる点は出ず、中村の単走シリーズチャンピオンと、横井の単走2連勝が決まった。

齋藤は、最終コーナー手前でのコースアウト減点を覚悟のうえで独自のラインから飛び出し、ほかの選手より10km/h以上高い車速をマークして観客の度肝を抜いた。
奥伊吹でデビューした新人の秋葉は、角度が浅めになるセクターもあったが、高い車速からまずまずの流れで走りをまとめ、初の追走進出を果たした。
1本目にストレートの振られなどで点を落とした松山は、2本目もハーフスピンぎみに失速するなどして点がのびず敗退。このコースでスープラ勢はやや苦戦ぎみだった。
前日の勝者である末永(直)だが、1本目は審判席前で角度がつきすぎてハーフスピン。2本目は抑えすぎたのか得点が伸びず、単走敗退となってしまった。
末永(正)は、1本目には審判席前で、2本目は1コーナーで流されぎみになって高得点をとれず、17位というおしい順位で追走進出を逃した。
植尾は、1本目はかなり抑えた印象で流れのよくない走りとなって得点が伸びず。2本目は前半まずまずの印象だったが、2コーナーで流されてしまって敗退した。
Pos.No.DriverMachineBest Score2nd Score
170横井 昌志S1599.5944.19
22田中 省己S1599.2797.20
399中村 直樹S1598.9688.69
44小橋 正典S1598.8296.20
552北岡 裕輔JZX10098.6894.74
666藤野 秀之ZN698.6697.36
779目桑 宏次郎RPS1398.330.00
836高橋 和己E9298.1797.53
978上野 高広GSC1098.0013.19
1090川畑 真人A9097.6618.98
1191畑中 真吾A9097.6097.32
1233笹山 栄久JZX10097.5796.45
137松井 有紀夫FD3S97.4797.37
1469秋葉 瑠世S1597.2592.99
1587齋藤 太吾A9097.130.00
1627茂木 武士S1596.9214.68
▲追走トーナメント進出▲
1746末永 正雄S1596.6296.02
1856森 孝弘RPS1396.4787.43
199末永 直登S1596.0863.41
2015植尾 勝浩S1595.9493.70
216内海 彰乃S1595.2985.77
2251岩井 照宜FC3S94.4091.54
2377松山 北斗A9093.9490.71
2484波紫 聖和S1593.7188.95
2519川井 謙太郎JZX10088.6086.01
2616山口 孝二S1569.3017.84
2731蕎麦切 広大Q6059.06

第6戦 単走優勝

横井 昌志

NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX
TEAM D-MAX S15 SILVIA 2JZ 4号機 (S15)

3速で本当は走りたいなと思ってて、で今日のチェックランも3速で走ろうか走るまいかずっと悩んでたんですけど、昨日も点数出てたし、まぁわりきって4速で行こうと思って。4速で行こうと決めてからは昨日と変わらないので、やるべきことをやればいいんじゃないかと思って走りました。

チェックランでも点数はしっかり……みんなが出てなかったなかではけっこう出てたので、自信を持って行ったんですけど、まず1本目を失敗してしまって追い詰められたという状態で、2本目。やっぱりちょっと消極的になると点数は出ないなっていうのはわかってたので、追い詰められたとはいえ、しっかり攻めて走ろうと思って自分の中で走った結果がちゃんと点数につながったんじゃないかなと思います。

 ただ昨日今日と点数は出たんですけど、思い切りいけたかなっていうと調整した部分もやっぱりあったので、本当は1本目でちゃんと点数出して2本目でチャレンジできるようなプランで行けたらイチバンよかったんじゃないかと自分では思います。


第6戦 単走ハイライト


第6戦 追走トーナメント

Final Battle   
小橋 正典 (S15) vs 中村 直樹 (S15)
ハイスピードバトルとなった決勝。小橋は審判席前でインに入ってしまい、2~3コーナーにかけてラインがきつくなるなど、きれいに合わせることはできなかった。

中村が小橋に勝って有終の美を飾る

もうチャンピオンも決定したなかでの最終戦となったが、名コースでの最後の大会ということもあったのか、結果的にハーフスピンやオーバーランをしたとしても果敢に攻めたバトルが連発した。そのなかでベスト16では笹山が北岡に勝った以外はすべて単走で上位の選手が勝利するという順当な展開となった。

ベスト8は全員がD1ストリートリーガルまたはD1ライツ出身のドライバー。そして横井、小橋、目桑、中村が勝ち上がった。この3年間のD1GPチャンピオン+昨年のD1ライツチャンピオンというメンツだ。

まずは横井と小橋が対戦。横井も先行では見事な走りを見せたが、後追いでスピンしてしまい、小橋の勝ちとなった。つづいて目桑と中村が対戦。脱出速度が高い先行の目桑に対し、中村は前半いまひとつとらえきれず、後半にかけて寄せていく形で4ポイントのアドバンテージをとる。2本目は後追いの目桑が審判席前でハーフスピンしてしまい、中村が勝った。

決勝は小橋vs中村。昨シーズンの最終戦では、やはりチャンピオンが決まってからの決勝でこのカードがあったが、今年はまったく逆の立場だ。

1本目は小橋が先行。中村は前半から近い距離を保ち、最後に少し離れたものの、7.5のアドバンテージをとる。2本目は中村が先行。小橋はストレートで振られるなどのミスが出て減点され、逆転はならず。ここ数年小橋の独壇場だったエビス南で中村が小橋を倒し、チャンピオンの実力を証明した。

Semi Final Battle
横井 昌志 (S15) vs 小橋 正典 (S15)
先行でほぼ完璧な走りをみせる横井に対し、小橋は終始キレイな走りで、横井をうわまわるDOSS点をマークしつつ接近ポイントもとった。
Semi Final Battle
目桑 宏次郎 (RPS13) vs 中村 直樹 (S15)
前半は中村に対してビタビタの接近を見せていた目桑だが、審判席前でハーフスピン。前日に続いての勝利はならなかった。
Pick Up Battle
中村 直樹 (S15) vs 藤野 秀之 (ZN6)
ベスト8。レベルの高い走りを見せた藤野に対し、終始ビタビタの接近ドリフトを決めた中村が、全セクターで接近ポイント満点をとる+12のフルマークを決めた。
Pick Up Battle
田中 省己 (S15) vs 目桑 宏次郎 (RPS13)
ベスト8。前半から目桑のインに入り、はらみぎみになったところまできっちり合わせていった田中だが、ドライブシャフトの破損でドリフト不能になってしまった。
Pick Up Battle
北岡 裕輔 (JZX100) vs 笹山 栄久 (JZX100)
ベスト16。4ドアセダンの対決となったが、北岡が先行時、後追い時ともにストレートで大戻り。接近度ではまさったもののその減点が大きく、笹山が勝った。
Pick Up Battle
中村 直樹 (S15) vs 秋葉 瑠世 (S15)
ベスト16。追走初進出となった秋葉だが、チャンピオン中村に対し、審判席前まで近い距離でついて行った。しかし2コーナー手前で止めきれずオーバーラン。

第6戦 追走ハイライト


第6戦 優勝

中村 直樹

MUGEN PLUS team ALIVE VALINO
MUGEN PLUS 極 シルビア (S15)

ベスト16で後追いのときにジャンプしたときにミッションが壊れてしまって、4速がなくなってたんで、ベスト8からもう諦めかけてたんですけど、まあまあいけるとこまで行こうかってかんじでファイナルを交換して3速までのギヤで走れるようにセットアップして、はじめて3速でエビスを走ることになって、いけるかな?と思ったけど、ギヤ比もちょっとレブりぎみで、もう気合い1本で……追い詰められたら気合い入るんでね。それがたぶんうまくいったと思います。


2位
小橋 正典 (LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE)
3位
横井 昌志 (NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX)
優勝チーム
MUGEN PLUS team ALIVE VALINO
ベストメンテナンス
GP SPORTS

第6戦 最終順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamMachineTsuiso PointsTanso Points
199中村 直樹MUGEN PLUS team ALIVE VALINOS15252
24小橋 正典LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGES15211
370横井 昌志NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAXS15184
479目桑 宏次郎alpinestars LINGLONG G-MEISTER180SX16 
52田中 省己TEAM SAILUN TIRES15133
666藤野 秀之Team TOYO TIRES DRIFTZN612 
736高橋 和己TMS RACING TEAM SAILUN TIREE9211 
833笹山 栄久Team M2 RacingJZX10010 
952北岡 裕輔TEAM MORIJZX1008 
1078上野 高広TEAM VERTEX SAILUN TIREGSC107 
1190川畑 真人Team TOYO TIRES DRIFTA906 
1291畑中 真吾横浜トヨペット SAILUN 俺だっA905 
137松井 有紀夫Team RE雨宮 K&NFD3S4 
1469秋葉 瑠世Team BOOSTARS153 
1587齋藤 太吾FAT FIVE RACINGA902 
1627茂木 武士VITOUR TIRE SPEED MASTERS151 

第6戦 単走順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamMachinePoints
170横井 昌志NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAXS1520
22田中 省己TEAM SAILUN TIRES1516
399中村 直樹MUGEN PLUS team ALIVE VALINOS1515
44小橋 正典LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGES1514
552北岡 裕輔TEAM MORIJZX10013
666藤野 秀之Team TOYO TIRES DRIFTZN612
779目桑 宏次郎alpinestars LINGLONG G-MEISTERRPS1311
836高橋 和己TMS RACING TEAM SAILUN TIREE9210
978上野 高広TEAM VERTEX SAILUN TIREGSC108
1090川畑 真人Team TOYO TIRES DRIFTA907
1191畑中 真吾横浜トヨペット SAILUN 俺だっA906
1233笹山 栄久Team M2 RacingJZX1005
137松井 有紀夫Team RE雨宮 K&NFD3S4
1469秋葉 瑠世Team BOOSTARS153
1587齋藤 太吾FAT FIVE RACINGA902
1627茂木 武士VITOUR TIRE SPEED MASTERS151

第6戦 チーム順位&ポイント

Pos.No.TeamDriverPoints
199MUGEN PLUS team ALIVE VALINO中村 直樹26
24LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE小橋 正典20
370NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX横井 昌志15
479alpinestars LINGLONG G-MEISTER目桑 宏次郎10
52TEAM SAILUN TIRE田中 省己6
666Team TOYO TIRES DRIFT藤野 秀之6
736TMS RACING TEAM SAILUN TIRE高橋 和己6
833Team M2 Racing笹山 栄久6
952TEAM MORI北岡 裕輔3
1078TEAM VERTEX SAILUN TIRE上野 高広3
1190Team TOYO TIRES DRIFT川畑 真人3
1291横浜トヨペット SAILUN 俺だっ畑中 真吾3
137Team RE雨宮 K&N松井 有紀夫3
1469Team BOOSTAR秋葉 瑠世3
1587FAT FIVE RACING齋藤 太吾3
1627VITOUR TIRE SPEED MASTER茂木 武士3

2021年シリーズチャンピオン

中村 直樹

MUGEN PLUS team ALIVE VALINO
MUGEN PLUS 極 シルビア (S15)

(シリーズ途中からトラクションが上がって)追走はやっぱりリヤが食うとやっぱり自分の思うように相手に入れたりするので、そのへんがね、やっぱり接近勝負やったら自信はあるので、そのへんがうまくいったところだと思います。

(両方のチャンピオンをとれた感想は)感想は……気持ちいいです。

(シーズン中に思い出に残った場面は?)まず悪いほうでいうと、もう奥伊吹で横井選手にコテンパンにやられた。小橋選手に筑波でやられた。そういうのがやっぱり心に残ってます。で、それをやり返したときの気持ちよさがいいほうの思い出です。いろんないままでやられたひとに仕返しができたというところですね。


シリーズ2位
横井 昌志 (NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX)
シリーズ3位
高橋 和己 (TMS RACING TEAM SAILUN TIRE)
シリーズ4位
末永 正雄 (NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX)
シリーズ5位
目桑 宏次郎 (alpinestars LINGLONG G-MEISTER)
シリーズ6位
松井 有紀夫 (Team RE雨宮 K&N)
シリーズ7位
小橋 正典 (LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE)
シリーズ8位
松山北斗 (FAT FIVE RACING)
シリーズベストメンテナンス
MUGEN PLUS team ALIVE VALINO

2021年単走シリーズチャンピオン

中村 直樹

MUGEN PLUS team ALIVE VALINO
MUGEN PLUS 極 シルビア (S15)

自分はヴァリノタイヤというタイヤメーカーのドライバーなんですけど、最初の奥伊吹からはヴァリノのなかでも真んなかのグレードになる08RSっていうのをずっと使ってて、その1個上の08SPっていうのは使ってなかったんですけど、クルマ壊れたりするので(※グリップが高いせいで駆動系などの負担が大きくなるので)、シリーズ通してやるなかでリタイヤすることはあってはいけないということもあって。

でも奥伊吹のときに横井選手にコテンパンにやられて、そこでもうイッキに火がついて、そっから気合入れて、リヤのアトラクションを上げとかんとっていうことで、08SPを使いはじめました。それを追走のエア圧で単走の練習をずっとしてて(※グリップは高いがあつかいにくい)、本番ではちょっと空気を上げる(※グリップは少し下がるがあつかいやすい)っていう、練習からちょっと食わす方向で鍛えながら本番に挑むみたいなやりかたをやってたんが、たぶんうまく単走のチャンピオンになった理由やと思います。


2021年チームシリーズチャンピオン

MUGEN PLUS team ALIVE VALINO

中村尚裕監督

今年獲るつもりではいたんですけど、シーズン当初はなかなか本人も思ったとおりには、動かせなかったりとか…。ただ、去年の年末けっこうこのクルマで走っているので、それで1回ずいぶんランクアップしたのと、本人の意識的なものもずいぶん上がったのと、あとは今年シーズン入って、リヤのトラクションをずいぶん上げることに成功したことで、本人がこのクルマに対しての意識が変わったことがデカいですね。前は、動かしていても、ちょっとココが不安だというようなところもあったのが、今だったら思うように動かせる、というふうになったんで、よくなったかな、と思います。

あと、途中で実はスポンサーさんも含めちょっと会議をやって……。それは、本当にDOSSだけに本当に偏った走りにしちゃえば、もっと勝てます。だけどそれじゃあ中村直樹の走りっていうのはなくなっちゃうんで、どうしましょうかっていう話をしに行きました。それを相談したところ、やっぱりチャンピオンはとって欲しい、ただ本人の走りかたをつぶしてまでとるチャンピオンはいらない。だから本人の走りかたでチャンピオンをとる方法を考えてほしいといわれたんですけど、そこでやっと理解していただいたのと、本人もそれで吹っ切れた部分もあるんで、そこでいろんなものが揃って獲れたかんじもありますね。


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