D1GP中国シリーズ東莞ラウンド結果

第3戦&第4戦でSLS-AMGの張盛鈞が連勝!

D1GP中国シリーズ2025の第3戦&第4戦が、6月の第1戦&第2戦の成都ラウンドに続く2ラウンド目として10月の18、19日に東莞で開催された。会場は広東省東莞市の中国広東現代国際展覧中心で、昨年も開催した中国国際自動車カスタマイズおよびチューニング展示会「オールインチューニング(AIT)」との併催。今年はコースサイドに3000人以上を収容できる観客席も作られ、お台場D1GPにも匹敵する規模に成長した。

しかし、川畑が第3戦の練習走行で大クラッシュにより2戦ともリタイヤ、末永は両日ベスト8どまり。その2名が金曜日の練習走行で「強敵」と口を揃えていたのがSLS-AMGの張盛鈞。日本のドリフト大会で優勝経験もあるアジアのトップドライバーでありマシンの完成度も高く、結果的に圧倒的な強さを見せつけ連勝。追走&単走の両部門でシリーズチャンピオンを獲得した。これまでD1GPアジアシリーズのなかではタイのレベルが頭ひとつ抜きんでていると思われていたが、今年の中国シリーズを見た結果、そのレベルはそこに匹敵するレベルに成長したと実感した。

この背景には、張のほか日本のドリフト大会に参加して茂木を受けている選手が数名いること、末永がエビスサーキット勤務時代に開講していたレッスンを受けた選手も多いこと、さらにはインカー映像を含む動画素材の共有によってトップ選手のドライビングが研究されていることなどが挙げられる。2026年シリーズ以降、中国ドリフトのレベルはさらに加速するはずだし、おそらく本家D1GPへの参戦も増えるのではないだろうか。

張がシーズン3勝で2025チャンピオン獲得!

張盛鈞は第1戦で2位、第2戦で優勝、第3戦第4戦を連勝するブツちぎりのチャンピオン獲得。彼が所属するゼロマイレージオイルZMドリフトチームは東莞ラウンドに1000名ぶんのチケットを購入して大応援団(赤いシャツ着用)を結成していた。

まるでGT3レーシングマシンのような迫力を醸し出すメルセデスベンツSLS・AMGにはドリフトマシンでメジャーな2JZやLS系のV8ではなくAMGのV型8気筒6.2Lを搭載したままでツインターボを追加。掛け値なしの1200馬力以上を発揮し圧倒的な加速と追走時に有利なトルクを発生している。外装パーツはほぼカーボン、サスペンションアームはジュラルミン削り出しのワンオフだ。

末永は張に連敗す!

1年ぶりの中国D1参戦の末永は金曜日の張の練習走行を見て「ちょっと勝てる気がしない」とやや弱気な発言。「ベストは尽くす」とは言っていたが偶然にも2戦ともベスト8で対戦になり健闘したが連敗。S15シルビアの電装系にトラブルを抱えておりパワーダウンするシーンも見受けられた。

川畑はクラッシュで2戦とも欠場!

成都ラウンドで張に負けた川畑は「ここでかならず勝つ」と開幕前にリベンジ宣言するも、朝のウォームアップ走行にてストレートのフェイント進入時にコンクリートウォールにリヤをヒットしマシンは大破。さらには脇腹を負傷し2戦とも欠場となった。

エコー・ガオがトップ8に!

フォーミュラDジャパンにも参戦し(2025ランキング26位)日本人にも認知度が高い女性ドライバー、高璇(エコー・ガオ)は第3戦の単走で4位と大健闘。ベスト16戦で勝利しトップ8に食い込んだ。彼女が所属する1087Xドリフトチームはエナジードリンク、ミニカー、アパレルなど幅広い活動でファンも多い。ロケットバニーボディキットを装着したR32スカイラインに搭載されるエンジンは2JZだ。

追走はトップ24にて、第4戦はシード制も導入

第3戦の単走で24名が追走に進出し、上位8名はベスト8からのラダーに入る方式。さらには翌日の第4戦でもシード権としてベスト8ラダーに組み込まれた。

車種バリエーションも幅広い!

出場車両はBMWが多く、ついでGR86、シルビア系といったかんじ。コルベットやFD3Sも少数派ながら異彩を放っていた。そのほとんどは2JZやLS系を搭載。シーケンシャルドグミッションやクイックチェンジデフ、リヤラジエターなどはほぼ全車が採用していた。

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