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いよいよ佳境に入った2015年シリーズ。第5戦の舞台は東日本のドリフトの聖地エビスサーキット南コースだ。しかし今回の大会は、多くの選手が練習に参加した前日は雨。当日朝の練習走行ではやや乾きつつあったものの、本番まえに雨。そしてその後は急速に乾くというむずかしい路面コンディションとなった。1周1周コンディションが変わるなかで、クルマのセットも調整しなければいけない難しい状況だ。
そのためミスをした選手は多かったが、ミスをしたときに対処ができず、大きな戻りや振られが出ると減点が大きい。うまくリカバリーすれば減点されても少なくて済む。そういったリカバリー技術が当落をわけた面もあった。また、全体的にはやはりドライ路面に走りを合わせられず、ラインが小さくなってしまう選手が多かった。
そのなかでトップ通過したのは昨年のD1グランプリシリーズのエビス戦でも予選トップ通過したアンドリュー グレイ。スピードも角度もあり、全体的に完成度の高いドリフトで最高得点をマークした。
◆ D1SL 単走予選 結果 ◆ | |||||
Pos. | No. | Driver | Car | Best Ave. | |
1 | 37 | Andrew Gray | JZX100 | 99.00 | |
2 | 48 | 中谷 聡 | S15 | 98.75 | |
3 | 52 | 木賊 光児 | HCR32 | 98.75 | |
4 | 26 | 山元 純次 | FD3S | 98.40 | |
5 | 29 | 伊東 修平 | PS13 | 98.20 | |
6 | 35 | 小林 竜也 | S14 | 98.10 | |
7 | 36 | 渡邉 翼 | S14 | 98.05 | |
8 | 40 | 山下 美穂 | PS13 | 97.70 | |
9 | 25 | 磯貝 直弘 | S14 | 97.65 | |
10 | 34 | 茂木 武士 | S14 | 97.65 | |
11 | 50 | 新屋 正行 | S14 | 97.60 | |
12 | 51 | 飯田 曜二 | S14 | 97.50 | |
13 | 42 | 金田 義建 | S15 | 97.40 | |
14 | 24 | 福田 大輔 | PS13 | 97.30 | |
15 | 38 | 脇 敬朗 | RPS13 | 97.25 | |
16 | 41 | Emily Gray | JZX100 | 97.25 | |
17 | 23 | 鈴木 達也 | C33 | 97.25 | |
18 | 49 | 匂坂 晋治 | S14 | 97.25 | |
19 | 18 | 根岸 裕麻 | S15 | 97.15 | |
20 | 27 | 中村 健一 | JZX110 | 97.10 | |
21 | 46 | 菊池 潤 | JZX90 | 97.10 | |
▲ 以上 単走決勝進出 ▲ |
Pos. | No. | Driver | Car | Best Ave. |
22 | 32 | 菊地 雅也 | S14 | 96.95 |
23 | 20 | 北芝 倫之 | S15 | 96.90 |
24 | 28 | 森 孝弘 | S14 | 96.70 |
25 | 21 | 安江 弘行 | S15 | 96.65 |
26 | 43 | 淺沼 幸太 | JZX90 | 96.25 |
27 | 19 | 横田 卓三 | S14 | 95.85 |
28 | 31 | 藤田 浩佳 | S14 | 95.75 |
29 | 30 | 内山 竜司 | S14 | 95.50 |
30 | 33 | 鈴木 彰悟 | S15 | 67.50 |
31 | 45 | 風間 俊治 | S15 | 47.50 |
- | 17 | 今前田 隆敏 | S15 | RETIRE |
- | 22 | 雨谷 雄一 | S15 | RETIRE |
- | 39 | 佐藤 立樹 | S15 | RETIRE |
- | 44 | 小川 陽介 | S14 | RETIRE |
- | 47 | 川島 将貴 | JZX100 | RETIRE |
- | 53 | 渋谷 寛 | RPS13 | RETIRE |
前日の予選を通過した選手と、ランキング上位の予選免除選手で行われる単走決勝。この日は晴天で終始ドライ路面で競技がおこなわれた。
前日より全体的なレベルは上がったが、最終コーナーの脱出スピードが低かったり、1コーナーでのインカットをした選手はとくに点が伸びなかった。ボーダーライン近辺は、走りが決まってはいないものの、ごまかしながら指定ラインの近くにもっていっているというレベルの走りだった。
ランキング2位の三好は2コーナーへのアプローチでサイドブレーキによる修正が入って減点。またランキング4位の若松も1コーナーへのアプローチがうまくいかず1コーナーでインカットしてしまって敗退した。
いっぽうランキング1位の北岡は、迫力のある飛び出しに加え、減速するべきところはきっちり減速し、加速するべきところではしっかりアクセルを踏んで走りきりトップの得点を獲得した。これでラウンド順位も9位以上に入賞することは確実になり、チャンピオン獲得に大きく前進した。
◆ D1SL 単走決勝 結果 ◆ | |||||
Pos. | No. | Driver | Car | Best Ave. | |
1 | 1 | 北岡 裕輔 | JZX100 | 99.50 | |
2 | 9 | 増田 和之 | JZX100 | 99.20 | |
3 | 16 | 高橋 和己 | JZX100 | 99.15 | |
4 | 52 | 木賊 光児 | HCR32 | 99.00 | |
5 | 26 | 山元 純次 | FD3S | 98.95 | |
6 | 42 | 金田 義建 | S15 | 98.90 | |
7 | 48 | 中谷 聡 | S15 | 98.85 | |
8 | 3 | 植尾 勝浩 | S15 | 98.80 | |
9 | 40 | 山下 美穂 | PS13 | 98.60 | |
10 | 35 | 小林 竜也 | S14 | 98.55 | |
11 | 6 | 伊藤 満紀 | JZX90 | 98.35 | |
12 | 12 | 原 大佑 | S15 | 98.35 | |
13 | 37 | Andrew Gray | JZX100 | 98.35 | |
14 | 11 | 高嶋 健市 | JZX100 | 98.25 | |
15 | 14 | 池田 幸稔 | RPS13 | 98.25 | |
16 | 27 | 中村 健一 | JZX110 | 98.15 | |
▲ 以上 追走トーナメント進出 ▲ |
Pos. | No. | Driver | Car | Best Ave. |
17 | 34 | 茂木 武士 | S14 | 98.15 |
18 | 2 | 三好 隼人 | ER34 | 98.15 |
19 | 51 | 飯田 曜二 | S14 | 98.10 |
20 | 38 | 脇 敬朗 | RPS13 | 98.10 |
21 | 41 | Emily Gray | JZX100 | 98.05 |
22 | 29 | 伊東 修平 | PS13 | 98.00 |
23 | 24 | 福田 大輔 | PS13 | 97.90 |
24 | 25 | 磯貝 直弘 | S14 | 97.75 |
25 | 36 | 渡邉 翼 | S14 | 97.75 |
26 | 23 | 鈴木 達也 | C33 | 97.60 |
27 | 18 | 根岸 裕麻 | S15 | 97.50 |
28 | 4 | 若松 康史 | RPS13 | 96.90 |
29 | 15 | 長井 利樹 | PS13 | 96.85 |
30 | 46 | 菊池 潤 | JZX90 | 95.50 |
31 | 50 | 新屋 正行 | S14 | 64.00 |
- | 49 | 匂坂 晋治 | S14 | RETIRE |
今回のエビスに関しては余力があるのとチームメイトから「シリーズを決めなくていいよ」と言われてたので、決めてやろうと思ってました。
前回の名阪では単走決勝で落ちてしまったんですが、今回の意気込み的なところは、変わらずなかんじです。逆に前回はなんで落ちたんだっけってくらい気にしてないです。
あとは前回終わってすぐに4台には新しいタイプのナックルという秘策があって、その具合が凄くよかったんですよ。具体的に言うとエビスの壁から先でクルマを止めないとっていうときの気持ちに余裕が出てくるので、その先の2〜3コーナーのことも振り出しのときに考えられるので、気ラクに走れました。
ここ2〜3年のエビスはあまりよくなかったんですが、なんで良くなかったかあんまりわからないんですけど、でもエビスは好きなんですよね。ここでドリフトを覚えたようなものなので…。
まぁ単走優勝よりも増田さんに勝てたってのがうれしいですね。
単走を1位通過した北岡だが、そこに追走初進出の中村がくらいついた。再戦にもつれこんだ結果、北岡は後追いでミスして敗れてしまう。木賊vsグレイという好勝負は攻めすぎた木賊がスピンをしてグレイの勝ち。山元vs原は後追いでの角度やラインで山元が減点され、原の勝ちとなった。
そしてベスト8、ここで敗れるとチャンピオンが絶望となる植尾は中村と対戦。植尾は後追いから攻めていったものの審判席の先でドリフトが大きくもどってしまう。これが決め手となって中村が勝利。この瞬間に、最終戦を残して北岡のシリーズチャンピオン獲得が決まった。
ベスト4に勝ち上がったのは、中村、グレイ、小林、金田の4名。中村vsグレイは、グレイが近いドリフトを見せたが2コーナーで行き場を失ってインカットし、大きくドリフトがもどってしまう。これが決め手となって中村の勝ちとなった。
小林vs金田は、チームメイト同士の対決。1本目は小林がアウトに流されて金田がインを差し、金田アドバンテージ。2本目も小林のドリフトがもどるなどして金田の勝ちとなった。
決勝は中村vs金田。中村はこのラウンドが追走初進出。金田は今回が追走初勝利だった。1本目は中村が先行。金田はストレートでは近かったが、2コーナーの手前あたりで離されて、角度が浅くなってしまう。中村アドバンテージ。2本目も中村に大きなミスはなく中村が初優勝を決めた。
単走はちょこちょこいい所まではいったりしてるんですけど…追走ははじめてです。いかんせん単走が苦手で追走はいつもチーム仲間と遊んだりしていて得意だったんですよね。なので追走まで進めればノリで行けるんではないかといつも思っていました。
今回の単走決勝がギリギリ16位で通過して「やった!」と思っていたけど、初戦の相手が北岡さんで「マジか〜」と思いましたが勝てなくてもしょうがないと気持ちを切り替えて気ラクにいったらノリノリになって、いつもの遊びの感覚の追走ができたのがよかったのかも…。
(そのあと上位の選手を倒しましたけが?) そうですね。もうそのときにはノリノリでいいかんじになっていたんので、追っかけモードのときに1回シフトミスして「やべぇ〜」ってのはありましたけど、ノリでなんとかいけました。
いゃもぉ、選手紹介のときはテンションMAXでヤバかったです。まさかいきなり決勝に来れるとは思っていなかったので、ここまで来たらやるだけやってやろうって! 1本目はアウトの飛び込みがぎこちなかった気がするんですけど、後追いでなんとかなると思ってました。スポッターがアドバンテージが取れているのを教えてくれていたので、それでさらに余裕が生まれましたね。
ただただ、うれしいです。あとは、サポートしてくれたみんなに感謝ですね。
金田 義建
(かいとりちゃん YRC)
シルビア [S15]
いや…本当に悔しいです。伊藤オートの増田さんとか後輩の草場くんとかにいろいろと教えてもらってやったんですけど、気合が入りすぎて…。練習も結構したのでミスを解りながらの負けが悔しいです。
まあ、基本的に自分の気合が入りすぎた操作ミスだと思います。思ったよりもハンドルが入りきりらなかったとか、小さいミスが重なった負けですね。
普段はかいとりちゃんメンバーで遊んでて威張り散らしてるんですけど、今回は小林に負けなくて本当によかったな、と。去年とか小林はD1東日本シリーズで追走とかやっていたので、それでもいけるかなとは思っていましたが、まぁギリギリでした。
なんというかスポッターやいろいろなひとに教えてもらって、それが結構うまくいったかんじでしたね。でもエビスの重鎮こと浅沼さんからは結構ダメだとい言われながらやったので、距離感はうまくできたのかなと。でも決勝の距離感はダメで、そこをまちがえて焦ったのはありましたね。
最初に距離を空けていて、奥のコーナーで追いつけるのかなと思っていたら、中村選手が案外速くて追いつかなくて焦りモード入っちゃいました。
小林 竜也
(かいとりちゃん YRC with ギャンギャン!)
シルビア [S14]
いやー、本当に悔しかったです。単走はニガテですし、追走もそんなに得意じゃないんです。
リーガルには今年から参戦していて、第2戦の間瀬では予選落ちしているので、単走決勝も追走もはじめてですね。エビスは練習もぜんぜん来れないので、単走決勝もちょっと怖かったです。
伊藤オートの増田さん、草場さんや浅沼さんにいろいろ教えてもらい、なんとかカタチになって残れたかなというかんじです。
(準決勝は?) いやー、ウチのボスだったけど絶対勝とうと思ったんです。…がんばりすぎました。S字コーナの部分でイン側ビタビタにいったら少しぶつかってしまい、行くしかないかと思ったんですけどね…。
でも超うれしいです。まさかここまで勝てると思ってなかったので、タイヤもぜんぜん持ってきてなかったです。とりあえず、予選から単走決勝に行ければいいなって思ってただけなんで…本当にうれしいです。この調子で次戦の日光はホームコースなんで!っと言いたいところですが…まぁがんばります。
プレッシャーとかはないですね。シリーズのことはとくに考えてなく、1戦1戦の内容がすべてなので…。
ほんとうはびっちりサドンデスもなく行くのがベストなんですけどね…。思いのほかに中村くんが攻めてくれたんで、もう少し全力で行けばと後悔してます。どのくらい攻めるかの判断を誤ったかんじですね。
そのあとはもう…スタート地点で負け組として観戦していました。そのあと植尾さんが負けてシリーズが決まってみんな祝福はしてくれるんですが「おめでとう?」ってかんじでした。まあ日光でもシリーズ決まってるってのは関係なく、最後まで全力で行きたいと思います。
(今年は去年の最大のライバル中村直樹がいないなかでの開幕3連勝でしたけど?) 3連勝ってだけですね。本当に。んー、とにかく4台体制のチームのなかで2013年にシリーズチャンピオン取ったりとチームのなかではイチバン追走を経験していて、先頭を立ってチームに意見を言っていく戦略的なかたちでチームで勝つを意識していきました。ただ名阪から狂いましたね。でも、ナックルのお陰でかなりラクになりました。
(TOKYO DRIFTの日曜日に出れますがそのあたりは?) 以前リーガルで戦ったメンバーとか、みんないますよね。特設なのでリーガル号でも戦えるのでがんばっていきたいです。
Pos. | No. | Driver | Team | Car | Car | Color | Point | |
1 | 27 | 中村 健一 | TMS with RYO JAPAN | マークⅡ | JZX110 | 緑 | 25 | |
2 | 42 | 金田 義建 | かいとりちゃん YRC | シルビア | S15 | 赤 | 21 | |
3 | 35 | 小林 竜也 | かいとりちゃん YRC with ギャンギャン! | シルビア | S14 | 緑 | 18 | |
4 | 37 | Andrew Gray | POWERVEHICLES with EBISU | チェイサー | JZX100 | 白 | 16 | |
5 | 9 | 増田 和之 | Team Ito Auto with GOODYEAR | マークⅡ | JZX100 | 緑 | 13 | |
6 | 16 | 高橋 和己 | TMS & ORIGIN Labo. & R·Y·O & G.MEISTER | チェイサー | JZX100 | 緑 | 12 | |
7 | 3 | 植尾 勝浩 | Z.S.S. with SIFT & ブレイン | シルビア | S15 | 赤 | 11 | |
8 | 12 | 原 大佑 | Z.S.S. with M/M/M | シルビア | S15 | 赤 | 10 | |
9 | 1 | 北岡 裕輔 | Team Ito Auto with GOODYEAR | マークⅡ | JZX100 | 緑 | 8 | |
10 | 52 | 木賊 光児 | 蟹走一家 with M·G·J | スカイライン | HCR32 | 緑 | 7 | |
11 | 26 | 山元 純次 | purism 7 with ORIGIN Labo. | RX-7 | FD3S | オレンジ | 6 | |
12 | 48 | 中谷 聡 | Garage LFW | シルビア | S15 | 白 | 5 | |
13 | 40 | 山下 美穂 | Agent-K Real with GARAGE-1 KENDA | シルビア | PS13 | 銀 | 4 | |
14 | 6 | 伊藤 満紀 | Team Ito Auto with GOODYEAR | チェイサー | JZX90 | 緑 | 3 | |
15 | 11 | 高嶋 健市 | Team Ito Auto with GOODYEAR | クレスタ | JZX100 | 緑 | 2 | |
16 | 14 | 池田 幸稔 | IMPACT with LINEUP RACING TEAM | 180SX | RPS13 | 赤 | 1 |