強烈な飛び出しで手塚が1位通過！

•  1st   手塚 強 GOODYEAR Racing with Bee★R
  「気持ちよく走ろうと思った。そうすれば点は出ると思っていたので。最終コーナーがうまく抜けられて、気持ちよく走ることができました」という手塚が、最高得点をマークした。
•  2nd   日比野 哲也
  
•  3rd   寺町 邦彦
  

　エビスサーキットの競技区間はコーナーの数が多くミスをしやすい。高得点のポイントになるのは、最終コーナーの飛び出しから1コーナーへの飛び込み。ここでのスピード、角度が重要になる。
　単走予選はドライ路面でスタートした。そのなかで、まず勢いのある飛び出しから走りをまとめた日比野が高得点を獲得。さらに手塚が同様に勢いのある飛び出しを見せつつ、より迫力のある走りを見せてトップに立った。
　2番目の走行となったBグループの途中で雷が接近してきたため競技が中断された。中断中には激しい降雨もあり、雨があがったあと競技が再開された。Bグループははじめから走行をやりなおし、そのあとCグループが走行。後半は路面がまだらに乾いてきてむずかしいコンディションとなり、スピンしたり振られる選手も出たが、しっかり攻めて走りをまとめることができた選手も多かった。
　けっきょくBグループとCグループでは手塚と日比野をうわまわる得点が出なかったが、熊久保、谷口らのベテランが雨のなかでもスピードのある走りを見せて、ひさしぶりに予選通過。また、このふたつのグループのなかでは大きな角度をつけて走った寺町が最高得点を取り3位で通過した。
　なお、中断によりスケジュールが遅れたため、単走決勝は金曜日におこなうことができなくなり、翌日に持ち越された。

•  Pick Up   熊久保 信重 [S15]
  
  乾いている場所と濡れている場所の混在するむずかしいコンディションのなか、大ベテランの熊久保が非常に高い集中力で1本目に通過当確の得点を叩き出した。
•  Pick Up   谷口 信輝 [ZN6]
  
  WTAC(お台場と日程がかぶっている)に参加するため今シーズン最後のD1となるHKS×谷口。予選突破できずに苦しいシーズンとなっていたが、熊久保とおなじく1本目に通過カクジツとなる得点を出すと2本目はさらに得点を伸ばし、9位で予選通過を果たした。

高い車速で末永(正)が初の単走優勝！

•  1st   末永 正雄 Team RE雨宮 SUNOCO
  
  練習走行はすべてドライだったため、ウォームアップ走行が初のウエット路面という状況だったが、末永(正)は、攻めた走りを成功させて最高得点を獲得した。
•  2nd   今村 陽一
  
•  3rd   時田 雅義
  

　朝のチェック走行開始時はドライ路面だったが、走行の途中に雨が降りはじめ、単走決勝は雨のなかスタートした。全体的にアクセル開度やスピードはドライ時よりも控えめになったが、そのなかでもまずは時田が大きい角度で最終コーナーを飛び出し、ラインをきっちりトレースして98.75点という高得点をマーク。
　そのあとしばらくは角度かスピードのどちらかが足りないといった走行が多く、高得点がなかなか出なかったが、今村が勢いのある飛び出しからアクセル開度の高い走りを見せて、ラインもきっちりトレースして99.05をとってトップに立った。
　予選で得点が高かった日比野は直線でわずかに振られてややリズムを崩し、手塚も2コーナーではらむなどして点が伸びない。
　しかし、ちょうど雨が上がった直後に走行した末永(正)が、高いスピードで最終コーナーを飛び出し、キレイなラインにのせて100.87点を獲得。
　そのあとに走った高山、横井ともに最終コーナーを強烈なスピードで飛び出し、1コーナーまで高い車速を維持して飛び込む見事な進入を見せたが審判席前でスピン。さらに最後に走行した高橋もアウトラインでリヤタイヤを縁石にのせてしまい、2コーナーにかけて流されて96点台にとどまり、末永(正)が初の単走優勝となった。

•  Pick Up   横井昌志 [S15]
  
  飛び出しは末永(正)よりも速く、1コーナーまでの走りはバツグンだった横井だが、審判席前で「滑るところにのっちゃったのと、アクセルを入れるタイミングがまずかった」ということでスピン。20位に終わった。
•  Pick Up   谷口 信輝 [ZN6]
  
  今シーズン初の予選突破を果たした谷口は、単走決勝でもウエット路面に対応して高得点を叩き出す。上位3名にはおよばなかったが、97.94点で追走予選免除を決めた。

末永正雄
Team RE雨宮 SUNOCO

　今季このマシンを作っていただいて、最初から結果も出たんですけど、弱点もちょっとあって、その弱点をつぶすのに、今回エビス前に雨さん(※チーム監督)にだいぶテストをさせてもらって、クルマのほうも仕様変更を、チームのみんながいろいろやってくれてこのエビスにテストに来たんですけど、そのときに思いっきりぶつかっちゃって。今日とおなじような雨のなかで。チームのほうはとにかく雨でもセットを出そうと走らせてくれたんですけど、そのときにちょっとやりすぎちゃって、けっこうグチャグチャになっちゃったのもあったんで。今回また雨っていうことで、だいぶイヤだったんですけど、でも雨のなかでそれだけテストをさせてもらったんだから自信を持っていこうって走った結果、1番っていういままでにない単走優勝で、超うれしいです。

ランキング2位と3位が脱落！

•  Pick Up Battle  
  日比野 哲也 [ZN6] vs 横井 昌志 [S15]
  これまでマシンがウエット路面を苦手としていた日比野だったが、先行時には競技区間の手前で横井との距離を開けることができ、横井のミスを誘った。
•  Pick Up Battle  
  松川 和也 [AE85] vs 高山 健司 [GRS191]
  4ドアセダンの高山は、クルマの特性が大きく異なる軽量のハチロクと対戦。キレイにリズムのあった追走ができず敗退した。

　単走ファイナルの結果、ランキング首位の高橋は8位に入り、追走予選免除となった。しかし、日比野と対戦したランキング2位の横井は、後追い時に最終コーナーの出口で角度が浅くなり、そのあと距離は詰めたがアドバンテージをとれず、先行時には日比野にアドバンテージをとられて敗退してしまう。
　また、ランキング3位の高山は松川と対戦。後追い時に最終コーナーを飛び出たあと、ストレートで少しフラつき、そのあと松川との距離を詰めたものの、4コーナーの先でまた大きく引き離されてアドバンテージをとられてしまう。2本目の先行時にはアドバンテージをとれず、やはり追走予選敗退となった。
　これでシリーズ争いでは高橋が大きく追い上げられることはない状況となった。

ハイスピードドリフト連発で松井が初優勝！

•  Final Battle   日比野 哲也 [ZN6] vs 松井 有紀夫 [FD3S]
  
  決勝。ノーミスの松井に対して、ミスをしてしまった日比野が敗北。日比野の車両はエンジンが吹けないトラブルを抱えていて、それが原因でドリフトが戻ったという。
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　ベスト16では、ランキング首位の高橋が勝利。谷口(信)と末永(直)の対戦はイーブンの判定だったが、先行時の得点で谷口が勝利。川畑vs日比野は後追い時にストレートで川畑の角度が戻り日比野が勝った。好調ドライバー同士の今村vs手塚は、最終コーナーで引き離した手塚が今村にアドバンテージをとらせず勝った。
　ベスト8では高橋にミスが出て末永(正)が勝利。最終コーナーの飛び出しで谷口を引き離した日比野も準決勝進出を決めた。手塚vs松井はおたがいに勢いのある飛び出しから互角の展開で再戦に突入したが、後追い時に手塚がストレートで距離をあけられてアドバンテージがとれず、松井が勝った。
　熊久保vs織戸は、角度を合わせたきれいなドリフトをおたがいに見せて再々戦までもつれた。最後まで判定では決着がつかなかったが、先行時の得点で織戸が勝ちとなった。そのほかに日比野、松井、織戸がベスト4に進出した。
　準決勝ではまず末永(正)と日比野が対戦。1本目は後追いの日比野が1コーナーで末永(正)のインを差し、アドバンテージをとる。2本目は末永(正)も1コーナーで日比野のインに入ったが、その先でアウトにはらんでしまい、アドバンテージがとれず、日比野が勝った。
　松井vs織戸は、1本目に後追いの織戸が1コーナーと2、3コーナーで松井のインを差してアドバンテージをとったが、2本目には先行で織戸がオーバーランしてしまい松井が勝った。なお3位決定戦は、速さと角度で末永(正)が織戸に勝った。
　決勝は日比野vs松井。1本目は両者ともいい走りだったが、後追いの松井が距離を詰めアドバンテージをとる。2本目はストレートで日比野のドリフトが戻って松井の勝ちが決まった。

•  3rd Place Battle   末永 正雄 [FD3S] vs 織戸 学 [ZN6]
  
  3位決定戦。織戸も大きなミスはなかったが、末永(正)が、先行時には角度とスピードでうわまわり、後追い時には近い距離で合わせて勝った。
•  Pick Up Battle   熊久保 信重 [S15] vs 織戸 学 [ZN6]
  
  ベスト追走(その日もっとも合計ランクが高かった追走)となったこの対戦。再々戦までもつれたものの決着はつかず、DOSS判定により織戸が勝ちあがったが、最後に見せた後追い熊久保の飛び込みは圧巻だった。

松井 有紀夫
EXEDY R Magic D1 Racing

　今回、正直、クルマの足まわりだったりとかのセットがすごい悩んでしまい、ギヤだったりとかも悩んでしまい、前日の練習からいろいろ足替えたりとか、たくさんメカニックには仕事をしていただいて、やっと安心できるようになったかな、というかんじでした。
　でも単走はだいぶやっちゃいましたね。まぁ路面に対応できなかった部分で大ミスでした。
　それで追走は『このカッコわるいままじゃ終われねえ』っていう思いで走りました。決勝の日比野さんは、もう練習のときからすごい速いのはわかってたんで、最終コーナーでおいていかれるのだけはやめようと思って、日比野さんのときだけは、最終の手前の自分のラインを変えて、真っ直ぐ気味に行かないとおいていかれると思って、そこは真っ直ぐ気味に行って、どうにかついていけたんで、よかったです。