D1GP RD.1 奥伊吹 詳細レポート

2023 GRAN TURISMO D1 GRAND PRIX SERIES RD.1 OKUIBUKI
2023年グランツーリスモD1グランプリシリーズ第1戦 奥伊吹
開催日:2023年5月13日(土)
会場:奥伊吹モーターパーク
コースコンディション:単走ドライ/追走ウェット
延動員数:4,198名(3日間合計)

D-MAX RACING TEAMがワンツーフィニッシュ!


第1戦 単走決勝

Tanso 1st Place
田中 省己
SHIBATIRE RACING SEIMI STYLE D
SHIBATIRE D-MAX TOPTUL S15 (S15)
Tanso 2nd Place
横井 昌志
SILVIA (S15)
Tanso 3rd Place
齊藤 悠史
SILVIA (S15)

バツグンの振りで田中が単走優勝

 2023年グランツーリスモD1グランプリシリーズの開幕戦は奥伊吹モーターパークが舞台。スキー場の駐車場を使った特設コースで、コースレイアウトはおおむね例年と同様だ。ニューマシンを投入予定だった波紫、山口、松井は、完成が間に合わなかったり初期トラブルが出たりするなどして出走できなかった。

 まずAグループの横井が1本目に98点台を出すと、2本目にはさらに車速を上げ、躍動感のある振り出しや旋回時の安定性で点をかせぎ98.89点をマーク。トップに立った。

 最初の振り出しと途中2ヶ所の振り返しの鋭さが高得点のカギだった。リスクの高い最初の振り出しは、ほどほどの選手が多いなか、Cグループで走行した田中はバツグンのキレを見せて、その後の振り返しでも高得点をとり、98.96点を獲得。横井の点をうわまわる。その後は田中の得点を超える選手は現れず、田中が3年ぶりの単走優勝となった。

 なお、新人のなかでは、加納が15位で通過したが、最上、粂、久保川は敗退。復帰組のなかでは齊藤(悠)が3位通過し、タイから参戦のエスが8位通過する活躍を見せたが、松川、日比野、石川らは敗退となった。

通過指定ゾーンは、1コーナーの奥。その先のイン側。そして振り返した先のコーナーのアウト側の3箇所に設けられた。
第4セクターまでいい走りをしていた蕎麦切だったが、プロペラシャフトを破損。走行不能となって敗退した。
日比野は1本目の前半に振りも角度もある走りを見せたが、パワーステアリングのトラブルで2本目はリタイヤとなり敗退した。
チームは5年ぶり。自身も4年ぶりのD1GPとなった石川だったが、1本目に1コーナー奥の壁にクラッシュ。走行不能になった。
ニューマシンが完成したばかりで、ほとんどぶっつけ本番だった目桑だが、1本目にまずまずの走りを見せて追走進出を果たした。
今季GR86を投入した村上。角度のある安定した旋回を見せて、ニューマシンのデビュー戦で難なく追走進出を果たした。
Pos. Gr. No. Driver Car Best Score 2nd Score
1 C 2 田中 省己 S15 98.96 96.93
2 A 70 横井 昌志 S15 98.89 98.43
3 D 29 齊藤 悠史 S15 98.79 97.09
4 C 52 北岡 裕輔 JZX100 98.47 97.79
5 B 46 末永 正雄 S15 98.33 95.83
6 A 66 藤野 秀之 ZN8 98.09 98.05
7 C 11 村上 満 ZN8 97.75 96.72
8 A 45 Chanatpon Kerdpiam S15 97.70 96.96
9 D 77 松山 北斗 A90 97.55 77.94
10 B 99 中村 直樹 ZN8 97.55 49.43
11 A 23 下田 紗弥加 S15 97.37 96.86
12 D 87 齋藤 太吾 A90 97.30 96.08
13 C 51 岩井 照宜 FC3S 97.27 95.49
14 A 98 ヴィトー 博貴 PS13 97.26 68.03
15 C 93 加納 広貴 S15 97.25 94.85
16 B 79 目桑 宏次郎 E92 97.04 96.31
▲追走トーナメント進出▲
17 C 43 田所 義文 AE86 96.85 91.81
18 B 69 秋葉 瑠世 S15 96.53 95.10
19 C 27 茂木 武士 S15 96.11 94.82
20 D 88 川畑 真人 ZN8 96.09 95.25
21 D 78 上野 高広 GSC10 95.13 93.56
22 C 15 植尾 勝浩 S15 95.09 94.36
23 A 90 最上 弦毅 A90 94.97 93.63
24 D 8 粂 哲也 S15 94.92 80.53
25 A 12 久保川 澄花 RPS13 94.88 93.72
26 B 95 Daychapon Toyingcharoen JZZ30 94.58 91.00
27 B 55 松川 和也 AE85 93.77 92.64
28 D 56 森 孝弘 RPS13 92.95 69.64
29 B 18 日比野 哲也 ZN8 91.99 0.00
30 A 31 蕎麦切 広大 Q60 69.40 0.00
31 A 33 石川 隼也 ZN8 19.64 0.00
B 84 波紫 聖和 ER34 DNS
B 16 山口 孝二 E92 DNS
C 7 松井 有紀夫 FD3S DNS
D 75 畑中 夢斗 JZX100 DNS

第1戦 単走優勝

田中 省己

SHIBATIRE RACING SEIMI STYLE D
SHIBATIRE D-MAX TOPTUL S15 (S15)

 単走優勝はいつも毎年狙ってるんすけど、2位ばっかで、毎年2位はあったりなかったりするんスけど、なかなか1位とれなくて、なんとかでとれたのはよかったかなと。

 昨日からちょっとトラブルは出てたりしてたんですけど、昨日トラブル終わってくれて、今日はノントラブルで走れたんで、あとはぼくはCグループやったんで、A、Bグループのおなじシバタイヤワークスの広大と日比野さんが壊れていっちゃって、これはちょっとぼくは決めんとヤバいなっていう……でもプレッシャーっていうよりは、きっちりやってこうっていうかんじでした。

 あとDOSS点が練習でわりとカンタンに出たんスよ。そんなにがんばらなくても99点ぐらい普通に。だから1本目はそんなにめちゃくちゃ気張ったってわけじゃなくて、とりあえずクルマとタイヤの性能を100%出した走りをするっていう集中してきっちり決めたっていうのが99点にのったかんじです(※リアルタイム配信では四捨五入で99.0点として発表されている)。

 今年からシバタイヤさん履かしてもらって、路温の対応とか、温度の上がりかたとか、内圧とか、足のセット含め、全部ほぼいいとこ出せててたんで、セットアップもできてましたし、なによりこのタイヤのポテンシャルが高い。本当8割ぐらいはタイヤのおかげで出た点数です。

 (本番は自信はあった?) 自信はあったですね。優勝というよりは、トップ3の点は出せるかなっていうイメージで。

 (飛び込みの振りがよかったが) みんな意外と手こずってたみたいで、ぼくはなんかそんなにすごい振りを狙ったわけじゃなくてちょうどタイヤとクルマのバランスがよくて、なんかカンタンにできちゃった。カンタンにっていうとあれですけど、なんかちょうどいいリズムで、うまくはまったかなって。

 とにかくクルマとタイヤのバランスがめちゃくちゃいいです。もう、このタイヤが本当によかった。今年履かしていただいたことに感謝ですね。あと今年開幕前のラウンドゼロでプロペラシャフトが折れたりとかね、いろいろあって、やけどそれをなんとかかんとか、出発ギリギリまでいろんなひとを巻き込んで、なんとか間に合わせることができたので、もうスポンサー含め協力してくれたひと全員に感謝です。本当に土下座レベルで感謝したいひとばっかりです。


第1戦 単走ハイライト


第1戦 追走トーナメント

Final Battle   
末永 正雄 SILVIA (S15) vs 横井 昌志 SILVIA (S15)
末永は振り返しのある第3セクターまで見事な接近ドリフトを見せていたが、その先のコーナーへのアプローチでミスをしてしまった。

チームメイト対決は最後に末永が痛恨のミス!

 単走決勝終了後に雨が振り出し、追走トーナメントはウエット路面でおこなわれた。

 マシンが走れるようになったばかりの目桑が田中に負けたほか、北岡がスピンで自滅した以外は、昨年のランキングが上位だった選手が順当に勝利した。

 ベスト8の田中vs松山は、田中のエンジンが走行前にかからなくなりリタイヤ。そして横井vs中村という永遠のライバル対決は、寄せた距離の差では中村が上だったが、DOSS点まで含めた得点では横井がうわまわり、横井が勝った。また後追いの走りの質の差でヴィトーが藤野を下した。

 ベスト4に勝ち上がったのは松山、末永、横井、ヴィトー。先に対戦したのは松山と末永だ。ウエット路面のなかコースはみ出しやショートカットなどもありつつ、まずは後追いの末永がまずまず近い距離のドリフトを見せてアドバンテージをとる。2本目は松山も末永に寄せていったが、逆に詰まって大きくインカットしたり姿勢を乱すなどの場面があって末永の勝ちとなった。

 次の対戦は横井vsヴィトー。1本目後追いのヴィトーは振り出しでそのままスピン。これで大きく横井にアドバンテージがついた。2本目は横井も適度な距離感でついていき、横井が勝った。

 決勝は末永vs横井。D-MAXのチームメイト対決となった。ちなみにフロントリップが緑なのが末永、オレンジなのが横井だ。1本目は後追いの横井がきれいな接近ドリフトを見せる。先行の末永がゾーン1とゾーン2をはずしてしまったこともあり、横井にアドバンテージがついた。2本目は末永が横井以上に近いドリフトを見せたものの、第4セクターへのアプローチで無理をした形になって失速。横井の優勝が決まった。

Semi Final Battle
松山 北斗 (A90) vs 末永 正雄 (S15)
松山は末永をとらえていたものの、合わせるのがむずかしそうな場面がなんどかあり、姿勢やラインを乱してしまった。
Semi Final Battle
横井 昌志 (S15) vs ヴィトー博貴 (RPS13)
ベスト8まで質の高い追走を見せていたヴィトーだが、準決勝は1本目の後追いでいきなり大スピン。これでほぼ勝負は決まった。
Pick Up Battle
横井 昌志 (S15) vs 中村 直樹 (ZN8)
終始ビタビタの追走を見せたがDOSS点が伸びなかった中村に対し、横井はDOSS点も確保しつつ近いドリフトを見せて横井が勝った。
Pick Up Battle
ヴィトー 博貴 (PS13) vs 藤野 秀之 (ZN8)
おたがいに接近ポイントを取り合う展開だったが、ヴィトーのほうが合わせの質や距離が高く、ヴィトーが勝った。
Pick Up Battle
北岡 裕輔 (JZX100) vs 岩井 照宜 (FC3S)
1本目にはアドバンテージをとっていた北岡、2本目は後追いから近い距離を狙っていったが、振り出しでスピンをして逆転負け。
Pick Up Battle
末永 正雄 (S15) vs 齋藤 太吾 (A90)
後追いではアドバンテージをとっていた齋藤だが、2本目の先行時に振り出してからフラついた減点が大きく、末永の勝ちになった。

第1戦 優勝

横井 昌志

D-MAX RACING TEAM
D-MAX S15 SILVIA 2JZ 4号機 (S15)

 練習日からつねに高得点だったから自信はめちゃくちゃありました。ここが得意っていうのもありますけど、そのなかでも、今日は乗れてたかな。

 単走もパッと走って98点後半ぐらい出てたんで。1本目でそれが本当は出したくて。

 で、2本目は99点なかばぐらいを狙っていったんですけど、1本めがちょっと思ったより奥で振りすぎて壁に当たりそうだったんでフォローが入って点数下がっちゃったんで、2本目はもう少し落ち着いて行ったらいちおう98.9点ぐらい出たので、もっと出したかったけど、まぁちゃんとやることやったかなってかんじですね。

 (追走からはウエットになったが) そうですね。ウエットのタイヤテストをまだしてなかったので、ちょっと状況がまったく把握できなくて、エアも、どれぐらいが適正かも……やっぱりいろいろタイヤによってあるので、それを探りながらの追走になって。ふだんとちがうのは、相手が例えば1本目にスピンしたら、いつもそこそこ追走していつも勝っちゃうんすけど、今回はちょっと考えて、離れて、タイヤのエアを変えて単走の走りして、食い具合をちょっと見ながら走ったんで一応それが考えながらテストをしながらちゃんとできたからよかったかなと思います。

 (データ取りにもなった?) 多少はなりましたけど、もうちょっとデータを取りたいっていうのはあります。

 (D-MAX対決を意識したのはいつから?) 途中のトーナメント見てたら、末永さん行くかもしれないなっていうのはあったけど、ぼくベスト8で相手が直樹だったんで、そこを勝たないと次には行けないから、しっかりやらなきゃいけないなと思って、もうDOSSの点数は出てたんで自信持って行きましたけど、それが本当よかったかなと思います。

 (決勝はどうだった?) 普通に手応えはありました。決勝だけが後追いスタートだったんで、後追いから行ったんですけど、バチバチな追走というよりも後追い8か9ぐらい取って、DOSSの点数も下げない走りできたんで、本当その通りなかんじで、入れ替えの走行をする前に「勝ったな」っていうふうには思いました。

 (優勝できて) 奥伊吹の久しぶりの優勝だったんで、地元なんでね、応援に来てくれるひとも多かったから、勝ててよかったですし、初戦ということなんで、ここからぶっちぎって行きたいと思います。


第1戦 2位

末永 正雄
D-MAX RACING TEAM

第1戦 3位

松山 北斗
+LenoRacing watanabe

第1戦 優勝チーム

D-MAX RACING TEAM

第1戦 ベストメンテナンス

TEAM TOYO TIRES DRIFT

第1戦 追走ハイライト


第1戦 最終順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarTsuiso PointsTanso Points
170横井 昌志D-MAX RACING TEAMS15253
246末永 正雄D-MAX RACING TEAMS1521 
377松山 北斗+LenoRacing watanabeA9018 
498ヴィトー 博貴DRIFT STAR Racing × RACING GEARPS1316 
52田中 省己SHIBATIRE RACING SEIMI STYLE DS15134
666藤野 秀之TEAM TOYO TIRES DRIFT ZN812 
799中村 直樹TEAM VALINO × N-styleZN811 
851岩井 照宜RS Watanabe SPEED MASTERFC3S10 
929齊藤 悠史CAR SHOP GLITTER × Carlife ORANGE × Next DreamS1582
1052北岡 裕輔TEAM MORIJZX10071
1111村上 満Repair Create × 326powerZN86 
1245Chanatpon KerdpiamGOODRIDE × NEXZTERS155 
1323下田 紗弥加Mercury 車楽人 VALINOS154 
1487齋藤 太吾FAT FIVE RACINGA903 
1593加納 広貴HIRANO TIRE ★ VALINO RACINGS152 
1679目桑 宏次郎TMS Racing  Team G-meisterE921 

第1戦 単走順位&ポイント

Pos,No.DriverTeamCarPoints
12田中 省己SHIBATIRE RACING SEIMI STYLE DS1520
270横井 昌志D-MAX RACING TEAMS1516
329齊藤 悠史CAR SHOP GLITTER × Carlife ORANGE × Next DreamS1515
452北岡 裕輔TEAM MORIJZX10014
546末永 正雄D-MAX RACING TEAMS1513
666藤野 秀之TEAM TOYO TIRES DRIFTZN812
711村上 満Repair Create × 326powerZN811
845Chanatpon KerdpiamGOODRIDE × NEXZTERS1510
977松山 北斗+LenoRacing watanabeA908
1099中村 直樹TEAM VALINO × N-styleZN87
1123下田 紗弥加Mercury 車楽人 VALINOS156
1287齋藤 太吾FAT FIVE RACINGA905
1351岩井 照宜RS Watanabe SPEED MASTERFC3S4
1498ヴィトー 博貴DRIFT STAR Racing × RACING GEARPS133
1593加納 広貴HIRANO TIRE ★ VALINO RACINGS152
1679目桑 宏次郎TMS Racing Team G-meisterE921

第1戦 チーム順位&ポイント

Pos.No.TeamDriverPoints
170D-MAX RACING TEAM横井 昌志26
246D-MAX RACING TEAM末永 正雄20
377+LenoRacing watanabe松山 北斗15
498DRIFT STAR Racing × RACING GEARヴィトー 博貴10
52SHIBATIRE RACING SEIMI STYLE D田中 省己6
666TEAM TOYO TIRES DRIFT 藤野 秀之6
799TEAM VALINO × N-style中村 直樹6
851RS Watanabe SPEED MASTER岩井 照宜6
929CAR SHOP GLITTER × Carlife ORANGE × Next Dream齊藤 悠史3
1052TEAM MORI北岡 裕輔3
1111Repair Create × 326power村上 満3
1245GOODRIDE × NEXZTERChanatpon Kerdpiam3
1323Mercury 車楽人 VALINO下田 紗弥加3
1487FAT FIVE RACING齋藤 太吾3
1593HIRANO TIRE ★ VALINO RACING加納 広貴3
1679TMS Racing Team G-meister目桑 宏次郎3

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