D1GP RD.4 筑波 詳細レポート

2023 GRAN TURISMO D1 GRAND PRIX SERIES RD.4 TSUKUBA
2023年グランツーリスモD1グランプリシリーズ第4戦 筑波
開催日:2023年6月25日(日)
会場:筑波サーキット
コースコンディション:ドライ
延動員数:4,051名(3日間合計)

蕎麦切が単走優勝からの初優勝!


第4戦 単走決勝

Tanso 1st Place
蕎麦切 広大
SHIBATIRE RACING
SHIBATIRE Q60 (Q60)
Tanso 2nd Place
日比野 哲也
GR86 (ZN8)
Tanso 3rd Place
横井 昌志
SILVIA (S15)

前日の得点をうわまわって蕎麦切が連続単走優勝

 第4戦は、第3戦の翌日におなじコースで開催された。競技区間は同一だが、1コーナーとヘアピンに関しては、舗装部分の端より内側に白線が引かれ、そのラインからはみ出すとトラックオフ判定となった。それに合わせて通過指定ゾーンも内側に入ったため、前日よりもコースアウトしにくくなった。

 前日の単走優勝者・蕎麦切は最初の走行グループで登場した。いきなり1本目に派手な振りと大きな角度で1コーナーに飛び込み、ヘアピンでも大きな角度を見せて、減点も少なく、99.46点を叩き出した。前日の自身の単走優勝得点をうわまわる得点だ。2本目もさらに流れのいい走りを見せたが、S字前半での角度の不足で点が伸びず、得点は更新できなかった。

 次のグループで走行した日比野は、やはり飛び込みで大きな振りを見せるとともに1コーナーを安定した姿勢で旋回し、いい走りを見せたが99.22点で蕎麦切におよばない。Bグループで走行した横井も高い車速から鋭い振りと安定した姿勢で点を稼いだが、99点には届かなかった。

 けっきょくその後、この3人をうわまわる得点は出ず、蕎麦切が2日連続での単走優勝を決めた。

今季D1GPデビューの最上は、2本目の走行で抑えすぎずにしっかりコントロールした走りを見せて、初の追走進出を決めた。
昨年参戦を休止していたベテラン内海は、1本目に減点の少ない安定した走りをして約1年10ヵ月ぶりの追走進出を果たした。
前日の準優勝者である松山は、S字の前半で角度が十分につけられなかったため高得点はとれず16位ギリギリでの通過となった。
松井は1コーナーで角度がつきすぎてしまう症状に悩まされて、それ以降の走りのリズムを崩し、十分な得点がとれないまま敗退となった。
走行の直前から失火症状が出ていた目桑は、十分な加速ができず、2本ともまともにドリフトができないまま敗退となった。
この筑波ラウンドからGR86で参戦してきた笹山だが、まだ思いきった完成度の高い走りを見せるには至らず、2戦とも単走敗退となった。
Pos. Gr. No. Driver Car Best Score 2nd Score
1 A 31 蕎麦切 広大 Q60 99.46 98.34
2 A 18 日比野 哲也 ZN8 99.22 98.43
3 B 70 横井 昌志 S15 98.84 29.75
4 D 15 植尾 勝浩 S15 98.59 96.22
5 B 98 ヴィトー 博貴 PS13 98.52 96.84
6 D 99 中村 直樹 ZN8 98.26 97.25
7 A 88 川畑 真人 ZN8 97.90 95.83
8 C 52 北岡 裕輔 JZX100 97.81 96.55
9 B 2 田中 省己 S15 97.78 76.64
10 B 8 粂 哲也 S15 97.20 95.37
11 D 66 藤野 秀之 ZN8 97.18 44.71
12 D 45 Chanatpon Kerdpiam S15 97.16 96.48
13 D 46 末永 正雄 S15 97.13 94.98
14 C 90 最上 弦毅 A90 97.06 93.96
15 A 6 内海 彰乃 S15 96.98 29.73
16 D 77 松山 北斗 A90 96.97 95.96
▲追走トーナメント進出▲
17 A 51 岩井 照宜 FC3S 96.93 96.52
18 B 95 Daychapon Toyingcharoen JZZ30 96.89 95.25
19 C 69 秋葉 瑠世 S15 95.99 93.90
20 B 11 村上 満 ZN8 95.50 72.10
21 B 55 松川 和也 AE85 95.31 95.25
22 A 78 上野 高広 GSC10 95.25 94.90
23 B 43 田所 義文 AE86 94.67 91.93
24 C 12 久保川 澄花 RPS13 94.57 91.31
25 C 16 山口 孝二 E92 94.35 92.29
26 B 30 中田 哲郎 JZX100 94.25 92.48
27 A 86 笹山 栄久 ZN8 94.02 93.62
28 A 56 森 孝弘 RPS13 93.72 29.54
29 D 7 松井 有紀夫 FD3S 93.71 77.49
30 C 33 石川 隼也 ZN8 93.65 74.00
31 C 93 加納 広貴 S15 93.62 91.48
32 D 9 山本 航 S15 93.35 74.81
33 C 27 茂木 武士 S15 92.92 45.06
34 A 39 長井 利樹 PS13 92.88 90.91
35 C 87 齋藤 太吾 A90 91.77 0.00
36 D 23 下田 紗弥加 S15 87.87 70.46
37 A 79 目桑 宏次郎 E92 0.00 0.00

第4戦 単走優勝

蕎麦切 広大

SHIBATIRE RACING
SHIBATIRE Q60 (Q60)

 今日はゾーンの位置がちょっと変わったりして、練習のときにどんだけちがうかなと思ったんですけど、正直、昨日とあまり変わらなかったです、感覚としては。なのでゾーンが手前に来たっていうことも考えずに、いつもどおり走ろうと心がけて走ったらけっこういい点数が出て、優勝することができました。

 (自信はあった?) そうですね、ぼちぼち……DOSS点も出てたんで、練習どおり気張らずにリラックスして走ろうかなっていう気持ちで走っていました。1本目、細かいミスはけっこうしてたんですけど、じつは。でもDOSS点に響かないようにいろいろごまかしながら走ったら、帳尻があったかんじですかね。

 (昨日より上げていこうと思った部分は?) 2個目のアウトゾーン付近を、ゾーンに合わせるためにごちゃごちゃいろんなことをしちゃうと点が出づらかったんで、そういうことは極力しないようにというか、ちょっとバレないようにしようかなっていうかんじでした。

 (1本目の満足度は?) 1本目手応え的にはそこそこなかんじかなっていうのが正直なところでした。めっちゃ決まったわ!ってかんじじゃなかったです。2本目はわりかしそういう調整が必要ない状態で行けたのは行けたんで、運転手的な感覚でいうと2本目のほうが気持ちよかったです。

 ただ、1セクの振り出しとかがちょっとぬるいのは、走りながらわかってて「やっぱ点数は1本目のほうが高いんだろうな」っていう気持ちもありました。

 2日連続で単走優勝で、もちろんうれしい気持ちはあるんですが、やっぱ本番は追走なんで、追走に向けて、いまは集中してがんばりたいと思います。


第4戦 追走トーナメント

Final Battle
蕎麦切 広大 (Q60) vs 日比野 哲也 (ZN8)
先行時に毎回高得点を出していた蕎麦切だったが、後追いでも相手に合わせたキレイな追走を見せて優勝を決めた。

後追いでも強さを発揮した蕎麦切が初優勝

 ベスト16では中村vs藤野という好カードがあり、後半にかけてきれいに距離を詰めていった藤野と、終始ビタビタの後追いを見せた中村がポイントをとりあったが、後追い時のDOSS点の差が大きく、藤野が勝った。また、ルーキーの粂、最上は、それぞれ川畑、横井というチャンピオン経験者に退けられた。

 ベスト8でも、蕎麦切vs田中、横井vs藤野と、おたがいに見事な寄せを見せた好勝負があったが、それぞれ接近ポイントでうわまわった蕎麦切と横井が勝った。

 ベスト4に勝ち上がったのは、蕎麦切、植尾、日比野、横井。蕎麦切vs植尾は、1本目に植尾がわずかに寄せた場面があってアドバンテージをとったが、2本目を前にしてDOSSのデータ取得ができなくなり、急遽審判員の審査に切り替えた。レギュレーションによって1本目の走行もリプレイを見て審判員が判定しなおすということが行われた結果、ここで判定は蕎麦切アドバンテージに変わる。2本目は先行の植尾がいい走りをしたが逆転には届かず、蕎麦切の勝ちとなった。

 日比野vs横井の対戦は、1本目後追いの横井がずっと接近ドリフトを続けていたがヘアピンでスピン。日比野に大きなアドバンテージがつく。2本目は日比野がDOSS点を落とさずに適度な距離でついていき、日比野が勝った。

 決勝は蕎麦切vs日比野。1本目は蕎麦切が先行。蕎麦切もいい走りをしたが、日比野は思い切って寄せていった1コーナーで姿勢が大きくもどるミス。2本目は蕎麦切が終始近いドリフトを見せて初優勝を決めた。

Semi Final Battle
蕎麦切 広大 (Q60) vs 植尾 勝浩 (S15)
おたがいに先行で素晴らしい単走を見せたため、接近度は低かったが、その先行時の走りの評価で蕎麦切がうわまわった。
Semi Final Battle
日比野 哲也 (ZN8) vs 横井 昌志 (S15)
横井が1コーナーから日比野をとらえて、ビタビタの後追いを見せたが、ヘアピンで詰まってしまいスピンを喫して敗れた。
Pick Up Battle
蕎麦切 広大 (Q60) vs 田中省己 (S15)
1本目は田中が9.5の後追いポイントを取る接近ドリフトを見せたが、2本目は蕎麦切が11.5の後追いポイントで逆転してみせた。
Pick Up Battle
日比野 哲也 (ZN8) vs 川畑 真人 (ZN8)
日比野先行時の1本目に1コーナーでラインがクロスした形になり川畑が接触。これによる川畑の減点が大きく、日比野が勝った。
Pick Up Battle
横井 昌志 (S15) vs 藤野 秀之 (ZN8)
藤野は後半にかけて寄せていく走りで9.5の接近ポイントを取ったが、横井は1コーナー進入での同時振りから藤野をとらえて逆転した。
Pick Up Battle
ヴィトー 博貴 (PS13) vs エス (S15)
果敢ながらもミスが多かったエスだが、ヴィトーが2本目に1コーナーで飛び出したことでベスト8に勝ち上がった。

第4戦 優勝

蕎麦切 広大

SHIBATIRE RACING
SHIBATIRE Q60 (Q60)

 (今日は自信はあった?) 正直ありました。本当にクルマもいいってことはもうずっとわかったんで自信はありました。昨日ベスト16で負けて、いろいろ考え……もちろん勝ちたいがゆえにいろいろ作戦立ててたんですけど、それがやっぱりアダとなっちゃってて。ドリフトの、そもそもドリフトの競技っていうのは魅せてナンボっていうのをちょっと忘れてる部分というか、見に来てくれたお客さんがいてのD1グランプリだと思うし、見に来てくれたお客さんが喜んでくれる走りをいちばん重点に置いて、相手がだれであっても魅せる走りをしようっていうふうに切り替えました。

 (準決勝の相手が前日に負けた植尾選手だったが) 本当に昨日みたいな負けかたは絶対したくなかったし、ビタビタに行くことはできなかったんですけど、昨日よりは気合も十分にパンパンに入れて挑みました。その結果、勝つことができてうれしいです。昨日から成長できたかんじがします。

 (決勝はおなじチームの日比野選手だったが) いやもう単純に楽しかったです。もうなにも考えてなかったですけど、日比野さんだったら思いっきり行くことしか考えてなかったです。

 (追走で先行はほとんどミスしてない?) 最終的にミスしてないように見えてるかもしれないですけど、ミスしかしてないっす(苦笑)。ミスしててもミスしてないように見せる努力はしていて、ゾーンとかもかなりギリギリだと思いますけど、たまたま引かれることなく、ずっと98点ぐらい出てましたね。もうリカバーしかしてないっす(笑)。

 毎周毎周ちがうできごとがあるんで「あ、今回こうなっちゃった。じゃあこうしよう」ってそのときそのときで対処してましたけど、まぁクルマに余裕があるんでそれができます。馬力もあるし、グリップ力もあるんで、いろんな手法を使ってDOSS点に響かないようなことを、コソッと、いろんなことをしてました。

 (後追いの満足度は?) 6割です。正直。まだまだできます。

 (初優勝はいつごろから意識していた?) 去年のそれこそオートポリスぐらいからですね。それまでクルマの性能で勝てなかったんですけど、そのとき勝てるなって思えて、やっぱすごい優勝の意識が変わりましたね。でもそこから長かったですよ。こんなにポテンシャルのあるマシンなのに勝てないっていうのはやっぱ悔しかったです。ドリフトはむずかしいなと思いました。

 (初優勝できていまの心境は?) 本当にこのクルマを作ること、走ることすべてに関して関わってくれたみなさまに形を残せて本当によかったです。ありがとうございます。


第4戦 2位

日比野 哲也
SHIBATIRE RACING

第4戦 3位

横井 昌志
D-MAX RACING TEAM

第4戦 優勝チーム

SHIBATIRE RACING

第4戦 ベストメンテナンス

+LenoRacing watanabe

第4戦 追走ハイライト


第4戦 暫定最終順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarTsuiso PointsTanso Points
131蕎麦切 広大SHIBATIRE RACINGQ60254
218日比野 哲也SHIBATIRE RACINGZN8213
370横井 昌志D-MAX RACING TEAMS1500
415植尾 勝浩VALINO VAZESTRAS15161
588川畑 真人TEAM TOYO TIRES DRIFT ZN813 
62田中 省己SHIBATIRE RACING SEIMI STYLE DS1512 
766藤野 秀之TEAM TOYO TIRES DRIFT ZN811 
845Chanatpon KerdpiamGOODRIDE × NEXZTERS1510 
998ヴィトー 博貴DRIFT STAR Racing × RACING GEARPS138 
1099中村 直樹TEAM VALINO × N-styleZN87 
1152北岡 裕輔TEAM MORIJZX1006 
128粂 哲也HIRANO TIRE ★ VALINO RACINGS155 
1346末永 正雄D-MAX RACING TEAMS154 
1490最上 弦毅ウエインズトヨタ神奈川 俺だっ!レーシングA903 
156内海 彰乃浅井工業 SP security レーシングチームS152 
1677松山 北斗+LenoRacing watanabeA901 

※ #70 D1規則 付則-D1 7.2)2 に従い、タイヤ規則違反のため当該大会のポイントは与えられない。


第4戦 暫定単走順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarPoints
131蕎麦切 広大SHIBATIRE RACINGQ6020
218日比野 哲也SHIBATIRE RACINGZN816
370横井 昌志D-MAX RACING TEAMS150
415植尾 勝浩VALINO VAZESTRAS1514
598ヴィトー 博貴DRIFT STAR Racing × RACING GEARPS1313
699中村 直樹TEAM VALINO × N-styleZN812
788川畑 真人TEAM TOYO TIRES DRIFTZN811
852北岡 裕輔TEAM MORIJZX10010
92田中 省己SHIBATIRE RACING SEIMI STYLE DS158
108粂 哲也HIRANO TIRE ★ VALINO RACINGS157
1166藤野 秀之TEAM TOYO TIRES DRIFTZN86
1245Chanatpon KerdpiamGOODRIDE × NEXZTERJZZ305
1346末永 正雄D-MAX RACING TEAMS154
1490最上 弦毅ウエインズトヨタ神奈川 俺だっ!レーシングA903
156内海 彰乃浅井工業 SP security レーシングチームS152
1677松山 北斗+LenoRacing watanabeA901

※ #70 D1規則 付則-D1 7.2)2 に従い、タイヤ規則違反のため当該大会のポイントは与えられない。


第4戦 暫定チーム順位&ポイント

Pos.No.TeamDriverPoints
131SHIBATIRE RACING蕎麦切 広大26
218SHIBATIRE RACING日比野 哲也20
370D-MAX RACING TEAM横井 昌志0
415VALINO VAZESTRA植尾 勝浩10
588TEAM TOYO TIRES DRIFT川畑 真人6
62SHIBATIRE RACING SEIMI STYLE D田中 省己6
766TEAM TOYO TIRES DRIFT藤野 秀之6
845GOODRIDE × NEXZTERChanatpon Kerdpiam6
998DRIFT STAR Racing × RACING GEARヴィトー 博貴3
1099TEAM VALINO × N-style中村 直樹3
1152TEAM MORI北岡 裕輔3
128HIRANO TIRE ★ VALINO RACING粂 哲也3
1346D-MAX RACING TEAM末永 正雄3
1490ウエインズトヨタ神奈川 俺だっ!レーシング最上 弦毅3
156浅井工業 SP security レーシングチーム内海 彰乃3
1677+LenoRacing watanabe松山 北斗3

※ #70 D1規則 付則-D1 7.2)2 に従い、タイヤ規則違反のため当該大会のポイントは与えられない。


シリーズランキング

シリーズランキングはこちら >>>

関連記事