D1GP RD.10 お台場 詳細レポート

JAF CUP ALL JAPAN
2023 GRAN TURISMO D1 GRAND PRIX SERIES RD.10 ODAIBA
2023年グランツーリスモD1グランプリシリーズ第10戦 お台場
開催日:2023年11月12日(日)
会場:お台場特設会場
コースコンディション:ウェット→ドライ
延動員数:無料エリア 12,843名(日曜日のみ) / 有料エリア 6,019名 (関係者含む3日間合計)

最終戦は松山が優勝!
チャンピオンは藤野が獲得!


第10戦 単走決勝

Tanso 1st Place
藤野 秀之
TEAM TOYO TIRES DRIFT
TEAM TOYO TIRES DRIFT GR86 #66 (ZN8)
Tanso 2nd Place
村上 満
GR86 (ZN8)
Tanso 3rd Place
田中 省己
SILVIA (S15)

中村の敗退が決まったあとで藤野が単走優勝

 第9戦の翌日に開催された最終戦。コースは前日と同様だが、朝には降雨があり、わずかに小雨が残るなかで単走が開始した。まもなく雨は止み、路面はしだいに乾いていくなかで、DOSSのウエット係数も変更されたため、追走進出は全体での得点順位ではなく、グループごとの上位4名という形式になった。

 Aグループでは、ランキング首位の中村が2本とも点が伸びずにまさかの敗退。この時点では藤野が圧倒的に有利な立場になり、松山と田中も逆転の可能性が少し増したが、蕎麦切は単走で敗退し、タイトル争いから脱落した。

 松山と田中はいずれもグループをトップ通過、しだいに路面が乾いてくるなか、最後のグループで藤野が走行した。藤野は1本目の走行では全体的に控えめな走りになり、グループのトップ4人に入れない。しかし2本目、飛び込みの角度変化やその先の角度などで高得点を獲得し、派手さはないものの減点も少ない走りで98.46というトップの得点をマーク。これによって藤野は単走優勝を獲得するとともに、蕎麦切を抜いて単走シリーズチャンピオンも決めた。

中村はコーナー進入で伸ばすなどサイドブレーキの多用がひびいたのか、2本とも94点台にとどまり、単走敗退となった。
今シーズンここまで追走進出がなかった茂木だが、コーナーでの角度などで点を稼ぎギリギリ単走通過を果たした。
ここまでGRスープラで追走進出がなかったがポップだが、GR86を投入したこのラウンドでは初の単走通過を果たした。
前日は単走で敗退した齋藤だが、この日は103.28km/hという最速進入をマークしつつ走りをまとめ、追走進出を果たした。
進入では2本ともいい振りを見せていたものの、審査区間後半での車速や角度で点がとれず、蕎麦切は単走敗退となった。
目桑は1本目の途中にドリフトができなくなりコースを離脱。前日とは反対側のデフのサイドフランジのトラブルだった。
Pos. Gr. No. Driver Car Best Score 2nd Score
1 D 66 藤野 秀之 ZN8 98.46 96.78
2 D 11 村上 満 ZN8 98.10 97.78
3 B 2 田中 省己 S15 97.69 96.54
4 D 33 石川 隼也 ZN8 97.38 97.23
5 C 7 松井 有紀夫 FD3S 97.38 93.66
6 A 77 松山 北斗 A90 97.37 96.72
7 D 55 松川 和也 AE85 97.15 96.75
8 B 89 Lattapon Keawchin ZN8 97.15 91.14
9 A 88 川畑 真人 ZN8 96.79 93.96
10 A 69 秋葉 瑠世 S15 96.60 95.57
11 C 70 横井 昌志 S15 96.58 93.20
12 C 87 齋藤 太吾 A90 96.56 94.84
13 B 52 北岡 裕輔 JZX100 96.54 95.45
14 A 95 Daychapon Toyingcharoen S15 96.18 94.18
15 B 46 末永 正雄 S15 95.98 95.83
16 C 27 茂木 武士 S15 95.00 76.39
▲追走トーナメント進出▲
17 D 93 加納 広貴 S15 96.93 90.93
18 D 63 Konpichit Toyingcharoen RPS13 96.87 95.59
19 B 12 久保川 澄花 RPS13 95.87 93.45
20 A 31 蕎麦切 広大 Q60 95.81 94.89
21 B 90 最上 弦毅 A90 95.66 57.53
22 B 86 笹山 栄久 ZN8 95.65 93.15
23 D 18 日比野 哲也 ZN8 95.25 95.19
24 B 75 畑中 夢斗 JZX100 95.20 72.93
25 B 39 長井 利樹 PS13 95.02 93.94
26 B 23 下田 紗弥加 S15 94.89 86.88
27 C 56 森 孝弘 RPS13 94.82 93.94
28 A 51 岩井 照宜 FC3S 94.82 93.39
29 A 99 中村 直樹 ZN8 94.80 94.41
30 D 8 粂 哲也 S15 94.33 89.56
31 A 6 内海 彰乃 S15 94.25 88.01
32 A 9 山本 航 S15 93.85 93.14
33 A 29 齊藤 悠史 S15 93.41 92.79
34 C 78 上野 高広 GSC10 93.17 92.09
35 C 45 Chanatpon Kerdpiam S15 90.69 0.00
36 D 16 山口 孝二 E92 88.24 76.59
37 C 84 波紫 聖和 ER34 87.59 75.67
38 C 43 田所 義文 AE86 74.46 71.86
39 C 98 ヴィトー 博貴 PS13 62.77 0.00
40 D 79 目桑 宏次郎 E92 43.63 0.00

第10戦 単走優勝

藤野 秀之

TEAM TOYO TIRES DRIFT
TEAM TOYO TIRES DRIFT GR86 #66 (ZN8)

 (単走の自信は?) 今日の状況は、いろいろ考えてて、まったく定まってないままスタートしちゃったんで、まあ、緊張しました。ウエットならウエットのままであってくれたほうがぜんぜんよかったんですけど……ウェットのファイナル(ギヤ)のまんま出ていってるんですよ。で実際、路面が乾いてきたといっても、スタートのあたりは濡れてたんで、ちょっと加速もうまくできなかったので、1本はまったく点数出なくて、さてどうしようみたいな……。で、車速のせるのをもう無視して、もう、DOSS点っていうか、振りの速度だけ考えようと思って、切り替えたんです。

 (それがうまくいった?) そうですね、でもまあ、ある意味イチかバチかだったんで…。

 (その狙い通りの走りはできた?) そうですね、比較的狙ったとおりにはクルマは動いてくれたんでよかったです。ま、実際はね、点数見ないとわからないことなんですけど、まあ、たぶん大丈夫かな、ぐらいでしたけどね。

 (その前に中村選手の敗退が決まってましたけど) いや、もう正直に言ったら、ラッキー! と思いますよね。まぁ、これで落としたらまずいなっていうのはありました。逆に。

 あの、あまり多くを狙うと失敗していっちゃうと思うんで。やっぱり多くを望まずに最終的にとれたらいいなって思ってましたけど。


第10戦 追走トーナメント

Final Battle
藤野 秀之 (ZN8) vs 松山 北斗 (A90)
すでに単走優勝、単走チャンピオン、シリーズチャンピオンを決めていた藤野だったが、ラウンド優勝は松山に阻止された。

松山がスピードで競り勝ち、藤野の金メダル独占を阻止!

 単走後には雨が降ることはなく、追走はドライコンディションでおこなわれた。

 ランキング首位にいた中村が単走で敗退し、同2位だった藤野が単走優勝を果たしたことで、藤野はベスト16に勝利すればチャンピオン獲得という状況になった。1本目は茂木も後追いから接近ドリフトを見せたものの、ベースとなるDOSS点が伸びず、アドバンテージはわずか。2本目後追いの藤野は後半にかけて寄せていき、接近ポイントでは茂木を下まわったが、先行時の茂木のDOSS点も低く、藤野が勝利。ここで藤野のシリーズチャンピオン獲得が決まった。

 まだシリーズ2位の可能性を残していた田中と松山だが、田中はベスト16で敗退。2位争いから脱落した。

 ベスト4に勝ち上がったのは、藤野、松井、秋葉、松山。まずは藤野と松井が対戦した。1本目後追いの松井は近いドリフトを見せたが、第4セクターで角度が浅くなったこともあって、DOSS点が低くなってしまう。2本目は松井がゾーン1をはずし、藤野がきれいにドリフトを合わせて藤野が勝った。

 秋葉vs松山の対戦は、1本目先行の秋葉がS字で振り返すのが早すぎてドリフトがもどってしまうミス。2本目も秋葉は松山をプッシュしてしまい、松山が勝った。

 決勝は藤野vs松山。1本目は鋭い振りを見せる藤野に対して松山が接近していたが2コーナーで少し離されてしまい、アドバンテージは6にとどまった。2本目は先行の松山が素晴らしいスピードを見せ、藤野は前半寄せられず、松山の先行でのDOSS得点が高かったこともあって藤野の逆転ならず。松山の優勝が決まった。

 なお松山はこのラウンドの結果でシリーズ2位の順位も獲得した。

Semi Final Battle
藤野 秀之 (ZN8) vs 松井 有紀夫 (FD3S)
4ローターエンジン投入後いまひとつの走りだった松井。藤野には敗れたものの、後追いでもいい走りを見せた。
Semi Final Battle
秋葉 瑠世 (S15) vs 松山 北斗 (A90)
追走に入ってから、先行でも後追いでもいきいきした走りを見せていた秋葉だが、準決勝では2本ともミスをしてしまった。
Pick Up Battle
藤野 秀之 (ZN8) vs 川畑 真人 (ZN8)
ベスト8で実現したTOYO TIRES対決。川畑も見事な接近ドリフトを見せたが、タイトル獲得を決めていた藤野がそれをうわまわる走りを見せた。
Pick Up Battle
末永 正雄 (S15) vs 秋葉 瑠世 (S15)
1本目の後追い時、秋葉は振り出す前からビタビタにつけるドリフトを成功させ、後追いポイント15のフルマークを獲得した。
Pick Up Battle
松山 北斗 (A90) vs 横井 昌志 (S15)
ベスト16。スピードでうわまわっていた松山は、先行時には横井を寄せ付けず、後追い時にはきっちり寄せて勝利した。
Pick Up Battle
村上 満 (ZN8) vs 末永 正雄 (S15)
ベスト16。2本目の後追い時に村上は2コーナーでスローダウン。サージタンクが割れてエンジンが吹けなくなったのが原因だった。

第10戦 優勝

松山 北斗

+LenoRacing watanabe
GR SUPRA Blue Edition (A90)

 (昨日から今日にかけて、何か変えたことは?) いや、何にも変えてないです。昨日、追走2回やったので、その追走のポイントも自分なりに反省して、今日は臨んだんですけど、自分の走りの仕上がり的にはそんなに優勝できるかなというほどの自信はあまりなかったです。

 シリーズもほんとにわずかな望みであって、意識してドキドキしてもしょうがないくらいの可能性だったんで、もう思いっきり楽しんでいこうと思って。追走も完全に思いどおりではなかったんですけど、昨日の反省を踏まえて、しっかり自分なりに走れたんで、結果につながってよかったかなと思います。

 (どういうよさを生かせた?) やっぱりクルマの速さを生かして、後追いだとコントロール性がまだむずかしい部分があるので、やっぱり先行で、 速さを生かして、寄せ付けない走りを意識して走りました。そのおかげで、まぁ決勝も勝てたのかな、と。後追いはやっぱり自分の思いどおりにはいかなかったですけど、速かったおかげで、相手もついてこれずに勝つことができました。

 (決勝がシリーズチャンピオンを獲った藤野選手でしたが、どんな思いで走った?) どっちにしろ、トーヨータイヤ対決だったんで、もうシリーズも関係ない対戦でしたし、そんなに気負わず、楽しんで。どっちが勝ってもトーヨータイヤさんはハッピーだし、まぁ思いっきり、最後楽しんで走ろうと思いって走りました、

 (1年ぶりの優勝はどうですか?) そうですね。今年けっこう表彰台多かったんですけど、1位は取れてなかったんで、1位取りたいなとすごい思ってて、前回のオートポリスが自分のなかでいちばんチャンスだと思って、練習の仕上がりとか追走のかんじとか見ても、これはいけるなって思ってたんですけど、けっきょくどっちもぜんぜんよくない結果に終わってしまって…。

 お台場はクルマと特性がたぶん合わないなと思ってて、スープラはけっこう硬めの足まわりで、このバンピーな路面には全然合わないと思ってたんですけど、そこがなんとかなってよかったです。


第10戦 2位

藤野 秀之
TEAM TOYO TIRES DRIFT

第10戦 3位

松井 有紀夫
TEAM RE雨宮 マツモトキヨシ APA

第10戦 優勝チーム

TEAM TOYO TIRES DRIFT

第10戦 ベストメンテナンス

FAT FIVE RACING

第10戦 最終順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarModelTsuiso PointsTanso Points
177松山 北斗+LenoRacing watanabeGR SUPRAA9025 
266藤野 秀之TEAM TOYO TIRES DRIFTGR86ZN8214
37松井 有紀夫TEAM RE雨宮 マツモトキヨシ APARX-7FD3S18 
469秋葉 瑠世Z CHALLENGER × BOOSTARSILVIAS1516 
588川畑 真人TEAM TOYO TIRES DRIFTGR86ZN813 
652北岡 裕輔TEAM MORIMARKⅡJZX10012 
795Daychapon ToyingcharoenTEAM VERTEX × NEXZTER × D2DSILVIAS1511 
846末永 正雄D-MAX RACING TEAMSILVIAS1510 
911村上 満Repair Create × 326powerGR86ZN883
102田中 省己SHIBATIRE RACING SEIMI STYLE DSILVIAS1572
1133石川 隼也広島トヨタ team DROO-PGR86ZN861
1255松川 和也広島トヨタ team DROO-PTRUENOAE855 
1389Lattapon KeawchinNEXZTER DRIVE TO DRIFTGR86ZN84 
1470横井 昌志D-MAX RACING TEAMSILVIAS153 
1587齋藤 太吾FAT FIVE RACINGGR SUPRAA902 
1627茂木 武士GUNSAI Racing SHIBATIRESILVIAS151 

第10戦 単走順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarModelPoints
166藤野 秀之TEAM TOYO TIRES DRIFTGR86ZN820
211村上 満Repair Create × 326powerGR86ZN816
32田中 省己SHIBATIRE RACING SEIMI STYLE DSILVIAS1515
433石川 隼也広島トヨタ team DROO-PGR86ZN814
57松井 有紀夫TEAM RE雨宮 マツモトキヨシ APARX-7FD3S13
677松山 北斗+LenoRacing watanabeGR SUPRAA9012
755松川 和也広島トヨタ team DROO-PTRUENOAE8511
889Lattapon KeawchinNEXZTER DRIVE TO DRIFTGR86ZN810
988川畑 真人TEAM TOYO TIRES DRIFTGR86ZN88
1069秋葉 瑠世Z CHALLENGER × BOOSTARSILVIAS157
1170横井 昌志D-MAX RACING TEAMSILVIAS156
1287齋藤 太吾FAT FIVE RACINGGR SUPRAA905
1352北岡 裕輔TEAM MORIMARKⅡJZX1004
1495Daychapon ToyingcharoenTEAM VERTEX × NEXZTER × D2DSILVIAS153
1546末永 正雄D-MAX RACING TEAMSILVIAS152
1627茂木 武士GUNSAI Racing SHIBATIRESILVIAS151

第10戦 チーム順位&ポイント

Pos.No.TeamDriverPoints
177+LenoRacing watanabe松山 北斗26
266TEAM TOYO TIRES DRIFT藤野 秀之20
37TEAM RE雨宮 マツモトキヨシ APA松井 有紀夫15
469Z CHALLENGER × BOOSTAR秋葉 瑠世10
588TEAM TOYO TIRES DRIFT川畑 真人6
652TEAM MORI北岡 裕輔6
795TEAM VERTEX × NEXZTER × D2DDaychapon Toyingcharoen6
846D-MAX RACING TEAM末永 正雄6
911Repair Create × 326power村上 満3
102SHIBATIRE RACING SEIMI STYLE D田中 省己3
1133広島トヨタ team DROO-P石川 隼也3
1255広島トヨタ team DROO-P松川 和也3
1389NEXZTER DRIVE TO DRIFTLattapon Keawchin3
1470D-MAX RACING TEAM横井 昌志3
1587FAT FIVE RACING 齋藤 太吾3
1627GUNSAI Racing SHIBATIRE茂木 武士3

2023年シリーズチャンピオン

藤野 秀之

TEAM TOYO TIRES DRIFT
TEAM TOYO TIRES DRIFT GR86 #66 (ZN8)

 (まず、開幕の時点でクルマの戦闘力などはどう思ってましたか) まあ、普通に乗りやすいクルマだなっていうのと、自分そもそもの性格が、シリーズを獲りにいこうと思って最初から走ってるわけじゃなくて、ひとつひとつクルマを煮詰めたりとか、いろんな面で自分が慣れたりとか、ちろんメカニックもそのクルマに慣れてもらわないと、どこがどうだっていうのもわからなかったんで、まず壊れずに走るっていうことが目標で、感触は良かったんですけど。勝とうとかはあんまり考えてなかったです。

 (去年川畑選手が勝っていて、勝てるクルマだっていうことはわかっていた?) そうですね。クルマはすごい乗りやすいんで。ただ、やっぱりまわりもみんないいクルマに乗ってるので、トラクションだったりとか、トラクションばっかり求めると、今度は乗りづらさだったりとかDOSS点が出ないとかいろいろあるんで。乗りやすくてトラクションがかかって、みたいなのを自分は目指してるんで、 そのへんが、なんとなくクルマにも慣れてきたのと、それもふくめてセットが出てきたのかなっていうのはありましたね。

 (どこからかチャンピオンを狙えそうだっていう意識は出てきた?) チャンピオンを狙えそうだっていう意識は自分はまったくしてなかったんですけど、エビスぐらいからですね。まわりから「これチャンピオン狙えるよ」みたいな。それで「あ、そうなんだ」ぐらいな感覚でした。

 (いつでも勝つチャンスはあるぐらいのかんじではあったんですか?) 実際クルマにはつねに勝つチャンスはあると思うんですけど、 自分の気持ちに勝つチャンスがなかなかなかったっていうことだと思います。やっぱり迷うんで、いろいろと。迷ったときに攻めきれない自分がいるんで、自分のダメなところってそこなんですけど、そういう部分が出ちゃうんで、つねにいいところできっちり収めていくっていうのが、たぶん自分のなかでそういうスタンスになっちゃってるのがよくなかったんだと思うんですけど、でも、今回はそれのおかげで、積み重なった点数と、最後に自分が切り替えていった部分で、一気に来たと思うんで、それはそれで、結果的に作戦としてはよかったのかなと思いますけどね。

 (オートポリスでエンジンが壊れたのに、あんまり差が開かなかったっていう幸運がありましたが) もうあのエンジン壊れたときに、あ、自分には風向きはないなと思ったんですけど、 (田中)省己くんと(松山)北斗くんが落ちたときに、あれ、風吹いてるなと思って、 ラッキー!と思いました。

 (じゃあ、今回のお台場は意識してた?) お台場はもう確実に意識してました。せっかくなんで行こうと思ってたんで。

 (昨日、中村選手に勝って) ベスト4とベスト8はまったく走ってないんですけど、そのへんも風向きがあったんで、 運も実力なんで。で、決勝で(中村)直樹くんと走るってなったときは、逆に、なぜかよくわかんないですけど、ちょっと楽しみだったんです。いつもイヤだったんですけど、今回なんかちょっと…… なんかいつも負けて気分悪いから、ちょっとやりたいなっていう気分になったんです。最近は自分の気持ちのモチベーションが弱かったのが、なかなか結果に出てなかったんだなっていうのは ひさびさに思いました。2017年にチャンピオン獲ったときっていうのは、もうなにしろ勝つ気しかなかった。負けるっていう選択肢は自分のなかで作らなかったんで。

 (2回目のシリーズチャンピオンを獲ってどうですか?) シリーズチャンピオンはやっぱ1回だとマグレっていわれるかもしれないんで。2回獲ってマグレではなかったことを実証できたんで、それはうれしいです。ちょっと時間かかりましたけど。まあでも時間かかって、この年になってもまだいけるってのがわかったのはいいかもしれないですね、年寄りのドライバーには。「あいつがまだできてるからオレも行ける」っていうドライバーがまだどんどん出てくるかもしれない(笑)。


2023年シリーズ2位

松山 北斗
+LenoRacing watanabe

2023年シリーズ3位

中村 直樹
TEAM VALINO × N-style

2023年シリーズ4位

田中 省己
SHIBATIRE RACING SEIMI STYLE D

2023年シリーズ5位

蕎麦切 広大
SHIBATIRE RACING

2023年シリーズ6位

末永 正雄
D-MAX RACING TEAM

2023年シリーズ7位

日比野 哲也
SHIBATIRE RACING

2023年シリーズ8位

横井 昌志
D-MAX RACING TEAM

2023年シリーズベストメンテナンス

SHIBATIRE RACING

2023年ルーキーオブザイヤー

粂 哲也
HIRANO TIRE ★ VALINO RACING

2023年単走シリーズチャンピオン

藤野 秀之

TEAM TOYO TIRES DRIFT
TEAM TOYO TIRES DRIFT GR86 #66 (ZN8)

 (今季、単走は調子よかった?) そうですね。まあでもけっきょくまわりのひとたちに、いろいろ、どこをどう変えたらいいとか、そういう分析もしてもらってるし、クルマももちろん乗りやすくなってるんで、あとは自分の自信だけだなって。だから単走で勝ってるときはそれなりに自信があるときだと思います。 今日はなかったですけどね。今日はアセっただけですけど(笑)。

 (単走で不安なラウンドはなかった?) そうですね。だから、コツコツ積み重ねた点数とね、単走優勝したのは今回で2回か。で、ラッキーだっただけです。

 (狙い通りの走りは毎回だいたいできる?) そうですねね。DOSSだったり、走りを見てもらってるスポッターがいってることをできたら大丈夫です。できないときもあるんでそのときはいちばん不安ですけど。

 (そのなかで、いい成績がとれていた) あるていど失敗したとしても、どこがダメっていうのはもう走りながらわかってるんで。あ、今ここ落とした、みたいなのもあるんで、落としたらその先は大事に、とかって決めて走れてるんで、そのへんはやっぱり、どこのセクターを落としたかがわからないと、ただがんばって走るだけになっちゃうんで。そのがんばるところとがんばらないで安定させるところとかを区別して走るのがいいと思ってます。

 (クルマもそういうことはやりやすい状態?) そうですね。そういう状態にもなってるし、慣れてきてるっていうのもあります。ミスしたときは、あ、ミスしたなと思ったら、すべての動作を優しくしようって心がけてます。あまりすべてドンとかギューとか、そういうふうにいろんな操作をしてしまうと、それが挙動に出ちゃうんで、この位置だったらサイド引いても挙動に出ないとか、その場所で決めてます。

 (単走シリーズというのは意識してた?) べつに意識はしてないんですけど、まあ獲れたらラッキー、みたいなかんじでしたね。


2023年チームシリーズチャンピオン

TEAM TOYO TIRES DRIFT


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