D1GP RD.9 お台場 詳細レポート

2024 GRAN TURISMO D1 GRAND PRIX SERIES RD.9 ODAIBA
2024年グランツーリスモD1グランプリシリーズ第9戦 お台場
開催日:2024年11月9日(土)
会場:お台場特設会場(東京都)
コースコンディション:ドライ
 延動員数:19,800名(3日間合計)

ルーキーの山中が齋藤を倒して初優勝!


第9戦 単走決勝

Tanso 1st place
川畑 真人
TEAM TOYO TIRES DRIFT
TEAM TOYO TIRES DRIFT GR86 #88 [ZN8]
Tanso 2nd place
石川 隼也
GR86 [ZN8]
Tanso 3rd place
山中 真生
GR SUPRA [A90]

最速の進入から大きな振りで川畑が単走優勝

 2024シーズン最後の2連戦。舞台は東京お台場の駐車場を使った特設コースだ。コースレイアウトは昨年のものに近いが、1コーナーから2コーナーまでが長くなった。これにより、進入で角度をつけすぎると2コーナーに届かないため、1コーナーではやや角度を抑えめにして進入し、2コーナーにかけて角度を増していくという、よりむずかしい走りが要求されることになった。

 このラウンドを前に、シリーズランキングでは中村が首位。日比野が5ポイント差、齋藤が7ポイント差の僅差、蕎麦切が少し離れて32ポイント差でそれを追う展開だ。

 ところがポイントリーダーの中村はチェック走行で起きたマシントラブルのために単走の時点でリタイヤとなった。

 単走ではまずAグループ後半に走った川畑が、116.21km/hという多くの選手より10km/h近く高い車速から大きな振り出しを見せて99.50点という高得点を叩き出す。その後はなかなか99点台をマークする選手が出てこなかったが、Dグループで山中が1本目に躍動性の高い振り出しや大きな角度での旋回を見せて99.08点をマーク。そして石川が2本目にキレのある振り出しや角度のある安定したドリフトを見せ、99.26点で山中をうわまわったが川畑には届かず、川畑が単走優勝となった。

通過指定ゾーンは、1コーナーの奥、2コーナーのアウト側、そして振り返した先のヘアピンの奥の3ヶ所に設定された。
朝のチェック走行でクラッチのベアリングを破損してしまった中村は応急処置を試みたが修復しきれずリタイヤとなった。
練習から好調で、目の覚めるような振り出しを見せた田中だが、コースリミット超過やゾーンの部分はずしがあって敗退した。
高めの車速から勢いを維持したドリフトを決めた村上だったが、コースリミット超過の減点がひびいて単走不通過となった。
約2年ぶりにスパンレーシングのV8搭載スープラで出走した山本は安定した姿勢のドリフトを見せて追走進出を果たした。
ポップは角度と安定感のあるドリフトで高得点をとり、BMWにマシンチェンジしてから初の追走進出を決めた。
Pos.Gr.No.DriverCarBest score2nd score
1A88川畑 真人ZN899.5096.66
2D33石川 隼也ZN899.2698.99
3D90山中 真生A9099.0897.42
4D70横井 昌志S1598.9798.21
5C31蕎麦切 広大ZN898.8898.55
6B77松山 北斗GZEA14H98.7297.92
7A66藤野 秀之ZN898.5096.83
8C87齋藤 太吾A9098.4097.80
9C98ヴィトー 博貴PS1398.2297.99
10D9山本 航A9098.1993.56
11A56森 孝弘RPS1398.1797.22
12B51岩井 照宜FC3S98.0994.67
13D18日比野 哲也ZN898.0469.69
14A89Lattapon Keawchin(ポップ)F2297.9497.05
15C7松井 有紀夫FD3S97.8257.22
16C47米内 寿斗RPS1397.5991.01
▲追走トーナメント進出▲
17D6内海 彰乃S1597.5624.78
18B2田中 省己S1597.4697.04
19B79目桑 宏次郎E9297.4496.21
20B80田野 結希S1597.4344.70
21A10三好 隼人ZN897.3396.49
22A30中田 哲郎JZX10096.7996.62
23C23村上 満ZN896.3492.77
24A75畑中 夢斗JZX10096.2895.05
25D57陣野 寿幸S1596.1989.38
26B12Mike WhiddettS102W95.9394.59
27A27茂木 武士S1595.8595.49
28C55松川 和也AE8595.7195.63
29B3野村 圭市ER3495.4773.64
30A86笹山 栄久ZN895.3391.65
31D93加納 広貴S1595.1994.63
32B43田所 義文AE8695.1793.16
33C38斎藤 久史S1594.8893.84
34C29Ziko HarnadiZN694.6991.41
35D78上野 高広GSC1094.3192.68
36B11久保川 澄花RPS1393.3492.54
37B84波紫 聖和ER3491.9990.66
A99中村 直樹PS13DNS
C16山口 孝二E92DNS

第9戦 単走優勝

川畑 真人

TEAM TOYO TIRES DRIFT
TEAM TOYO TIRES DRIFT GR86 #88 [ZN8]

 昨日の練習では、もうちょっと奥で振ればとか、もう少し足せばみたいなところまでは来てたんですけど、いまひとつキレのある走りができてなかったですね。その練習のときはスピードを意識してたんですけど、それを1回リセットして、また安定のほうに振って。その結果、走ってみればスピードも安定も増えてたっていうかんじでした。

 クルマ的にはラクな方向にセットを変えたんですけど、そのへんがよかったのかなと。いろいろオートポリスでつぶしてしまったのをまた元通りにするのも大変だったんですけど、それもうまく修理できていたっていうかんじです。

 (99.5点というのは練習でも出てましたか?) 練習は99点出るか出ないかぐらいだったので、まさかそこまで出ると思わなかったです。

 (1本目は狙い通りなんですかね) そうですね。はい。1、2セクは狙い通りだと思います。

 (1本目はまだ100%の走りではなかった?) いや、もうちょっと5セクターとか伸ばせるなっていうのはあったんですけどね。1、2セクはもうあれがマックスだろうなっていうかんじだったんで。2本目は行き過ぎないようにって思っていったら、ちょっと手前過ぎちゃったんで、そのへんのメンタルのコントロールはちゃんとはできてなかったですね。

 (単走優勝していまの心境は) ひさびさに単勝優勝したんで、どうしていいかわかんないです(笑)。


第9戦 単走ダイジェスト


第9戦 追走トーナメント

Final Battle   
齋藤 太吾 [A90] vs 山中 真生 [A90]
1本目は山中が接近ポイント14.7点という後追いを見せた。2本目は齋藤も近いドリフトを見せたが山中にはおよばなかった。

齋藤(太)を接近勝負でねじふせてルーキー山中が初優勝

 ベスト16は単走で上位だった選手がことごとく勝利する順当な展開となった。そのなかでタイトル争いをしている日比野は横井に敗れ、大きくポイントを稼ぐことはできずに終わった。また蕎麦切もベスト8で敗退し、ポイントリーダーとの差を大きく縮めることはかなわなかった。

 ベスト4に勝ち上がったのは、齋藤(太)、横井、藤野、山中。まずは齋藤と横井が対戦した。1本目は後追いの横井があるていど接近ポイントをとり、先行の齋藤にもミスがあって横井がリード。しかし、2本目に後追いの横井が最後のヘアピンでマシントラブルによりストップ。齋藤が勝った。

 準決勝もうひとつの対戦は藤野vs山中。1本目は後追いの山中が終始近いドリフトを見せて大きくポイントを稼ぐ。2本目は山中にミスもあったが藤野が寄せきれず、山中が初の決勝進出を決めた。

 決勝は齋藤(太)vs山中。ベテランと新人のGRスープラ対決だ。1本目は齋藤が先行。山中はストレートの加速区間から齋藤の真後ろにつけ、途中軽い接触はあったもののビタビタの接近ドリフトで合わせきった。2本目は齋藤もインフィールドで寄せていったが振り返した先でドリフトがもどり、山中の初優勝が決まった。

 なお、このラウンドの結果、蕎麦切はタイトル争いから脱落。ポイントランキングでは齋藤(太)がトップに立ち、14ポイント差で中村が、15ポイント差で日比野が追う展開となった。

Semi Final Battle
齋藤 太吾 [A90] vs 横井 昌志 [S15]
2本目、先行の横井は振り返した直後にドライブシャフトが破損してドリフト継続不能になり、止まってしまった。
Semi Final Battle
藤野 秀之 [ZN8] vs 山中 真生 [A90]
藤野は2本目の後追い時にストレートで少し離されてしまい、そのあとで距離は詰めたが後追いポイントで逆転することができなかった。
Pick Up Battle
川畑  真人 [ZN8] vs 齋藤 太吾 [A90]
ベスト8。加速で少し遅れた川畑は進入後に寄せていったが2コーナーの奥で齋藤(太)をプッシュしてしまった。
Pick Up Battle
横井 昌志 [S15] vs 蕎麦切 広大 [ZN8]
ベスト8の対戦。1本目の後追いで大きくリードしていた蕎麦切だが、2本目にアンダーを出しコースアウトしてしまった。
Pick Up Battle
山中 真生 [A90] vs 松山 北斗 [GZEA14H]
ベスト8。1本目後追いの松山は、前半は近かったが後半にかけて合わせきれず、2本目に山中に逆転されてしまった。
Pick Up Battle
横井 昌志 [S15] vs 日比野 哲也 [ZN8]
ベスト16。日比野の後追いは、進入時に離れていたため、後半にかけて寄せたが接近ポイントがあまり稼げず、横井に敗れた。

第9戦 優勝

山中 真生

ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ!レーシング
ウエインズトヨタ神奈川 スープラ (A90)

 事前にシミュレーターで練習してきて、現地ではコースレイアウトだったり、ゾーンの位置が去年とちがったので、それを金曜日の公式練習でしっかり合わせて、金曜日の公式練習は98点半ばとか後半しか出なかったんですけど、改善すれば99点台出るなと思って、今日の単走からそのイメージした走りが出て、3位で通過できたのでよかったかなと思います。いままでD1で上位で通過することができなかったので、練習で組み立てたことが本番で出せたことはうれしいなと思います。

 (これまでの壁だった準決勝は) ベスト4とかベスト8になれば、相手の選手もD1を引っ張ってきたすごい選手ばかりなので、いままで気持ちで負けてた部分もあったと思うので、今回はその気持ちをなくして、自分はやれるっていうふうに考えて、しっかり追走でも思いっきり走れたなと思います。

 (はじめての決勝は) 対戦相手がダイゴさんで、前回のオートポリスもベスト4で負けていて、GRスープラ乗りとしても大先輩なので、胸を借りるつもりで、思いっきり飛び込んで、 いい後追いができて、いい走りができて、みなさんにいい走りが見せれたんじゃないかなと思います。

 (自分でも満足の走り?) そうですね、進入で少し接触があったんですけど、大きい接触ではなくてちょこっと触るくらいの接触で、走行に支障がないぐらいだったので、ほんとにそこはよかったなと思います。

 (初優勝した心境は) 日本のトップカテゴリーの大会で優勝することがはじめてなので、 まだちょっと実感はないんですけども、まだ明日の最終戦があるので、気を緩めず、しっかり明日も優勝目指してがんばりたいと思います。

 (クルマもいい状態?) クルマのほうはトラブルもまったくなくて、ほんとに毎戦最高の状態で、あとは自分がやるだけだと思ってたので、それがこのお台場でしっかり見せれてよかったです。


第9戦 2位

齋藤 太吾
FAT FIVE RACING

第9戦 3位

横井 昌志
TEAM D-MAX RACING

第9戦 優勝チーム

ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ!レーシング

第9戦 ベストメンテナンス

広島トヨタ team DROO-P

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第9戦 追走ダイジェスト


第9戦 最終順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarModelTsuiso pointsTanso points
190山中 真生ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ!レーシングGR SUPRAA90252
287齋藤 太吾FAT FIVE RACINGGR SUPRAA9021 
370横井 昌志TEAM D-MAX RACINGSILVIAS15181
466藤野 秀之TEAM TOYO TIRES DRIFTGR86ZN816 
588川畑 真人TEAM TOYO TIRES DRIFTGR86ZN8134
633石川 隼也広島トヨタ team DROO-PGR86ZN8123
731蕎麦切 広大SHIBATA RACING TEAMGR86ZN811 
877松山 北斗TEAM TOYO TIRES DRIFT 2GR COROLLAGZEA14H10 
998ヴィトー 博貴DRIFT STAR RacingSILVIAPS138 
109山本 航FORGED crew × 佐藤牧場GR SUPRAA907 
1156森 孝弘GP SPORTS × GreenTop180SXRPS136 
1251岩井 照宜レーシングサービス ワタナベRX-7FC3S5 
1318日比野 哲也SHIBATA RACING TEAMGR86ZN84 
1489Lattapon Keawchin(ポップ)NEXZTER DRIVE TO DRIFTF223 
157松井 有紀夫TEAM RE雨宮 マツモトキヨシ シバタイヤRX-7FD3S2 
1647米内 寿斗GP SPORTS × GreenTop180SXRPS131 

第9戦 単走順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarModelPoints
188川畑 真人TEAM TOYO TIRES DRIFTGR86ZN820
233石川 隼也広島トヨタ team DROO-PGR86ZN816
390山中 真生ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ!レーシングGR SUPRAA9015
470横井 昌志TEAM D-MAX RACINGSILVIAS1514
531蕎麦切 広大SHIBATA RACING TEAMGR86ZN813
677松山 北斗TEAM TOYO TIRES DRIFT 2GR COROLLAGZEA14H12
766藤野 秀之TEAM TOYO TIRES DRIFTGR86ZN811
887齋藤 太吾FAT FIVE RACINGGR SUPRAA9010
998ヴィトー 博貴DRIFT STAR RacingSILVIAPS138
109山本 航FORGED crew × 佐藤牧場GR SUPRAA907
1156森 孝弘GP SPORTS × GreenTop180SXRPS136
1251岩井 照宜レーシングサービス ワタナベRX-7FC3S5
1318日比野 哲也SHIBATA RACING TEAMGR86ZN84
1489Lattapon Keawchin(ポップ)NEXZTER DRIVE TO DRIFTF223
157松井 有紀夫TEAM RE雨宮 マツモトキヨシ シバタイヤRX-7FD3S2
1647米内 寿斗GP SPORTS × GreenTop180SXRPS131

第9戦 チーム順位&ポイント

Pos.No.TeamDriverPoints
190ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ!レーシング山中 真生26
287FAT FIVE RACING齋藤 太吾20
370TEAM D-MAX RACING横井 昌志15
466TEAM TOYO TIRES DRIFT藤野 秀之10
588TEAM TOYO TIRES DRIFT川畑 真人6
633広島トヨタ team DROO-P石川 隼也6
731SHIBATA RACING TEAM蕎麦切 広大6
877TEAM TOYO TIRES DRIFT 2松山 北斗6
998DRIFT STAR Racingヴィトー 博貴3
109FORGED crew × 佐藤牧場山本 航3
1156GP SPORTS × GreenTop森 孝弘3
1251レーシングサービス ワタナベ岩井 照宜3
1318SHIBATA RACING TEAM日比野 哲也3
1489NEXZTER DRIVE TO DRIFTLattapon Keawchin(ポップ)3
157TEAM RE雨宮 マツモトキヨシ シバタイヤ松井 有紀夫3
1647GP SPORTS × GreenTop米内 寿斗3

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