D1GP RD.ZERO 富士 詳細レポート

MOTOR FAN FESTA 2025
2025 D1 GRAND PRIX EXHIBITION MATCH
ROUND ZERO
開催日:2025年4月20日(日)
会場:富士スピードウェイ
コースコンディション:ドライ
 延動員数:25,548名

好調の蕎麦切を圧倒した松山が優勝!


単走決勝

Tanso 1st place
目桑 宏次郎
VALINO TEAM G-Meister
G-MEISTER Reality VALINO E92 [E92]
Tanso 2nd place
中村 龍
SILVIA [PS13]
Tanso 3rd place
松山 北斗
GR COROLLA [GZEA14H]

ダイナミックな走りで目桑が単走優勝

 D1GPエキシビションマッチのラウンドゼロは、富士スピードウェイで開催された自動車系複合イベント、モーターファンフェスタのなかでおこなわれた。

 エントリーしたのは、4名の新人を含む18名。追走トーナメントは8名でおこなうシステムだ。しかし、中村(直)がマシントラブルでリタイヤ、日比野も電気系トラブルで走行できず、出走は16名となった。

 採点にDOSSは使わず人間による審査でおこなわれ、審査用カメラ等も使わなかったため、細かいコースリミット超過の減点などはとらず、走りのスタイルが重視された。

 おもな審査コーナーは100Rとヘアピンだ。そのなかでヘアピンに向けての振り返しのするどさと、そのあとの角度が高得点のカギだが、そのためには振り返しの位置が重要になる。振り返しが手前すぎるとヘアピン奥まで勢いが持続せず、フラつきや失速の原因になってしまうからだ。

 松井と山中はスタートは切ったもののマシントラブルで2本ともドリフトできず、1本目に点が伸びなかった横井も2本目にエンジンブローを起こして敗退した。

 いっぽう最初に走った松山は角度をつけてアクセル全開度の高いドリフトでいきなり高得点を獲得すると、目桑が高い車速からするどい振り返しを見せつつアウトまできっちり飛ばすドリフトを成功させてそれをうわまわる。中村直樹の息子であるルーキーの中村龍も勢いのある振りから大きい角度をつける走りを見せたが、少し姿勢の乱れが出たため目桑にはおよばず、目桑が単走優勝となった。

昨年のD1ライツチャンピオン和田は、フラつきがあったものの、キレのある振り返しを見せて追走に進出した。
迫力はいまひとつだったが、完成度の高い走りでアウトいっぱいまで使ったドリフトを見せた岩井が8位通過となった。
Pos.No.DriverCarBest score2nd score
179目桑 宏次郎E9298.5096.80
276中村 龍PS1398.3097.70
377松山 北斗GZEA14H98.0096.80
433石川 隼也ZN897.5096.70
531蕎麦切 広大ZN897.3097.00
623村上 満ZN897.3096.80
781和田 賢志郎S1596.6096.50
851岩井 照宜FC3S96.5096.40
▲ 追走トーナメント 進出 ▲
932多田 康治ZN896.5094.70
102田中 省己S1596.4050.00
1198土井 雅和PS1396.3093.00
1256森 孝弘RPS1396.0094.00
1370横井 昌志S1596.000.00
1443田所 義文AE8695.3093.00
157松井 由紀夫FD3S20.000.00
1690山中 真生A900.000.00
18日比野 哲也ZN8RETIRE
99中村 直樹S15RETIRE

単勝優勝

目桑 宏次郎

VALINO TEAM G-Meister
G-MEISTER Reality VALINO E92 [E92]

 クルマはけっこう仕様を変えてきた部分があって、それがいますごいハマってるかなってというかんじです。

 個人的にお世話になってる台湾のターボメーカーのマンバターボさんのものを今年つけさせてもらって、そこを変えてきたのと、うしろまわりのショックとかアームの動かしかたをガラッと変えて、それがいますごくいいかんじだと思います。

 直前で1回テストして方向が見つかって、あきらかに乗りやすくなったしスピードも出てるかなっていう感覚だったんで、そのうえで、やることをやったっていうかんじです。

 本番は、今日は主観審査ってことで、やっぱり外側ギリギリまでちゃんと走ることを意識したのと、2コーナーに返すときになるべくフラつかないように、早くアクセル入れるようにすれば得点出るかなと思って走りました。

 1本目そこそこ思った以上に出て、2本目もうちょっといけるかなと思ったんですけど、伸びなかったっていうかんじだったんで、去年のやりたいことがぜんぜんできないっていう状態とはもうガラッと変わったと思います。

 公式戦ではないですけど、すごいうれしいですし、やっぱりそうだよね、と。これだけクルマがよくなったんだからできないはずがないよねとは思ってたんで。今年は、去年、一昨年とはあきらかに変わるだろうなと思います。


追走トーナメント

Final Battle   
蕎麦切 広大 [ZN8] vs 松山 北斗 [GZEA14H]
マシン特性的に得意なコーナーが異なっていた2台の勝負は、100Rのスピードで勝っていた松山がヘアピンで速かった蕎麦切に勝った。

ハイスピード接近ドリフトの応酬は松山に軍配

 公式戦とは異なり、8名による追走トーナメントがおこなわれた。メインの観客席となるヘアピン付近からはドリフトで100Rを飛び出してくるところからしか見えないが、追走においては、そこまでの加速が重要になり、後追いはそこで離されてしまうと接近ポイントをとることが非常にむずかしくなる。

 ベスト8の初戦では、1本目先行の目桑がスピードで岩井を引き離し、素晴らしい走りを見せたものの、後追いの振り返し時にコースからはみ出しつつドリフトがまっすぐになるという大きなミスで逆転負けを喫した。石川vs蕎麦切は後追いで石川が蕎麦切についていけず蕎麦切が勝った。ルーキー対決となった中村(龍)vs和田の対戦は、和田が後追い時に100Rで流され、先行時にもヘアピンでオーバーランをして中村が勝った。松山vs村上は、松山が後追いから近いドリフトを見せて勝った。

 ベスト4に勝ち上がったのは、岩井、蕎麦切、中村(龍)、松山。まず岩井と蕎麦切が対戦したが、先行時、後追い時ともに振り返し後にアウトにはみ出すなどした岩井が敗れ、スピードのある走りを見せた蕎麦切が決勝に進出した。中村(龍)vs松山は、松山が後追い時に近いドリフトを見せたが、一瞬ドリフトが浅くなるミスもしてしまう。しかし2本目は後追いの中村(龍)が100Rで流されて松山が勝った。

 決勝は蕎麦切vs松山。1本目は先行の蕎麦切が素晴らしい走りを見せたが、松山は終始近いドリフトでアドバンテージを獲得する。2本目はやはり先行でいい走りをする松山に対し、蕎麦切は100Rでは少し離されていたが、振り返しで距離を詰めて後半はビタビタに合わせる。しかし、前半からの一貫した距離感が決め手で松山が勝った。

Semi FInal Battle
岩井 照宜 [FC3S] vs 蕎麦切 広大 [ZN8]
スピードで上まわる蕎麦切が先行では岩井を寄せ付けず、後追いでは近い距離でドリフトを合わせて勝った。
Semi FInal Battle
中村 龍 [PS13] vs 松山 北斗 [GZEA14H]
「富士での追走のリズムがつかめなくて、位置がズレて煙で見えなかった」という中村(龍)に対し、松山が貫禄勝ちした。
Pick Up Battle
目桑 宏次郎 [E92] vs 岩井 照宜 [FC3S]
目桑はスピードではうわまわっていたが、振り返しでミス。「ふつうに操作したけど返らなかった」とのことだ。
Pick Up Battle
中村 龍 [PS13] vs 和田 賢志郎 [S15]
「まだ力が入っちゃって本来の走りができていない」という和田は、2本ともリズムがずれてミスをしてしまった。

優勝

松山北斗

Team TOYO TIRES DRIFT 2
TOYO TIRES DRIFT GR COROLLA [GZEA14H]

 公式戦じゃないですけど、過去のデモランでもそうですし、何度も走ったことのあるコースなので、わりとなにも考えず走ってた部分があって、練習から苦戦してはいなかったですね。

 クルマも、いままでシーズンオフのあいだずっとドリパとか、ちっちゃいコースでしか走れなかったので、ちょっと広いコースで試したいなっていうのが今日あって。でも想像でいじってきた部分がぜんぶうまくいってたというか、クルマも壊れず調子もよかったので結果につながったかなと思います。

 単走から、ちょっとミスはあったんですけど、とりあえず自分がこんなもんかなっていう狙ったところにはいけてました。

 追走は、3人と対戦しましたけど、最初の100Rのところの旋回スピードが自分はちょっと高いかなというかんじでした。「やばい置いていかれる」っていうのがあんまりなかったのでそこが結果につながったかなと思います。

 決勝も100Rは自分のほうが速くて。でもその下の止まるところは、蕎麦切くんのほうがちょっとグリップがあるなっていうかんじがしてて。クルマにしても、いろんな特性のちがいがあると思うんですけど、そこでもうまく消し込めて、いい追走になったかなと思います。

 ただ、じつは龍くんとの対戦からずっと左足つってて、左足ブレーキとかクラッチがすごくつらくて(笑)、「やばいやばい、つってるからもうこれ以上踏めない」って、そっちにアセってましたね。運転のほうに100%は集中できてなかったです。でもなんとかなってよかったです。

 (公式戦ではないがカローラで初優勝) ひとつの結果としてはうれしいですけど、やっぱりシーズンで勝つっていうのが目標なので、この調子を維持できるように、今日こういう高速コースで調子よかったんすけど、低速コースがまたおなじとは限らないので、しっかり開幕の奥伊吹に向けてがんばりたいと思います。


最終順位

Pos.No.DriverTeamCarModelTires
177松山 北斗Team TOYO TIRES DRIFT 2TOYO TIRES DRIFT GR COROLLAGZEA14HTY
231蕎麦切 広大SHIBATA RACING TEAMMOTUL GR86 SHIBATIRE 31ZN8SB
376中村 龍TEAM MORITEAM MORI × N-style × VALINO S13PS13VL
451岩井 照宜レーシングサービス ワタナベProjectμ HID信玄 RIZEWORKS 7FC3SHA
579目桑 宏次朗VALINO TEAM G-MeisterG-MEISTER Reality VALINO E92E92VL
633石川 隼也広島トヨタ team DROO-PHT・DUNLOP・86ZN8DL
723村上 満Repair Create × Result JapanRepair Create × Result Japan GR86ZN8SB
881和田 賢志郎TEAM D-MAX RACINGTEAM D-MAX S15 SILVIA 2JZ 3号機S15TY

※TIRES = TY:TOYO TIRES VL:VALINO TIRES SB:SHIBATIRE DL:DUNLOP HA:HABILEAD

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