D1GP RD.3 筑波 詳細レポート

2025 GRAN TURISMO D1 GRAND PRIX SERIES RD.3 TSUKUBA
2025年グランツーリスモD1グランプリシリーズ第3戦 筑波
開催日:2025年6月28日(土)
会場:筑波サーキット(茨城県)
コースコンディション:ドライ
 延動員数:4,650名(3日間合計)

再戦の末に勝利した目桑が開幕からの連勝を“3”に伸ばす!


第3戦 単走決勝

Tanso 1st place
山中 真生
ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ!レーシング
ウエインズトヨタ神奈川スープラ[A90]
Tanso 2nd place
蕎麦切 広大
GR86 [ZN8]
Tanso 3rd place
石川 隼也
GR86 [ZN8]

山中が唯一の98点台で単走初優勝

 6月末の筑波ラウンドは、まだ梅雨明け宣言は出されていないものの、晴天の猛暑のなかで開催された。なお、このラウンドは、中村(直)や齋藤(太)が、海外の大会と日程が重なったために欠場した。

 競技区間は前年同様。最終コーナーをスタートしてストレートから採点開始。第1ヘアピンの立ち上がりでフィニッシュというロングコースだ。いっぽう通過指定ゾーンはメインストレートのアウト側に2ヶ所、1コーナーのイン側、そして第1ヘアピンのアウト側と、大きく変更になった。

 最初に出走した蕎麦切はゾーンをきっちりとり、比較的まんべんなく点をとる走りで97.86点をマークしたが、その後の走者は、とくに1コーナーのゾーン2をとりきれずに“途中入場”になるなど、ゾーンはずしの減点が多く見られた。かといってゾーンをきっちりとるために振りや角度を抑えすぎると点は伸びず、全体的にやや低調な得点となり、なかなか蕎麦切の得点を超えられない。

 しかし最後のグループで走行した山中は、まず1本目に鋭い振りの進入を見せて97.08点をマーク。追走進出を確実にすると、2本目には、さらに車速を上げて振りの鋭さや角度を増し、唯一の98点オーバーを叩き出した。これで山中の単走初優勝が決まった。

1コーナーの通過指定ゾーンの位置は、前年までのアウト側からイン側に変更された。これによってコース外に飛び出す選手は減ったが、ゾーンはずしの減点は多かった。
このコースでは過去に好成績を残している日比野だが、角度が浅かったりヘアピンのゾーンをはずすなどして敗退した。
ルーキーの石井は、細かい修正が入ったものの、ゾーンはずしなどの大きな減点は受けず、16位ギリギリで初の追走進出を果たした。
前戦では単走優勝を果たしたポップだが、クルマの各部の不調でまともなドリフトができないまま単走敗退となった。
目桑は1本目にあっさりと97点オーバーをマーク。2本目はDOSS点で98点台を出したが、ゾーンはずしで減点されてしまった。
川畑は1本目に抑えすぎたのかボーダーに届かず、2本目も思いきった走りとはいかず、15位でなんとか追走進出を決めた。
Pos.Gr.No.DriverCarBest score2nd score
1D90山中 真生A9098.4897.08
2A31蕎麦切 広大ZN897.8690.05
3C33石川 隼也ZN897.8596.36
4D2田中 省己S1597.5296.84
5D23村上 満ZN897.3697.13
6C77松山 北斗GZEA14H97.3296.37
7A70横井 昌志S1597.2694.43
8A79目桑 宏次郎E9297.2296.19
9A80田野 結希ZN897.0774.76
10D93加納 広貴S1597.0595.44
11A66藤野 秀之ZN896.9895.94
12C8稲岡 拓也RPS1396.7996.78
13B78上野 高広GSC1096.4892.71
14B81和田 賢志郎S1595.9994.32
15B88川畑 真人ZN895.9194.76
16B50石井 亮JZX10095.7194.13
▲ 追走トーナメント 進出 ▲
17D38斎藤 久史S1595.5175.06
18B15藤原 優汰S1595.4990.60
19B9粂 哲也S1595.3993.43
20C76中村 龍PS1395.2478.62
21B10三好 隼人ZN895.1692.91
22B51岩井 照宜FC3S95.1494.02
23A98土居 雅和PS1395.0892.08
24A7松井 有紀夫FD3S94.8793.66
25C56森 孝弘RPS1394.7392.57
26C14玉城 詩菜ZN694.5794.41
27D30中田 哲郎JZX10094.0692.27
28B32多田 康治ZN892.9390.03
29C55松川 和也AE8592.5391.50
30C3野村 圭市ER3492.4956.88
31B63PAYS1592.3627.71
32D18日比野 哲也ZN892.3278.58
33A75畑中 夢斗JZX10091.5175.39
34A95PONDZN885.0276.94
35C52星 涼樹GZEA14JH76.5575.77
36D89POPF2227.060.00
A27茂木 武士S15DNS

第3戦 単走優勝

山中 真生

ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ!レーシング
ウエインズトヨタ神奈川スープラ [A90]

 大会前は、メインはシミュレーターを使ってイメトレしてきて、でも今年レイアウトが……ゾーンの位置だったりが変わったのが現地に来てわかったので、そこをちょっと……事前の練習どおりのラインではなかったんですけど、またイメージして、また練習走行からいい点数が出てたので、それが本番で出せて、D1で初の単走優勝なので、それは本当に素直にうれしいです。

 自分はホント長いコースが好きなんですけど、この筑波は、去年は1回予選落ちしちゃってるコースなので、今年はシリーズ狙うためにも1戦も落とせないと思っているので、まず単走優勝できてよかったと思います。

 (ずっと蕎麦切選手がトップだったが) 練習走行のDOSSの点は自分のほうが上だったので、練習の走りができれば大丈夫だと思ったので、自信を持って2本目に攻めて走れたのでよかったです。2本目はもう全体的に角度だったり、振りのするどさをすべて増していったので、そこがよかったのかな、と。まあ作戦どうりだったので、追走も気を抜かず、優勝目指してがんばります。


第3戦 単走ダイジェスト


第3戦 追走トーナメント

Final Battle   
目桑 宏次郎 [E92] vs 石川 隼也 [ZN8]
最初の2本はおたがいに近いドリフトを見せる接戦となったが、タイヤの摩耗が進んだ再戦ではその再現はならなかった。

走った本数が明暗をわけた? 目桑が石川を破って3連勝!

 ベスト16は、おおむね単走で上位の選手が勝利する順当な展開となったが、駆動系を破損してリタイヤとなった田中と、接近ポイントでは藤野をうわまわりつつDOSS点が稼げなかった松山らが敗退した。

 ベスト8では目桑が単走優勝の山中を接近戦の末に撃破。また村上が自滅して上野に敗れたほか、蕎麦切、藤野も自分のミスで敗れる形になった。

 ベスト4に勝ち上がったのは目桑、上野、横井、石川。準決勝で、まずは目桑と上野が対戦したが、上野がストレートで姿勢を乱し、1コーナーに向けて振り返せずにクラッシュ。走行不能になって目桑が勝った。これで目桑は走行1本分タイヤをセーブできたことになった。

 準決勝もうひとつの対戦は横井vs石川。1本目後追いの石川は1コーナーで横井に接触し、横井が押し出される形になった。ここでタイヤ温存のために横井はドリフトをやめたが、走行は可能だったために審査終了とはならず、その影響で横井は大きな減点を受けて、石川の勝ちとなった。

 決勝は目桑vs石川。おたがいに接近ポイント10.7を獲得する接戦の末、勝負は再戦にもつれる。ここで、タイヤの摩耗が進んでいた石川に対し、目桑はまだ余裕があった。石川は、再戦1本目で後追いから目桑に接触して失速。目桑に大きくアドバンテージがつく。2本目も目桑に大きなミスはなく、目桑の開幕3連勝が決まった。

Semi Final Battle
横井 昌志 [S15] vs 石川 隼也 [ZN8]
1本目、ドリフトをやめた横井に対し、石川はなんとかドリフトを続けて審査区間を走り抜けた。これが勝敗に大きく影響した。
Pick Up Battle
山中 真生 [A90] vs 目桑 宏次郎 [E92]
ベスト8。おたがいに先行でもいい走りをしたが、目桑が後追い時の接近ポイントで山中をうわまわって勝った。
Pick Up Battle
上野 高広 [GSC10] vs 村上 満 [ZN8]
ベスト8。後追いの村上は1コーナーで姿勢を見出して大きくインカット。後れをとってしまった。
Pick Up Battle
蕎麦切 広大 [ZN8] vs 横井 昌志 [S15]
ベスト8。蕎麦切は後追い時に1コーナーの進入で横井に接触し、その影響で大きく後れをとってしまった。
Pick Up Battle
石川 隼也 [ZN8] vs 藤野 秀之 [ZN8]
ベスト8。質の高い後追いで優勢だった藤野だが、2本目の最後にヘアピンではみ出し、その影響で敗退となった。
Pick Up Battle
田中 省己 [S15] vs 上野 高広 [GSC10]
ベスト16。1本目にプロペラシャフトからミッション、クラッチまで破損し、走行不能になって天を仰ぐ田中。

第3戦 追走ダイジェスト


第3戦 優勝

目桑 宏次郎

VALINO TEAM G-Meister
G-MEISTER Reality VALINO E92 [E92]

 練習から調子自体はよかったと思います。DOSSの得点がすごいよかったかっていったらそうでもないんですけど、そこは変にうしろ向きにとらえずに、でも単走は通るだろうとは思ってたんで。あとは追走になればクルマの調子のよさとかトラクションとかが前回の奥伊吹に引き続いていかせるなっていう感触あったんで、そこに向けてちょっと今日は追走に勝つっていうところをけっこう意識してやりました。

 単走も、1本目でボーダーいってるかなっていうくらいの……Aグループだったらわからなかったんですけど、あるていどの点は出たんで、2本目は攻めてみたんですけど、そしたらじつは1コーナーで振り込むときにちょっとハンドル固まっちゃう現象がまだあって、それが出ちゃって2本目はゾーンをはずしちゃったっていうのがあるんですよ。それさえなければ、今回トータルで見ても1番か2番の得点が出てたんですよ。なので、それはそれでちゃんと1本目に手堅い点が出たあとは狙ってはいました。

 (クルマは思い通りに操れる状態になってる?) 基本的にはそうですね。ただ、いまいったようにハンドルの問題を昨日はあまり把握してなくて、今日の単走で、やっぱそういう症状が出ることもあるんだなってのがわかったんで、それをなるべく出ないような走らせかたを考えて。そういうかんじだったから、追走での1コーナーの入りかたっていうのが、ちょっとやりきれなかったかなとは思ってます。

 (3戦連続の決勝はどんな心境?) やっぱり連勝だ連続だっていうことはもちろんわかってはいて、どうしても頭のなかに入ってきちゃう部分はありましたけど、でも本当にそこにとらわれないで、あんまり考えないで、とにかく勝つ。次の対戦は誰だ、次の対戦は誰だ、クルマの状況はどうだって、本当そういう自分のコンディションとかしか考えずに、なるべくやってたつもりなんで、それで結果がついてきたってことでよかったと思ってます。

 (決勝はタイヤに余裕があった?) そうですね。筑波ラウンドだと奥伊吹とかの小さいコースよりもタイヤが減るから、もともと2本多いっていうルールだったと思うんですけど、サドンデスのときは、やっぱり準決勝の上野さんとの戦いのときに1本だけしか走ってないタイヤがあったっていうのが勝敗をかなりわけたんだろうなと思ってます。

 (チャンピオンへの意識は?) まだまだ。3戦目、明日4戦目だとしても、まだ前半ですし、ぜんぜん本当に、そういうところになんか甘えとかおごりとか、そういった感覚が出ると、やっぱりゼッタイ足元すくわれる原因になるとは思ってるんで、本当に先ほどもいったようにとにかく目の前の勝負を勝ちにいくっていうとこだけしかもう考えないです。


第3戦 2位

石川 隼也
広島トヨタ team DROO-P

第3戦 3位

横井 昌志
TEAM D-MAX RACING

第3戦 優勝チーム

VALINO TEAM G-Meister

第3戦 ベストメンテナンス

Team BuzzBreak

D1ファンクラブサイトには上位選手の大会後コメント(有料会員限定記事)が掲載されています。


第3戦 最終順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarModelTsuiso pointsTanso points
179目桑 宏次郎VALINO TEAM G-MeisterE9225 
233石川 隼也広島トヨタ team DROO-PGR86ZN8212
370横井 昌志TEAM D-MAX RACINGSILVIAS1518 
478上野 高広TEAM VERTEXRCGSC1016 
590山中 真生ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ! レーシングGR SUPRAA90134
631蕎麦切 広大SHIBATA RACING TEAMGR86ZN8123
723村上 満Repair Create × Result JapanGR86ZN811 
866藤野 秀之Team TOYO TIRES DRIFT 1GR86ZN810 
92田中 省己SEIMI STYLE SHIBATIRE DRIFTSILVIAS1581
1077松山 北斗Team TOYO TIRES DRIFT 2GR COROLLAGZEA14H7 
1180田野 結希Team TOYO TIRES DRIFT 2GR86ZN86 
1293加納 広貴ヒラノタイヤ ★ ハードコア ロケットバニーレーシングSILVIAS155 
138稲岡 拓也VEHIQL RACING × VALINO180SXRPS134 
1481和田 賢志郎TEAM D-MAX RACINGSILVIAS153 
1588川畑 真人Team TOYO TIRES DRIFT 1GR86ZN82 
1650石井 亮Team BuzzBreakMARKⅡJZX1001 

第3戦 単走順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarModelPoints
190山中 真生ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ! レーシングGR SUPRAA9020
231蕎麦切 広大SHIBATA RACING TEAMGR86ZN816
333石川 隼也広島トヨタ team DROO-PGR86ZN815
42田中 省己SEIMI STYLE SHIBATIRE DRIFTSILVIAS1514
523村上 満Repair Create × Result JapanGR86ZN813
677松山 北斗Team TOYO TIRES DRIFT 2GR COROLLAGZEA14H12
770横井 昌志TEAM D-MAX RACINGSILVIAS1511
879目桑 宏次郎VALINO TEAM G-MeisterE9210
980田野 結希Team TOYO TIRES DRIFT 2GR86ZN88
1093加納 広貴ヒラノタイヤ ★ ハードコア ロケットバニーレーシングSILVIAS157
1166藤野 秀之Team TOYO TIRES DRIFT 1GR86ZN86
128稲岡 拓也VEHIQL RACING × VALINO180SXRPS135
1378上野 高広TEAM VERTEXRCGSC104
1481和田 賢志郎TEAM D-MAX RACINGSILVIAS153
1588川畑 真人Team TOYO TIRES DRIFT 1GR86ZN82
1650石井 亮Team BuzzBreakMARKⅡJZX1001

第3戦 チーム順位&ポイント

Pos.No.TeamDriverPoints
179VALINO TEAM G-Meister目桑 宏次郎26
233広島トヨタ team DROO-P石川 隼也20
370TEAM D-MAX RACING横井 昌志15
478TEAM VERTEX上野 高広10
590ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ! レーシング山中 真生6
631SHIBATA RACING TEAM蕎麦切 広大6
723Repair Create × Result Japan村上 満6
866Team TOYO TIRES DRIFT 1藤野 秀之6
92SEIMI STYLE SHIBATIRE DRIFT田中 省己3
1077Team TOYO TIRES DRIFT 2松山 北斗3
1180Team TOYO TIRES DRIFT 2田野 結希3
1293ヒラノタイヤ ★ ハードコア ロケットバニーレーシング加納 広貴3
138VEHIQL RACING × VALINO稲岡 拓也3
1481TEAM D-MAX RACING和田 賢志郎3
1588Team TOYO TIRES DRIFT 1川畑 真人3
1650Team BuzzBreak石井 亮3

シリーズランキング

2025年シリーズランキング >>>

関連記事