D1GP RD.5 AP 詳細レポート

■コースコンディション:単走ドライ→追走ウエット
■公式来場者数:5,116名(2日間合計)

植尾が15年ぶりに優勝!


単走

100点の走りしかできない藤野

Tanso 1st Place
藤野 秀之 (Team TOYO TIRES DRIFT–1) 180SX(RPS13)
Tanso 2nd Place
小橋 正典 (S15)
Tanso 3rd Place
末永 正雄 (S15)

第5戦、前日の追走で100点を連発していた藤野は最初に走るAグループの走者だった。1本めは振り返したあとの角度と安定性がいまひとつで、97.6点にとどまる。左手にケガをしている藤野は、もはや狙った走りからどこかがズレると左手が痛いということで、100点狙いの走りしかできない状況だった。この間、末永(直)と蕎麦切が98点台をマークし、そして藤野の2回めの走行となる。藤野は164.01km/hという最高速のみならず高いコーナリングスピードと、前日にも増して鋭い振り出しや振り返しを見せ100.08点をマーク。トップに立った。

Bグループでは高得点は出なかったが、Cグループでは前日走れなかった齋藤が、車速こそ153.54km/hと低いものの鋭い振り出しと振り返し、そして大きな角度を見せて99.26点を獲得。2位に浮上する。こんどは小橋が、高いアベレージスピードとキレのある振り出し、振り返しを見せたが99.41点にとどまり100点には届かない。

いっぽうで振りや角度、安定、指定通過ゾーンなど、どこかで点を落とす選手も多く、全体的に得点は低調で、Dグループの走行順の段階では、もはや94.58点以上を出せばボーダーラインを通過できる状況になった。

Dグループでは末永(正)がアクセル踏みっぱなしのドリフトで99.27点を、植尾が強烈な振りを見せたが98.67点で、やはり100点には誰も届かず、藤野の2戦連続での単走優勝が決まった。なお、16位通過は、完全に失敗の走りだった94.80点の北岡となった。

前日のオイル漏れは直していた中村だったが、その影響かチェック走行でエンジンブロー。リタイヤとなった。
田中はエンジン不調か最高速も伸びず、後半はインに入ったり、失速するなどパワー感のない走りになって敗退した。
日比野は2本とも振り返し後に角度つけすぎのような形になり、ドリフトがもどったり、コースアウトして敗退。
86のニューマシンでひさしぶりに参戦してきた北芝。リズムはよかったが車速がのらず、単走通過はならなかった。
1年ぶりの参戦となった地元の下田。エンジンはパワーアップしてきたが、車速が不足気味で点が伸びなかった。
前日は追走進出を決めた木口だが、加速後、振り出し直前にスローダウン。走行不能になって敗退した。
Pos.No.DriverMachineBest Score2nd Score
166藤野 秀之RPS13100.0897.61
24小橋 正典S1599.4196.60
346末永 正雄S1599.2797.97
487齋藤 太吾A9099.2695.36
515植尾 勝浩S1598.6782.09
69末永 直登S1598.4497.66
731蕎麦切 広大Q6098.2394.37
877松山 北斗A9097.9296.52
95内海 彰乃S1597.5395.64
1090川畑 真人A9097.4996.27
117松井 有紀夫FD3S97.0496.98
1270横井 昌志S1596.9096.31
1378上野 高広GSC1096.8396.34
1443田所 義文AE8696.5987.43
1551岩井 照宜FC3S94.9991.09
1652北岡 裕輔JZX10094.8072.91
▲追走トーナメント進出▲
1723村上 満S1594.5793.19
1818日比野 哲也S1494.0991.74
1916山口 孝二S1593.8790.45
2048北芝 倫之ZN693.7090.68
2176下田 輝昭PS1393.4192.50
2214村山 悌啓S1492.8190.39
2345畑中 真吾GX10092.6081.01
242田中 省己S1592.1987.75
2522木口 健治C330.00
99中村 直樹S15RETIRE

単走優勝

藤野 秀之
Team TOYO TIRES DRIFT–1
Team TOYO TIRES DRIFT 180SX (RPS13)

100点出せる自信があるかないかでいったら、緊張してるから(笑)なかったですけど「出たらいいなぁ」っていうのと、けっきょく単走になると路面温度とかいろんな関係上……1本めでホントは100点が出てくれればラッキーだったんですけど、やっぱり1本めはフロントタイヤが温まってなくて、ちょっとアンダーっぽくなって点数出なかったんで、2本めはまぁ、こんなかんじだな、ってリヤをそんなに食わせない方向でいきました。アンダーが出るくらいならちょっと滑ってるくらいのほうがいいので。

とりあえずチーム員には「昨日100点出てるんだから、出せないことはないから、出しに行こう」ということは言っていて、それで出せたので、なにしろうれしかったですね。やろうとしていたことはできたと思います。


追走トーナメント

大荒れの中、植尾が15年ぶりの優勝

Final Battle   
植尾 勝浩 (S15) vs 末永 直登 (S15)
決勝はイン寄りラインの応酬という珍しい展開になったが、そのなかで植尾が見事な接近ドリフトを見せて勝った。

単走終了後に雨が降りだした。このレースウィークではじめての雨。しかも、路面にはラバーがのっていて非常に滑る。1本めの先行は振り出し位置や車速の見きわめが非常に難しい状況になった。通常ベスト16では単走で上位に入っている1本めに先行の選手が勝つことが圧倒的に多いが、この日はちがった。8組中5組で1本めに先行の選手が負けたのだ。

なお、ここで藤野、横井が敗退し、ランキング首位の小橋はベスト8に勝ち上がったため、ポイント差は広がる状況になったが、その小橋もベスト8で川畑に敗れた。

ベスト4に勝ち上がったのは、北岡、植尾、川畑、末永(直)。準決勝、最初の対戦は北岡vs植尾。しかし、北岡はウォームアップ走行時にタービンのトラブルが出てリタイヤ。植尾が地元で決勝進出を決めた。

もうひとつの対戦は川畑vs末永(直)。1本め先行の川畑は滑るアウト側の指定通過ゾーンをきっちりとって走りきった。いっぽう後追いの末永(直)はグリップするイン寄りのラインで川畑を抜く形になったが、そこまでの川畑との距離は近かったため減点はつかず、川畑のアドバンテージは1ポイントにとどまった。

そして2本めは後追いの川畑が近い位置で飛び込んできたものの、振り返し後に行き場を失ってインカットしつつドリフトが大きくもどり、末永(直)の勝ちとなった。

決勝は植尾vs末永(直)。1本めは植尾が先行だ。アウト側の指定通過ゾーンをとらずイン寄りのラインをとった植尾に対し、末永(直)は比較的近いドリフトを見せて、末永(直)が3ポイントリードした。

2本めは末永(直)が先行。末永(直)もアウト側の指定通過ゾーンを外すイン寄りのラインを通ったが、それに対して植尾は終始近いドリフトを見せて圧倒。11点という接近ポイントを取って、2005年以来15年ぶりの優勝を決めた。

この大会の結果、ランキング首位の小橋のリードは広がったものの、川畑が2位に浮上し、11pts差に食らいついた。

Semi Final Battle
川畑 真人 (A90) vs 末永 直登 (S15)
アウト寄りのラインを狙う川畑をイン側から抜いていく末永(直)。路面のμがまったくちがう状況だった。
Pick Up Battle
北岡 裕輔 (JZX100) vs 内海 彰乃 (S15)
北岡はひさしぶりの追走だったが、ウエット路面で見事なコントロールを見せてベスト8に勝ち上がった。
Pick Up Battle
小橋 正典 (S15) vs 川畑 真人 (A90)
川畑が接近していた状況で先行の小橋は振り返しで角度がつきすぎ、ハーフスピン状態になって2台が接触した。
Pick Up Battle
末永 直登 (S15) vs 松井 有紀夫 (FD3S)
1本めはリードしていた松井だが、急に雨足が強くなった2本めの先行で、振り返しでスピンしてしまった。
Pick Up Battle
蕎麦切 広大 (Q60) vs 川畑 真人 (A90)
ここまでチャンピオン経験者とばかり対戦しているルーキーの蕎麦切だが、果敢に攻めの走りを見せている。
Pick Up Battle
田所 義文 (AE86) vs 末永 正雄 (S15)
田所は後追い時にいったん振り出したあと逆に振られてスピン。コースアウトしてクラッシュしてしまった。

優勝

植尾 勝浩
VALINO
VALINO VR15 (S15)

15年ぶりに優勝したんですけど……前のときにいつ優勝したのかわからないくらいだったんですけど、やっぱりこの雨のなかでは絶対的に弱いといわれていたクルマで今回勝てたのは、すごくうれしいのもあるし、勝てるようにタイヤとかダンパーとかエンジンとか、いろいろなセットアップをしてもらったひとたちに、すごく感謝してます。

いま自分の動きが「ちょっと変わってる」ってよく言われるんですけど、自分のなかでは、もう世界というかヨーロッパを意識したドリフトのスタイルでやっているので、これをぜひ浸透させて、なおかつまた勝てるように、一生懸命がんばってやっていきたいと思います。

2位
末永 直登 (S15)
3位
川畑 真人 (A90)
優勝チーム
VALINO

最終順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamMachinePointsTanso Points
115植尾 勝浩VALINOS1525 
29末永 直登LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGES1521 
390川畑 真人Team TOYO TIRES DRIFT – 1A9018 
452北岡 裕輔TEAM MORIJZX10016 
54小橋 正典LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGES15133
65内海 彰乃SAILUN TIRES DIXCEL MOTORSPORTS1512 
778上野 高広TEAM VERTEX SAILUN TIREGSC1011 
843田所 義文BUY NOW JAPAN SPEED MASTER WATANABEAE8610 
966藤野 秀之Team TOYO TIRES DRIFT – 1RPS1384
1046末永 正雄NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX S1572
1187齋藤 太吾FAT FIVE RACINGA9061
1231蕎麦切 広大TEAM SHIBATA SAILUN TIREQ605 
1377松山 北斗FAT FIVE RACINGA904 
147松井 有紀夫Team RE雨宮 K&NFD3S3 
1570横井 昌志NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX S152 
1651岩井 照宜BUY NOW JAPAN SPEED MASTER WATANABEFC3S1 

単走順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamMachinePoints
166藤野 秀之Team TOYO TIRES DRIFT – 1RPS1320
24小橋 正典LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGES1516
346末永 正雄NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAXS1515
487齋藤 太吾FAT FIVE RACINGA9014
515植尾 勝浩VALINOS1513
69末永 直登LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGES1512
731蕎麦切 広大TEAM SHIBATA SAILUN TIREQ6011
877松山 北斗FAT FIVE RACINGA9010
95内海 彰乃SAILUN TIRES DIXCEL MOTORSPORTS158
1090川畑 真人Team TOYO TIRES DRIFT – 1A907
117松井 有紀夫Team RE雨宮 K&NFD3S6
1270横井 昌志NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAXS155
1378上野 高広TEAM VERTEX SAILUN TIREGSC104
1443田所 義文BUY NOW JAPAN SPEED MASTER WATANABEAE863
1551岩井 照宜BUY NOW JAPAN SPEED MASTER WATANABEFC3S2
1652北岡 裕輔TEAM MORIJZX1001

チーム順位&ポイント

Pos.No.TeamDriverPoints
115VALINO植尾 勝浩26
29LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE末永 直登20
390Team TOYO TIRES DRIFT – 1川畑 真人15
452TEAM MORI北岡 裕輔10
54LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE小橋 正典6
65SAILUN TIRES DIXCEL MOTORSPORT内海 彰乃6
778TEAM VERTEX SAILUN TIRE上野 高広6
843BUY NOW JAPANSPEED MASTERWATANABE田所 義文6
966Team TOYO TIRES DRIFT – 1藤野 秀之3
1046NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX 末永 正雄3
1187FAT FIVE RACING斎藤 太吾3
1231TEAM SHIBATA SAILUN TIRE蕎麦切 広大3
1377FAT FIVE RACING松山 北斗3
147Team RE雨宮 K&N松井 有紀夫3
1570NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX 横井 昌志3
1651BUY NOW JAPANスSPEED MASTERWATANABE岩井 照宜3

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