D1ライツ RD.7 名阪 詳細レポート

■コースコンディション:ドライ
■無観客

目桑が今期4勝目をあげて有終の美を飾る!


単走決勝

Tanso 1st Place
横田 卓三 (ORIGIN Labo. skymotors)
skymotors SILVIA (S14)
単走優勝した横田は、通過指定ゾーンの制約があるなかで、するどい振り、安定した大きな角度、ライン、スピードいずれも高いレベルでまとめて最高得点をマークした。
Tanso 2nd Place
目桑 宏次郎 180SX (RPS13)
Tanso 3rd Place
岩崎 脩作 SILVIA (S15)

横田(卓)が本領発揮の単走優勝!

2020年シリーズ最終戦は第6戦の翌日に開催されたが、コースは変更されて、例年おこなわれるレイアウトに戻された。このコース設定は走り慣れている地元ドライバーが多いが、難しさもあった。それは審判席まえの走行可能コース幅だ。通常の走行会のように制限なく走れば2コーナーの通過指定ゾーンをとりやすいが、今回はそれより狭く設定され、ハミ出すと減点が大きいため、より高い精度のコントロールが求められるのだ。

それもあって、攻めすぎたために審判席まえでハミ出して減点されるか、逆にハミ出しを恐れて抑えた走りをするあまり振り出しでの通過指定ゾーンや審判席まえの通過指定ゾーンを外す選手も多かった。ボーダーライン近辺の得点域には攻めて失敗して減点された選手と、ハミ出しやゾーン外しの減点をおそれて抑えすぎた選手の両方がいた。

そのなかで、名阪での単走を大得意としていながら、前日の第6戦はエンジントラブルで走行できなかった横田が、1本めからほぼ完璧と思えるほどの走りを見せて唯一の99点台を獲得し、単走優勝を果たした。

単走チャンピオンを争う選手のなかでは、目桑が1本めからきっちり決めてきたが、米内はまたしても走りがまとまらず、最上も2本失敗。加納も敗退となって目桑の単走シリーズチャンピオンが決まった。

Pos.No.DriverMachineBest Score2nd Score
19横田 卓三S1499.3054.00
21目桑 宏次郎RPS1398.9048.50
318岩﨑 脩作S1598.9048.50
431蕎麦切 広大HR3198.4595.65
588高木 美紀PS1398.4096.10
616仲村 悠PS1398.3597.95
766吉田 道夫PS1398.3597.50
821筒井 陽平JZX10098.2096.80
950山本 航JZX10098.2093.50
1015前原 敏宏S1597.9097.70
1130田中 規明PS1397.9095.75
1251久保 一真S1497.6595.65
1356森 孝弘S1597.6547.50
1486高嶋 健市JZX10097.4095.15
1540廣江 翔太JZX10097.3595.55
1617久野 太一S1597.1596.35
▲追走トーナメント進出▲
1790伊藤 満紀JZX9097.0540.50
1858谷本 真人S1496.6545.75
198中川 孝之RPS1396.5595.40
2047米内 寿斗S1596.5046.00
2162古賀 誠進RPS1396.45
2236最上 弦毅RPS1396.3594.90
2324下田 紗弥加S1596.2593.65
2457柳杭田 貫太S1496.2094.10
2570横田 宏延S1596.1545.50
2653永塚 尚幸S1596.0546.00
2773塚本 奈々美JZA8096.0545.00
283野村 圭市ER3495.6594.00
2912土居 雅和PS1395.6048.25
3038野々 英喜PS1395.5093.15
3152加納 広貴JZX10095.5042.50
3295福田 大輔PS1395.4094.15
3310瀧澤 翼PS1394.8093.50
3485近藤 善道AE8694.7553.00
355瀬戸 勇一郎S1594.6545.50
366村上 佳JZX10094.4090.25
3741植村 真一JZX10094.3549.00
3829粟野 如月RPS1392.2591.25
3959竹田 和明S1491.5053.00
4068谷 光一PS1391.2591.00
4119能登 陽向S1391.0047.00
4281有水 允良RPS1390.7544.00
4369花渕 大樹JZX10090.5090.00
4420金田 健人SW2085.0041.50
4577速水 眞之介PS1348.0042.50
4687文元 竜彦S1546.5045.50
4744浮田 正明S1446.5045.00
4899阿久澤 一幸S1446.0045.75
49105齋藤 寿夫RPS1346.0045.00
33辻 紳護武C33

単走優勝

横田 卓三

ORIGIN Labo. skymotors
skymotors SILVIA (S14)

もう思いっきり2本行くって決めてたんで、思いっきり2本いっただけです。「決まれば優勝でしょう」と思ってたんですけど、まぁ決まったッスね。

(昨日も自信はあった?) そうですね。それがロッカーが外れて走れなくて。それを直して、今日は思いっきりやって結果が出たということですね。

(通過指定ゾーンは意識した?) それは、もう。コース内で収めて、ちゃんと壁も寄せて振って2コーナーのクリップも巻いていってとってっていうかんじかな。日頃やってるかんじなので対応はできましたね。練習から手応えはバッチリでした。

(1本めは何%で走った?) もう100ッスよ。で、2本めはさらに思いっきり行ってハミ出てスピン(笑)。まぁ1本めに点が出てたから2本めは攻めれたっていうかんじですね。

(1本めの満足度は?) まぁまぁ……そこそこ。ゾーン指定とかがなかったら、もっと攻めるんですけど、まぁ、ゾーン指定ありきでできることはできたかな。

(2本めは何を変えていったんですか?) もう振り込みとアクセル踏むのとはやったけど、地味にハミ出たッスね。

(単走優勝できていかがですか?) 率直にうれしいです。走ったのが3番めやったんで、あとの50人くらい、見ててヒヤヒヤでしたね。見てられへんですね(笑)。


追走トーナメント

Final Battle
高木 美紀 SILVIA (PS13) vs 目桑 宏次郎 180SX (RPS13)
両者見事な接近ドリフトを披露。逆転を狙って攻めた高木のほうが近さでは上だったが、そのぶんわずかにミスをしてしまった。

目桑がD1ライツ最終戦を優勝で卒業

前日3位に入ったもののエンジントラブルを起こして載せ換えてきた蕎麦切は、本来のパワーが出せなかったせいかベスト16で森(孝)に寄せられず敗退。また、前日準優勝の高嶋も、後追いでオーバーランぎみに失速してハーフスピンし、やはりベスト16で敗退した。

ベスト4に勝ち上がったのは、久野、高木、目桑、岩崎。準決勝はまず久野と高木が対戦した。1本めは久野が先行。後追いの高木はほぼ同時振りから近いドリフトを見せたが失速してしまう。これで久野がアドバンテージをとった。そして2本めは高木が先行。久野は進入までに高木に距離を開けられ、2コーナー前後でドリフトが2回もどってしまう大きなミス。高木の逆転勝ちとなった。

準決勝もうひとつの対戦は目桑vs岩﨑。1本めは目桑が先行。目桑の高いスピードに対し、岩﨑はわずかにアウトに流され、距離も詰められない。そして2本めは後追いの目桑が同時振りから近い距離できれいにドリフトを合わせて勝ちを決めた。

決勝は高木vs目桑。一昨年も昨年も前日も対戦している組み合わせだ。1本めは高木が先行。高木は通過指定ゾーンを外してしまい、後追いの目桑は同時振りから近いドリフトを見せる。これで大きく目桑にアドバンテージ。2本めは高木も進入からビタビタに目桑をとらえ、強烈な接近ドリフトを見せたが、ドリフトがもどり気味になって接触し、合わせきれずに目桑の勝ちとなった。

来年からはD1グランプリシリーズにステップアップする予定だという目桑はD1ライツ最後のラウンドを優勝で締めくくった。


優勝

目桑 宏次郎

Realstyle ORIGIN Labo. VALINO
新型180SX (RPS13)

チャンピオン獲ったから気が緩んで下り坂になるっていうような流れだけは本当に避けたくて、それを避けるために気を緩めないように集中してっていうことはすごく意識しました。

(単走のできは?) すごい手応えがあったっていう流れではなかったですね、正直。コースが昨日と変わって、練習は直前にオイルが出たばっかりの状態でのスタートで、練習という練習ができていないなかでの単走だったので、偶然というわけではないのかわからないですけど、なんか決まったなっていう……そんなに「決める!」っていう手応えは走る前はあまりなかったんですよ、正直。

(追走の後追いは) まぁ、離されたっていうことはとくになかったんで、そこは問題なかったかな、と思います。1回先行でのミスで2ランクとられて本当に負けそうになったんで、そのときにすごい気合いを入れてやったら、ちょっとミスはありつつも相手のかたのミスもあってなんとかサドンデスにもっていけたんで、そのへんは気合いだけでカラ回りしてミスするっていう方向にならなかったのはよかったかな、と思います。

(優勝で締めくくった感想は) そうですね、もうこの上ないというか、まぁでも最後の先行ではちょっとミスが自分のなかにはあったんで、それは相手にも申し訳なかったかな、という気持ちはあります。


2位

高木 美紀

VALINO TIRES N-style
N-style SILVIA (PS13)

(決勝の先行のゾーン外しは) たぶん速く走りたいっていうのがあったし、後ろに(目桑選手が)来ていることはわかってたんで、たぶんそういうところにアセリが出たんでしょうね。2本めはもう思いっきり行くしか勝ちはないと思ったんで、後悔ないように。ちょっと迷惑かけちゃったんですけど、全力を出しきったかんじです。


3位

岩﨑 脩作

IWASAKI Quarter Mile
イエロシルビア (S15)

(準決勝は) 胸を借りるつもりで走らせてもらって、もう負けるのは目に見えてたんで、となればできるだけ精一杯ぶつかって経験にしようと思ってのぞみました。

(何が足りなかった?) 経験値もなんですけど、絶対的な車速と技術というのがまったくちがってたんで、そこはいい気づきになりました。


最終順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamMachinePoints
11目桑 宏次郎Realstyle ORIGIN Labo. VALINORPS1325
288高木 美紀VALINO TIRES N-stylePS1321
318岩﨑 脩作IWASAKI Quarter MileS1518
417久野 太一secret racingS1516
516仲村 悠champion skymotorsPS1313
666吉田 道夫ハロウィン ★ t’s square ★ SSRPS1312
750山本 航Rusty RacingJZX10011
856森 孝弘GP SPORTSS1510
99横田 卓三ORIGIN Labo. skymotorsS148
1031蕎麦切 広大R31HOUSE DRIFT RACING TEAMHR317
1121筒井 陽平星野自動車 VITOUR TIRE CHARMEJZX1006
1215前原 敏宏RS MaeharaS155
1330田中 規明AmazingPS134
1451久保 一真FIRST RacingS143
1586高嶋 健市Team Ito Auto 健 × GOODRIDE JZX1002
1640廣江 翔太Rusty RacingJZX1001

単走順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamMachinePoints
19横田 卓三ORIGIN Labo. skymotorsS1420
21目桑 宏次郎Realstyle ORIGIN Labo. VALINORPS1316
318岩﨑 脩作IWASAKI Quarter MileS1515
431蕎麦切 広大R31HOUSE DRIFT RACING TEAMHR3114
588高木 美紀VALINO TIRES N-stylePS1313
616仲村 悠champion skymotorsPS1312
766吉田 道夫ハロウィン ★ t’s square ★ SSRPS1311
821筒井 陽平星野自動車 VITOUR TIRE CHARMEJZX10010
950山本 航Rusty RacingJZX1008
1015前原 敏宏RS MaeharaS157
1130田中 規明AmazingPS136
1251久保 一真FIRST RacingS145
1356森 孝弘GP SPORTSS154
1486高嶋 健市Team Ito Auto 健 × GOODRIDEJZX1003
1540廣江 翔太Rusty RacingJZX1002
1617久野 太一secret racingS151

シリーズチャンピオン

目桑 宏次郎

Realstyle ORIGIN Labo. VALINO
新型180SX (RPS13)

(去年シリーズ優勝してから今年に向けての思いは?) とにかく内容。いい内容で勝つ。自分で勝ちに行く。相手のミスで勝つんじゃなくて。自分からとりにいく追走ってやっぱり見ているひとが盛り上がると思いますし、そういうのをみんながやって競り合って勝つ。そのなかで自分がイチバンになりたいというのはもちろんそうだったので、そういった内容、いい内容で勝つっていうのがイチバンの目標でしたね。去年よりは、この1年でそこはすごく成長させてもらえたと思ってます。

(去年のシーズン後にやったことは?) 車両のスペックが一定以上高くないと、審査コーナーに入るまえに追いつけなくて、いい走りはできないので、それをするために去年使っていたクルマよりもパワーを上げて、ボディの補強など足とかのセットアップも、さらに速く、かつ確実にできるドリフトができるクルマにしたくて、全体的なスピードの底上げというか、それをするためにクルマをイチから作り直しました。

(第2戦は落としたが?) そうですね。やっぱり急いでクルマを作って、開幕戦は「とりあえずコレで」っていう状態で行って、たまたまハマって。でも2戦めの日光のときに、やっぱりまだ詰めが甘い部分が結果として表れたので「それだったら、こういう方向に」っていうふうにクルマをいい方向に持っていくきっかけにできたので、それが非常に大きかったと思います。

(去年よりも満足できるシーズンでしたか?) そうだと思います。去年のダメだったことに対しての目標、それに対しては大幅によくなったと思ってます。なので、次へのステップとして、上のカテゴリーに行くということで、次の課題を見つけられればいいと思うので、そういうふうに今は考えています。


2位

米内 寿斗

Team Kazama Moty’s VALINO
Kazama Auto S15 SILVIA (S15)

第1戦はクルマに乗り慣れていないというところで落としちゃって、そういうちょっとのポイントの積み重ね……シリーズチャンピオンを獲るということはそういうことなんだなっていうのも含めて、シリーズを追うということのむずかしさを実感しましたね。

日光で勝ってから3連勝したときはかなり乗れてて精神的にもラクで。ただ、目桑選手がずっと2位でポイント差がないのもわかってたんで、油断はしてなかったんですけど、そんななかで迎えた地元のエビスでベスト8で敗退っていうところで、地元だからちょっと気の緩みとかもあったりしたのかなっていうのもいま思えばあったりして…。

あとは自分のクルマじゃないっていうところもあって、そういうクセとかもつかみきれなくて、そういうミスが響いたっていうのもあるので、事前準備とかも含めてもうちょっとクルマとも仲よくなっていく必要がありましたし、それこそシリーズ追うのに途中でケガしてしまって(※最終戦の1週間前に練習中にクラッシュ)、万全の態勢で走れないっていうのも今回の敗因のひとつだと思うので、本当にシリーズを追うことのむずかしさを実感した1年でした。


3位

高木 美紀

VALINO TIRES N-style
N-style SILVIA (PS13)

このクルマを今年のシーズン第1戦に合わせて作ったんですけど、仕様がちょっと変わって、自分がこのクルマのいいところを引き出せないまま何戦か走ったっていうのもあるんですけど、徐々に慣れてきて。新しいコースとかいろいろあったんですけど、メンタルの面でもけっこうやられたところもありますし、逆に自分で考えてコースを理解して走るっていうこともできたところもあったんで、いいところも悪いところもあったと思います。

私的には3位っていうのはビックリで。けっこう取りこぼしもあったので、チャンピオンはもう無理だっていうのは前戦でわかってたので、ぜんぜん考えていなかったのに、いきなりそんなことになってビックリです。


単走シリーズチャンピオン

目桑 宏次郎

Realstyle ORIGIN Labo. VALINO
新型180SX (RPS13)

(意識はしていた?) まぁ昨日の時点で可能性がすごいあるっていうのは聞いてましたけど、そこはそんなに大きなこだわりではないというか、まぁまぁ必然と、追走に上がるための単走で、そのなかでひとつでもいい順位を目指すっていうだけなんで、ただ狙いすぎて取りこぼすっていうことはないように、できる範囲でっていう、そこは大事なのかなと思ってやってました。

(自分としては単走の出来は?) 今年は正直あまりいいという感触ではなかったです。そんなに得意なほうではないのかなと思うんで、単走は。去年のほうが流れはよかったっていう気持ちはあります。今日は2位でしたけど、やろうと思ったことを形にできましたっていう感覚はなかったんで、今日に関しては、まぁ「2位だったんだ」っていうかんじだったので、そんなにすごい手応えだったっていうかんじではなかったかな、と思います。今日の単走に関しては。

(単走の成績が追走にもつながる?) そうですね。追走で勝つためにも単走からの流れがあるんで、ちょっとクルマに乗り慣れていないっていう理由でシーズン序盤はタイヤのエア圧をすごい上げ気味で単走を走っちゃってたりしてたんですけど、やっぱり追走になっていきなりエア圧を下げるというのはすごい差が大きすぎてミスする可能性が高くなってきちゃうので、単走からもあるていどエアを下げて走れるっていう必要があるな、と思って、エビスあたりからそれはすごく意識してやりました。

(単走チャンピオンをとった感想は?) うん、うれしいです。そんなに「単走得意なんで」っていうタイプではないな、と思うんでそのなかでとれたっていうのはよかったのかな、と思ってます。


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