■コースコンディション:ドライ~ウエット
■無観客
追走中に覚醒した川畑がGRスープラで初優勝!
単走
ドライで走れた幸運で中村が優勝
中村 直樹 [Crystal H.E VALINO N-style] シルビア[S15]
新型コロナウイルスの影響で、開幕が再三延期された2020年のD1グランプリシリーズ。けっきょく開幕戦は初開催の奥伊吹モーターパークで無観客で行われた。
会場となったのは駐車場に作られた特設コース。ストレートは短く、最高速は110km/hちょっとというところだが、コーナーの数は比較的多く、3箇所の通過指定ゾーンが設定された。
練習走行が行われた昼過ぎまでは、たまに少量の降雨があるていどで、路面はドライコンディション。14:00からの単走決勝本番も、その状況でスタートした。
初めてのコースで外側はコンクリートウォールということもあって、Aグループ1本めの得点はみんなやや低調だったが、2本めの途中で雨が強くなり、ウエット宣言が出された。これによりDOSS(機械審査システム)の採点にはウエット係数が加わり、追走進出者も全体での得点上位16名ではなく、各グループの上位4名が勝ち抜ける方式に変わった。
Aグループは2本めの走行を全員がウエット係数ありでやり直す措置がなされたが、それでもドライ時の得点にはとうてい及ばない状況だった。けっきょく、1本めのドライ時に、かなり抑えた走りながら、メリハリのある振りを見せ、ラインもきっちりとっていた中村がAグループをトップ通過。その後も雨は上がることがなく、Bグループ以降も中村の得点を上まわるドライバーが現れないまま中村の単走優勝となった。
Pos. | Group | No. | Driver | Machine | Best Score | 2nd Score |
1 | A | 99 | 中村 直樹 | S15 | 96.82 | 89.31 |
2 | A | 70 | 横井 昌志 | S15 | 95.15 | 65.09 |
3 | A | 66 | 藤野 秀之 | RPS13 | 94.44 | 85.97 |
4 | D | 18 | 日比野 哲也 | S14 | 93.94 | 91.68 |
5 | B | 46 | 末永 正雄 | S15 | 93.74 | 93.53 |
6 | A | 16 | 山口 孝二 | S15 | 93.60 | 90.82 |
7 | B | 90 | 川畑 真人 | A90 | 92.94 | 91.18 |
8 | D | 77 | 松山 北斗 | A90 | 92.80 | 91.27 |
9 | C | 14 | 村山 悌啓 | S14 | 92.80 | 91.15 |
10 | C | 2 | 田中 省己 | S15 | 92.69 | 90.65 |
11 | B | 45 | 畑中 真吾 | JZX100 | 92.49 | 91.18 |
12 | D | 9 | 末永 直登 | S15 | 92.30 | 91.95 |
13 | D | 23 | 村上 満 | S15 | 91.81 | 91.10 |
14 | B | 7 | 松井 有紀夫 | FD3S | 90.97 | 81.53 |
15 | C | 87 | 齋藤 太吾 | A90 | 89.63 | 88.15 |
16 | C | 78 | 上野 高広 | GSC10 | 89.19 | 86.81 |
▲ 追走トーナメント進出 ▲ | ||||||
17 | A | 33 | 笹山 栄久 | JZX100 | 91.79 | 88.74 |
18 | A | 52 | 北岡 裕輔 | JZX100 | 90.29 | 64.18 |
19 | D | 19 | 川井 謙太郎 | JZX100 | 89.43 | 87.81 |
20 | B | 5 | 内海 彰乃 | S15 | 89.12 | 87.77 |
21 | B | 4 | 小橋 正典 | S15 | 89.11 | 86.49 |
22 | C | 43 | 田所 義文 | AE86 | 89.05 | 68.97 |
23 | D | 22 | 木口 健治 | C33 | 88.80 | 87.71 |
24 | C | 15 | 植尾 勝浩 | S15 | 88.39 | 88.00 |
25 | B | 51 | 岩井 照宜 | FC3S | 88.37 | 41.10 |
26 | C | 36 | 髙橋 和己 | JZX100 | 86.75 | 85.95 |
27 | A | 31 | 蕎麦切 広大 | Q60 | 0.00 | 0.00 |
単走優勝
中村 直樹
Crystal H.E VALINO N-style
Crystal H.E N-style 極シルビア(S15)
今回は単走優勝をすることができて、スポンサー様、チームのみなさん、ありがとうございました。このコロナでお客さんもいないなか、イベントをやっていただいて関係者のかたがたありがとうございました。
単走はうまくいったんですが、追走が思うようにいかなかったんで、シリーズ通して次回こそはもっといい走りを見せれるようにがんばっていきたいんで、よろしくお願いします。
(コースの印象は) 自分も壁がぎりぎりアウトラインで、1本ミスったら大クラッシュになってしまうようなコースのイメージなんですが、そういうところはハラハラして自分的にはけっこう好きだったんで、最後まで、決勝まで行きたかったですね。
追走トーナメント
川畑のGRスープラ2号機が劇的デビューウィン
日比野哲也[S14]vs 川畑真人[A90]
川畑は後追いからはやや強引に日比野に寄せ、先行時には日比野になかなか距離を詰めさせなかった。
雨は降り止まず、追走も終始ウエットコンディションで行われた。
ベスト16、単走優勝をした中村はミスで敗退。末永兄弟対決はミスあり接触ありの荒れた内容の末、兄の直登が勝った。GRスープラ3台のうち、松山は村山に惜敗、齋藤は攻めすぎて横井に接触して敗れ、川畑だけが勝ち残った。
ベスト4に勝ち上がったのは村山、日比野川畑、藤野。村山は現代のD1では非力な4気筒エンジンだが、滑りやすい路面を味方に高い車速で勝ち上がってきた。しかし、この日は日比野も好調で、1本めの後追い時には進入で村山に寄せると、そのあともきれいにあわせてアドバンテージを獲得。2本めは先行でいい走りをする日比野に対し、村山は第4セクターでまっすぐぎみに浅くなってしまい大きく減点。日比野が決勝に勝ち上がった。
V8エンジンを積んだ、昨年とはちがうGRスープラをデビューさせた川畑は、追走が進むにつれてスピードやトラクションがよくなってきたように見えた。藤野との準決勝では先行時に通過指定ゾーンを外して減点されたが、藤野のアドバンテージは1にとどまり、川畑後追いとなった2本めには進入からキレイに藤野に寄せ、そのままあわせて勝利した。
決勝は日比野vs川畑。1本めは日比野が先行。後追いの川畑は、進入でやや強引に日比野のインを差し、なんとか姿勢を維持して日比野と近い距離を保って走りきり、大きなアドバンテージを得た。2本めは川畑が先行。日比野は加速でやや距離を開けられてしまい、進入では寄せられない。インフィールドで川畑との距離を詰めたが、先行の川畑もいい走りをしていたため、逆転には至らず、川畑がD1でのGRスープラ初優勝を決めた。
村山悌啓[S14] vs 日比野哲也[S14]
近年はかなり減ってしまったSRエンジンのシルビアを駆る村山だが、スピードや角度で日比野に敗れた。
川畑真人 [A90] vs 藤野秀之 [RPS13]
チームメイトであり、お互いの走りをよく知っていることもあって、川畑はスムーズで近いドリフトを見せた。
横井昌志 [S15] vs 川畑真人 [A90]
練習中に2回もクラッシュし、修復してベスト8まで勝ち上がってきた横井だが、パワステトラブルで敗れた。
中村直樹 [S15] vs 上野高広 [GSC10]
後追い時、近いドリフトでポイントを取っていたように見えた中村だが、最後にスピン。上野の勝ちとなった。
末永正雄 [S15] vs 末永直登 [S15]
1本めに大きなミスをしていた弟・正雄は、2本めには兄・直登に対してガツガツ当たるほどの攻めを見せた。
藤野秀之 [RPS13] vs 松井有紀夫 [FD3S]
4ローターエンジンを積むマシンをデビューさせた松井だが、まだトラブルも抱えていて、ベスト16で敗れた。
優勝
川畑 真人
Team TOYO TIRES DRIFT – 1
Team TOYO TIRES DRIFT GR Supra[A90]
みなさんご存じのとおり、今年は開幕が遅れて、スープラ2号機を製作するにあたって、じっくり作れる時間ができました。突貫工事ではなくてテストも繰り返して、いい状態で持ってくることができて走ったんですけど、はやり本番ではなかなか……練習走行とか、単走では思うように乗れなかった部分もあったんですけど、それでも何とかつないでいって、途中でラッキーもありつつの優勝だったかなと思います。とにかくスポンサー様、チームの皆様の協力のもとで走れているというところに、とにかく感謝します。
(コースの印象は)このコースは練習走行とか、走行会とかで、何回か走ったことがある道なんですけど、今回のレイアウトはすごく特殊だと思うんですね。スタートが下り坂で曲がってから壁に向かって走るので傾斜が各場所にあって、そこで吸い込まれるような感覚に陥るというか……お台場はちょっと道が荒れてるんですけど、お台場ともちがって、この奥伊吹のコースは道の傾きと自分の感覚のズレがちょっと難しい感じのコースでしたね。舗装もちょっと特殊なのかな、と。今回ドライからウエットになったんですけど、昨日のライツとかを見ているとウエットからドライに変わっていくハーフウエットになっていくところもすごく乾くのが速いなというイメージがあったので、濡れたときとドライのときのコンディションの差がちょっとつかみづらかったですかね。
2位
日比野 哲也3位
藤野 秀之
最終順位&ポイント
Pos. | No. | Driver | Team | Machine | Color | Points |
1 | 90 | 川畑 真人 | Team TOYO TIRES DRIFT – 1 | A90 | 青 | 25 |
2 | 18 | 日比野 哲也 | SAILUN TIRE SUNRISE | S14 | 白/青 /橙 | 21 |
3 | 66 | 藤野 秀之 | Team TOYO TIRES DRIFT – 1 | RPS13 | 青 | 18 |
4 | 14 | 村山 悌啓 | BUY NOW JAPAN eternal | S14 | 白 | 16 |
5 | 70 | 横井 昌志 | NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX | S15 | 青 | 13 |
6 | 45 | 畑中 真吾 | SAILUN TIRE IGM Racing | JZX100 | 白 | 12 |
7 | 9 | 末永 直登 | LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE | S15 | 白/青 /橙 | 11 |
8 | 78 | 上野 高広 | TEAM VERTEX SAILUN TIRE | GSC10 | 白/赤 | 10 |
9 | 99 | 中村 直樹 | Crystal H.E VALINO N-style | S15 | 赤/桃/紫 | 8 |
10 | 46 | 末永 正雄 | NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX | S15 | 青 | 7 |
11 | 16 | 山口 孝二 | adidas a-unit LINGLONG G-meister | S15 | 白 | 6 |
12 | 77 | 松山 北斗 | FAT FIVE RACING | A90 | 青 | 5 |
13 | 2 | 田中 省己 | SEIMI STYLE DRIFT SAILUN TIRE | S15 | 青 | 4 |
14 | 23 | 村上 満 | Team C.M.Feeling. | S15 | 黄 | 3 |
15 | 7 | 松井 有紀夫 | Team RE雨宮 K&N | FD3S | 青 | 2 |
16 | 87 | 齋藤 太吾 | FAT FIVE RACING | A90 | 白/赤/黒 | 1 |
単走順位&ポイント
Pos. | No. | Driver | Team | Machine | Color | Points |
1 | 99 | 中村 直樹 | Crystal H.E VALINO N-style | S15 | 赤/桃/紫 | 20 |
2 | 70 | 横井 昌志 | NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX | S15 | 青 | 16 |
3 | 66 | 藤野 秀之 | Team TOYO TIRES DRIFT – 1 | RPS13 | 青 | 15 |
4 | 18 | 日比野 哲也 | SAILUN TIRE SUNRISE | S14 | 白/青 /橙 | 14 |
5 | 46 | 末永 正雄 | NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX | S15 | 青 | 13 |
6 | 16 | 山口 孝二 | adidas a-unit LINGLONG G-meister | S15 | 白 | 12 |
7 | 90 | 川畑 真人 | Team TOYO TIRES DRIFT – 1 | A90 | 青 | 11 |
8 | 77 | 松山 北斗 | FAT FIVE RACING | A90 | 青 | 10 |
9 | 14 | 村山 悌啓 | BUY NOW JAPAN eternal | S14 | 白 | 8 |
10 | 2 | 田中 省己 | SEIMI STYLE DRIFT SAILUN TIRE | S15 | 青 | 7 |
11 | 45 | 畑中 真吾 | SAILUN TIRE IGM Racing | JZX100 | 白 | 6 |
12 | 9 | 末永 直登 | LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE | S15 | 白/青/橙 | 5 |
13 | 23 | 村上 満 | Team C.M.Feeling. | S15 | 黄 | 4 |
14 | 7 | 松井 有紀夫 | Team RE雨宮 K&N | FD3S | 青 | 3 |
15 | 87 | 齋藤 太吾 | FAT FIVE RACING | A90 | 白/赤/黒 | 2 |
16 | 78 | 上野 高広 | TEAM VERTEX SAILUN TIRE | GSC10 | 白/赤 | 1 |
チーム順位&ポイント
Pos. | No. | Team | Driver | Points |
1 | 90 | Team TOYO TIRES DRIFT – 1 | 川畑 真人 | 26 |
2 | 18 | SAILUN TIRE SUNRISE | 日比野 哲也 | 20 |
3 | 66 | Team TOYO TIRES DRIFT – 1 | 藤野 秀之 | 15 |
4 | 14 | BUY NOW JAPAN eternal | 村山 悌啓 | 10 |
5 | 70 | NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX | 横井 昌志 | 6 |
6 | 45 | SAILUN TIRE IGM Racing | 畑中 真吾 | 6 |
7 | 9 | LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE | 末永 直登 | 6 |
8 | 78 | TEAM VERTEX SAILUN TIRE | 上野 高広 | 6 |
9 | 99 | Crystal H.E VALINO N-style | 中村 直樹 | 3 |
10 | 46 | NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX | 末永 正雄 | 3 |
11 | 16 | adidas a-unit LINGLONG G-meister | 山口 孝二 | 3 |
12 | 77 | FAT FIVE RACING | 松山 北斗 | 3 |
13 | 2 | SEIMI STYLE DRIFT SAILUN TIRE | 田中 省己 | 3 |
14 | 23 | Team C.M.Feeling. | 村上 満 | 3 |
15 | 7 | Team RE雨宮 K&N | 松井 有紀夫 | 3 |
16 | 87 | FAT FIVE RACING | 齋藤 太吾 | 3 |