前年度王者・横井の新車は絶好調!

 2018年、2019年と、2年連続でシリーズチャンピオンを獲得し、いまもっとも強いドライバーとしてD1グランプリシリーズに君臨している横井昌志選手。2020年のシリーズに向けて製作されていたS15シルビアはカラーリング以外は完成。テスト走行もすでに実施されていて好感触を得ているそうだ。

「やっぱ狙うのは3連覇だよね。何勝できるかってことよりも、とにかくポイントを落とさないで、シリーズを獲ることを意識しているよ」と、3年連続のシリーズチャンピオン獲得に向けて意欲を見せている。

エンジン製作&セッティングはTMラボが担当。ブライアンクロワーのキットを使って3.4ℓまで排気量アップされた2JZ-GTEに載せ替えられており、タービンはGCGのGTX4088を装着。ブースト2kg/cm2時に推定880psを発揮している。変更点はボッシュの電スロを導入したこと。「こんどテストする予定なんだけど、アンチラグとか入れられるようにしたいなと思って」と横井選手。

冷却系はD1ストリートリーガル時代からサポートされていて愛用しているコーヨーラドの製品で統一。リヤラジエター化されているため、コアサポートの下にはインタークーラーとオイルクーラー、パワステクーラーがマウントされている。

オーソドックスなパーツ構成がいまどきのD1マシンとしては逆に新鮮な足まわり。D-MAXが販売している車高調のなかでも最上級グレードとなる別タンク式のレーシングスペックサスペンションを装着。ナックルやアーム類もD-MAX製品で揃えられている。

リヤラジエター化は慣れたもので前年度のマシンと配置は変わらず。コアはコーヨーラド製を使っている。サスペンションメンバーはワンオフ加工された純正品で、ウインタースのクイックチェンジデフにATSのLSDを組み込む。アーム類はD-MAX製だ。

そして前年度マシンと大きくちがう部分がトランスミッションで「これまで使っていたホリンジャーよりも安く、使っているひとも多くて部品も比較的すぐに手に入る」とサムソナス製をチョイス。実装テストでも好感触を得ている。

車内に張り巡らされたロールケージはMJ.Cにて製作。去年まで使っていたS15シルビアとほぼ変わらない配置で入れられている。なお、エンジンとロールケージ以外は、横井選手のお店であるMCRファクトリーにて製作されている。


 D-MAXとしては、NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAXとチーム名を変更し、新たな体制で挑む2020年シリーズ。昨年まで横井選手が乗っていたチャンピオンマシンには、今シーズンからチームメイトとなった末永正雄選手が乗り、新たに作ったほぼおなじ仕様のマシンに前年度チャンピオンの横井選手が乗り込む。

 どちらもマシンの信頼性はバツグンに高いははずなので、かなりの好走が見られるはず。開幕戦はユーチューブライブのみでの配信となってしまうものの、ぜひともD1ファンのみなさまにはリアルタイムで視聴いただきたいと思う。


【関連サイト】

MCR Factory
https://mcr-factory.com/

D-MAX
https://www.dmax-cs.com/

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