D1GP RD.6 エビス 詳細レポート

2025 GRAN TURISMO D1 GRAND PRIX SERIES RD.6 EBISU
2025年グランツーリスモD1グランプリシリーズ第6戦 エビス
開催日:2025年9月28日(日)
会場:エビスサーキット(福島県)
コースコンディション:ドライ
 延動員数:4,207名(3日間合計)

蕎麦切が優勝してランキングも首位に立つ!


第6戦 単走決勝

Tanso 1st place
松山 北斗
Team TOYO TIRES DRIFT 2
TOYO TIRES DRIFT GR COROLLA [GZEA14H]
Tanso 2nd place
横井 昌志
SILVIA [S15]
Tanso 3rd place
蕎麦切 広大
GR86 [ZN8]

松山がセオリーに反する走りを成功させて単走優勝!

 第6戦は第5戦の翌日におなじコース設定でおこなわれた。このコースは進入手前にゆるいS字区間が設けられている。そこで、いちどフェイントを入れて左のバネに荷重をかけてからその反発を利用して右にテールを振り出し、こんどは右のバネにしっかり荷重をかけてから思いきり振り返してコーナーに飛び込むのが、審査員のコース設定の意図で、じっさいに高得点が出しやすい走りかただった。

 そのセオリーどおりの走りで97点台の高得点を出していた選手が多かったが、なかでも横井はお手本のような走りで1本目に98点台をマークしてトップに立つ。

 しかし走行順のちょうどなかごろ、Bグループの最後に登場した松山は1本目に97点台をマークすると、2本目にはあまり逆振りを大きく入れず、スピードを保ったまま直線的にS字を抜け、一気に強烈な角度をつけてコーナーに進入。そして飛距離をゾーン2にピッタリ合わせて旋回してみせた。このコースのセオリーに反する走りを成功させた松山はそれまでトップだった横井の98.18点を1点以上上まわる99.38点という圧倒的な得点をマーク。けっきょくこのあと98点を超える選手は現れず、松山の単走優勝が決まった。

 なおランキング首位の目桑は単走敗退となったが、村上も敗退してポイント争いでは後退した。

ルーキーの星はセオリーをおさえたメリハリのきいた動きでコースに合わせた走りをまとめ、初の追走トーナメント進出を決めた。
森はウォームアップ走行でコースアウトし、タイヤがビード落ちして走行不可に。2戦連続で追走進出を逃してしまった。
目桑は1本目途中でスローダウン。ドライブシャフトの破損でドリフト続行不能になり、2戦連続ノーポイントという痛い結果になった。
乗りやすい方向にセッティング変更したらトラクションがかからなくなったという田中は得点が伸びずに単走敗退となった。
奥伊吹でも筑波でもポイントを取ったルーキーの稲岡だが、ここエビス西では走りかたをつかめず、2戦とも単走敗退となった。
岩井もコースを攻略できず2戦とも敗退。森とともにミスターアベレージコンビのエビスでの成績は下振れで終わった。
Pos.Gr.No.DriverCarBest score2nd score
1B77松山 北斗GZEA14H99.3897.28
2B70横井 昌志S1598.1678.24
3C31蕎麦切 広大ZN897.9497.01
4D90山中 真生A9097.9094.95
5D88川畑 真人ZN897.8592.35
6C33石川 隼也ZN897.7793.37
7A18日比野 哲也ZN897.6195.45
8D81和田 賢志郎S1597.4096.59
9D99中村 直樹ZN897.3291.96
10D76中村 龍PS1397.3087.60
11C66藤野 秀之ZN897.2496.21
12C78上野 高広GSC1096.9747.52
13A87齋藤 太吾A9096.7495.29
14A52星 涼樹GZEA14JH96.6386.04
15C9粂 哲也S1596.5793.63
16D80田野 結希ZN896.5092.09
▲ 追走トーナメント 進出 ▲
17A2田中 省己S1596.2976.64
18C10三好 隼人ZN896.0791.90
19B23村上 満ZN895.7290.29
20A98土居 雅和PS1395.5693.09
21C93加納 広貴S1595.0582.35
22A15藤原 優汰S1594.7893.08
23B7松井 有紀夫FD3S94.3989.20
24B50石井 亮JZX10094.3892.95
25A8稲岡 拓也RPS1394.0892.33
26A95Daychapon ToyingcharoenZN893.8287.54
27B75畑中 夢斗JZX10093.3183.75
28D51岩井 照宜FC3S93.1092.71
29D30中田 哲郎JZX10092.8091.85
30C63Konpichit ToyingcharoenS1592.7147.64
31B32多田 康治ZN892.5847.50
32C14玉城 詩菜ZN692.5048.04
33B38斎藤 久史S1590.3946.97
34A79目桑 宏次郎E9268.020.00
A56森 孝弘RPS13RETIRE
B3野村 圭市ER34DNS
B55松川 和也AE85DNS
D89Lattapon KeawchinF22DNS

第6戦 単走優勝

松山 北斗

Team TOYO TIRES DRIFT 2
TOYO TIRES DRIFT GR COROLLA(GZEA14H)

 エビス西はけっこう好きなんですけど、今回ちょっとレイアウトが変えられているんで、むずかしいなとは思ってました。でも、決勝で走ったような角度をつける走りは練習からやっていて、昨日の単走ではウォームアップのときのポールタッチの減点のせいで、安パイな走りしかできなかったので。今日は1本目をちゃんと決めて、2本目思いきりやってみようと思ったのが、うまくいきました。

 (あの走りは練習でも成功していた?) そうですね。ただ練習でも点は98点いくつかが最高だったので、99点までは出てなかったんですけど、ああいう走りかたはいちおう練習してたので、行けるかな、というので試してうまくいったかんじです。

 (S字のように走るスタイルとちがったが) そうですね。チームでDOSSを見てもらってたときに、審査員のかたたちは、S字っぽく走らせたいというふうにいってたんですけど、どうもDOSSの点を見ていると、けっこうスピードが重視されるし、いつもの安定性というよりは、もう勢いと角度っていうのが大事かなというふうに見えたので、最後の2本目はとくにそれを意識して、スピードを乗せてしっかり飛び込むっていうような走らせかたをしました。

 (2本目のあの走りかたはやはりむずかしい?) やっぱり角度がついちゃうと距離感が合わせづらいので、本当にうまくいきましたけど、全然ゾーン2をはずす可能性もありましたし、そこはあまり毎回毎回できる走りではないかな、という気がします。

 2本目は、この週末でいちばんいい走りはできたと思うんですけど、本当はもっと1セクターの振り返したあとも、気持ちよくずっと踏んでいるのが理想だと思っているので、調整していた部分が何箇所かあるんで、結果的にはよかったですけど、ちょっと自分の理想の走りには届いてないかな、と思います。

 (単走優勝して) ここのコースで単走優勝させていただくのってけっこう多くて、去年はできなかったんですけど、今年もそれを達成できて、まずすごくうれしいです。


第6戦 追走トーナメント

Final Battle   
中村 直樹 [ZN8] vs 蕎麦切 広大 [ZN8]
中村は近いドリフトを見せたものの、角度が浅かったりふらつく場面もあり、最後のセクターでは離されるなどして接近ポイントを稼げなかった。

蕎麦切が弱点を克服して中村(直)に勝利!

 ベスト16では、単走16位だった田野が単走優勝の松山を倒すなど、単走で下位の選手が勝った対戦も多く、やや波乱の展開となった。上位選手は目桑がノーポイントのラウンドでポイントを稼ぎたいところだが、横井はベスト16で敗退して、大きく前進することはできなかった。

 いっぽう蕎麦切と藤野はベスト8で対戦。蕎麦切は前日からの弱点である1,2セクターでの寄せを克服できなかったものの、藤野にミスが出たこともあって勝利した。

 ベスト4に勝ち上がったのは中村(直)、山中、日比野、蕎麦切だ。中村は前日よりも車両のコンディションが改善していたようだった。まずはその中村(直)と山中が対戦。1本目後追いの山中は進入でビタビタの距離感を見せたが、しだいに中村に距離を開けられ、角度も劣勢だった。2本目は中村が近い距離できれいに合わせて中村が勝った。

 日比野vs蕎麦切は同チームの対決。1本目先行の日比野もいい走りを見せたが、イン側のゾーンをはずし、蕎麦切は近い距離のドリフトを見せる。2本目は蕎麦切にミスもあったが日比野も蕎麦切ほどの後追いポイントはとれず、タイトル争いをしている蕎麦切のほうが勝ち上がった。

 決勝は中村(直)vs蕎麦切。まずは中村が先行だ。蕎麦切はこれまで苦手としていた1、2セクターからビタビタの接近ドリフトを見せる。しかし、その先で中村の減速に合わせきれず、離れてしまう。2本目は蕎麦切が先行。蕎麦切はゾーン2をはずしたものの、中村も安定した追走が見せられず、合計得点で蕎麦切の優勝が決まった。

 これで蕎麦切がランキング首位に浮上。そこに藤野、横井、目桑が続くという展開になった。

Semi Final Battle   
山中 真生 [A90] vs 中村 直樹 [ZN8]
先行時にはおたがいに98.1という高得点をマークする走りを披露。後追い時の精度の差で、山中を中村がうわまわった。
Semi Final Battle   
日比野 哲也 [ZN8] vs 蕎麦切 広大 [ZN8]
蕎麦切が先行時にリミットラインを超過したことで減点され、きわどい展開になったが、けっきょくタイトル争いをしている蕎麦切が勝った
Pick Up Battle   
田野 結希 [ZN8] vs 中村 直樹 [ZN8]
安定した先行の走りを見せた田野に対し、中村は終始ビタビタの接近ドリフトをやってのけて接近ポイントフルマークの15ptsを獲得した。
Pick Up Battle   
蕎麦切 広大 [ZN8] vs 藤野 秀之 [ZN8]
藤野は後追い時に最後のセクターで後ろにまわってしまい、前日のような最初から最後までビタビタの追走は見せられずに敗れた。
Pick Up Battle   
横井 昌志 [S15] vs 粂 哲也 [S15]
地元の後輩と対戦した横井は1本目でリードしていたが、2本目の後追い時には寄りすぎて詰まってしまって接触。粂が勝った。
Pick Up Battle   
中村 龍 [PS13] vs 日比野 哲也 [ZN8]
中村は、オーバーラン気味になった先行の日比野についていってしまい、逆に遅れをったことで接近ポイントが稼げず敗れた。

第6戦 優勝

蕎麦切 広大

SHIBATA RACING TEAM
MOTUL GR86 SHIBATIRE 31 [ZN8]

 (昨日は2位で今日は優勝できたが) それこそ昨日、決勝で当たった藤野選手との対戦もあったんですけど、ちょっとやっぱり僕のスタートの出る技術の低さというのが……技術っていうか、スタートもっと合わせられるよな、っていうところがあったので、そのへんは最初からしっかりつかまえることだけを意識してスタートがんばりました。そこは昨日できなかったことができてきたかんじはあります。

 (準決勝の日比野選手との対戦は) あれは気持ちよかったし、ぶっちゃけぶつけてもぶつけられても直すのは僕なんですよ。なんで、まぁ全部自己責任なんで、もう思いきり行こうと思いました。

 (昨日から1、2セクターで詰められないのが弱点だと言われてたが、決勝ではできた) そうですね。本当にその通りだったんですけど、自分のなかではこうやって改善すればもっとできるというイメージはできてたんで、今日はそれにどんどんトライしていこうと思いました。それにトライしないと追走も勝てないし。そのへんが自分には足りないところだったので、そこをがんばるためにはスタートを決めないと、そこにたどりつけないから、スタートを意識してまずはやっていました。

 それがベスト4あたりから、まだまだ僕の理想には遠いんですけど、少しずつ近づいてきたかなと思ってます。決勝はもう思いきり行くだけなんですけど、そこはもう直樹さんも進入がすごく速いんで、その進入スピード以上のスピードで後追いしようという気持ちでした。

 (そして先行も) たまたまうまくいきました。たまたまです。練習からも、あまりこういう博打的な走りは、博打的すぎて失敗するリスクのほうが高いし、直樹さんに迷惑かけちゃうっていう気持ちもあったんですけど、直樹さんの後追いのフルマークとかも見てたんで、僕の100%じゃ絶対足りないってわかったから、もう、できる限界以上の走りをしようと思ってしたら、クルマがよかった。いいクルマなので、その博打を支えてくれるクルマなので、走りが成立しました。

 (昨日からちょっと成長しての優勝) そうですね。本当素直にうれしいです。昨日も帰ってから夜中ずっと土曜日のラウンドの、いろんな選手の走らせかたとかを見てて「こういうやりかたもあるんだな。こういうやりかたもあるんだな」っていうのをたくさん見て勉強して、今日実践できました。

 (そしてランキングもトップ) あんまり意識したくないですね~。こういうシーズン中盤とかでトップに立つのもどうなのかなって。自分に経験のないことなんで、あんまりそこは意識せず、いつも通り、自分の走りでがんばりたいと思います。


第6戦 2位

中村 直樹
TEAM VALINO × N-STYLE

第6戦 3位

山中 真生
ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ! レーシング

第6戦 優勝チーム

SHIBATA RACING TEAM

第6戦 ベストメンテナンス

CUSCO Racing

第6戦 最終順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarModelTsuiso pointsTanso points
131蕎麦切 広大SHIBATA RACING TEAMGR86ZN8252
299中村 直樹TEAM VALINO × N-STYLEGR86ZN821 
390山中 真生ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ! レーシングGR SUPRAA90181
418日比野 哲也SHIBATA RACING TEAMGR86ZN816 
588川畑 真人Team TOYO TIRES DRIFT 1GR86ZN813 
666藤野 秀之Team TOYO TIRES DRIFT 1GR86ZN812 
79粂 哲也TEAM BUZZBREAK DRIFTSILVIAS1511 
880田野 結希Team TOYO TIRES DRIFT 2GR86ZN810 
977松山 北斗Team TOYO TIRES DRIFT 2GR COROLLAGZEA14H84
1070横井 昌志TEAM D-MAX RACINGSILVIAS1573
1133石川 隼也広島トヨタ team DROO-PGR86ZN86 
1281和田 賢志郎TEAM D-MAX RACINGSILVIAS155 
1376中村 龍TEAM MORISILVIAPS134 
1478上野 高広TEAM VERTEXRCGSC103 
1587齋藤 太吾FAT FIVE RACINGGR SUPRAA902 
1652星 涼樹CUSCO RacingGR COROLLAGZEA14JH1 

第6戦 単走順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarModelPoints
177松山 北斗Team TOYO TIRES DRIFT 2GR COROLLAGZEA14H20
270横井 昌志TEAM D-MAX RACINGSILVIAS1516
331蕎麦切 広大SHIBATA RACING TEAMGR86ZN815
490山中 真生ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ! レーシングGR SUPRAA9014
588川畑 真人Team TOYO TIRES DRIFT 1GR86ZN813
633石川 隼也広島トヨタ team DROO-PGR86ZN812
718日比野 哲也SHIBATA RACING TEAMGR86ZN811
881和田 賢志郎TEAM D-MAX RACINGSILVIAS1510
999中村 直樹TEAM VALINO × N-STYLEGR86ZN88
1076中村 龍TEAM MORISILVIAPS137
1166藤野 秀之Team TOYO TIRES DRIFT 1GR86ZN86
1278上野 高広TEAM VERTEXRCGSC105
1387齋藤 太吾FAT FIVE RACINGGR SUPRAA904
1452星 涼樹CUSCO RacingGR COROLLAGZEA14JH3
159粂 哲也TEAM BUZZBREAK DRIFTSILVIAS152
1680田野 結希Team TOYO TIRES DRIFT 2GR86ZN81

第6戦 チーム順位&ポイント

Pos.No.TeamDriverPoints
131SHIBATA RACING TEAM蕎麦切 広大26
299TEAM VALINO × N-STYLE中村 直樹20
390ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ! レーシング山中 真生15
418SHIBATA RACING TEAM日比野 哲也10
588Team TOYO TIRES DRIFT 1川畑 真人6
666Team TOYO TIRES DRIFT 1藤野 秀之6
79TEAM BUZZBREAK DRIFT粂 哲也6
880Team TOYO TIRES DRIFT 2田野 結希6
977Team TOYO TIRES DRIFT 2松山 北斗3
1070TEAM D-MAX RACING横井 昌志3
1133広島トヨタ team DROO-P石川 隼也3
1281TEAM D-MAX RACING和田 賢志郎3
1376TEAM MORI中村 龍3
1478TEAM VERTEX上野 高広3
1587FAT FIVE RACING齋藤 太吾3
1652CUSCO Racing星 涼樹3

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