D1GP RD.8 エビス 詳細レポート

結果速報:2022年11月12日(土)18時
詳細レポート:2022年11月14日(月)17時

2022年グランツーリスモD1グランプリシリーズ第8戦
■コース:エビスサーキット・西バンクコース
■コースコンディション:ドライ
■来場者数:2,959名(3日間合計)

末永正雄が5年ぶりの優勝!


第8戦 単走

Tanso 1st Place
齋藤 太吾
TMAR
GR SUPRA Monster Edition (A90)
Tanso 2nd Place
横井 昌志
SILVIA (S15)
Tanso 3rd Place
川畑 真人
GR86 (ZN8)

スピード番長・齋藤太吾がひさびさの単走優勝!

 第8戦の開催地はエビスサーキット・西コース。しかし、第4戦&第5戦とは競技区間が異なり、新たに作られたバンクをメインコーナーとしたレイアウトだ。2021年の地震で土砂崩れの被害を受けた箇所を単純に復旧させるのではなく、地形を生かして生み出したコーナーだ。

 バンクの頂点付近までは上り基調。そのアウト側のゾーンを通過しつつ、速度や角度を維持するのがむずかしいコース設定だった。

 練習走行ではほかのラウンドと同程度の得点が出ていたが、本番は全体的に点が低くなった。まずAグループの川畑が、振り返しの躍動性などで点を稼ぎ、97.84点を獲得したが、Bグループでは97.25の目桑が最高点、Cグループでは北岡、藤野、蕎麦切が97点台後半を出してきたが、川畑にはおよばない。

 しかし、Dグループの横井がこのラウンド初の98点台を出してトップに立つと、最終走者で出てきた齋藤(太)がそれをうわまわる走りを決めた。全体的には130km/h台後半が出ていれば速いほうだったが、齋藤(太)は1本めに153.07km/hの進入速度を見せる。これで通過確実な点をマークすると、2本めはより振りのするどい走りで98.45点を獲得。単走優勝を決めた。

1本めの走行で、タイヤがビードからはずれてしまった植尾。レギュレーションにしたがって、得点は無効となってしまった。
横浜トヨペット × 俺だっ!レーシングからスポット参戦した手塚。ブランクをかんじさせない勢いのある走りで追走進出を果たした。
1本め、進入でクラッチを踏んだら、ペダルが戻ってこず、足でペダルを戻して走りきって7位の得点を得た中村。2本めはキャンセルした。
単走シリーズで3番手につける蕎麦切。この日は6位の得点で、上位にいる川畑、横井との差は縮められなかった。
ボーダーライン近辺の得点を安定して叩き出す“ミスター・アベレージ”森は17位。わずか0.01点の差で不通過となった。
通過指定ゾーンはバンクへの進入のアウト側、バンク中盤のアウト側、バンク通過後のアウト側と計3ヶ所に設定された。
Pos.Gr.No.DriverMachineBest Score2nd Score
1D87齋藤 太吾A9098.4597.36
2D70横井 昌志S1598.1478.90
3A88川畑 真人ZN897.8494.29
4C52北岡 裕輔JZX10097.7796.53
5C66藤野 秀之ZN897.5596.24
6C31蕎麦切 広大Q6097.5095.09
7A99中村 直樹PS1397.350.00
8B79目桑 宏次郎RPS1397.2596.28
9D38下田 紗弥加S1597.2564.78
10D77松山 北斗A9096.7995.98
11A90手塚 強A9096.0993.18
12D98ヴィトー 博貴PS1395.6294.33
13C16山口 孝二S1595.1892.95
14D46末永 正雄S1595.1392.98
15B2田中 省己S1594.9791.69
16A78上野 高広GSC1094.7693.86
▲追走トーナメント進出▲
17B56森 孝弘RPS1394.7593.11
18A33笹山 栄久JZX10094.3091.14
19B30中田 哲郎JZX10093.8893.58
20C51岩井 照宜FC3S93.6382.15
21A84波紫 聖和S1591.1481.87
22B97齋藤 真一郎A9073.320.00
B15植尾 勝浩RPS13 
A69秋葉 瑠世S15DNS 
C27茂木 武士S15DNS 
D7松井 有紀夫FD3SDNS 

第8戦 単走優勝

齋藤 太吾

TMAR
GR SUPRA Monster Edition (A90)

 練習は点がそんなに出てなかったんですよ。本番がいちばん出て。練習はちょっと加減しながら走っちゃってたんですけど、落ちるような点じゃないのが安定して出てたんで、1本目はそれでいこうと思ってて。それで本番1本めで点数出て当確してたんで、2本めは好きにやろうと思って思いきりやったら点が伸びました。もうちょっと調整してもうちょっと点は上げられると思うんですけど。まぁでも思ったようなかんじにはなりました。

 (2本めに変えたところは) 1本めは進入のアウトゾーンをはずさないように、ちょっと合わせながら通ってたんで、2本目はそこをちょっとはずすリスクがあっても、あんまりブレーキ当てないようにしてアクセルで行って。そうすると全体の速度が上がるんで、バンクも登りやすくなるし、完璧じゃないんですけど思ったかんじでした。

 (練習ではやってない走り?) あんまりやってないです。けっこうみんな成功してなかったんで、確実に通れる走りで点を伸ばす練習をしてたんです。

 (単走優勝して) 単走優勝はひさびさじゃないですかね。記憶にないです。やっぱり気持ちいいですね、一番は。


第8戦 単走ハイライト


第8戦 追走トーナメント

Final Battle   
藤野 秀之 (ZN8) vs 末永 正雄 (S15)
アウト側のゾーンに寄せるために調整する選手が多いなかで、姿勢を決めたら調整をせずに踏んでいくスタイルの末永はバンクでDOSS点を稼いでいた。

バンクのDOSS点を攻略した末永が5年ぶりの優勝

 ポイントリーダーの横井は、まずベスト16で対戦相手の田中のミスもあって勝利。横井を13ポイント差で追うランキング3位の中村も対戦した松山のミスが大きく、ベスト8に勝ち上がった。いっぽう横井と4ポイント差の2位につける川畑は、末永と好勝負を見せたが、寄せた精度の差で敗北。横井、中村より先に敗れてしまった。しかし、横井もベスト8で中村に敗れ、ベスト4には齋藤(太)、藤野、中村、末永が勝ち上がった。

 まずは齋藤(太)と藤野が対戦。接近ポイントでは齋藤がうわまわったが、齋藤はベースとなるDOSS点が低く、藤野が勝った。中村vs末永の対戦は、中村が見事なビタビタの走行を見せたが、加速区間の接触で減点され、末永が勝利。末永はタイトル争いをしているチームメイトの横井を援護する勝ちとなった。

 決勝は藤野vs末永。末永は後追いから寄せたもののミスもあって勝負は再戦にもつれこんだ。2本めは両者ともきれいな近いドリフトを見せて接近ポイントはおなじだったが、後追いでもDOSS点を落とさなかった末永が僅差で勝利。2017年第4戦以来の優勝を決めた。

 なおこのラウンドの結果、ランキング首位の横井と同2位の川畑の差は10ポイントに広がったものの、横井と同3位の中村の差は13ポイント差で変わらなかった。

Semi Final Battle
齋藤 太吾 (A90) vs 藤野 秀之 (ZN8)
藤野は齋藤のスピードについていけず、齋藤はラインが小さくなってしまい、おたがいに相手をとらえられない走りとなった。
Semi Final Battle
中村 直樹 (PS13) vs 末永 正雄 (S15)
ビタビタの接近ドリフトを見せた中村だったが、後追い時に、先行車に優先権がある加速区間で接触してしまったことで減点され、敗れた。
Pick Up Battle
末永 正雄 (S15) vs 手塚 強 (A90)
手塚は後追い時に煙で見えなかったコンクリートブロックにヒット。コントロールを失ってその先の土手にクラッシュした。
Pick Up Battle
横井 昌志 (S15) vs 中村 直樹 (PS13)
ライバルの横井に対してフルマーク12点の接近ドリフトを見せた中村に対し、横井の接近ポイントは6.5にとどまった。
Pick Up Battle
川畑 真人 (ZN8) vs 末永 正雄 (S15)
1本めに末永に大きくリードされ、その差を逆転するべく攻めた川畑だったが、攻めすぎて接触し、姿勢を乱した。
Pick Up Battle
目桑 宏次郎 (RPS13) vs 下田 紗弥加 (S15)
1本め、先行の目桑はバンクのアウト側でテールをヒットして大きくドリフトがもどってしまう。その減点が大きく、下田が勝った。

第8戦 優勝

末永 正雄

D-MAX RACING TEAM
TEAM D-MAX S15 SILVIA 2JZ 3号機 (S15)

 練習の最初はなんとなくできそうだなっていうのがあって、そこからどんどんラバーがのってきたりDOSS点に向けて練習するにあたって、ちょっと一瞬ハマっちゃって、単走ですかぶって(からぶって)。DOSS点は出てるけどゾーンが取れないっていう事態に陥って、DOSS点が出てたからゾーンはずしてもなんとか単走通れたっていう、助けられたかんじでしたね。

 単走でも1ゾーンをとりに行って土に出たりとか練習でも壁に当たったりとかしてたんで、追走に入っても、あんまり2ゾーンをとりにがっつり行って壁に当たってふらつくのもやだし、と考えてなるべく許容のなかでゾーンを取れるようにしつつ、ちゃんとDOSS点を取るっていうのは心がけました。それがたまたまうまくいったんだと思います。

 (中村選手との対戦は) 気合も入りますし、中村選手とはあのエビスの一戦(2021年の接触)がもうトラウマになってるんで……トラウマになってるんですけど、あれぐらいの勢いでいかないと勝てないっていうのわかってるんで思い切って走りました。でも、もうちょっと点をとりたいなっていうのはありますね。

 (ひさしぶりの決勝は) ひさびさすぎて。かつ今日は進行が巻きだったんですね。セレモニーとかもなくトントン拍子に走ってたんで、ベスト8なのか4なのか決勝なのかよくわからないまま、逆にそれがリラックスできたのかもしれないですね。藤野選手とは、おたがいクリーンファイトのなかのサドンデスっていうのは気持ちよかったですね。

 (最後もDOSS点で勝ったが?) やっぱりDOSSでベースを決めるっていうD1のなかで、それをうまく攻略できたのは、めちゃめちゃ自分のなかでうれしいです。(勝って)本当にホッとしてるとかいいようがないですね。


第8戦 2位

藤野 秀之
TEAM TOYO TIRES DRIFT

第8戦 3位

齋藤 太吾
TMAR

第8戦 優勝チーム

D-MAX RACING TEAM

第8戦 ベストメンテナンス

TMAR × TEAM VERTEX

※上位選手のコメントはD1ファンクラブ公式サイトの会員限定記事(近日公開)で読むことができます。


第8戦 追走ハイライト


第8戦 最終順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamMachineTsuiso PointsTanso Points
146末永 正雄D-MAX RACING TEAMS1525 
266藤野 秀之TEAM TOYO TIRES DRIFTZN821 
387齋藤 太吾TMARA90184
499中村 直樹TMAR × TEAM紫PS1316 
570横井 昌志D-MAX RACING TEAMS15133
652北岡 裕輔TEAM MORIJZX100121
738下田 紗弥加Mercury 車楽人 VALINOS1511 
890手塚 強横浜トヨペット × 俺だっ!レーシングA9010 
988川畑 真人TEAM TOYO TIRES DRIFTZN882
1031蕎麦切 広大SHIBATA RACING TEAM SHIBATIREQ607 
1179目桑 宏次郎Freem TEAM G-meisterRPS136 
1277松山 北斗TMARA905 
1398ヴィトー 博貴TEAM紫 TOPTUL × VALINO TIREPS134 
1416山口 孝二Freem TEAM G-meisterS153 
152田中 省己VITOUR RACING SEIMI STYLE DRIFTS152 
1678上野 高広TMAR × TEAM VERTEXGSC101 

第8戦 単走順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamMachinePoints
187齋藤 太吾TMARA9020
270横井 昌志D-MAX RACING TEAMS1516
388川畑 真人TEAM TOYO TIRES DRIFTZN815
452北岡 裕輔TEAM MORIJZX10014
566藤野 秀之TEAM TOYO TIRES DRIFTZN813
631蕎麦切 広大SHIBATA RACING TEAM SHIBATIREQ6012
799中村 直樹TMAR × TEAM紫PS1311
879目桑 宏次郎Freem TEAM G-meisterRPS1310
938下田 紗弥加Mercury 車楽人 VALINOS158
1077松山 北斗TMARA907
1190手塚 強横浜トヨペット × 俺だっ!レーシングA906
1298ヴィトー 博貴TEAM紫 TOPTUL × VALINO TIREPS135
1316山口 孝二Freem TEAM G-meisterS154
1446末永 正雄D-MAX RACING TEAMS153
152田中 省己VITOUR RACING SEIMI STYLE DRIFTS152
1678上野 高広TMAR × TEAM VERTEXGSC101

第8戦 チーム順位&ポイント

Pos.No.TeamDriverPoints
146D-MAX RACING TEAM末永 正雄26
266TEAM TOYO TIRES DRIFT藤野 秀之20
387TMAR齋藤 太吾15
499TMAR × TEAM紫中村 直樹10
570D-MAX RACING TEAM横井 昌志6
652TEAM MORI北岡 裕輔6
738Mercury 車楽人 VALINO下田 紗弥加6
890横浜トヨペット × 俺だっ!レーシング手塚 強6
988TEAM TOYO TIRES DRIFT川畑 真人3
1031SHIBATA RACING TEAM SHIBATIRE蕎麦切 広大3
1179Freem TEAM G-meister目桑 宏次郎3
1277TMAR松山 北斗3
1398TEAM紫 TOPTUL × VALINO TIREヴィトー 博貴3
1416Freem TEAM G-meister山口 孝二3
152VITOUR RACING SEIMI STYLE DRIFT田中 省己3
1678TMAR × TEAM VERTEX上野 高広3

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