D1GP RD.0 富士 詳細レポート

2023 D1 GRAND PRIX EXHIBITION MATCH ROUND ZERO
2023年D1グランプリエキジビションマッチラウンドゼロ
開催日:2023年4月23日(日)
会場:富士スピードウェイ
コースコンディション:ドライ
来場者数:26,845名


単走1位通過の藤野が安定度のある追走で優勝!


単走決勝

Tanso 1st Place
藤野 秀之
TEAM TOYO TIRES DRIFT
TEAM TOYOTIRES DRIFT GR86 #66 (ZN8)
Tanso 2nd Place
川畑 真人
TEAM TOYO TIRES DRIFT
TEAM TOYO TIRES DRIFT GR86 #88 (ZN8)
Tanso 3rd Place
北岡 裕輔
TEAM MORI
TEAM MORI パーツオフ MARKⅡ SHIBATIRE (JZX100)

藤野がハイスピードドリフトを決めて単走優勝

 2023年グランツーリスモD1グランプリシリーズの開幕前、エキシビションマッチの『ラウンドゼロ』が、富士スピードウェイでおこなわれた『モーターファンフェスタ2023』のコンテンツのひとつとして開催された。

 スケジュール等の都合でDOSSは使わず、3名の審判員による採点で競技がおこなわれた。エントリーは16名。そのうち8名が追走トーナメントに進出する。

 競技区間は、昨年の第1戦とほぼ同様。100Rで振り出して、ヘアピンに向けて振り返し、ヘアピンを立ち上がったところで終了というレイアウトだ。

 振り出し位置は審判席から見えないため、振り出しそのものは審査の対象にならないが、その位置は重要だ。振り出し位置しだいで、100R立ち上がりのアウトクリップの位置が決まってきてしまい、その先でどう振り返せるかも大きく影響を受けてくるからだ。

 また、大きく角度をつけて鋭く振り返したほうが評価は高くなるがヘアピンで失速しやすく、安定して旋回するのがむずかしくなるため、絶妙なバランスが求められる単走となった。

 やはり去年の上位選手はレベルが高く、軒並み98点台をマークしたが、なかでも姿勢のふらつきがほとんどなく、高いスピードを維持して、見事な完成度のドリフトを見せた藤野が最高得点をマークした。

 なお、最上、加納、粂、久保川という4人のルーキーがエントリーしていたが、最上、加納、粂はリタイヤ。久保川もあと一歩通過ラインに届かず、追走進出はならなかった。

田中は、1本目はエンジンがフケずに満足のいくドリフトができず、2本目はプロペラシャフトが破損して、単走敗退となった。
今季D1GPにステップアップした久保川は、まだ車両も煮詰まっていない状態でメリハリのある走りはできず、9位で敗退となった。
Pos. No. Driver Car Best Score 2nd Score
1 66 藤野 秀之 ZN8 98.60 97.80
2 88 川畑 真人 ZN8 98.33 98.30
3 52 北岡 裕輔 JZX100 98.30 72.33
4 99 中村 直樹 PS13 98.20 96.60
5 98 ヴィトー 博貴 PS13 98.03 97.90
6 70 横井 昌志 S15 97.97 97.60
7 56 森 孝弘 RPS13 97.17 97.03
8 6 内海 彰乃 S15 96.83 95.00
▲追走トーナメント進出▲
9 12 久保川 澄花 RPS13 96.80 96.07
10 33 石川 隼也 ZN8 96.33 96.23
11 43 田所 義文 AE86 94.40 91.67
12 2 田中 省己 S15 93.33 0.00
51 岩井 照宜 FC3S RETIRE
90 最上 弦毅 A90 RETIRE
93 加納 広貴 S15 RETIRE
8 粂哲也 S15 RETIRE

単走優勝

藤野 秀之

TEAM TOYO TIRES DRIFT
TEAM TOYOTIRES DRIFT GR86 #66 (ZN8)

 (本番前の調子は?) 練習2本しか走ってないですからね。とりあえずその2本を走ってスポッターに「このへんがちがうよ」っていわれたラインを直しただけです。

 (本番1本めは) 練習のときにいわれていた返す位置とかそのへんを気をつけただけです。ただ、気をつけたつもりだけど、やっぱりダメだっていわれてたところで返しちゃってたんです。で、2本目はなんとなく修正して。でも、スポッターからはね、あんまいいかんじの評価なかったから、正直まったくもってイチバンをとれるとは思ってなかったです。感触はなかったです。

 (2本目はどう修正した?) 返す位置を奥にしただけです。それはいちおう1本目からはなんとなく修正して、そんなに感触はなかったんですけど……もう少し気持ちよく、返したあとアクセルがすぐ踏める状態を作りたかったんですよ。ちょっとモタモタしたんで。ただトータル的にはキレイなライン取れてたんで、よかったと思います。

 (単走優勝できた気分は?) とりあえず川畑センパイに勝ったんでうれしいです (笑)。


追走トーナメント

Final Battle   
藤野 秀之 (ZN8) vs 横井 昌志 (S15)
横井は、勝負には敗れたものの、後追いからは近いドリフトを見せ、先行では藤野を引き離すという、積極的な攻めの走りを見せた。

攻めすぎてミスをしたライバルに対し、安定感のあった藤野が優勝

 追走は通常のベスト16からではなく、ベスト8からのトーナメントとなる。なお、この日は追走もDOSSを使わず3人の審判員の判定で勝敗を決める方式が採用された。

 まずベスト8では、中村が地元の後輩のヴィトーと対戦。中村は飛び出しから振り返しまでビタビタの接近ドリフトを見せたが、その先でヴィトーに衝突。ヴィトーを押し出して敗退となってしまった。

 また、元GPスポーツ社員の川畑は、現GPスポーツ社長の森と対戦。その振り出しのタイミングで、森にもミスがあったが、川畑が森を押してしまう。この影響が大きく、川畑もベスト8で敗退した。

 ベスト4に進出したのは藤野、ヴィトー、森、横井。しかしヴィトーはベスト8での接触のダメージが大きく、リタイヤ。いっぽう横井は後追いからあるていど様子を見つつ森に合わせると、先行時には森をよせつけず、決勝進出を決めた。

 決勝は藤野vs横井。1本目は藤野が先行。横井は前半は近いドリフトを見せたものの、振り返し後に詰まってドリフトが戻ってしまう。2本めも藤野に大きなミスはなく、藤野が優勝となった。

Semi FInal Battle
孝弘 (RPS13) vs 横井 昌志 (S15)
横井は毎戦、先行時にスタートから大きく相手を引き離す走りを見せた。あせりからか森は100Rでオーバーランしてしまう。
Pick Up Battle
中村 直樹 (PS13) vs ヴィトー 博貴 (PS13)
クラッシュで足まわりが曲がり、ホイールが割れ、エアロもはがれたヴィトーは修復を断念して準決勝はリタイヤとなった。
Pick Up Battle
藤野 秀之 (ZN8) vs 内海 彰乃 (S15)
内海は後追い時の振り返し後に大きくドリフトがもどる。藤野も後追い時にはもどりがあったが、内海ほどではなく、藤野が勝利。
Pick Up Battle
北岡 裕輔 (JZX100) vs 横井 昌志 (S15)
横井はやや小さめのラインをとりながら北岡にきっちり合わせた。いっぽう北岡は加速で離されて、寄せることはできなかった。

優勝

藤野 秀之

TEAM TOYO TIRES DRIFT
TEAM TOYOTIRES DRIFT GR86 #66 (ZN8)

 けっきょく、ぜんぜん……運がよかったです(笑)。まぁ、先行はまずまず、なりで行っただけです。後追いもまぁ、普通。ただ、データ取りはできたんで。あとクルマもまあまあなんで、あとは、自分だけですね。まぁ、今回はラウンドゼロだし、なんとなくちょっとテストしながら、いろいろできたから、まぁいいかなというかんじです。クルマの欠点と自分の欠点を見つめ直したかんじです。

 (このコースは前半接近しすぎると後半むずかしかったりしないか?) 前半からやっぱりあるていどつかまえてないと、逆に大変だと思います。離されるとやっぱりコースが広いんでどんどん離れていくので。それが決勝はもう横井にブッチされて。

 (横井選手加速よかったですね?) めっちゃ速いんですよ。ぴゅーっと行っちゃいましたからね。ちょっとそのへんは対策しないとね。

 (単走も追走も優勝して心境は?) もうラウンド1から今年1年ぜんぶ運でいきます(笑)。それは冗談ですけど……本当にデータ取りできたんで、奥伊吹からはね、もっとちゃんとできると思うんですけど。

 (観客も多かったが?) やっぱお客さん多いほうが……喋るのはニガテですけど……やっぱ気持ちいいですね。ありがとうございました。


2位

横井 昌志
D-MAX RACING TEAM
TEAM D-MAX S15 SILVIA 2JZ 4号機 (S15)

3位

ヴィトー 博貴
DRIFT STAR Racing × RACING GEAR
TOPTUL RACING GEAR × NGK ワンビア (PS13)

最終順位

Pos.No.DriverTeamCarModelTires
166藤野 秀之TEAM TOYO TIRES DRIFTGR86ZN8TY
270横井 昌志D-MAX RACING TEAMSILVIAS15GR
398ヴィトー 博貴DRIFT STAR Racing × RACING GEARSILVIAPS13VL
456森 孝弘GP SPORTS180SXRPS13VL
588川畑 真人TEAM TOYO TIRES DRIFTGR86ZN8TY
652北岡 裕輔TEAM MORIMARKⅡJZX100SB
799中村 直樹TEAM VALINO × N-STYLESILVIAPS13VL
86内海 彰乃BLUE FACESILVIAS15SA
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