D1GP RD.ZERO 富士 詳細レポート

MOTOR FAN FESTA 2024
2024 D1 GRAND PRIX EXHIBITION MATCH
ROUND ZERO
開催日:2024年4月21日(日)
会場:富士スピードウェイ
コースコンディション:ドライ
来場者数:25,310名

横井がベテランの意地を見せて優勝!


単走決勝

蕎麦切がQ60ラストランで渾身の単走優勝

 今年もシリーズ前のエキシビションマッチとして、ラウンドゼロが富士スピードウェイでおこなわれたモーターファンフェスタのイベントのなかで開催された。

 この大会ではDOSSは使用せず、審判員1名で単走の採点と追走のランク判定を実施。エントリーはルーキーの山中、田野、野村をふくむ19名で、追走は8名でおこなうシステムだ。

 しかし、本番前に発生したマシントラブルの影響で、日比野、石川、松井、田野がリタイヤとなり、出走したのは15名だった。

 競技区間は富士ではおなじみの100Rからヘアピンの立ち上がりまで。100R、ヘアピンそれぞれの角度と、そのあいだの振り返しのするどさが大きなポイントになるが、コーナーで角度をつけすぎると車速が落ちてヘアピンまでドリフトが届かない。かといって角度が浅く、振り返しがヌルいと得点が伸びない。その微妙なバランスがむずかしい単走となった。実際に久保川や山口は、100Rの走りはよかったが、ヘアピンへの距離合わせがうまくいかず敗退。野村はマシンのパワーがまだ不足しているのか、ヘアピンでドリフト維持がつらくなって敗退した。

 そのなかで、今年の第1戦からGR86にマシンチェンジすることが決まっている蕎麦切が、高い車速とするどい振り返しをみせつつ、ドリフトを維持して99.30点を獲得。横井や田中も流れのいい走りで99点台をマークしたが、蕎麦切にはおよばず、蕎麦切がQ60でのラストランで単走優勝を決めた。また、新人のなかでは山中が巧みなマシンコントロールで追走に進出してみせた。

Pos.No.DriverCarBest score2nd score
131蕎麦切 広大Q6099.3098.60
270横井 昌志S1599.2093.70
32田中 省己S1599.1077.00
423村上 満ZN898.5097.50
590山中 真生A9098.3097.30
698ヴィトー 博貴PS1398.0047.00
799中村 直樹PS1397.9095.70
879目桑 宏次郎E9297.0091.00
▲追走トーナメント進出▲
943田所 義文AE8696.5050.00
1011久保川 澄花RPS1396.3094.50
1156森 孝弘RPS1396.2094.00
1251岩井 照宜FC3S95.8094.50
133野村 圭市ER3495.7080.00
1427茂木 武士S1594.5094.00
1516山口 孝二E9293.0080.00
18日比野 哲也ZN8RETIRE
33石川 隼也ZN8RETIRE
7松井 有紀夫FD3SRETIRE
80田野 結希S15RETIRE

単走優勝

蕎麦切 広大

SHIBATA RACING TEAM
MOTUL SHIBATIRE INFINITI Q60 (Q60)

 今回の富士のラウンドゼロがインフィニティで走るのは最後になって、ラウンド1からGR86にチェンジするんですけど、4年間乗った思い入れの強いクルマの最後の勇姿なんで、もうなにも気にせず楽しくこのクルマのできるすべてを出し切ろうと思って走りました。

 1本目から120%でいくつもりだったんですけど、やっぱりいつものクセで、ちゃんと点を取りに行くような走りに勝手になっちゃったんで、けっきょく70%ぐらいになっちゃったかな。そこで、2本目はもっと気合いを入れました。だいたい95%ぐらいの力は出せたかなと思います。まだいけるんですけど、まあまあ決まったかなと思いました。

 単走優勝できて、もちろんうれしいですけど、いちばんうれしいのは追走優勝なんで、全対戦ピッタピタで魅せる走りをしたいと思います。


追走トーナメント

加速で優位に立った横井が蕎麦切に競り勝つ

 追走は山中をのぞけばやはり昨年の上位の常連選手が名を連ねた形になった。そのなかで、村上vs山中の対戦では、村上が先攻時に奥めで振り返す迫力の走りを見せたがヘアピンでオーバーラン。この影響が大きく、山中がベスト4に勝ち上がった。

 また、富士スピードウェイは100Rまでの区間が長いこともあり、そこでの加速が重要になってくる。ベスト8では横井vs中村という好勝負もあったが、過去のラウンドでもここでの加速を得意としている横井が加速で中村を引き離して勝利した。

 ベスト4に進出したのは、蕎麦切、山中、横井、田中。まずは蕎麦切と山中が対戦した。1本目は蕎麦切の振り返し位置が手前すぎて角度が浅くなるミスをしたが、山中も加速区間で間隔を開けられ100Rで振りおくれ気味になり、ヘアピンでも浅くなるなどしてわずかに蕎麦切アドバンテージ。2本目は蕎麦切が近いドリフトを見せて、蕎麦切が決勝進出を果たした。

 準決勝もうひと組は横井vs田中。1本目は先行の横井に対して田中が非常に近いドリフトを見せたが、ヘアピンで横井をプッシュしてしまい両車スピン。これで田中は走行不能になり、横井が勝った。

 決勝は蕎麦切vs横井。1本目は蕎麦切が先行。ここまでは先行時の速さが武器となっていた蕎麦切だったが、横井が100Rでもそれほど大きくは離されず、ヘアピンにかけて寄せていった。わずかに横井アドバンテージ。そして横井先行となった2本目は、横井のスピードに対して蕎麦切が詰めていけず、横井の勝利が決まった。


優勝

横井 昌志

TEAM D-MAX RACING
TEAM D-MAX S15 SILVIA 2JZ 4号機 (S15)

 足まわりのセットをシーズンオフでいろいろ変えて、それもチェックがてらだったから、いろいろ足まわり変えつつ走ってたんで、探り探りだったんですけど、 けっこういいかんじでした。

 クルマも去年の後半からすごい乗りにくい状態だったんで、今年はかなり乗りやすくなったし、タイヤがトーヨータイヤさんになったんで、 ぼくに関してはかなりの武器だと今日は実感しました。単走で走ってても満足できるかんじだったし、追走で相手とくらべることができたんで。富士だとぼくのクルマはパワーがちょっとないほうなんで、つらい場面もあったけど、タイヤのグリップの確認にはなったから、いい調整ができたかなっていうかんじです。

 (決勝の蕎麦切選手との対戦は) コウダイがだんぜん調子よさそうで、しかもぼくが後追いスタートだったんで、けっこうポイントは取りにいかなきゃいけないと思って、気張っていったんですけど、思ったよりコウダイがちょっと遅くて、こっちはそのぶん回転が下がるとパワーがきつくて、角度増せなくて、後追いで思いっきり入れなかったんで、0.5しか取れなかったっていうのが、もうかなりこれはやばいなというところで、逆にスイッチ入って、先行はもう、なんて言うんだろう、もう100点狙いぐらいな先行で行こうと思って走りました。その決勝の最後の先行なんかはもうすごい満足です。

 まぁ、毎年ぼくここでは幸先いいんで、決勝まで行かなかったことないんじゃないかなっていうぐらいなんで、いつもの調子で、去年も2連勝して、筑波も3位3位だったんで、おなじ流れで行けるんじゃないですか、はい。


最終順位

Pos.No.DriverTeamCarModelTires
170横井 昌志TEAM D-MAX RACINGD-MAX S15 SILVIA 2JZ 4号機S15TY
231蕎麦切 広大SHIBATA RACING TEAMMOTUL SHIBATIRE INFINITI Q60Q60SB
32田中 省己SEIMI STYLE SHIBATIRE DRIFTSHIBATIRE TOPTUL D-MAX SILVIA S15S15SB
490山中 真生ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ!レーシングウエインズトヨタ神奈川スープラA90YH
523村上 満Repair Create × Result JapanRepair Create × Result Japan GR86ZN8SB
698ヴィトー 博貴DRIFT STAR RacingBALD EAGLE S13S13VL
799中村 直樹TEAM VALINO × N-styleV8 VALINO N-style SILVIA S13VL
879目桑 宏次郎TOP Team G-meisterG-MEISTER TOP Reality VALINO E92E92VL

TIRES=TY:TOYO TIRES VL:VALINO TIRES SB:SHIBATIRE DL:DUNLOP YH:YOKOHAMA  

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