D1GP RD.2 奥伊吹 詳細レポート

2024 GRAN TURISMO D1 GRAND PRIX SERIES RD.2 OKUIBUKI
2024年グランツーリスモD1グランプリシリーズ第2戦 奥伊吹
開催日:2024年5月12日(日)
会場:奥伊吹モーターパーク
コースコンディション:ドライ→ウエット
延動員数:4,374名(3日間合計)

齋藤太吾はトラブルで決勝戦で走れず、日比野哲也が11年ぶりの優勝!


第2戦 単走決勝

Tanso 1st place
松山 北斗
TEAM TOYO TIRES DRIFT 2
TOYO TIRES DRIFT GR COROLLA (GZEA14H)
Tanso 2nd place
田野 結希
SILVIA (S15)
Tanso 3rd place
蕎麦切 広大
GR86 (ZN8)

雨の混沌のなか、松山がGRカローラでの単走初優勝達成

 2024年グランツーリスモD1グランプリシリーズ第2戦は、第1戦の翌日におなじコースで開催された。

 朝からわずかに小雨が降ったり止んだりという天候だったが、路面が濡れるところまではいっていなかったため、競技もドライでスタートした。しかし、Aグループ後半で明らかに路面が滑るようになり、Aグループは最後に走り直すことになった。

 Bグループからはウエット宣言が出され、グループごとにDOSSのウエット係数が決定されて走行することになる。これによって、単走優勝の順位は全員の得点を横並びで決定するものの、追走進出は各グループの上位4名という方式になる。

 Bグループは軒並み後半のほうが得点が高い傾向があったが、まず田野が後半のコーナーで大きな角度を見せて94.45点をとると、松山は両コーナーの角度などで得点をかせぎ、94.79点をマークしてトップに立った。Cグループでは日比野と蕎麦切が94点台を獲得したが、松山、田野にはおよばない。Dグループはややむずかしいコンディションだったのか、松井の93点台前半が最高で、94点台はとれなかった。

 そしてやり直しのAグループでは、横井がいい振りと角度を見せて94点台に入れてきたが、4番手にとどまり、今季GRカローラを投入したばかりの松山の単走優勝が決まった。

今季D1グランプリシリーズ初参戦。昨年の笹山の車両をベースに作成してきたGR86で走る三好は、振りや安定性でまずまずの走りを見せて追走進出を果たした。
目桑は走りはよかったものの、進入のアウト側ではみ出してしまって減点。追走進出を逃した。
2本目の走行で、通過指定ゾーンをふたつはずして点が伸ばせなかった田中は追走進出を逃してしまった。
ドライ走行時には99.7点という単走優勝も狙える点をとった村上だが、路面の変化でその得点は無効になってしまった。
非常にむずかしそうなBグループ前半できっちり走りをまとめた野村だが、Bグループ後半の選手に点を抜かれて追走進出ならず。
コンディションが悪かったBグループ前半の状況では素晴らしい走りをした中村だったが、全体のなかでは10位の得点に終わった。
Pos.Gr.No.DriverCarBest score2nd score
1B77松山 北斗GZEA14H94.7992.41
2B80田野 結希S1594.4592.92
3C31蕎麦切 広大ZN894.2593.10
4A70横井 昌志S1594.1084.63
5C18日比野 哲也ZN893.9993.40
6A87齋藤 太吾A9093.6775.98
7A66藤野 秀之ZN893.5193.39
8A23村上 満ZN893.2590.46
9D7松井 有紀夫FD3S93.1687.13
10B99中村 直樹PS1392.7190.17
11D88川畑 真人ZN892.4492.38
12D98ヴィトー 博貴PS1392.4190.58
13B33石川 隼也ZN892.0662.71
14D89Lattapon KeawchinZN892.0391.99
15C90山中 真生A9092.0018.14
16C10三好 隼人ZN890.9489.02
▲追走トーナメント進出▲
17A93加納 広貴S1593.1872.97
18A27茂木 武士S1592.4587.51
19D51岩井 照宜FC3S91.9890.42
20B84波紫 聖和ER3491.8986.20
21A78上野 高広GSC1091.7591.04
22A11久保川 澄花RPS1391.6289.12
23D2田中 省己S1591.5786.69
24A79目桑 宏次郎E9291.3691.05
25B3野村 圭市ER3491.0089.79
26B16山口 孝二E9290.9389.37
27B21Tengku Dian LeyZN890.8389.72
28D95Daychapon ToyingcharoenS1590.8266.37
29B63Konpichit ToyingcharoenRPS1389.5219.25
30C55松川 和也AE8588.7582.46
31C75畑中 夢斗JZX10085.8158.84
32C12Mike WhiddettS102W84.8657.82
33C56森 孝弘RPS1363.1562.40
C86笹山 栄久ZN8DNS

第2戦 単走優勝

松山 北斗

Team TOYO TIRES DRIFT 2
TOYO TIRES DRIFT GR COROLLA (GZEA14H)

 単走優勝できるほどとは思ってなかったですけど、乗りやすいので、予選通過して戦える状態ではあるなとは思ってました。

 金曜日にエンジンブローして、昨日ちょっといたわりながら走って、 完全ではないんですよ、いまも。で、今日の朝も壊したらイヤなんでチェックラン走らなかったぐらいで。でも順調に行って、ちょっと運みたいな部分もありましたけど、結果が出てよかったかな。

 (ウエットはどうだった?) 事前には、クルマ的には乗りやすいのかなと思ってて。で今日雨降ってはじめて走ったんですけど、雨が思った以上に乗りづらくて、 ウォームアップで普通にスピンしたりとかしたんで、やばいなと思って。で、ちょっと気を付けながら走って、点数はなんとか出ましたけど。

 (GRスープラのときにもここで単走優勝しているが) そうですね。(GRカローラは) ドライだとちょっとあんまり機敏な動きっていうのはできなかったんですけど、雨になったら逆にそれがすごい機敏になって、それが点数にも繋がったのか。ちょっと乗りづらいは乗りづらいんですけど。

 (自分の手応えはどうだった?) けっこういい点が出るなとは思いました。 振り出しとかはやっぱりすごいピーキーなんですけど、旋回中はすごい安定してるクルマなので、なんか安心して乗れるというか。GRスープラだとピクピク動いちゃって、それをDOSSが拾って点数下がったりするし、そういうのがないんで、点数出るかなとは思ってました。

 (GRカローラでまずひとつ結果を出して) そうですね。とりあえずホッとしてますね。金曜日のどうしようっていう状態からすると、いいかんじです。


第2戦 単走ダイジェスト


第2戦 追走トーナメント

Final Battle   
日比野 哲也 (ZN8) vs 齋藤 太吾 (A90)
決勝は日比野の勝ち名乗り走行だけとなった。なお、これで日比野はAE86、ZN6、ZN8と新旧3世代のハチロクで優勝したことになる。

齋藤が走行できず、日比野が11年ぶりの優勝!

 ベスト16の最初の対戦では1本目にアドバンテージをとっていた松山が2本目の走行でドライブシャフトを破損し、三好が逆転でD1GP初勝利を決めた。そのほかの対戦はすべて単走の上位選手が勝つ順当な展開になったが、なかには、田野vs山中、藤野vs中村、齋藤vs川畑といったライバル対決があり、田野、藤野、齋藤がそれぞれ勝った。

 ベスト8では三好も攻めの走りを見せたが寄せた距離の差で村上が勝利、藤野は接近ポイントでは勝ったが、DOSS点を落として田野に負けた。横井と蕎麦切はミスをして敗退した。

 ベスト4に勝ち上がったのは村上、日比野、田野、齋藤。まずは村上と日比野が対戦した。おたがいに終始ビタビタまではいかない展開だったが、接近ポイントとDOSS点の差で日比野が勝った。

 田野vs齋藤の対戦は、同ポイントで再戦にもつれたが、最初の走行で接触したダメージがあったのか、再戦の1本目に田野が振り出しでスピン。この影響が大きく齋藤の勝ちとなった。

 決勝は日比野vs齋藤というカードだ。しかし、スタート地点で齋藤の車両の電気系統が落ち、エンジン始動が不能になってしまう。これで日比野の11年ぶりの優勝が決まった。

Semi Final Battle
村上 満 (ZN8) vs 日比野 哲也 (ZN8)
日比野が全体的に近いドリフトを見せたのに対し、村上は途中でやや後れをとる場面があり、日比野が勝った。
Semi Final Battle
田野 結希 (S15) vs 齋藤 太吾 (A90)
再戦では、先行時のスピンで大きく減点された田野だが、後追いでは後半にかけて見事な接近ドリフトを見せた。
Pick Up Battle
田野 結希 (S15) vs 山中 真生 (A90)
D1ライツからのライバルが早くもD1GPで対決。この対戦では田野が接近ポイントで大きくうわまわった。
Pick Up Battle
藤野 秀之 (ZN8) vs 中村 直樹 (ZN8)
D1ストリートリーガル時代からのライバル対決。中村に失速とゾーンはずしがあり、藤野が勝った。
Pick Up Battle
齋藤 太吾 (A90) vs 川畑 真人 (ZN8)
D1GPのベテラン対決。川畑がアグレッシブな走りを見せたがミスもあって齋藤の勝ちになった。
Pick Up Battle
蕎麦切 広大 (ZN8) vs 齋藤 太吾 (A90)
1コーナー奥で先行の蕎麦切が失速した際に接触があり、蕎麦切の減点が大きく、齋藤の勝ちとなった。

第2戦 優勝

日比野 哲也

SHIBATA RACING TEAM
MOTUL GR86 SHIBATIRE 18 (ZN8)

 なんか11年ぶりみたいで。決勝は何度も顔出してて表彰台も上がってるけど、優勝ってほんとになかなかなかったなと思って。いま振り返ると。

 今年、べつに去年からクルマはそんなに大幅な変更なくて、だから乗り慣れてきたっていうのがいちばん大きいと思います。で、はじめはね、ちょっとリスクもあるのでコースいっぱい使うのがむずかしかったんですけど、慣れてきて、角度つけて走れるようになったんで、まあまあいけるようになったんですね。

 (ウエット路面はどうでしたか) オレの場合、雨だからなんかやろうとかはなくて、ただ、みんながたぶん自爆するのわかってるから、自分はミスらないように走ろう、みたいな。もうそういう切り替えができてたかもしれないですね。 

 (追走も余裕を持ってできてた?) 後追いで先行とおなじことやればおなじ点数出るんで、どこで無理して、どこで引かれるかっていうところまで考えてたんですけど。意外に自分先行でポイント取ってた時が多かったから、 攻める必要ないかなっていうかんじで安パイで行って。横井のときはちょっとね、やっぱりうまいじゃないですか。だから、もうミスらないんだろうなと思って、あのときに1回ちょっとしっかり追走やってみようって。で、やってみたら引き際をまちがえて、ちょっと……(笑)。ひさしぶりにあんな近いとこ走ったから、ちょっとうれしくなっちゃって。ちょっとね、いつもより入っちゃったね。いや、やっぱりね、最近ほんとにああいうガチな追走ってあんまりやってなかったから。でも今年ちょっとできそうなクルマなんで追走はがんばろうかなって思ってます。

 (決勝はできませんでしたが) ラッキーです。お客さんはね、追走見たかったと思うんだけど、やっぱオレね、無事にクルマを返したいから。ちょっと今日の太吾はクラッシャーだったから、あんまり走りたくなかった(笑)。 

 (いまの調子だと、今年けっこういけそう?) コウダイとも話してるんですけど、コウダイのクルマも軽くなったし。で、GRで共有部品もあるから、2台揃ってスペック一緒にあげていって。で、走らせかたもね、勉強すれば たぶんおたがいおなじぐらい点数出るんで、今日も出てたッスよね。だから、そういう作戦も組めるようになったんで、チーム優勝ももちろん狙ってますし、コウダイをチャンピオンにするっていうところもやっぱりオレは後押ししたいんで。だからそのへんはまぁコウダイがコケたらオレががんばるみたいな、そんな気持ちでやってます。


第2戦 2位

齋藤 太吾
FAT FIVE RACING

第2戦 3位

田野 結希
TEAM D-MAX RACING

第2戦 優勝チーム

SHIBATA RACING TEAM

第2戦 ベストメンテナンス

ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ!レーシング

D1ファンクラブサイトには上位選手の大会後コメント(有料会員限定記事)が掲載されています。


第2戦 追走ダイジェスト


第2戦 最終順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarModelTsuiso pointsTanso points
118日比野 哲也SHIBATA RACING TEAMGR86ZN825 
287齋藤 太吾FAT FIVE RACINGGR SUPRAA9021 
380田野 結希TEAM D-MAX RACINGSILVIAS15183
423村上 満Repair Create × Result JapanGR86ZN816 
531蕎麦切 広大SHIBATA RACING TEAMGR86ZN8132
670横井 昌志TEAM D-MAX RACINGSILVIAS15121
766藤野 秀之TEAM TOYO TIRES DRIFT GR86ZN811 
810三好 隼人Team MJ-STYLE VALINOGR86ZN810 
977松山 北斗TEAM TOYO TIRES DRIFT 2GR COROLLAGZEA14H84
107松井 有紀夫TEAM RE雨宮 マツモトキヨシ シバタイヤRX-7FD3S7 
1199中村 直樹TEAM VALINO × N-STYLESILVIAPS136 
1288川畑 真人TEAM TOYO TIRES DRIFT GR86ZN85 
1398ヴィトー 博貴DRIFT STAR RacingSILVIAPS134 
1433石川 隼也広島トヨタ team DROO-PGR86ZN83 
1589Lattapon KeawchinNEXZTER DRIVE TO DRIFTGR86ZN82 
1690山中 真生ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ!レーシングGR SUPRAA901 

第2戦 単走順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarModelPoints
177松山 北斗TEAM TOYO TIRES DRIFT 2GR COROLLAGZEA14H20
280田野 結希TEAM D-MAX RACINGSILVIAS1516
331蕎麦切 広大SHIBATA RACING TEAMGR86ZN815
470横井 昌志TEAM D-MAX RACINGSILVIAS1514
518日比野 哲也SHIBATA RACING TEAMGR86ZN813
687齋藤 太吾FAT FIVE RACINGGR SUPRAA9012
766藤野 秀之TEAM TOYO TIRES DRIFTGR86ZN811
823村上 満Repair Create × Result JapanGR86ZN810
97松井 有紀夫TEAM RE雨宮 マツモトキヨシ シバタイヤRX-7FD3S8
1099中村 直樹TEAM VALINO × N-STYLESILVIAPS137
1188川畑 真人TEAM TOYO TIRES DRIFTGR86ZN86
1298ヴィトー 博貴DRIFT STAR RacingSILVIAPS135
1333石川 隼也広島トヨタ team DROO-PGR86ZN84
1489Lattapon KeawchinNEXZTER DRIVE TO DRIFTGR86ZN83
1590山中 真生ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ!レーシングGR SUPRAA902
1610三好 隼人Team MJ-STYLE VALINOGR86ZN81

第2戦 チーム順位&ポイント

Pos.No.TeamDriverPoints
118SHIBATA RACING TEAM日比野 哲也26
287FAT FIVE RACING齋藤 太吾20
380TEAM D-MAX RACING田野 結希15
423Repair Create × Result Japan村上 満10
531SHIBATA RACING TEAM蕎麦切 広大6
670TEAM D-MAX RACING横井 昌志6
766TEAM TOYO TIRES DRIFT 藤野 秀之6
810Team MJ-STYLE VALINO三好 隼人6
977TEAM TOYO TIRES DRIFT 2松山 北斗3
107TEAM RE雨宮 マツモトキヨシ シバタイヤ松井 有紀夫3
1199TEAM VALINO × N-STYLE中村 直樹3
1288TEAM TOYO TIRES DRIFT 川畑 真人3
1398DRIFT STAR Racingヴィトー 博貴3
1433広島トヨタ team DROO-P石川 隼也3
1589NEXZTER DRIVE TO DRIFTLattapon Keawchin3
1690ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ!レーシング山中 真生3

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