D1GP RD.1 奥伊吹詳細レポート

2025 GRAN TURISMO D1 GRAND PRIX SERIES RD.1 OKUIBUKI
2025年グランツーリスモD1グランプリシリーズ第1戦奥伊吹
開催日：2025年5月10日(土)
会場：奥伊吹モーターパーク(滋賀県)
コースコンディション：ウェット→ドライ
延動員数：4,075名(3日間合計)

村上の初優勝を阻止した目桑が開幕戦を制す！

第1戦単走決勝

乾いていく路面で最終走者の田中が最高得点

　前日の公式練習日は最初のチェック走行後に強風をともなう大雨になり、走行は中止。その影響もあり、2025グランツーリスモD1GPシリーズ開幕戦は、当初の予定よりスケジュールを約1時間遅らせておこなわれた。本番前にDOSS点が出たのは決勝日の朝のチェック走行だけだ。

　朝まで雨が残っていたので、単走はウエット路面でスタートした。したがって追走トーナメントへの選抜はウエット時の方式となり、全体の上位16名ではなく、4つの走行グループのなかの各上位4名が追走進出となる。いっぽうで単走決勝の順位は、16位以上は単走通過者のなかでの得点順位で、17位以下は単走敗退者のなかでの得点順位で決められる。

　単走は路面がしだいに乾いていく状況でおこなわれた。2025年からはDOSS点にウエット係数が使われないことになり、路面のむずかしさがそのまま得点に影響する。最初に走行したAグループは全面的にウエットだったため比較的走りやすく、まだらに乾いてきたBグループが非常にむずかしい状態。その後、乾いた部分が増えてきたCグループからは高得点が出やすくなり、Dグループ走行時はほぼドライという状態になった。

　Aグループではポップが最高得点を出したが、よりむずかしい路面状況で走ったBグループの蕎麦切がバグツンの走りでそれをうわまわる。しかし、Cグループ以降は、いとも簡単にそれをうわまわる得点が続出し、最高得点がどんどん更新された。

　そしてDグループ最初の走者である目桑が97.98点を出すと、最後から2番目の走者である中村(直)が強烈な角度を見せて98.78点を獲得し、トップに立つ。しかし最後に走行した田中が、するどい振りと躍動性、そして安定性も備えたきれいな走りで98.99点をマーク。単走優勝を決めた。

Pos.	Gr.	No.	Driver	Car	Best score	2nd score
1	D	2	田中省己	S15	98.99	98.63
2	D	99	中村直樹	PS13	98.78	97.97
3	D	79	目桑宏次郎	E92	97.98	96.68
4	D	70	横井昌志	S15	97.41	45.15
5	C	88	川畑真人	ZN8	96.16	77.72
6	C	80	田野結希	ZN8	96.10	86.76
7	C	77	松山北斗	GZEA14H	95.43	94.74
8	C	23	村上満	ZN8	93.55	67.82
9	B	31	蕎麦切広大	ZN8	93.14	93.13
10	A	89	Lattapon Keawchin(ポップ)	F22	92.35	89.21
11	A	18	日比野哲也	ZN8	91.89	90.02
12	B	66	藤野秀之	ZN8	89.52	82.43
13	B	7	松井有紀夫	FD3S	89.25	87.61
14	A	90	山中真生	A90	89.19	88.20
15	B	3	野村圭市	ER34	88.87	78.98
16	A	95	Daychapon Toyingcharoen(ポン)	ZN8	88.40	75.89
▲ 追走トーナメント進出 ▲
17	D	33	石川隼也	ZN8	96.43	96.24
18	D	50	石井亮	JZX100	96.42	91.40
19	D	93	加納広貴	S15	95.97	93.66
20	C	52	星涼樹	GZEA14JH	91.41	18.22
21	C	30	中田哲郎	JZX100	90.78	87.39
22	C	55	松川和也	AE85	89.81	62.93
22	B	14	玉城詩菜	ZN6	88.84	86.78
23	C	75	畑中夢斗	JZX100	88.74	78.26
25	A	81	和田賢志郎	S15	87.75	18.46
26	A	32	多田康治	ZN8	87.74	77.08
27	A	51	岩井照宜	FC3S	87.69	86.36
28	B	8	稲岡拓也	RPS13	87.39	DNS
29	B	78	上野高広	GSC10	87.07	86.19
30	C	56	森孝弘	RPS13	86.77	65.52
31	B	98	土居雅和	PS13	86.35	79.84
32	A	76	中村龍	PS13	86.15	84.93
33	A	43	田所義文	AE86	84.21	77.57
34	A	10	三好隼人	ZN8	79.28	77.74
35	B	63	Konpichit Toyingcharoen(ペイ)	S15	78.33	43.92
36	D	27	茂木武士	S15	67.11	18.68
37	D	15	藤原優汰	S15	66.92	47.70
38	B	9	粂哲也	GF-S15	58.88	0.00

第1戦単走ダイジェスト

第1戦単走優勝

田中省己

SEIMI STYLE SHIBATIRE DRIFT
SHIBATIRE TOPTUL D-MAX SILVIA S15 [S15]

　木曜日(※非公式練習日)から調子よくて、ドライはもう完璧で、ほぼほぼ問題なかったので、あとは「ドライになれば」と思っていたので、最後はクジ運がよかったです。ドライで走れたんで。もう全部予定通りですね。

　途中、路面の変化をずっと見てて、そのなかで「1本目はこうだろう」と予想して走って「やっぱりそうだ。じゃあ、2本目はこのくらい攻めたらこのくらいの点が出るだろう」って、全部予定通りでしたね。読み通りです。ばっちりでしたね

　(1本目は何割くらい？) 8割くらい。それで、点数もだいたい予定通りでしたね。

　(その後に中村直樹選手がより高得点を出していたが) それは聞いてなかったんですけど、予想はしてたから聞こうとは思ってなかったです。直樹が抜こうが抜くまいが、僕は次に99点を出すって決めてたんで。自分との戦いです。

　(2本目は) そこからもっと思いきって。こうやれば出るだろうっていうのを全部やったんで、予定通りです。1セク、2セクの角度をちょっと増したのと、あと3セクの振りもよくして、ちょっと4セクはモタモタしちゃったんすけど、プラスして上げていったぶんが全部はまったかんじですね。

　自分としては90点ぐらいで、100点ではないですけど……最高で99.2、3は出るはずだったんで、ちょっとそこは甘かったので。でも本当に緊張感もちょうどよくてめちゃくちゃ気持ちよかったです。もう最高ですね。ひさしぶりの単走優勝なんでめちゃくちゃうれしいです。地元やし。

第1戦追走トーナメント

クラッシュ覚悟の接近戦の応酬のなかで目桑が抜け出す

　クラッシュが非常に多かったが、見応えはあった。それは、スキルやメンタルの不足によるクラッシュというよりは、攻めの走りの結果、ちょっとした読みちがいやスタイルのちがいによるものが多かったからだ。とくに振り返し区間のコース幅が狭まったことにより、後半の左コーナーへのアプローチがドライバーによって異なり、接触が頻発した。

　ベスト16でも好調だった蕎麦切が後半のコーナー進入で村上をプッシュ。田野vs日比野も田野が日比野に接触してしまった。なお松山vsポップはおたがいに接近戦を見せたが、後追い時のDOSS得点の差でポップが勝った。目桑vs山中もおたがいに接近ドリフトを見せたが山中が先行時にゾーンはずしとインカット減点があって目桑が勝った。

　ベスト8は接近ポイント10以上の走りが連発したが、4対戦のうち3対戦で接触によって勝負がついた。横井vs川畑の対戦は、川畑に追突された横井が走行不能になってリタイヤ。村上、川畑、ポップ、目桑がベスト4に勝ち上がった。

　準決勝最初の対戦は村上vs川畑だったが、川畑の車両はパワステトラブルが直しきれず走行前にリタイヤ。ポップvs目桑はポップのクラッシュで目桑が勝った。

　決勝は村上vs目桑。1本目は村上が先行。後追いの目桑はビタビタまではいかないものの、進入から距離を詰めて終始近いドリフトを見せる。目桑が7.5のアドバンテージ。2本目は目桑が先行。後追いの村上は目桑ほどの接近ポイントはとれず、目桑がBMWでの初優勝となった。

第1戦追走ダイジェスト

第1戦優勝

目桑宏次郎

VALINO TEAM G-Meister
G-MEISTER Reality VALINO E92 [E92]

　練習から調子は悪くなくて、いろいろ試しながら練習も走れてましたね。単走の本番は、あのグループだと普通にもうこれドライだなって思ってたんで、ちゃんと点数出さないと、グループで落とされちゃうなと思ったんでそこはちょっと集中して今回はやりました。

　(追走前の自信は？) クルマは思い通りに動かせるとまではいってなかったんすけど、もっと精度の高い、いい追走したいんですけど、でもいまできるなかで手堅く行くっていうのが今日は結果的に正解だったし、そういう意識はあったんで、そのなかで勝ちながらもっと精度とか腕を上げたいなっていうかんじでやっていました。

　(決勝は) ……なんか微妙でしたね(苦笑)。明らかにどっちが勝っただろうっていうような、そういう走りをしたかったんですけど、なかなかそれができできなかったかんじですね。ただ、とにかくミスしないっていうことはもちろんですし、勝つためにっていうところは意識して走ってました。

　(これで今シーズンの目標は？) シリーズやっていけばいろいろ調子いいとき悪いときが多少は出てくるとは思うんですけど、そのなかでも去年よりベースがよくなったのはあきらかだと思うんで、きっといい方向に行くと思います。

　やっぱシリーズを上位でいくのがイチバンの目標なので、今日とりあえずラウンド内での優勝はできたから、それはまずひとつOKかなってとこなんすけど、もちろん次回以降も優勝を目指しますし、そしてポイントを着実に重ねられるようにしていきたいですね。

第1戦 2位

第1戦 3位

第1戦優勝チーム

第1戦ベストメンテナンス

第1戦最終順位&ポイント

Pos.	No.	Driver	Team	Car	Model	Tsuiso points	Tanso points
1	79	目桑宏次郎	VALINO TEAM G-Meister	–	E92	25	2
2	23	村上満	Repair Create × Result Japan	GR86	ZN8	21
3	88	川畑真人	Team TOYO TIRES DRIFT 1	GR86	ZN8	18
4	89	Lattapon Keawchin(ポップ)	NEXZTER drive to drift academy	–	F22	16
5	2	田中省己	SEIMI STYLE SHIBATIRE DRIFT	SILVIA	S15	13	4
6	99	中村直樹	TEAM VALINO × N-STYLE	SILVIA	PS13	12	3
7	70	横井昌志	TEAM D-MAX RACING	SILVIA	S15	11	1
8	18	日比野哲也	SHIBATA RACING TEAM	GR86	ZN8	10
9	80	田野結希	Team TOYO TIRES DRIFT 2	GR86	ZN8	8
10	77	松山北斗	Team TOYO TIRES DRIFT 2	GR COROLLA	GZEA14H	7
11	31	蕎麦切広大	SHIBATA RACING TEAM	GR86	ZN8	6
12	66	藤野秀之	Team TOYO TIRES DRIFT 1	GR86	ZN8	5
13	7	松井有紀夫	TEAM 雨宮マツキヨ MINIGT シバタイヤ	RX-7	FD3S	4
14	90	山中真生	ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ！レーシング	GR SUPRA	A90	3
15	3	野村圭市	URAS RACING	SKYLINE	ER34	2
16	95	Daychapon Toyingcharoen(ポン)	TEAM VERTEX	GR86	ZN8	1

第1戦単走順位&ポイント

Pos.	No.	Driver	Team	Car	Model	Points
1	2	田中省己	SEIMI STYLE SHIBATIRE DRIFT	SILVIA	S15	20
2	99	中村直樹	TEAM VALINO × N-STYLE	SILVIA	PS13	16
3	79	目桑宏次郎	VALINO TEAM G-Meister	–	E92	15
4	70	横井昌志	TEAM D-MAX RACING	SILVIA	S15	14
5	88	川畑真人	Team TOYO TIRES DRIFT 1	GR86	ZN8	13
6	80	田野結希	Team TOYO TIRES DRIFT 2	GR86	ZN8	12
7	77	松山北斗	Team TOYO TIRES DRIFT 2	GR COROLLA	GZEA14H	11
8	23	村上満	Repair Create × Result Japan	GR86	ZN8	10
9	31	蕎麦切広大	SHIBATA RACING TEAM	GR86	ZN8	8
10	89	Lattapon Keawchin(ポップ)	NEXZTER drive to drift academy	–	F22	7
11	18	日比野哲也	SHIBATA RACING TEAM	GR86	ZN8	6
12	66	藤野秀之	Team TOYO TIRES DRIFT 1	GR86	ZN8	5
13	7	松井有紀夫	TEAM 雨宮マツキヨ MINIGT シバタイヤ	RX-7	FD3S	4
14	90	山中真生	ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ！レーシング	GR SUPRA	A90	3
15	3	野村圭市	URAS RACING	SKYLINE	ER34	2
16	95	Daychapon Toyingcharoen(ポン)	TEAM VERTEX	GR86	ZN8	1

第1戦チーム順位&ポイント

Pos.	No.	Team	Driver	Points
1	79	VALINO TEAM G-Meister	目桑宏次郎	26
2	23	Repair Create × Result Japan	村上満	20
3	88	Team TOYO TIRES DRIFT 1	川畑真人	15
4	89	NEXZTER drive to drift academy	Lattapon Keawchin(ポップ)	10
5	2	SEIMI STYLE SHIBATIRE DRIFT	田中省己	6
6	99	TEAM VALINO × N-STYLE	中村直樹	6
7	70	TEAM D-MAX RACING	横井昌志	6
8	18	SHIBATA RACING TEAM	日比野哲也	6
9	80	Team TOYO TIRES DRIFT 2	田野結希	3
10	77	Team TOYO TIRES DRIFT 2	松山北斗	3
11	31	SHIBATA RACING TEAM	蕎麦切広大	3
12	66	Team TOYO TIRES DRIFT 1	藤野秀之	3
13	7	TEAM 雨宮マツキヨ MINIGT シバタイヤ	松井有紀夫	3
14	90	ウエインズトヨタ神奈川 × 俺だっ！レーシング	山中真生	3
15	3	URAS RACING	野村圭市	3
16	95	TEAM VERTEX	Daychapon Toyingcharoen(ポン)	3