11月15、16日にお台場特設会場で最終ラウンドを迎える2026年のD1グランプリシリーズ。この『TOKYO DRIFT』では、海外で活躍するレッドブル・アスリートのコナー・シャナハンとその兄であるジャック・シャナハンのふたりが参戦することが決定した。
ジャック・シャナハンは1999年生まれの27歳。2015、2016年にBritish Drift Championshipプロクラスで連覇を果たし、ヨーロッパのDrift Mastersで活躍。2025年からはDrift Mastersと合わせて、アメリカのフォーミュラ・ドリフトにも参戦している。
D1グランプリ最終戦『TOKYO DRIFT』への参戦は夢だったと語るジャック・シャナハンのインタビューをお届けする。
11歳からドリフトに魅了される
『TOKYO DRIFT』参戦に対し、「25周年、そして26周年という素晴らしい節目を迎えるD1グランプリにおめでとうを言いたい。これまでずっと日本のD1グランプリに参戦したいと願っていた。今回、ついに参戦する機会をいただけて本当に感謝している。これは幼い頃からの大きな夢だった」
「日本のファンのために最高のドリフトパフォーマンスをお見せするのが待ちきれないし、シャナハン兄弟の走りを心から楽しんでもらえたら嬉しい。参戦を認めてくれたD1グランプリシリーズ、RADBODY、キャロッセCUSCO Racing、そして今回の日本遠征を実現させてくれた関係各位、みなさんに心より感謝している! 本当にありがとう!」と念願の参戦を喜ぶジャック。
モータースポーツ一家で生まれたジャックがドリフトを始めたのは11歳の時だ。
「家族がもともとモータースポーツに熱中しており、両親もオーバルレースやラリーに参加していた。生まれつき血にモータースポーツが流れていたような環境だ。10歳でオーバルレースを始め、11歳でドリフトに出会った。近所に同じドリフトドライバーのジェームス・ディーンが住んでおり、彼のマシンを見るうちにドリフト、つまり横滑りさせて走る格好良さに魅了されたんだ」
「昔からずっと車に囲まれた環境で育ち、クルマが大好きだった。マニュアル車は5歳の頃から運転しており、最初に運転を覚えた車はMk1 フォード・フィエスタだったよ」
「これまで乗ってきたほぼすべてのマシン製作に深く関わってきた。9歳の頃から父や従業員と一緒にオーバルレース用のマシンをいじっていたし、現在では自分のチューニングワークショップを持ち、プロフェッショナルなマシンを一から組み上げる製作や加工まですべて自分で行っている」と語るジャック。初めてのドリフト車両は、ニッサン180SXだった。
「最初のドリフト車両は、1994年式の日本のスポーツカー、ニッサン180SXだった。本格的なチューニングを施したのもその車が最初だったね」
「最初は両親から『自分で働いてクルマを手に入れろ!』と育てられたため、選択の余地なくワーク作業を始めた。だけど、長年やっていくうちに、自分で試行錯誤し、パーツを組み上げていく作業自体に魅了されたんだ。自分のスタイルに合わせた独自のセットアップを追求しているよ」
自分でチューニングを施すジャック。日本のチューニング文化への関心も大きかったようだ。
「敬愛する日本のクルマやチューナーが多すぎて、ひとつに絞れないよ。CUSCO、HKS、東名パワードなど本当に素晴らしいブランドばかりだ。発祥の地である日本のチューナーの皆さんには絶大なリスペクトを抱いているよ。OPTIONやビデオオプションも昔からネットの動画などで見て親しんでいたんだ」

現在、Drift Mastersではトヨタ86GTで参戦しているジャック。
「シルビアS14からトヨタ86に乗り換えたんだ。最初はギャンブルだったが、シャシーの特性を理解し徹底的に乗り込んだ。最初に完成した時はイベント開始3時間前に完成という突貫工事だったけど、予選1位を獲得しベスト8に入ることができた。培った経験があるからこそ今でも愛し続けているマシンだよ」
「(トヨタ86以外の好きなドリフト車は?)やっぱり元祖AE86が大好きだね。緑色のサーキット仕様のAE86を持っていて、僕のお気に入りの一台だ。乗るのが本当に楽しいので、絶対に手放さないよ。飾らない、使い込まれた見た目もあって、アイルランドのハチロク界隈ではかなり知られた存在になっているんだ!」
「A80スープラにもまた乗り始めた。やっぱりしっくりくるね。初めてA80スープラに乗ったとき、事前に一度も走らせたことがなかったのに、ロシアン・ドリフト・シリーズで優勝できた。僕にとって、ドリフトでの動きが最も自然に感じられる車体のひとつなんだ。重量バランスが理由なのかはわからないけど、ドリフトカーはこう動いてほしい!と思う車だね」
D1グランプリは自分の走りを表現できる
「D1グランプリは走り始めた頃からずっと憧れ、見守っていたチャンピオンシップだ。D1スタイルは私にとって走りのモチベーションになっているよ。最初に会ったD1ドライバーは、アイルランドに参戦しに来た齋藤太吾選手だったね」
「D1ドライバーたちが魅力に感じるのは、あのドライビングスタイルと熱気だ。激しい走り、強烈な振り出し、そして最高のルックスのマシンたち。齋藤太吾選手、中村直樹選手、チームTOYO TIRES 川畑真人選手などは、みんな僕のヒーローだよ」
「マシンを素早く向きを変えさせる技術を見るのが大好きなんだ。アメリカやヨーロッパの大会と違って自由度が高く、個人のスタイルを表現できる。ずっと憧れだった日本のD1グランプリシリーズに参戦し、自分の走りを表現できることが楽しみで仕方がないね」とD1グランプリの魅力を語る。
2018年からDrift Mastersには参戦し、2025年からはフォーミュラ・ドリフトにも本格参戦するジャック。2026年はDrift Mastersでシリーズ5位を獲得し、フォーミュラ・ドリフトでも上位につけている。
「Drift MastersではThe Shanahans(ザ・シャナハンズ)というチームで参戦している。ドライバーのほか、マシン製作やトラック管理まで手掛けているよ。親友のロイド、ポッジ、コルムがメカニックやチューナーとして支えてくれ、ガールフレンドのコーリーが全般のマネージメントを担当してくれているんだ」
「コースに出る前は仲間たちとリラックスした雰囲気でジョークを言い合い、楽しむことをチームとして大切にしている。自分たちは楽しむために走っているという気持ちを忘れないようにね」
ジャックが理想とするドリフトについて尋ねると、「僕にとっての理想のドリフトは、強烈な振り出しと大きなアングル、そして最高速を伴った攻めの走りだよ。限界まで攻めた走りをして、ファンのみなさんにとってこれ以上ないくらいエンターテインメント性のあるスピードと角度、激しい振り返しの走りを届けたいね」とコメント。
また意識しているドリフトドライバーに対しては、「弟のコナーとジェームス・ディーンだね。ふたりとも世界最高峰のドライバーだ。D1グランプリでは、蕎麦切広大選手や他の若手選手、そして今シーズン素晴らしい走りを見せているスリータイムスチャンピオンの横井昌志選手とバトルできるのがとても楽しみだよ! もちろん齋藤太吾選手や中村直樹選手も意識している」と語るジャック。
「日本での参戦は今回が初めてなので、現地に着いてからいろいろと手探りで進めることになる。D1ドライバーたちのスタイルをしっかり観察し、練習走行から集中して順応していきたいと思っている。夢にまで見たD1グランプリシリーズの走りを全力で楽しみたいね」
「ずっと夢だったフロントガラスにD1グランプリのハチマキを貼って走れることに感動しているんだ。憧れ続けたD1グランプリシリーズ戦のコース上で、日本の素晴らしいドライバーたちと一緒に走れる瞬間を全身で噛みしめたいと思っている」と最後にお台場への意気込みを語ってくれた。
日本最高峰のドリフトバトルの最終決戦。そして、世界で活躍するコナーとジャックのシャナハン兄弟が参戦する『TOKYO DRIFT』。25周年のメモリアルシーズンを締めくくる戦いにぜひ注目してほしい。

