D1GP RD.8 筑波 詳細レポート


■コースコンディション:ドライ

最終戦は小橋が勝って有終の美を飾る!


単走

1日で進化した小橋が最高得点!

Tanso 1st Prace
小橋 正典 (LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE)
SILVIA (S15)
Tanso 2nd Place
中村 直樹 (S15)
Tanso 3rd Place
齋藤 太吾 (A90)

シリーズチャンピオンは前日に決まったが、まだ単走シリーズタイトルは残されていた。そのなかで、まずランキング2位の横井と同首位の藤野がAグループに登場した。横井はとくに前半で得点を稼ぎ、98.8点をマークする。

いっぽう藤野は最初の振り出し直後の角度や1コーナーでの角度で点を稼いだものの、ストレートでの振り返しやヘアピンでの角度はいまひとつで、97.8点にとどまった。なお、Aグループでは齋藤が98.9点をとってトップに立った。

Bグループでは齋藤をうわまわる得点は出なかったが、Cグループに前日の単走優勝者である中村が登場。中村はヘアピンに向けての振り出しや、1コーナーとヘアピンの安定性などで点を稼いで99.2点を獲得し、またしてもトップに躍り出た。

しかし、この日は小橋の走行順のほうが後だった。単走チャンピオンも狙っていた小橋はDグループで出走。2本めに中村より高い車速をマークし、すべてのコーナーで大きな角度をつけ、姿勢も安定したドリフトを見せて最高得点となる99.61点をマークした。

これで小橋の単走優勝が決まったが、横井が単走4位になったことで、横井の単走シリーズチャンピオンが決まった。

横井はストレートでのキレのある振り返しを見せ、高い車速から大きい角度で1コーナーを旋回した。
単走ランキングで首位にいた藤野だが、2本めの走行で1本めの得点をうわまわることができず、97点台にとどまった。
前日はウエイストゲートの配管トラブルで追走進出はならなかった松山だが、この日は8位の得点をマークした。
パワーが出ず、なんとか15位で通過した上野。インタークーラーのトラブルだったと単走後に判明した。
駆動系のトラブルで1本めはドリフトできず、2本めはリタイヤ。波紫は2戦連続で単走敗退となってしまった。
つねに高い車速をマークしている畑中だが、今回は最初の振り出し直後のセクターで角度が足りず、単走敗退となった。
Pos.No.DriverMachineBest Score2nd Score
14小橋 正典S1599.6198.35
299中村 直樹S1599.2497.20
387齋藤 太吾A9098.8878.95
470横井 昌志S1598.8197.30
57松井 有紀夫FD3S98.7297.97
652北岡 裕輔JZX10098.7197.91
718日比野 哲也S1498.4278.79
877松山 北斗A9097.8796.96
966藤野 秀之RPS1397.7797.27
1031蕎麦切 広大Q6097.6597.09
112田中 省己S1597.5393.54
1246末永 正雄S1597.0794.95
139末永 直登S1596.8896.60
145内海 彰乃S1596.6595.94
1578上野 高広GSC1096.1096.08
1690川畑 真人A9096.0759.17
▲追走トーナメント進出▲
1719川井 謙太郎JZX10095.9779.53
1845畑中 真吾GX10095.9195.06
1933笹山 栄久JZX10094.7894.20
2043田所 義文AE8694.1984.37
2116山口 孝二S1593.7672.63
2291村上 満A9091.2891.03
2330中田 哲郎JZX10087.6971.16
2427茂木 武士S1571.3452.54
2511波紫 聖和S150.000.00

単走優勝

小橋 正典

LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE
Team ORANGE SILVIA S15-2JZ (S15)

前日とセットアップを変えて、それがうまくいって、全体的なコーナリングとストレートスピードも上がって、それで結果点数を上げることができたかな、と思います。

本番のときは、1本めで、ちょっと2セク、3セクあたりでミスをしてしまい、それで点数が落ちてしまったので、本当は1本で決めたかったんですが、なんとか2本めで決めることができました。

単走優勝は単走のシリーズもかかっていたので、結局ポイント差で横井選手の優勝となったんですけど「あわよくば」「とれればな」と思っていたので、そこは欲張ってみたんですけどね。


追走トーナメント

小橋が最多タイのシリーズ5勝め!

Final Battle   
小橋 正典 (S15) vs 中村 直樹 (S15)
先行時はお互いにDOSS点98という高得点。後追い時の接近ポイントは中村10点に対し小橋11点だった。

追走、単走ともにチャンピオンは決定していたが、前日は上位選手全員が不完全燃焼だったことから、熱気を帯びた追走トーナメントとなった。

しかし、ベスト16では、前日のダメージから、クルマのフィーリングにわずかに違和感があった藤野はやや走りが慎重になってしまい、得点は同点だったものの先行時のDOSS点で松山に敗北。前日のリターンマッチとなった北岡vs田中は、北岡が攻めの走りをしたもののミスで敗北。雪辱はならなかった。

ベスト4に勝ち上がったのは小橋、横井、中村、齋藤。こちらも前日のリターンマッチとなった小橋vs横井だが、まず後追いの横井が果敢に攻めるも、接触からコースアウト。2本めは小橋が無難に走って勝った。中村vs齋藤は、お互いに相手をプッシュする展開だったが、得点では中村のほうが高く、中村が2戦連続での決勝進出を決めた。

決勝は小橋vs中村。小橋にとって中村は、D1ストリートリーガル時代からライバルであり目標にしてきた存在だった。1本めは小橋が先行。中村はヘアピンではわずかにラインがずれて完璧とはいかなかったものの、そこまではずっと近い位置につけ大きなアドバンテージをとる。2本めは中村が先行。小橋は加速区間から追突ぎりぎりの真後ろにつけると、一瞬たりとも中村を逃すことはなく、S字からヘアピンまで近い距離で合わせきって逆転。

小橋は2016年の齋藤と並ぶ年間5勝という最多タイ記録をマークしてシーズンを終えた。

Semi Final Battle
小橋 正典 (S15) vs 横井 昌志 (S15)
1本めの走行。小橋に接触した横井は、ホイールが破損し、タイヤもバーストしてコースアウトしてしまった。
Semi Final Battle
中村 直樹 (S15) vs 齋藤 太吾 (A90)
齋藤は中村に当てられたが、ドア外板を飛ばし、マフラーを引きずりながら審査区間を走りきった。
Pick Up Battle
横井 昌志 (S15) vs 末永 正雄 (S15)
チームメイト対決は後追い時のポイントで横井がうわまわり横井が勝った。ちなみにリップが赤いほうが横井車。
Pick Up Battle
北岡 裕輔 (JZX100) vs 田中 省己 (S15)
田中を捉えていたもののS字の2つめで横に入りすぎた北岡は、ヘアピンへ振り返せずコースアウトした。
Pick Up Battle
日比野 哲也 (S14) vs 蕎麦切 広大 (Q60)
テールをアウトに落としながらも日比野についていった蕎麦切。日比野のマシントラブルで追走初勝利となった。
Pick Up Battle
小橋 正典 (S15) vs 川畑 真人 (A90)
電気系トラブルで不調だった川畑のマシン。思うような走りができず、このあとはエンジンが停止してしまった。

優勝

小橋 正典

LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE
Team ORANGE SILVIA S15-2JZ (S15)

最終戦を前にしてシリーズ決まったんですけど、クルマのセットアップを昨日とはまったく変えて最終戦は挑みました。前日の第7戦のデータをふまえて、トラクションがかかるようにいろいろ自分なりに調整したら、それが結構いい方向にハマったので誰とやってもついていけるようなセットアップに仕上がってました。

決勝で中村選手とやったんですが、中村選手はD1でもそうですし、ストリートリーガルでも対戦していて、あまり僕の勝率が高い選手じゃないので、かなり今回は……この決勝はいままでにないくらいのスイッチを入れて挑みました。その結果ぎりぎりの差でなんとか中村選手に勝つことができました。

最終戦ちゃんと勝って終われたのはすごくうれしいことですし、またひとつ僕の自信につながったかと思います。このまま2021年もきっちりやっていきたいと思います。


2位
中村 直樹 (Crystal H.E VALINO N-style)
3位
齋藤 太吾 (FAT FIVE RACING)
優勝チーム
LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE
ベストメンテナンス
Team TOYO TIRES DRIFT – 1

最終順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamMachinePointsTanso Points
14小橋 正典LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGES15254
299中村 直樹Crystal H.E VALINO N-styleS15213
387齋藤 太吾FAT FIVE RACINGA90182
470横井 昌志NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX S15161
577松山 北斗FAT FIVE RACINGA9013 
631蕎麦切 広大TEAM SHIBATA SAILUN TIREQ6012 
72田中 省己SEIMI STYLE DRIFT SAILUN TIRES1511 
846末永 正雄NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX S1510 
97松井 有紀夫Team RE雨宮 K&NFD3S8 
1052北岡 裕輔TEAM MORIJZX1007 
1118日比野 哲也SAILUN TIRE SUNRISES14 6 
1266藤野 秀之Team TOYO TIRES DRIFT – 1RPS135 
139末永 直登LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGES154 
145内海 彰乃SAILUN TIRES DIXCEL MOTORSPORTS153 
1578上野 高広TEAM VERTEX SAILUN TIREGSC102 
1690川畑 真人Team TOYO TIRES DRIFT – 1A901 

単走順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamMachinePoints
14小橋 正典LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGES1520
299中村 直樹Crystal H.E VALINO N-styleS1516
387齋藤 太吾FAT FIVE RACINGA9015
470横井 昌志NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAXS1514
57松井 有紀夫Team RE雨宮 K&NFD3S13
652北岡 裕輔TEAM MORIJZX10012
718日比野 哲也SAILUN TIRE SUNRISES1411
877松山 北斗FAT FIVE RACINGA9010
966藤野 秀之Team TOYO TIRES DRIFT – 1RPS138
1031蕎麦切 広大TEAM SHIBATA SAILUN TIREQ607
112田中 省己SEIMI STYLE DRIFT SAILUN TIRES156
1246末永 正雄NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAXS155
139末永 直登LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGES154
145内海 彰乃SAILUN TIRES DIXCEL MOTORSPORTS153
1578上野 高広TEAM VERTEX SAILUN TIREGSC102
1690川畑 真人Team TOYO TIRES DRIFT – 1A901

チーム順位&ポイント

Pos.No.TeamDriverPoints
14LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE小橋 正典26
299Crystal H.E VALINO N-style中村 直樹20
387FAT FIVE RACING齋藤 太吾15
470NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX 横井 昌志10
577FAT FIVE RACING松山 北斗6
631TEAM SHIBATA SAILUN TIRE蕎麦切 広大6
72SEIMI STYLE DRIFT SAILUN TIRE田中 省己6
846NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX 末永 正雄6
97Team RE雨宮 K&N松井 有紀夫3
1052TEAM MORI北岡 裕輔3
1118SAILUN TIRE SUNRISE日比野 哲也3
1266Team TOYO TIRES DRIFT – 1藤野 秀之3
139LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE末永 直登3
145SAILUN TIRES DIXCEL MOTORSPORT内海 彰乃3
1578TEAM VERTEX SAILUN TIRE上野 高広3
1690Team TOYO TIRES DRIFT – 1川畑 真人3

シリーズチャンピオン

小橋 正典

LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE
Team ORANGE SILVIA S15-2JZ (S15)

昨日シリーズチャンピオン決定してたんですけど、正直あのような結果だったので、実感はまったくありませんでした。そんななかで今日、気持ちを切り替えて、またこうして優勝してシリーズを締めくくれたのはよかったと思っています。

このシーズン、僕がD1に参戦してから4年か5年めくらいなんですけど、正直ここまで来れるとはシーズンはじめにはまったく思っていませんでした。本当にここまで来れたのもチームのみなさんが僕のクルマの戦闘力を上げてくれたり、リンロンタイヤさんが僕らの要望に素早くこたえてくれたおかげで、ここまで来れたんじゃないかと思っています。

来シーズンは3ヶ月後にはじまりますが、しっかりクルマも腕もさらに熟成していって、次もしっかりとっていきたいと思っています。


シリーズ2位
横井 昌志 (NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX)
シリーズ3位
藤野 秀之 (Team TOYO TIRES DRIFT – 1)
シリーズ4位
日比野 哲也 (SAILUN TIRE SUNRISE)
シリーズ5位
中村 直樹 (Crystal H.E VALINO N-style)
シリーズ6位
川畑 真人 (Team TOYO TIRES DRIFT – 1)
シリーズ7位
末永 直登 (LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE)
シリーズ8位
田中 省己 (SEIMI STYLE DRIFT SAILUN TIRE)
シリーズベストメンテナンス
LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE

単走シリーズチャンピオン

横井 昌志

NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX
TEAM D-MAX S15 SILVIA 2JZ 4号機 (S15)

ストリートリーガルのときから僕は追走人間で、追走ばっかり練習してたんですけど、ストリートリーガルの途中から単走ってすごく大事だなと思いはじめて、単走をすごい練習日に練習していました。で、そのままの流れで来て、いままで単走シリーズチャンピオンは獲れたことがないので、しっかり単走を練習してきてよかったなと、いまここになって結果が出てくれたかなと思います。

最後、今日は単走シリーズのことはまったく考えていなくて、いつもどおり単走はまずしっかり点数出したいなと思って走って、走り終わったあとに、これは結果的に単走チャンピオン獲れたんじゃないの?って思って、事後報告的なかんじで気づいたんで、プレッシャーもまったくなく、単走をしっかり走れたと思います。

まぁ、今日単走優勝を狙ってたんで、決めきれなくて、いいところをまた小橋センパイに持っていかれちゃったかな、と思います。でも結果的に単走シリーズチャンピオンは獲れてよかったなと思います。


シリーズチャンピオンチーム

LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE

熊久保 信重(監督)

マサノリ(※小橋選手)が強すぎましたね。もちろんマサノリの強さは、マサノリの努力の結果でまちがいないんですけど、その陰にはナオト(※末永選手)のデータ収集とかフィードバックっていうのがすごくあったので、マサノリも言ってたと思いますが、まさにこのふたりがいたからこそドライバー的にはここまで成長できたし、いい点数とれたりというのも情報共有できたというのがあったと思います。あとはまぁなによりもタイヤですね。とにかくリンロンがいいタイヤを作ってくれて、それがすごい武器だったので。

まぁ今年もいろいろエンジンのトラブルとかも出たりしたことはあったんですけど、大会が終わったあとには、メカニックも含めて反省会ミーティングをやって、大会に入るまえにはテクニカルのミーティングをやって、そのあとに別でドライバーと監督を含めたミーティングをやって、今年はミーティングをすごくまめにやって、走りに関係ないことでも、ピット装備のことでも、なんでも課題を書き出して、それを次の大会までフィードバックしていました。

それが、いろんな意味で、ドライバーだけがチャンピオンを獲りにいくんじゃなくてチーム全体が絶対チャンピオンを獲りに行くぞっていう気持ちが強かった。途中からは、マサノリが乗れてきていたので、ナオトもバックアップにまわって。あとはチームチャンピオンがあれだけぶっちぎりで獲れたっていうのはマサノリが悪いときはナオトがカバーしてるので、マサノリが落としたところはナオトがカバーしてたので、そういう強さもありましたね。


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