■コースコンディション:ドライ
最終戦は小橋が勝って有終の美を飾る!
単走
1日で進化した小橋が最高得点!
シリーズチャンピオンは前日に決まったが、まだ単走シリーズタイトルは残されていた。そのなかで、まずランキング2位の横井と同首位の藤野がAグループに登場した。横井はとくに前半で得点を稼ぎ、98.8点をマークする。
いっぽう藤野は最初の振り出し直後の角度や1コーナーでの角度で点を稼いだものの、ストレートでの振り返しやヘアピンでの角度はいまひとつで、97.8点にとどまった。なお、Aグループでは齋藤が98.9点をとってトップに立った。
Bグループでは齋藤をうわまわる得点は出なかったが、Cグループに前日の単走優勝者である中村が登場。中村はヘアピンに向けての振り出しや、1コーナーとヘアピンの安定性などで点を稼いで99.2点を獲得し、またしてもトップに躍り出た。
しかし、この日は小橋の走行順のほうが後だった。単走チャンピオンも狙っていた小橋はDグループで出走。2本めに中村より高い車速をマークし、すべてのコーナーで大きな角度をつけ、姿勢も安定したドリフトを見せて最高得点となる99.61点をマークした。
これで小橋の単走優勝が決まったが、横井が単走4位になったことで、横井の単走シリーズチャンピオンが決まった。
Pos. | No. | Driver | Machine | Best Score | 2nd Score | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | 小橋 正典 | S15 | 99.61 | 98.35 | |
2 | 99 | 中村 直樹 | S15 | 99.24 | 97.20 | |
3 | 87 | 齋藤 太吾 | A90 | 98.88 | 78.95 | |
4 | 70 | 横井 昌志 | S15 | 98.81 | 97.30 | |
5 | 7 | 松井 有紀夫 | FD3S | 98.72 | 97.97 | |
6 | 52 | 北岡 裕輔 | JZX100 | 98.71 | 97.91 | |
7 | 18 | 日比野 哲也 | S14 | 98.42 | 78.79 | |
8 | 77 | 松山 北斗 | A90 | 97.87 | 96.96 | |
9 | 66 | 藤野 秀之 | RPS13 | 97.77 | 97.27 | |
10 | 31 | 蕎麦切 広大 | Q60 | 97.65 | 97.09 | |
11 | 2 | 田中 省己 | S15 | 97.53 | 93.54 | |
12 | 46 | 末永 正雄 | S15 | 97.07 | 94.95 | |
13 | 9 | 末永 直登 | S15 | 96.88 | 96.60 | |
14 | 5 | 内海 彰乃 | S15 | 96.65 | 95.94 | |
15 | 78 | 上野 高広 | GSC10 | 96.10 | 96.08 | |
16 | 90 | 川畑 真人 | A90 | 96.07 | 59.17 | |
▲追走トーナメント進出▲ | ||||||
17 | 19 | 川井 謙太郎 | JZX100 | 95.97 | 79.53 | |
18 | 45 | 畑中 真吾 | GX100 | 95.91 | 95.06 | |
19 | 33 | 笹山 栄久 | JZX100 | 94.78 | 94.20 | |
20 | 43 | 田所 義文 | AE86 | 94.19 | 84.37 | |
21 | 16 | 山口 孝二 | S15 | 93.76 | 72.63 | |
22 | 91 | 村上 満 | A90 | 91.28 | 91.03 | |
23 | 30 | 中田 哲郎 | JZX100 | 87.69 | 71.16 | |
24 | 27 | 茂木 武士 | S15 | 71.34 | 52.54 | |
25 | 11 | 波紫 聖和 | S15 | 0.00 | 0.00 |
単走優勝
小橋 正典
LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE
Team ORANGE SILVIA S15-2JZ (S15)
前日とセットアップを変えて、それがうまくいって、全体的なコーナリングとストレートスピードも上がって、それで結果点数を上げることができたかな、と思います。
本番のときは、1本めで、ちょっと2セク、3セクあたりでミスをしてしまい、それで点数が落ちてしまったので、本当は1本で決めたかったんですが、なんとか2本めで決めることができました。
単走優勝は単走のシリーズもかかっていたので、結局ポイント差で横井選手の優勝となったんですけど「あわよくば」「とれればな」と思っていたので、そこは欲張ってみたんですけどね。
追走トーナメント
小橋が最多タイのシリーズ5勝め!
追走、単走ともにチャンピオンは決定していたが、前日は上位選手全員が不完全燃焼だったことから、熱気を帯びた追走トーナメントとなった。
しかし、ベスト16では、前日のダメージから、クルマのフィーリングにわずかに違和感があった藤野はやや走りが慎重になってしまい、得点は同点だったものの先行時のDOSS点で松山に敗北。前日のリターンマッチとなった北岡vs田中は、北岡が攻めの走りをしたもののミスで敗北。雪辱はならなかった。
ベスト4に勝ち上がったのは小橋、横井、中村、齋藤。こちらも前日のリターンマッチとなった小橋vs横井だが、まず後追いの横井が果敢に攻めるも、接触からコースアウト。2本めは小橋が無難に走って勝った。中村vs齋藤は、お互いに相手をプッシュする展開だったが、得点では中村のほうが高く、中村が2戦連続での決勝進出を決めた。
決勝は小橋vs中村。小橋にとって中村は、D1ストリートリーガル時代からライバルであり目標にしてきた存在だった。1本めは小橋が先行。中村はヘアピンではわずかにラインがずれて完璧とはいかなかったものの、そこまではずっと近い位置につけ大きなアドバンテージをとる。2本めは中村が先行。小橋は加速区間から追突ぎりぎりの真後ろにつけると、一瞬たりとも中村を逃すことはなく、S字からヘアピンまで近い距離で合わせきって逆転。
小橋は2016年の齋藤と並ぶ年間5勝という最多タイ記録をマークしてシーズンを終えた。
優勝
小橋 正典
LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE
Team ORANGE SILVIA S15-2JZ (S15)
最終戦を前にしてシリーズ決まったんですけど、クルマのセットアップを昨日とはまったく変えて最終戦は挑みました。前日の第7戦のデータをふまえて、トラクションがかかるようにいろいろ自分なりに調整したら、それが結構いい方向にハマったので誰とやってもついていけるようなセットアップに仕上がってました。
決勝で中村選手とやったんですが、中村選手はD1でもそうですし、ストリートリーガルでも対戦していて、あまり僕の勝率が高い選手じゃないので、かなり今回は……この決勝はいままでにないくらいのスイッチを入れて挑みました。その結果ぎりぎりの差でなんとか中村選手に勝つことができました。
最終戦ちゃんと勝って終われたのはすごくうれしいことですし、またひとつ僕の自信につながったかと思います。このまま2021年もきっちりやっていきたいと思います。
最終順位&ポイント
Pos. | No. | Driver | Team | Machine | Points | Tanso Points |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | 小橋 正典 | LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE | S15 | 25 | 4 |
2 | 99 | 中村 直樹 | Crystal H.E VALINO N-style | S15 | 21 | 3 |
3 | 87 | 齋藤 太吾 | FAT FIVE RACING | A90 | 18 | 2 |
4 | 70 | 横井 昌志 | NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX | S15 | 16 | 1 |
5 | 77 | 松山 北斗 | FAT FIVE RACING | A90 | 13 | |
6 | 31 | 蕎麦切 広大 | TEAM SHIBATA SAILUN TIRE | Q60 | 12 | |
7 | 2 | 田中 省己 | SEIMI STYLE DRIFT SAILUN TIRE | S15 | 11 | |
8 | 46 | 末永 正雄 | NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX | S15 | 10 | |
9 | 7 | 松井 有紀夫 | Team RE雨宮 K&N | FD3S | 8 | |
10 | 52 | 北岡 裕輔 | TEAM MORI | JZX100 | 7 | |
11 | 18 | 日比野 哲也 | SAILUN TIRE SUNRISE | S14 | 6 | |
12 | 66 | 藤野 秀之 | Team TOYO TIRES DRIFT – 1 | RPS13 | 5 | |
13 | 9 | 末永 直登 | LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE | S15 | 4 | |
14 | 5 | 内海 彰乃 | SAILUN TIRES DIXCEL MOTORSPORT | S15 | 3 | |
15 | 78 | 上野 高広 | TEAM VERTEX SAILUN TIRE | GSC10 | 2 | |
16 | 90 | 川畑 真人 | Team TOYO TIRES DRIFT – 1 | A90 | 1 |
単走順位&ポイント
Pos. | No. | Driver | Team | Machine | Points |
---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | 小橋 正典 | LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE | S15 | 20 |
2 | 99 | 中村 直樹 | Crystal H.E VALINO N-style | S15 | 16 |
3 | 87 | 齋藤 太吾 | FAT FIVE RACING | A90 | 15 |
4 | 70 | 横井 昌志 | NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX | S15 | 14 |
5 | 7 | 松井 有紀夫 | Team RE雨宮 K&N | FD3S | 13 |
6 | 52 | 北岡 裕輔 | TEAM MORI | JZX100 | 12 |
7 | 18 | 日比野 哲也 | SAILUN TIRE SUNRISE | S14 | 11 |
8 | 77 | 松山 北斗 | FAT FIVE RACING | A90 | 10 |
9 | 66 | 藤野 秀之 | Team TOYO TIRES DRIFT – 1 | RPS13 | 8 |
10 | 31 | 蕎麦切 広大 | TEAM SHIBATA SAILUN TIRE | Q60 | 7 |
11 | 2 | 田中 省己 | SEIMI STYLE DRIFT SAILUN TIRE | S15 | 6 |
12 | 46 | 末永 正雄 | NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX | S15 | 5 |
13 | 9 | 末永 直登 | LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE | S15 | 4 |
14 | 5 | 内海 彰乃 | SAILUN TIRES DIXCEL MOTORSPORT | S15 | 3 |
15 | 78 | 上野 高広 | TEAM VERTEX SAILUN TIRE | GSC10 | 2 |
16 | 90 | 川畑 真人 | Team TOYO TIRES DRIFT – 1 | A90 | 1 |
チーム順位&ポイント
Pos. | No. | Team | Driver | Points |
---|---|---|---|---|
1 | 4 | LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE | 小橋 正典 | 26 |
2 | 99 | Crystal H.E VALINO N-style | 中村 直樹 | 20 |
3 | 87 | FAT FIVE RACING | 齋藤 太吾 | 15 |
4 | 70 | NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX | 横井 昌志 | 10 |
5 | 77 | FAT FIVE RACING | 松山 北斗 | 6 |
6 | 31 | TEAM SHIBATA SAILUN TIRE | 蕎麦切 広大 | 6 |
7 | 2 | SEIMI STYLE DRIFT SAILUN TIRE | 田中 省己 | 6 |
8 | 46 | NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX | 末永 正雄 | 6 |
9 | 7 | Team RE雨宮 K&N | 松井 有紀夫 | 3 |
10 | 52 | TEAM MORI | 北岡 裕輔 | 3 |
11 | 18 | SAILUN TIRE SUNRISE | 日比野 哲也 | 3 |
12 | 66 | Team TOYO TIRES DRIFT – 1 | 藤野 秀之 | 3 |
13 | 9 | LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE | 末永 直登 | 3 |
14 | 5 | SAILUN TIRES DIXCEL MOTORSPORT | 内海 彰乃 | 3 |
15 | 78 | TEAM VERTEX SAILUN TIRE | 上野 高広 | 3 |
16 | 90 | Team TOYO TIRES DRIFT – 1 | 川畑 真人 | 3 |
シリーズチャンピオン
小橋 正典
LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE
Team ORANGE SILVIA S15-2JZ (S15)
昨日シリーズチャンピオン決定してたんですけど、正直あのような結果だったので、実感はまったくありませんでした。そんななかで今日、気持ちを切り替えて、またこうして優勝してシリーズを締めくくれたのはよかったと思っています。
このシーズン、僕がD1に参戦してから4年か5年めくらいなんですけど、正直ここまで来れるとはシーズンはじめにはまったく思っていませんでした。本当にここまで来れたのもチームのみなさんが僕のクルマの戦闘力を上げてくれたり、リンロンタイヤさんが僕らの要望に素早くこたえてくれたおかげで、ここまで来れたんじゃないかと思っています。
来シーズンは3ヶ月後にはじまりますが、しっかりクルマも腕もさらに熟成していって、次もしっかりとっていきたいと思っています。
単走シリーズチャンピオン
横井 昌志
NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX
TEAM D-MAX S15 SILVIA 2JZ 4号機 (S15)
ストリートリーガルのときから僕は追走人間で、追走ばっかり練習してたんですけど、ストリートリーガルの途中から単走ってすごく大事だなと思いはじめて、単走をすごい練習日に練習していました。で、そのままの流れで来て、いままで単走シリーズチャンピオンは獲れたことがないので、しっかり単走を練習してきてよかったなと、いまここになって結果が出てくれたかなと思います。
最後、今日は単走シリーズのことはまったく考えていなくて、いつもどおり単走はまずしっかり点数出したいなと思って走って、走り終わったあとに、これは結果的に単走チャンピオン獲れたんじゃないの?って思って、事後報告的なかんじで気づいたんで、プレッシャーもまったくなく、単走をしっかり走れたと思います。
まぁ、今日単走優勝を狙ってたんで、決めきれなくて、いいところをまた小橋センパイに持っていかれちゃったかな、と思います。でも結果的に単走シリーズチャンピオンは獲れてよかったなと思います。
シリーズチャンピオンチーム
LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE
熊久保 信重(監督)
マサノリ(※小橋選手)が強すぎましたね。もちろんマサノリの強さは、マサノリの努力の結果でまちがいないんですけど、その陰にはナオト(※末永選手)のデータ収集とかフィードバックっていうのがすごくあったので、マサノリも言ってたと思いますが、まさにこのふたりがいたからこそドライバー的にはここまで成長できたし、いい点数とれたりというのも情報共有できたというのがあったと思います。あとはまぁなによりもタイヤですね。とにかくリンロンがいいタイヤを作ってくれて、それがすごい武器だったので。
まぁ今年もいろいろエンジンのトラブルとかも出たりしたことはあったんですけど、大会が終わったあとには、メカニックも含めて反省会ミーティングをやって、大会に入るまえにはテクニカルのミーティングをやって、そのあとに別でドライバーと監督を含めたミーティングをやって、今年はミーティングをすごくまめにやって、走りに関係ないことでも、ピット装備のことでも、なんでも課題を書き出して、それを次の大会までフィードバックしていました。
それが、いろんな意味で、ドライバーだけがチャンピオンを獲りにいくんじゃなくてチーム全体が絶対チャンピオンを獲りに行くぞっていう気持ちが強かった。途中からは、マサノリが乗れてきていたので、ナオトもバックアップにまわって。あとはチームチャンピオンがあれだけぶっちぎりで獲れたっていうのはマサノリが悪いときはナオトがカバーしてるので、マサノリが落としたところはナオトがカバーしてたので、そういう強さもありましたね。