D1LT RD.8 奥伊吹 詳細レポート

■コースコンディション:1日(金)ドライときどきウェット/2日(土)ドライ
■延動員数:3,228名(関係者含む)

最終戦は柳杭田が優勝!
チャンピオンはヴィトーが獲得!

第8戦 単走決勝

Tanso 1st Place
増田 和之
SR ORVIS Racing GOODRIDE
Ito Auto ORVIS MARKⅡ (JZX100)
このコースは、適切な位置で振り出し、一気に角度をつけないと、スピードを維持して指定ゾーンを通過できないが、増田は最初の振りで見事に姿勢を決めた。
Tanso 2nd Place
最上 弦毅 180SX (RPS13)
Tanso 3rd Place
森 修 SILVIA (S14)

一気に角度をつけて増田が優勝

2021年シリーズ最終戦の舞台は、開幕戦とおなじ奥伊吹モーターパークの特設コース。コースレイアウトも開幕戦とほぼ同様だ。常設サーキットではないので、このコース設定に慣れているドライバーはいない。地元勢も遠征組も条件はイーブンだ。

しかし、とくに上位陣が天候の変化に翻弄されることになった。Bグループの途中から小雨が降り出し、路面はウエットコンディションに。スピンや通過指定ゾーンはずしが連発し、B①グループは全員が敗退した。

そのあと雨が弱まって路面はふたたびグリップを回復していった。そのなかで、増田が2本目に一気に大きな角度をつけて安定した姿勢を作り、メリハリのある走りで98.85点をマーク。その次に最上もスピードのある走りを見せたが、増田にはおよばず98.00点。2位に浮上した。

しかしAグループに入るあたりからまた雨が降り出し、路面が濡れていく。むずかしい状況で伊藤や加納が敗退した。シリーズランキング首位のヴィトーと同2位の高木も1本目は通過指定ゾーンをはずし、ピンチに陥ったが、2本目は滑る路面でなんとかクルマをコントロール。両者ともに下位ながら追走進出を決めた。

Pos.No.DriverMachineBest Score2nd Score
180増田 和之JZX10098.8595.25
236最上 弦毅RPS1398.0097.15
372森 修S1497.7096.00
457柳杭田 貫太S1497.3096.65
538野々 英喜S1597.2596.85
635塙 彰拡S1497.1595.85
775畑中 夢斗JZX10097.1095.75
819能登 陽向PS1397.1094.50
995福田 大輔PS1397.0096.90
1077速水 眞之介PS1396.9095.35
1144浮田 正明S1496.8596.30
1284柴山 彰太JZX10096.8596.25
137ヴィトー 博貴S1596.8595.50
1488高木 美紀PS1396.7596.00
1568谷 光一S1396.6595.85
1621筒井 陽平JZX10096.6594.00
▲追走トーナメント進出▲
1730田中 規明PS1396.6096.15
1853新川 真也PS1396.6094.25
198河野 智史JZX10096.5095.65
2086高嶋 健市JZX10096.5095.00
2181廣江 翔太JZX10096.3595.00
2237與儀 清登PS1396.3095.15
233野村 圭市ER3496.2596.15
2452加納 広貴JZX10096.2595.90
2518岩﨑 脩作S1596.2595.70
2659西山 大貴S1596.1094.75
2750竹田 和明S1496.0530.00
2890伊藤 満紀JZX9096.0095.75
2947浅野 潤一S1595.9595.40
3024田山 ジュンJZX11095.9095.50
3112土居 雅和PS1395.8520.00
3266吉田 道夫PS1395.7594.25
3396平敷 広和S1495.6593.65
345陣野 寿幸S1595.5095.45
3558谷本 真人S1495.5094.65
3662古賀 誠進RPS1395.5035.00
37114横田 宏延S1595.4094.75
3856黒沼 雄一S1595.4094.50
3998細野 貢司S1495.3095.00
4015前原 敏宏S1595.2595.15
4185近藤 善道AE8695.2594.25
424廣瀬 優太JZX10094.9094.50
4369瀧澤 翼PS1394.9025.00
4433辻 紳護武C3394.8574.00
4591工藤 浩平S1494.7593.85
4699阿久澤 一幸S1494.2594.00
4729粟野 如月RPS1394.2593.90
4810久野 太一S1594.2593.50
4941植村 真一JZX10094.2592.90
50115河南 勇太S1594.0093.00
5145山田 隼人JZX10093.5082.50
5213井上 義一RPS1393.4077.50
53113新垣 トニーS1570.0069.00
5420金田 健人SW2070.0035.00
5523下田 紗弥加S1562.5030.00
56105遠近 恵S1435.000.00
5716荻谷 翔S1530.000.00

第8戦 単走優勝

増田 和之

SR ORVIS Racing GOODRIDE
Ito Auto ORVIS MARKⅡ (JZX100)

備北のときに、車高調がいまの走りについてこないってことで、マンキ(伊藤選手)さんのいう足に変更してきました。それがハマりましたね。

練習のときは「98点ぐらいは出るかな」ぐらいの手応えだったんですけど、本番は雨降ってきちゃったじゃないですか。だから半分やけくそ…もうやるしかないんだっ覚悟を決めて、最終戦だし、ちょっとぐらい当たってもいいやと思って2本目は振り込みましたね

でも1本目は置いていきました。もう路面が濡れてたんで。そしたら思いのほか届かなくて。でも、晴れ間も見えて、路面が乾いてきてたので、2本目は練習のときの走りに切り替えて、しっかりアクセルを入れて振り切るっていうところを一番重点においてやりました。路面はもう完全ドライでした。もう運ですね。本当に運だと思います。自分としてはうまく走れましたね。たぶんもう練習のときからくらべてももうイチバンいいデキの走りがちょうどできたんです。イメトレだけはしてたんですけど、あそこまでうまくいくとは思ってないそうです。

(単走優勝できて)もう素直にうれしいですね。ぼくのホームコースは奥伊吹ですね!


第8戦 単走ハイライト


第8戦 追走トーナメント

Final Battle
柳杭田 貫太 SILVIA (S14) vs 森 修 SILVIA (S14)
S14対決となった決勝。森は敗れたものの、64才での決勝進出という記録は、自身で更新しないかぎり、とうぶん破られることはないだろう。

バツグンのコントロールで柳杭田が2勝目

ヴィトーはベスト16に勝つと自力でチャンピオン獲得。ベスト16に敗れても、高木が優勝しなければチャンピオンが決まる。

そのヴィトーはベスト16で柳杭田と対戦。1本目は後追いからインに入りきれなかったヴィトーに対し、2本目は柳杭田がヘアピンでヴィトーに寄せ、ヴィトーが敗れてしまう。いっぽうの高木は森と対戦。後追いで入りきれなかった高木に対し、森は1コーナーの奥で高木に寄せ、森の勝ち。この時点でヴィトーのシリーズチャンピオンが決まった。

ベスト8のメンバーのうち、優勝経験があるのは柳杭田と野々のみ。その2人が対戦し、柳杭田が勝った。ベスト4に勝ち上がったのは、筒井、柳杭田、畑中、森となった。

準決勝最初の対戦は、筒井vs柳杭田。最初の2本は柳杭田がいい走りを見せつつも角度が浅くなる場面もあり、勝負は再戦にもつれこんだ。その1本目柳杭田はきっちりインに入ってアドバンテージを獲得。筒井は進入で寄せただけにとどまり柳杭田が勝った。

準決勝もうひとつの対戦は18才の畑中vs64才の森。2本目に畑中が後半でコースアウトする大きなミスがあり、森が初の決勝進出を果たした。

決勝も21才の柳杭田に対し、43才年上の森という超年の差バトル。1本目は柳杭田が先行だ。スピードを維持しながらきっちりコントロールしたうまい走りをする柳杭田に対し、森は1コーナーで寄せていったが、流されてしまい、ドリフトがもどる。これで柳杭田に大きくアドバンテージ。2本目はコース後半に柳杭田がキレイな接近ドリフトを見せ、シーズン2勝目となる優勝を決めた。


第8戦 優勝

柳杭田 貫太

Team ORANGE Jr. 山崎眼科
ORANGE S14 (S14)

今回新しくリンロンからフラッシュヒーローっていうタイヤが出て、それで今回行くことになって、事前にテストもして、なんとなく感触はわかってたんで、木曜から走ってだいぶセッティングも煮詰まってきて、タイヤもコースのかんじもなんとなくわかって、とくに不安はなかったです。

単走は、こんな上位で残れるとは思わなかったですね。天気も降ったり止んだりで。まわりが崩れていくなかで、自分のクラスのときはちょうど雨が止んでドライで走れたので、ラッキーだったかなっていうかんじです。

追走は1回戦がシリーズランキングトップのヴィトーさんだったんですけど、もう奥伊吹に来たときから「シリーズ上位を崩して、波乱のラウンドにします」といってたんで、絶対倒してやろうと思って、とにかく全力で行きました。ヴィトーさんはやっぱうまいんですけど、なんかちょっとトラブってたらしくて、そういったところにも助けてもらって、なんとか勝つことができたかんじですかね。ヴィトーさん倒してからは「もう勝つしかねえな」と思って、とにかく全力でいきました。

決勝に行ったときはもう楽しかったっす。ちょっとベスト4でトラブル出て吹けなくなったんですけど、それもパパッと直してくれたんで、安心して行けました。で、森さんは、お父さんと走ってるようなかんじで、すごい楽しかったです。おなじタイヤ履いてますし。そういった意味でも思い切りいきました。今日は本当に最高の1日になりました。

今年最後だったし、自分の成長の成果を見せつけたりたいなと思って。GPのひともいるんで、GPのひとたちにも、自分の走りを見てもらえたかなと思ってます。


第8戦 2位

森 修

TEAM MORI
TEAM MORI S14 (S14)

うれしいです。練習から、わりかしうまくいってて、自分なりにもテンション上げれてた。練習3本目くらいでぶつかっちゃったのもあるんだけど、それも攻めれててぶつかったって自分で思ってたから、走れば走るほどなにも考えないでいけた。(決勝は) 決勝のまえにたぶんアドレナリンが下がっちゃいましたね。あれ、走行が続くんだよね。クルマ下りて休むタイミングがないでしょ。だからたぶん、決勝のときはもう水分じゃないけど……足りなくなっちゃって。でも、ぜんぜん楽しめたから今回2位でもすごく満足してます。この記録(※64才での決勝進出)は絶対抜かれないですから(笑)。いや自分で抜くしかない。まだオレも先を見てるので、まだがんばります。


第8戦 3位

畑中 夢斗

ST Racing
sunoco 永来軒 チェイサー (JZX100)

3位はうれしいですけど、もう少し…せっかくなら決勝を狙ったんですけど、やっぱり自分のミスで負けてしまって。でも、それまでもずっとエンジンが調子悪くて、いつ壊れるかわからない状態でここまでこれたので、チームのみなさんに感謝して、北海道に帰って少し休んだら、もうしっかり次に向けて練習したいです。(準決勝は) もう自分の技術不足です。自分はあんまり追走慣れしてないんで、もうもっと練習したいなと思ってます。


第8戦 追走ハイライト


第8戦 最終順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamMachinePoints
157柳杭田 貫太Team ORANGE Jr. 山崎眼科S1425
272森 修TEAM MORIS1421
375畑中 夢斗ST RacingJZX10018
421筒井 陽平VITOUR TIRE team 星野自動車JZX10016
538野々 英喜TETSUJIN team KYUSYU SAILUNS1513
635塙 彰拡Y’s FACTORY eternal × REOSS1412
795福田 大輔BUY NOW JAPAN SPEED MASTER VITOURPS1311
868谷 光一TEAM九州 HT R・Y・O Moty’sS1310
980増田 和之SR ORVIS Racing GOODRIDEJZX1008
1036最上 弦毅MCR Factory D-MAX LubrossRPS137
1119能登 陽向バビロン Mon PowerPS136
1277速水 眞之介N-style Piskey VALINOPS135
1344浮田 正明Quarter Mile Zeknova × MEGAN RACINGS144
1484柴山 彰太Impact ORVIS RACINGJZX1003
157ヴィトー 博貴TEAM VALINO TOPTUL ChampionS152
1688高木 美紀VALINO TIRES N-stylePS131

第8戦 単走順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamMachinePoints
180増田 和之SR ORVIS Racing GOODRIDEJZX10020
236最上 弦毅MCR Factory D-MAX LubrossRPS1316
372森 修TEAM MORIS1415
457柳杭田 貫太Team ORANGE Jr. 山崎眼科S1414
538野々 英喜TETSUJIN team KYUSYU SAILUNS1513
635塙 彰拡Y’s FACTORY eternal × REOSS1412
775畑中 夢斗ST RacingJZX10011
819能登 陽向バビロン Mon PowerPS1310
995福田 大輔BUY NOW JAPAN SPEED MASTER VITOURPS138
1077速水 眞之介N-style Piskey VALINOPS137
1144浮田 正明Quarter Mile Zeknova × MEGAN RACINGS146
1284柴山 彰太Impact ORVIS RACINGJZX1005
137ヴィトー 博貴TEAM VALINO TOPTUL ChampionS154
1488高木 美紀VALINO TIRES N-stylePS133
1568谷 光一TEAM九州 HT R・Y・O Moty’sS132
1621筒井 陽平VITOUR TIRE team 星野自動車JZX1001

シリーズチャンピオン

ヴィトー 博貴

TEAM VALINO TOPTUL Champion
VALINO TOPTUL Champion S13 [PS13]

シーズン前から今年のシリーズチャンピオンをとるのを目標にしてたので、そこは予定通り獲れてよかったかなとは思いますけど、やっぱり最後は勝って終わりたかったなっていうのがあるので、ちょっと悔しいというかやりきれなかったかんじですね。

開幕戦はベスト4でトラブル出て3位っていう結果でしたけど、2戦目3戦目の名阪で優勝と準優勝をして一気にポイントを稼げたのが有利に立てたのかなと思います。

でもやっぱりチャンピオンを取ることのむずかしさじゃないんですけど、そうカンタンにはいかないなというのはかんじましたね。日光も備北も練習日が雨で予選日が晴れてるとか天候もコロコロ変わったりで、それに対しての組み立てとかがうまくいかなかったときもあったんで、そのへんは苦労しました。

今日は、正直悔しかったですね。最後はやっぱ勝って決めたかったんで、ベスト16で負けて、ほかの結果を待ってチャンピオンっていう形になっちゃったんでそこはちょっと残念というか。

でもやっぱり今年1年TOPTULさんやVALINOさんほかいろんなひとの支えやサポート、応援があって戦ってこれたので、シリーズチャンピオン獲って結果で返せたことはとてもよかったかな思います。

(来年のプランは)まだちょっと具体的には決まってないのでですけど。そうですねGPの権利は取れたんで、挑戦したい気持ちはあります。


シリーズ2位

高木 美紀

VALINO TIRES N-style
N-style 美艶 シルビア (PS13)

シリーズ2位という結果に関しては自分に情けないですね。でも今年よかったのは、最後まで諦めなかったところ。昨日とかも1本目失敗しても諦めなかった自分がいたからそこは成長したんですよね。今日も途中まで冷静だったんですよ。でも、どこかでなにかスイッチ入ってしまって、なんていうんですかね、まわりがあまり見えなくなってたって、ひとにいわれました。もっと平常心を持ってやらないとダメですね。目指すところはイチバン上なので。


シリーズ3位

野々 英喜

TETSUJIN team KYUSYU SAILUN
カーズ SPL S15 SILVIA (S15)

いやあ悔しいっすね。もうちょっと行けたような気もするし。今シーズン、いろんなトラブルもちょこちょこあったのと、メンタルですかね。優勝2回もしてますけど、単走も落ちてます。そのへんはトラブルと、その不安と……。でもシリーズ3位ぎりぎり入れたので、それはうれしいですね。


単走シリーズチャンピオン

ヴィトー 博貴

TEAM VALINO TOPTUL Champion
VALINO TOPTUL Champion S13 (PS13)

もともと単走よりは追走のほうが得意なんですけど、振り返ってみれば通ってるときはわりと上位で通れてたんで、自分が思ってたよりうまくいったというかんじですね。日光の土曜日と備北の土曜日で通過できなかったときは、急な路面状況の変化に対してマシンのセットアップとか組み立てがうまくいかなかったというか、そこが原因かなと思いますね。ただ失敗したときも次の日は修正できてわりと上位で通ったりはできましたね。

(単走で心がけたことは)もう平常心。変にリキまずというか、とりあえず練習通りに走れるように。ランキングトップで来たので、いつも最終滑走で多少そのへんの緊張とかもありましたけどできるかぎり平常心で走れるように、そういうメンタルの持っていきかたはいちばん重要かなと思いますね。単走通ってるときはわりとそのへんができてた気がします。日光とか備北とか、そのへんがちょっと……っていうときはやっぱり落ちてたと思います。いくら練習よくても2本で決めれないと意味がないのでそこはやっぱり常に意識するようにしてます。

(チャンピオンを獲って)素直にうれしいですよね。シリーズチャンピオンはもともと目標やったんですけど、正直単走までチャンピオンを獲れると思ってなかったんです。そこはうれしいですね。


シリーズランキング

シリーズランキングはこちら >>>

関連記事