D1GP RD.3 奥伊吹詳細レポート

2022年グランツーリスモD1グランプリシリーズ第2戦&第3戦
■コース：奥伊吹モーターパーク特設コース
■コースコンディション：11日(土)第2戦ドライ→ウェット / 12日(日)第3戦ドライ
■来場者数：3,591名(2日間合計)

強烈な後追い連発で中村が2連勝！

第3戦単走決勝

Tanso 1st Place
**中村直樹**
TMAR × TEAM紫
VALINO N-style SILVIA (PS13)

V8本来のパワーで中村が単走優勝！

第3戦は第2戦の翌日におこなわれた。コースレイアウトは前日と同様だ。しかし、齋藤(太)と山口がエンジンブローでリタイヤ。ヴィトーと戴(ダイ)もクラッシュの影響で走れなかった。

まずAグループでは、前日からキレのある振り出しを見せている川畑が、コーナーでの安定性でも点をかせいで98.19点を叩き出す。その後、Bグループ、Cグループと進んだが、川畑をうわまわる点は出なかった。

しかし最後のDグループは強烈だった。北岡が1本目に98.78点を出してトップに立つと、中村もスムーズな走りで98.41点をマーク。じつは中村は、この本番走行前にプラグコード破損が判明し、前日も1気筒働いていない状態だったことがわかった。そこを修理して、はじめて8気筒で走行していた。

北岡は2本目に鋭い振りと大きな角度を見せたが、ヘアピンではみ出して減点を受け、97.11点にとどまる。しかし中村はこれまで以上にメリハリのある走りで99.11点をマーク。単走優勝を決めた。

なお、同じコースで2日連続で開催すると2日めは得点が伸びるのが通常の傾向だが、この日はあまり高得点が伸びず、ボーダーラインの点も前日より低かった。

前日の追走ではウエット路面で得点をとっていた植尾だが、ドライ路面ではいい振り出しが見られず、単走で敗退した。

チェック走行はおこなったものの、エンジン不調のためにリタイヤした斎藤。第2戦、第3戦とも追走進出はならなかった。

もはや数少ない4気筒のSRエンジンを搭載したシルビアで奮闘する波紫。2日とも16位ギリギリでの通過となった。

長年D1SL/ライツでツアラーVで戦ってきた増田。今年から乗るシルビアでも見事なコントロールを見せて4位通過となった。

台湾から初参戦のドライバー戴曉祥(ダイ･シャオシャン)。コースイン走行でクラッシュしてしまい、出走できなかった。

今季、単走通過は問題ないものの、メリハリに欠けて上位進出がない藤野。まだGR86のポテンシャルを出し切れていないのだろう。

Pos.	Grp.	No.	Driver	Machine	Best Score	2nd Score
1	D	99	中村直樹	PS13	99.11	98.41
2	D	52	北岡裕輔	JZX100	98.78	97.11
3	A	88	川畑真人	ZN8	98.19	97.29
4	B	93	増田和之	S15	98.05	97.88
5	D	2	田中省己	S15	97.96	97.89
6	B	70	横井昌志	S15	97.92	93.96
7	D	79	目桑宏次郎	RPS13	97.89	96.49
8	C	77	松山北斗	A90	97.69	97.33
9	B	66	藤野秀之	ZN8	97.39	94.75
10	D	31	蕎麦切広大	Q60	97.36	87.85
11	B	69	秋葉瑠世	S15	97.20	42.30
12	A	46	末永正雄	S15	97.09	95.76
13	A	38	下田紗弥加	S15	96.94	96.81
14	C	23	村上満	S15	96.58	93.16
15	D	7	松井有紀夫	FD3S	96.43	94.35
16	B	84	波紫聖和	S15	96.28	67.54
▲追走トーナメント進出▲
17	C	51	岩井照宜	FC3S	96.15	96.00
18	A	56	森孝弘	RPS13	95.24	88.34
19	A	27	茂木武士	S15	94.66	93.06
20	B	43	田所義文	AE86	94.34	67.26
21	C	78	上野高広	GSC10	94.02	18.87
22	C	15	植尾勝浩	RPS13	92.98	91.53
23	C	97	齋藤真一郎	A90	89.98	89.57
–	C	91	戴曉祥	S15	DNS
–	A	98	ヴィトー博貴	PS13	RETIRE
–	A	87	齋藤太吾	A90	RETIRE
–		16	山口孝二	S15	RETIRE

第3戦単走優勝

中村直樹

TMAR × TEAM紫
VALINO N-style SILVIA (PS13)

いまに来て原因がわかって、8気筒吹きました。8気筒吹いたらこんなもんッスよ。名阪でチェックして、もうこのクルマのポテンシャルはわかってたんで、吹けば99点やなと思ってたんすけど、みなさんのおかげで吹いてくれました。8気筒になってぶっつけ本番でしたけど、もう気合と根性で行ったれ、みたいな……もうだいぶ駄々こねてくれたんで、オレも強くなりました(笑)。ファイナルギヤも吹く想定にしてたんで、計算通りです。

1本めは7割ぐらいで走って、だいたい97点台かなと思ってたんですけど「抑えても98点台行くんやな」っていうのがわかって、自信満々なってきて「2本目行ったろう」みたいなかんじでした。

2本めはメリハリ、アクセルの量ももう10割で行って、振ってすぐ踏む！　みたいなそんなかんじで。多少ミスはあるんすけど、ほんまに全部決まれば99.9点くらい狙えたと思うんすけど、でも走ってて自分でも手応えは最高でした。めっちゃ気持ちよかったかんじです、はい。やっと吹きましたけど、もうV8はイヤです。

第3戦単走ハイライト

第3戦追走トーナメント

Final Battle
**中村直樹** SILVIA (PS13) vs **横井昌志** SILVIA (S15)
横井もブーストが上がらない状態、中村もエンジンから異音が出ている状態だったが、そんなトラブルは微塵もかんじさせない熱戦となった。

超絶接近戦の死闘を中村が制す

ベスト16、まず田中vs末永という好カードは、少しの精度の差で末永が田中に勝利。田中はなかなか上位進出を果たせない。また北岡vs松井は前日とおなじ顔合わせ。前日は松井が勝ったが、この日は松井が離されてしまって北岡がリベンジを果たした。

ベスト8に勝ち上がったのは、中村、末永、北岡、横井。これまた前日の準決勝と同カードになった中村vs末永は、おたがいに接近ポイント10を取る激しい戦いとなったが、後追い時のDOSS点の差で中村が勝った。北岡vs横井は横井がまず接近ドリフトを見せて大きく10.5の接近ポイントを獲得。北岡はコーナーでやや横井に離されて無理をしてしまいハーフスピンを喫して横井が勝った。

決勝は中村vs横井。10年以上前のD1SL(ストリートリーガル)時代からのバチバチのライバルだ。1本めは横井がビタビタの後追いを見せると、2本めは中村もやり返す。横井のゾーン外しと、中村の接触の減点があり、得点はイーブン。再戦にもつれこむ。再戦1本めは横井がまたビタビタの後追いを狙ったが、わずかに離れた場面も出てしまった。2本めは中村が終始きれいにドリフトをあわせて、先行時のDOSS点の差もあり、中村の勝ちとなった。

このラウンドの結果、ポイントランキングでは横井が首位。それを中村、末永、川畑が追う展開となっている。川畑までの差はわずか6ポイントだ。

Semi Final Battle
**中村直樹** SILVIA (PS13) vs **末永正雄** SILVIA (S15)
1本め、激しい攻めのドリフトで中村から接近ポイント10を奪った末永。ただ、ラインどりなど、ややスタイルが粗い面もあった。

Semi Final Battle
**北岡裕輔** MARKⅡ (JZX100) vs **横井昌志** SILVIA (S15)
D1SLチャンピオン経験者同士の対決。飛び込みでは北岡も横井をとらえていたが、そのあと離されてしまった。

Pick Up Battle
**中村直樹** SILVIA (PS13) vs **藤野秀之** GR86 (ZN8)
藤野が加速で中村に後れをとってしまい、後追いで大きなアドバンテージをとれず。中村は藤野に寄せたドリフトを見せた。

Pick Up Battle
**北岡裕輔** MARKⅡ (JZX100) vs **目桑宏次郎** 180SX (RPS13)
1コーナー飛び込みで目桑が北岡をプッシュしてしまい、両者ハーフスピン。この減点が決め手となって北岡が勝った。

Pick Up Battle
**川畑真人** GR86 (ZN8) vs **横井昌志** SILVIA (S15)
おたがいに先行ではいい走りを見せ、後追いからは接近してみせたが、横井のほうが余裕を持って合わせていて、横井の勝ちとなった。

Pick Up Battle
**増田和之** SILVIA (S15) vs **下田紗弥加** SILVIA (S15)
D1ライツ出身選手同士の対戦。増田に大きなもどりが出て下田が勝利。女性ドライバー初のベスト8進出を果たした。

第3戦優勝

中村直樹

TMAR × TEAM紫
VALINO N-style SILVIA (PS13)

ベスト4ぐらいからまた「おろろ、おろろ」といいだして、ぜんぜん伸びんくなってましたね。限界を迎えておりました。ベスト8がイチバンイケイケでしたねクルマは。藤野選手とやったあたりがいちばん速かったです。V8はね、使いやすいんですけど、こわれへんかったらいいんですけどね、すぐ裏切るんでね、このエンジンは、もうイヤです。

決勝は、さすがに今回の横井のあの数字を見て「11.5？」みたいな。「これってもうワンミスもできやんくらい……捨て身しかないな」って気合入れていきました。で、サドンデスになったんで、このままやってても、たぶんラチあかんので、走りを変えて。先行はDOSSを得点出すように走り、後追いもDOSSで点数を出しながら後追いするっていう方向に切り替えました。これが勝てた要因やと思います。なにか冷静に考えれた自分がいましたね。

(2連勝できて) やっぱチームのみんながね、すごい最初から最後まで協力してくれたんで、これはチームでお祝いしたいと思います。

決勝は、自分的には楽しかったのと、ちょっとしんどかったですね。横井が思いのほか強かったので。でもサドンデスなったときは最高に楽しかったです。今回はたぶん決勝もいままでにないぐらいではD1グランプリで盛り上げれたと思います。

(このクルマはどうなる？) いやもうV8いらないんで、2JZにします。冷静に。

第3戦 2位

第3戦 3位

第3戦優勝チーム

第3戦ベストメンテナンス

第3戦追走ハイライト

第3戦最終順位&ポイント

Pos.	No.	Driver	Team	Macchine	Tsuiso Points	Tanso Points
1	99	中村直樹	TMAR × TEAM紫	PS13	25	4
2	70	横井昌志	D-MAX RACING TEAM	S15	21
3	52	北岡裕輔	TEAM MORI	JZX100	18	3
4	46	末永正雄	D-MAX RACING TEAM	S15	16
5	88	川畑真人	TEAM TOYO TIRES DRIFT	ZN8	13	2
6	79	目桑宏次郎	Freem TEAM G-meister	RPS13	12
7	66	藤野秀之	TEAM TOYO TIRES DRIFT	ZN8	11
8	38	下田紗弥加	Mercury 車楽人 VALINO	S15	10
9	93	増田和之	HIRANO TIRE オートガレージ KATAOKA	S15	8	1
10	2	田中省己	VITOUR RACING SEIMI STYLE DRIFT	S15	7
11	77	松山北斗	TMAR	A90	6
12	31	蕎麦切広大	SHIBATA RACING TEAM SHIBATIRE	Q60	5
13	69	秋葉瑠世	Team BOOSTAR VALINO	S15	4
14	23	村上満	Team C.M.Feeling.	S15	3
15	7	松井有紀夫	TEAM RE雨宮 K&N	FD3S	2
16	84	波紫聖和	SHIBATA RACING TEAM SHIBATIRE	S15	1

第3戦単走順位&ポイント

Pos.	No.	Driver	Team	Machine	Points
1	99	中村直樹	TMAR × TEAM紫	PS13	20
2	52	北岡裕輔	TEAM MORI	JZX100	16
3	88	川畑真人	TEAM TOYO TIRES DRIFT	ZN8	15
4	93	増田和之	HIRANO TIRE オートガレージ KATAOKA	S15	14
5	2	田中省己	VITOUR RACING SEIMI STYLE DRIFT	S15	13
6	70	横井昌志	D-MAX RACING TEAM	S15	12
7	79	目桑宏次郎	Freem TEAM G-meister	RPS13	11
8	77	松山北斗	TMAR	A90	10
9	66	藤野秀之	TEAM TOYO TIRES DRIFT	ZN8	8
10	31	蕎麦切広大	SHIBATA RACING TEAM SHIBATIRE	Q60	7
11	69	秋葉瑠世	Team BOOSTAR VALINO	S15	6
12	46	末永正雄	D-MAX RACING TEAM	S15	5
13	38	下田紗弥加	Mercury 車楽人 VALINO	S15	4
14	23	村上満	Team C.M.Feeling.	S15	3
15	7	松井有紀夫	TEAM RE雨宮 K&N	FD3S	2
16	84	波紫聖和	SHIBATA RACING TEAM SHIBATIRE	S15	1

第3戦チーム順位&ポイント

Pos.	No.	Team	Driver	Points
1	99	TMAR × TEAM紫	中村直樹	26
2	70	D-MAX RACING TEAM	横井昌志	20
3	52	TEAM MORI	北岡裕輔	15
4	46	D-MAX RACING TEAM	末永正雄	10
5	88	TEAM TOYO TIRES DRIFT	川畑真人	6
6	79	Freem TEAM G-meister	目桑宏次郎	6
7	66	TEAM TOYO TIRES DRIFT	藤野秀之	6
8	38	Mercury 車楽人 VALINO	下田紗弥加	6
9	93	HIRANO TIRE オートガレージ KATAOKA	増田和之	3
10	2	VITOUR RACING SEIMI STYLE DRIFT	田中省己	3
11	77	TMAR	松山北斗	3
12	31	SHIBATA RACING TEAM SHIBATIRE	蕎麦切広大	3
13	69	Team BOOSTAR VALINO	秋葉瑠世	3
14	23	Team C.M.Feeling.	村上満	3
15	7	TEAM RE雨宮 K&N	松井有紀夫	3
16	84	SHIBATA RACING TEAM SHIBATIRE	波紫聖和	3