D1GPマシンメイク裏事情その1

車両重量どれくらい? 最重量はだれのマシン?

上野レクサスRCが最重量! 1381kgでも追走2位の大健闘!

D1GPのルールでは車両重量で使用タイヤの最大幅が決まる。マシンの軽量化は走行性能アップに大きく貢献するとはいえ、1275kg未満だと265幅に制限されてしまうので、許容最大幅の285幅を使うためには戦略的に考えなくてはならない。

ちなみに車両重量は「競技重量」と呼ばれるドライバー込みの数値だ。ということは、仮にドライバーの装備重量(ヘルメットなど込み)が80kg付近、許可されているバラストは25kgが最大と決まっているため、車体の設計的には1200kg近辺を狙うことになる。

ところがこれを大きく上回りながらも健闘したのが第3戦の筑波で2021年第10戦オートポリス以来となる決勝戦まで勝ち上がった上野。彼のレクサスRCは全参加車両で最重量の1381kgだ。

連続最多出場記録の保持者でもあり23年ぶりの優勝を期待させた彼いわく「JZZ30、E92、そしていまのRCまで、いつもウチが最重量じゃないかなぁ」とのこと。

ほとんとの参加者にとって軽量化は勝つためのマシンメイクの最重要項目だけど、彼にとってのそれはつねに「個性的でカッコいいこと」なのだ。

筑波の第3戦では23年ぶりの優勝なるか?と期待をもたせたが結果は残念ながらアクセルの不調で2本目を走れず通算5度目となる準優勝に終わった。

第3戦の決勝戦は1381kg(上野RC)と1230kg(齋藤GRスープラ)の対決。勝敗は上野RCのスロットルトラブルで決着がついたとはいえ、搭載エンジンはともに2JZ改1000馬力オーバー、タイヤはシバタイヤの285幅でほぼおなじスペック。150kgも重い上野がいかに健闘したかわかろうというもの。

D1GPの使用できるタイヤのルールは、車重1275kg未満は265幅まで、1275kg以上は285幅までとなっている。重要な項目なので車重測定は1戦ごとに実施されている。これにドライバーの装備重量をプラスしてタイヤの幅が決まる。なお、競技車両重量(ドライバー込み)で1000kg以上がルール。バラスト(重り)は25kgまで搭載できる。写真の米内は今年から参戦のルーキーで、彼の180SXは車重単体で1200kgを切っていた。

体重測定も超重要!

D1GPでは競技開始まえにドライバーは装備一式を持って体重測定を受けるのが義務となっている。100kgオーバーがひとりいるんだけど個人の名誉のために伏せておこう。

最軽量は田所AE86

上野に継ぐ最多出場の田所が駆るAE86は1011kg。AE86ひとすじ23年でエンジンはSR20DET改VEヘッドの2.2l仕様680馬力。265幅のハビリードS30000を履く。

265幅にこだわる加納シルビア

今年はD1GP2年目の加納が駆るS15シルビアは車両単体で1239kgだけどあえて265幅をチョイス。2JZ搭載とはいえ3.1l仕様で800psも出ておらず、さらにはデフが純正なので保護も考え285幅の高トラクションを捨てる考えだ。

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