D1GP RD.9 お台場 詳細レポート

2023 GRAN TURISMO D1 GRAND PRIX SERIES RD.9 ODAIBA
2023年グランツーリスモD1グランプリシリーズ第9戦 お台場
開催日:2023年11月11日(土)
会場:お台場特設会場
コースコンディション:ドライ
延動員数:無料エリア 12,843名(日曜日のみ) / 有料エリア 6,019名 (関係者含む3日間合計)

波乱の第9戦は藤野が中村に勝って優勝!


第9戦 単走決勝

Tanso 1st Place
石川 隼也
広島トヨタ team DROO-P
HT・DUNLOP・86 (ZN8)
Tanso 2nd Place
北岡 裕輔
MARKⅡ (JZX100)
Tanso 3rd Place
藤野 秀之
GR86 (ZN8)

高いレベルのコントロールで石川が単走初優勝

 第9戦の舞台は、5年ぶりの開催となったお台場。コースのレイアウトは奥伊吹と近いものになり、複合コーナーとなる1~2コーナーとヘアピンをS字区間でつなげたレイアウトとなる。広くはないコースだが、単走通過レベルの選手なら進入スピードは100km/hを超えてくる。

 未明の強風の影響でテントが飛ばさるなどした影響で、予定より1時間半ていど遅れて競技がスタートしたが、競技開始時点では風は弱まっていた。

 まずAグループの石川が、迷いのない振り出しから大きな角度と安定したコーナリングで99.16点をマークし、トップに立つ。おなじくAグループの北岡が躍動性の高い鋭い振り出しを見せて99点を超えてきたが、石川にはおよばない。またおなじくAグループの藤野がクイックな振り出しや、ヘアピンでの安定したドリフトで点をかせいで98.71点を出して3位につけた。

 けっきょくBグループ以降でこの3人をうわまわる走行は出ず、このAグループの3人がそのまま単走のトップ3となった。なお石川はD1グランプリシリーズでの単走初優勝となった。

加速区間には右の直角コーナーが入る。通過指定ゾーンは第2セクター、第3セクター、第5セクターの計3ヶ所に設定された。
開幕の奥伊吹以来の出走となった齊藤(悠)は、キレのいい振り出しや大きな角度で点をかせぎ、追走進出を果たした。
1本目の前半はよかった横井だがヘアピンでミス。抑えていった2本目の走りでは高得点をとるにはいたらず敗退した。
2本とも振り出しがスパッと決まらなかったり、コーナリング時の安定性に欠けるなどして川畑は単走敗退となった。
奥伊吹以来の参戦となった波紫。不完全だった奥伊吹よりは車両を仕上げてきたが、単走通過にはいたらなかった。
練習走行では高得点を連発していた粂だったが、本番は2本とも1コーナーでオーバーランしてしまい、敗退となった。
Pos. Gr. No. Driver Car Best Score 2nd Score
1 A 33 石川 隼也 ZN8 99.16 98.57
2 A 52 北岡 裕輔 JZX100 99.07 98.05
3 A 66 藤野 秀之 ZN8 98.71 98.48
4 C 31 蕎麦切 広大 Q60 98.47 97.67
5 C 77 松山 北斗 A90 98.41 97.56
6 C 79 目桑 宏次郎 E92 98.16 94.94
7 B 2 田中 省己 S15 98.10 96.24
8 C 46 末永 正雄 S15 97.97 97.14
9 B 69 秋葉 瑠世 S15 97.93 96.74
10 B 11 村上 満 ZN8 97.86 95.24
11 D 7 松井 有紀夫 FD3S 97.69 97.45
12 D 29 齊藤 悠史 S15 97.68 97.36
13 B 99 中村 直樹 ZN8 97.62 97.22
14 A 51 岩井 照宜 FC3S 97.57 96.94
15 B 93 加納 広貴 S15 97.49 0.00
16 D 18 日比野 哲也 ZN8 97.48 97.36
▲追走トーナメント進出▲
17 A 9 山本 航 S15 97.42 97.37
18 D 70 横井 昌志 S15 97.42 96.49
19 B 56 森 孝弘 RPS13 97.35 97.03
20 C 78 上野 高広 GSC10 97.21 90.51
21 A 6 内海 彰乃 S15 97.12 96.89
22 A 98 ヴィトー 博貴 PS13 97.01 96.38
23 A 8 粂 哲也 S15 96.98 70.20
24 A 23 下田 紗弥加 S15 96.91 77.71
25 C 95 Daychapon Toyingcharoen S15 96.80 94.39
26 D 75 畑中 夢斗 JZX100 96.75 44.29
27 B 89 Lattapon Keawchin ZN8 96.66 95.43
28 C 27 茂木 武士 S15 96.66 94.23
29 D 45 Chanatpon Kerdpiam S15 96.65 93.97
30 C 16 山口 孝二 E92 96.44 91.78
31 B 39 長井 利樹 PS13 96.35 95.32
32 D 12 久保川 澄花 RPS13 96.03 95.81
33 C 88 川畑 真人 ZN8 95.98 92.76
34 B 63 Konpichit Toyingcharoen RPS13 95.87 94.08
35 D 86 笹山 栄久 ZN8 95.84 93.52
36 D 55 松川 和也 AE85 95.53 0.00
37 C 87 齋藤 太吾 A90 95.38 91.66
38 B 43 田所 義文 AE86 95.14 41.64
39 D 90 最上 弦毅 A90 94.85 78.40
40 A 84 波紫 聖和 ER34 73.86 70.65

第9戦 単走優勝

石川 隼也

広島トヨタ team DROO-P
HT・DUNLOP・86 (ZN8)

 練習から「お、このコース、パワーいらんやん」って思って、いつももうほんまにドリフトするのがしんどかったんで、 このコースは、昨日は雨やったんすけど、ぜんぜんパワー的な問題がなかったんでよかったです。

 考える余裕があったんですよね。いつもみたいにギリギリを狙っていくんじゃなくて、どうやって点数上げていこうか、みたいな余裕があったんで、アクセルに。そこがデカいっすね。それで練習のときのDOSSの点数見て、低いところをあげようかっていう、ちょっとそれがマッチしただけです。

 (狙い通り自分としてもできていた?) わりといいかんじにはなったんですけど、1本目に5セクターがちょっと微妙やったんで、2本目はそこをちょっと上げたろうと思って行ったら、ほかのとこがちょっとダメになって、5セクだけ上がるっていうね(笑)。

 (1本目は何%ぐらいで行った?) もうね、パーセンテージっていうよりも、もう結果を出すならここのコースしかないっていう。きっちり、きっちり。もう狙うとかじゃなくて、きっちり走ろうみたいなってかんじですかね。点を取りに行くというかんじで。

 (それで2本目は5セクターを上げようと思ったけど) そう。ちょっと進入が舞い上がっちゃって、ちょっと落ちて。やっぱ進入が落ちると全体的にもちょっとミスというか修正が入るんで、 そこがちょっと残念やったですね。

 (走行前には自信あった?) ベスト16に残る自信はありました。単走1位は考えてもなかったです。

 (単走優勝した心境は?) よっしゃ、追走できる!っていう。たぶんね、ほかのコースとはちがってコテンパンにされることはないんじゃないんかなっていう期待を持ってます。


第9戦 追走トーナメント

Final Battle
中村 直樹 (ZN8) vs 藤野 秀之 (ZN8)
先行時のゾーンはずしで集中力が切れてしまったという中村は、2本目にも精度の高い後追いをすることができなかった。

藤野が宿敵・中村を倒してポイントでも猛追

 低速コースだけあってベスト16から接近ドリフトが連発した。秋葉、中村、北岡、藤野、目桑らが後追いポイントで10以上を獲得。ポイント上位5名のなかでは、2位にいた蕎麦切が首位の中村に敗れて後退した。

 ベスト8ではポイント4位の松山が中村に、同3位の田中も北岡に敗れて後退した。

 ベスト4に勝ち上がったのは石川、中村、北岡、藤野。ポイント首位の中村と、それを9ポイント差で追う5位の藤野が残っている。

 まずは石川と中村が対戦。1本目先行の石川もいい走りを見せたが、中村が終始ビタビタの後追いで14.5の後追いポイントをゲットする。石川も近いドリフトを見せたが、中村にはおよばず、中村が勝った。

 北岡と藤野の対戦は、ウォームアップ時に北岡の車両に駆動系トラブルが発生。直すことはできずに、藤野の勝ちとなった。

 決勝は中村vs藤野。ふるくはD1ストリートリーガル時代からバチバチに戦いつつ、通算では中村の勝ち星が先行している対戦カードだ。1本目は中村が先行。藤野のドリフトも近かったが、中村はゾーン1をはずしてしまい、2点の減点を受ける。藤野が11.5のアドバンテージ。2本目は藤野が進入で少し調整を入れたもののゾーン1をきっちり通過。中村は2コーナー奥ではみ出すなどしてリズムを崩し、逆転はならず、藤野の優勝が決まった。これで中村はポイント首位をキープしたものの、藤野が3ポイント差まで追い上げる形となった。

Semi Final Battle
石川 隼也 (ZN8) vs 中村 直樹 (ZN8)
後追い時に終始近い距離を保った中村に対し、石川はS字区間で中村にいったん距離を開けられてしまった。
Semi Final Battle
北岡 裕輔 (JZX100) vs 藤野 秀之 (ZN8)
ウォームアップ走行で北岡の駆動系にトラブル発生。かろうじて動くことはできたが、まともに走ることはできなかった。
Pick Up Battle
石川 隼也 (ZN8) vs 秋葉 瑠世 (S15)
ベスト8、1コーナーから猛烈な寄せを見せた秋葉だったが、そのあとのヘアピンでスピンしてしまい敗退となった。
Pick Up Battle
北岡 裕輔 (JZX100) vs 田中 省己 (S15)
ベスト8、おたがいに後追いから近いドリフトを見せたが、田中が先行時、後追い時ともにミスをして北岡の勝ちとなった。
Pick Up Battle
藤野 秀之 (ZN8) vs 目桑 宏次郎 (E92)
1本目には12の後追いポイントを獲得していた目桑だったが2本目の先行時に駆動系トラブルを起こし、藤野が勝った。
Pick Up Battle
北岡 裕輔 (JZX100) vs 加納 広貴 (S15)
ベスト16、所沢出身の師弟対決となった北岡vs加納の対戦は、北岡が先行でも後追いでも圧倒し、師匠の面目躍如となった。

第9戦 優勝

藤野 秀之

TEAM TOYO TIRES DRIFT
TEAM TOYO TIRES DRIFT GR86 #66 (ZN8)

 (今日は自信もあった?) 自信はないということもないんですけど、やっぱり不安はあるじゃないですか、常に。負けたらどうしようとか、そういう不安はやっぱあるんで、自信はあっても不安もあるんで、その不安がいい方向に行くときと悪い方向に行くときがあると思うんですけど、今日は自分に風が吹いてたんで、いい方向に行きました。

 (中村選手との対戦はどういう心境?) やっぱ中村選手は上手いじゃないですか。負ける率ってめちゃめちゃ高いから、不安は不安なんですけど、まあ、それもラッキーですね。けっきょく明日で終わるわけじゃないですか、シリーズが。というなかで、ここで気力で負けてると、まちがいなく負けて、また点数差が開くんで、 それはぜったい避けたいと思ったので、スイッチ入ったっていうか、もうやれることは全部やろうって思いました。ただ、暗くて見えないのが……(苦笑)。

 (後追いの出来としては、自分としては?) 運もあったし。まあでも出来としても悪いわけでもなかったんで、とりあえず見せられるものをきっちり見せようって思いました。

 (先行は?) ちょっと暗くて、奥が見えないんですよ(苦笑)。 ゾーンがわからないんで、どうしても振り出していって、その瞬間に「あ、もうちょっと奥だった」って。だから、ちょっと修正してるんです。

 (これで3ポイント差。意識は?) 意識はします。

 (以前チャンピオン獲ったときはポイントリーダーでの最終戦でしたが?) そうですね。今回は逆に追う側なんで気はラクです。せっかくなんで獲ります。


第9戦 2位

中村 直樹
TEAM VALINO × N-style

第9戦 3位

石川 隼也
広島トヨタ team DROO-P

第9戦 優勝チーム

TEAM TOYO TIRES DRIFT

第9戦 ベストメンテナンス

HIRANO TIRE ★ VALINO RACING

第9戦 最終順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarModelTsuiso PointsTanso Points
166藤野 秀之TEAM TOYO TIRES DRIFTGR86ZN8252
299中村 直樹TEAM VALINO × N-styleGR86ZN821 
333石川 隼也広島トヨタ team DROO-PGR86ZN8184
452北岡 裕輔TEAM MORIMARKⅡJZX100163
577松山 北斗+LenoRacing watanabeGR SUPRAA9013 
679目桑 宏次郎TMS Racing Team G-meisterE9212 
72田中 省己SHIBATIRE RACING SEIMI STYLE DSILVIAS1511 
869秋葉 瑠世Z CHALLENGER × BOOSTARSILVIAS1510 
931蕎麦切 広大SHIBATIRE RACINGQ60Q6081
1046末永 正雄D-MAX RACING TEAMSILVIAS157 
1111村上 満Repair Create × 326powerGR86ZN86 
127松井 有紀夫TEAM RE雨宮 マツモトキヨシ APARX-7FD3S5 
1329齊藤 悠史CAR SHOP GLITTER × Carlife ORANGE × Next DreamSILVIAS154 
1451岩井 照宜RS Watanabe SPEED MASTERRX-7FC3S3 
1593加納 広貴HIRANO TIRE ★ VALINO RACINGSILVIAS152 
1618日比野 哲也SHIBATIRE RACINGGR86ZN81 

第9戦 単走順位&ポイント

Pos.No.DriverTeamCarModelPoints
133石川 隼也広島トヨタ team DROO-PGR86ZN820
252北岡 裕輔TEAM MORIMARKⅡJZX10016
366藤野 秀之TEAM TOYO TIRES DRIFTGR86ZN815
431蕎麦切 広大SHIBATIRE RACINGQ60Q6014
577松山 北斗+LenoRacing watanabeGR SUPRAA9013
679目桑 宏次郎TMS Racing Team G-meisterE9212
72田中 省己SHIBATIRE RACING SEIMI STYLE DSILVIAS1511
846末永 正雄D-MAX RACING TEAMSILVIAS1510
969秋葉 瑠世Z CHALLENGER × BOOSTARSILVIAS158
1011村上 満Repair Create × 326powerGR86ZN87
117松井 有紀夫TEAM RE雨宮 マツモトキヨシ APARX-7FD3S6
1229齊藤 悠史CAR SHOP GLITTER × Carlife ORANGE × Next DreamSILVIAS155
1399中村 直樹TEAM VALINO × N-styleGR86ZN84
1451岩井 照宜RS Watanabe SPEED MASTERRX-7FC3S3
1593加納 広貴HIRANO TIRE ★ VALINO RACINGSILVIAS152
1618日比野 哲也SHIBATIRE RACINGGR86ZN81

第9戦 チーム順位&ポイント

Pos.No.TeamDriverPoints
166TEAM TOYO TIRES DRIFT藤野 秀之26
299TEAM VALINO × N-style中村 直樹20
333広島トヨタ team DROO-P石川 隼也15
452TEAM MORI北岡 裕輔10
577+LenoRacing watanabe松山 北斗6
679TMS Racing Team G-meister目桑 宏次郎6
72SHIBATIRE RACING SEIMI STYLE D田中 省己6
869Z CHALLENGER × BOOSTAR秋葉 瑠世6
931SHIBATIRE RACING蕎麦切 広大3
1046D-MAX RACING TEAM末永 正雄3
1111Repair Create × 326power村上 満3
127TEAM RE雨宮 マツモトキヨシ APA松井 有紀夫3
1329CAR SHOP GLITTER × Carlife ORANGE × Next Dream齊藤 悠史3
1451RS Watanabe SPEED MASTER岩井 照宜3
1593HIRANO TIRE ★ VALINO RACING加納 広貴3
1618SHIBATIRE RACING日比野 哲也3

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